Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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プレシーズンマッチ 名古屋×岐阜 @豊田スタジアム
 昨日に引き続きカテゴリーをまたいでハシゴ観戦。今日は偶然にも二試合とも赤と緑の対戦になった。というわけでまずは10:00からトヨスポで行われたユースと作陽高校のトレーニングマッチ。

 名古屋のスタメンはこんな↓感じ。

    10   11

9   27   12   6

7   19   4    2

       16

 昨日のエントリーの中で「鉄板」と書いた2トップに新たな試み。ジャパンユースの開幕と時を同じくしてずっとトップチームのキャンプに加わっていた矢田がチームに再合流しFWで起用されているのはちょっとしたサプライズだった。比べるものではないが、もし朴前監督が今年も続けていたら絶対に有り得なかったであろうこの起用法には小川新監督のカラーの一端が表れているのかもしれない。そして10番を背負うこの小柄なレフティーが前線で起用されている光景を俺なんかがなんとなく感覚として理解出来るような気がするのは、久米GMが「存在しない」と言い切る「これが名古屋のサッカーというスタイル」がそこで長い期間プレーしてきた小川のような生え抜きやある程度の観戦歴があるファンの中には実は残像のように脈々と受け継がれているからだと俺は思っているのだが、その話はまた改めて。

 最近のユースの試合のメンバー構成を見ていると4月にドイツに行く18人はかなり絞られてきたような感じもするが、上級生を中心としたU-18のメンバーによる試合は内容についてもある程度計算が立つようになってきた。これは例えば先週御殿場で行われた星稜高校とのダブルヘッダーにおいても顕著で、(ポジションなどでテスト的な要素があったとは言え)大敗を喫したU-17のチームを尻目にU-18の方は終始ゲームを支配出来ていたし、今日の作陽とのトレーニングマッチでも安定したゲーム運びが出来ていた。
 とは言え、先週の星稜との試合ほど優位にゲームを進められていたわけでもない。最終ラインで落ち着いてボールを回しながらタテにもよくボールが出るが、ソリッドな守備組織を築く作陽はこのボールを狙っていた。奥村へのクサビのボールに対してはそもそもパスコースが消されているし、それ以外のコースを見つけてタテにボールを入れても厳しい寄せでなかなか基点を作らせない。そして作陽は奪ったボールを大きく開いているサイドハーフ(作陽の十八番とも言える4-2-3-1の「3」のアウトサイド)にダイアゴナルなサイドチェンジを入れて逆サイドの裏を狙わせる戦術を徹底していた。そして左サイドから大きく展開されたボールを受けた作陽の右サイドの選手が岩田に1対1を仕掛けると、振り切られそうになった岩田がペナルティエリアに入ったところで堪らずファール。相手にPKを与えてしまった。このPKは古川が抜群の反応でストップしたものの、同じような展開から何度となく1対1を挑まれていた岩田はもっと落ち着いて対応すれば大丈夫なのに・・・と思えるシーンもあったし、カバーリングやボールサイドへのスライドなども含めた4バックのラインコントロールはまだまだこれから整備されていくであろう部分が多そうだ。一方で左サイドでは今シーズンからSBにコンバートされた中野が元来持ち合わせているスピードに加えて身体が随分と強くなった印象(と言っても俺が以前に中野を見たのは一年生の時だが)で1対1に抜群の強さを見せている。このコンバートは意外と当たりかもしれない。
 その後名古屋は中盤でのパス交換からDFラインの裏へと飛び出した三浦俊にパスが出て、一気に加速して抜け出した三浦俊がGKも外してシュートを流し込み先制に成功すると、相手が前に出てきたせいもあってようやくタテパスが収まるようになり、そこを基点としてチーム全体に連動感のようなものが生まれ始めた。小川監督から2トップに対してタテの関係になってみてはどうかというアドバイスもあり、2トップ自身も話し合ってポジショニングを含めた関係性を見直した影響もあったのかもしれない。そしてボールとは逆サイドでフリーになっていた矢田がDFラインの裏に抜けながらダイアゴナルなパスを受けると飛び出してきたGKを落ち着いて交わして追加点。名古屋のリードは前半のうちに2点に広がった。

 後半頭からは今日は第二試合に登場するものだとばかり思っていた高原が登場し矢田と2トップを組んだ。矢田と高原というのも意外な取り合わせだが、それにしてもこのチームには小柄でテクニカルなレフティが多い。矢田、高原、小幡、中野、加藤翼(新二年)、都竹・・・それぞれが違う高校チームに所属していれば、全員が全員「○○高校のメッシ」と呼ばれて10番を背負っていてもおかしくはない選手達。

