Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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ACL 第1節 名古屋×蔚山 @BS朝日
 立ち上がりの名古屋のパフォーマンスは正直ガッカリさせられるものだった。先週末にリーグ開幕戦を戦っている名古屋に対して、相手の蔚山はKリーグのイレギュラーな日程の影響でこの試合が今シーズン初の公式戦になるという。同じようなシチュエーションで思い出されるのは昨シーズンの6月にW杯予選に伴う一カ月近い中断を経て再開されたJリーグで、延期されていた試合の消化でひと足先にリーグ戦を再開していた鹿島に対して試合勘で大きく劣る名古屋は0-4という大敗を喫した。今回の名古屋は移動日込みの中二日という強行スケジュールだが、この試合勘という部分では蔚山に対して大きなアドバンテージがあるはずで、それはすなわち立ち上がりに試合を決めてしまうぐらいの集中力が必要だったということでもある。
 しかし蓋を開けてみれば名古屋は集中するどころか蔚山のペースに合わせてしまい、挙句セットプレーから失点(先制点)を喰らうという最悪の展開、全くペースを掴むことなく前半を終えたのだった。そんな試合を見ながら俺の脳裏によぎったのは昨年の天皇杯・準々決勝のG大阪戦で、FCWCのハードな連戦を終えたばかりで明らかに身体が重そうなG大阪に対して、名古屋はそれに合わせてスローペースで試合に入りアッサリ先制を許すとそのままゲームをコントロールされてしまった。今回は最終的には逆転も果たしたし、チームがその当時から(編成的な部分も含めて)成長して(強くなって)いないとは言わないが、少なくともかつての教訓から何も学んでいないことだけは確かだ。

 今後も続く過密日程を考慮してか、名古屋はJリーグの開幕戦から二人のメンバーを入れ替えてこの試合へと臨んできた。CBではバヤリッツァに代えて吉田、左SBでは竹内に代えて佐藤といういずれも20歳以下の二人が先発。吉田の場合は昨シーズンも一時期は完全なレギュラーとして定着しており、増川も含めた三人でターンオーバーしていくことに何の違和感もないが、Jリーグでの出場経験がない佐藤の起用については随分と思い