    21   10

9    6   12   3

7    5    4   2

       1

 名古屋は奥村がいなくなったことで再びクサビのボールが収まらなくなった。トップチームのキャンプで揉まれひと回り逞しくなったような印象も受ける矢田だが、やはり前を向いてボールを持たせた方が力(持ち味)を発揮できる選手で、チームのコンセプトは一旦置いておいてそんな矢田の特徴を生かすのであれば、去年もやっていた左SHかCHで起用するのが良いような気がする。その点高原は矢田とほとんどサイズは変わらない(むしろ線は少し細い)ものの、ずっとCFをやってきただけあって大柄な相手を背負ってもボールを受けられるしそうした状況でもしっかり特徴を発揮できる。なかなかリズムが出なかった後半のチームにあっても三度ぐらい決定機を作っていたあたりはさすがとも言える。ただ学年は関係なくチームのエースと見なして敢えて言うならばそのうちひとつはゴールに結びつけて欲しいところ。試合はその後も負けている作陽がどんどん前掛かりになってきたことで高原だけでなく矢田も作陽DFラインの裏を取ってチャンスを作るシーンが時間とともに増えていったが、両チームともに得点には至らずそのまま終了のホイッスルを迎えた。

 あとこの試合を見ていて気付いたのは、コーナーキックのディフェンスがトップチームさながらのゾーンディフェンスになっていたこと。他チームに対して高さで利があるトップチームならともかく、どちらかと言えば小柄な選手が多いユースで同じ手法を採用するのはどうかとも思うが、導入後慣らし期間が短いということもあってか、「ボールを見ろ」とか(センターサークルに残る小幡(後半は高原)に対して)「確認しろ」といった指示がベンチから頻繁に飛んでいた。今年はこの守備戦術が定着していくのかも含めて見守っていきたい。

 というわけで、二週間前にも見ている帝京との試合はキャンセルしてそのまま豊田スタジアムへ。
 Jで最も遅いチーム始動から指宿でのキャンプを経て地元へと帰還を果たした名古屋にとっては、二年半もの間チームの最前線で身体を張り続けたヨンセンに代わり三顧の礼をもって迎え入れられたダヴィ、そしてチームが待望していた右SBの田中隼麿といった新戦力がどれぐらいチームに馴染んでいるかが最大のポイントだろうか。ピクシーは「やることは変わらない」と言うが、出口(フィニッシュ)が変わればプロセスが変わるのは必然でもあり、また一見些細なことに思えるディテールの違いが実は大きな影響を与えたりもするから見逃せない。

 名古屋は新加入のダヴィと田中そして代表から帰って来た玉田も先発に名を連ねるが、逆に昨シーズン終盤に足首を負傷し手術を行った楢﨑と、SBというハードなポジションで昨シーズンのリーグ戦全試合先発出場を果たし12月25日の天皇杯を戦った後ろくな休みも取らないまま年明けには代表召集という無茶なスケジュールに晒されていた阿部がついに壊れて欠場た。これまで“岡田ウィルス”とは無縁だった名古屋にもついにその影響が及び始めた。名古屋がこのシーズンオフに補強したダヴィや田中は、ピクシーが思い描くサッカーを実現するために既存のある程度計算できる戦力がいるところに敢えて行われた補強だが、俺は昨シーズンから阿部のバックアップこそが名古屋にとっては最も重要な補強ポイントだと考えていた。左SBにはU-20日本代表に名を連ねる佐藤などもいるが、阿部がこのチームでこなしている役割の重要度はかつてレアルマドリーやフランス代表でジダンが担っていた役割(の重要度)にすら匹敵する。実際長短のパスを蹴り分けて前線にボールを供給し、前にスペースがあれば自らドリブルでボールを前に運んでいく阿部はポジション登録こそDFだが時としてクラシカルなゲームメーカーのようだった。その意味では阿部の代わりに左SBに抜擢されたルーキーの平木にかかる期待も大きい。

 試合は前半から膠着模様。そしてそこには昨年の天皇杯で岐阜に苦戦した時と同様阿部の不在を感じずにはいられなかった。いかに大学サッカー界屈指のコンダクターと言えどもルーキーの平木に阿部の代役はさすがに荷が重い。守備については本職の阿部ですら一年目は全く使いものにならなかったぐらいなので仕方ないとして、問題はボールを持った時だ。ピッチ状態も決して良くはなかったので少しナーバスになっていた部分もあるのだろうが、何度かミスが続くとどんどん消極的になり近くにいるマギヌンに預けるだけのようなプレーへとシュリンクしてしまった。ルーキー時代の阿部も守備はからっきしだったが、それでもデビュー戦では持ち味の一つである目の醒めるようなサイドチェンジを何度か決めて、その存在を観客対して十分アピールしていた。新人のミスひとつひとつに溜め息をついて無言のプレッシャーを与えるスタジアムの雰囲気も考えものだが、プレシーズンマッチとは言えピッチ上に何も残せなかった平木にはもう少しチャレンジして欲しかった。正直このままでは使えないが、本来の中盤に戻ってのプレーで捲土重来となることを期待したい。
 とは言え凡戦の原因をルーキー一人に押しつける気はさらさらなく、そこはむしろ(「継続」と言えば聞こえはいいが)去年から全く進歩のない中盤(のセンター)での構成力のなさが際立っていた。それがチームの戦術だからと言われれば返す言葉もないが、トップへのクサビのボールを遮断され、両サイドハーフがマークを外せていない状況で局面を打開するにはやはり彼等の力が必要だ。橋本や平木といった大卒の即戦力ルーキーを中盤に補強した今年、この試合でも終盤に内側に絞って良いプレーを見せていた小川をセンターにコンバートするという俺が温め続けている案を実行に移すにはもってこいの状況だが・・・。

 そんな中良い意味で目立っていたのは山口K。中盤でボールを持った時はもう少しゲームをコントロールするような気概を見せて欲しかったし平木へのサポートも足りなかったが、持ち味とする前のスペースへと出て行くプレーは随所に見せていて、こうした動きは相手の守備ブロックを崩せず膠着した試合の中では中村のように一発のスルーパスを狙うよりもずっと実効性が高いとも言える。そしてダヴィのシュートがポストに跳ね返ったところをプッシュした先制点は決して運が良かったからではなく、生まれるべくして生まれたゴールだった。2002年のナビスコカップ(浦和戦)でいきなり2ゴールの華々しいデビューを飾った山口Kについて、俺がブログ開設当初から力説しているワンタッチゴーラーとしての才能(資質)について賛同者は一向に現れる気配はないが、神より与えられし得点感覚を持っている山口Kはヨンセンがいなくなった今シーズンのキーマンの一人と俺は思っている。これまではヨンセンひとりに負う部分が大きかったボックス内でクロスボールに合わせるフィニッシュを、ヨンセンからダヴィへの移行によってその精度が落ちる分、名古屋はボックス内に人数を増やすことで補っていかなければならない。そうした時に独特の嗅覚(ポジションセンス)を誇る山口Kが台頭してくるのは必然でもある。
 例えば開幕戦で当たる大分。ナビスコカップ準決勝の2ndレグやリーグ戦最終節でどうしても崩せない「カメナチオ」に対して、ピクシーはヨンセンに加えて巻を前線に投入するパワープレーをもって力づくでこじ開けに行っていた。もちろんこれは相手のファールの多さ(すなわちセットプレーのチャンスの多さ)を計算に入れての采配だが、競り勝てないまでもしっかりと体を寄せて来る大分のDFに対してドンピシャのヘッドがそのままゴールに突き刺さる可能性は極めて低かった。当時も書いたが俺はあの場面でこそ巻ではなく山口Kを投入すべきだったと思っている。あの場面では空中戦で競り勝てる選手を増やすよりも、あらかじめ良いポジションに入ってヨンセンや増川が競ったボールに反応しワンタッチでゴールに押し込む選手こそが必要だった。今シーズンはそんな山口Kの才能が開花するかもしれない。

 メンバーが入れ替わることに伴う意外な盲点であり懸案材料でもあったセットプレーの守備では、昨年と同じ布陣のままでニアサイドがヨンセンからダヴィに代わり一番外が竹内から田中にそのまま置き換えられていた。ヨンセン、バヤリッツァ、増川、竹内と並んだラインがダヴィ、バヤリッツァ、増川、田中に代われば高さと強さでは間違いなくマイナス。この試合ではとりあえず無難にこなしていたが、シーズンが始まれば対戦相手も穴や癖を研究して揺さぶりを掛けて来るだろう。そんな時にピクシーがどういった対処を施してくるのかに注目したい。
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by tknr0326g8 | 2009-02-22 23:59 | Game Review
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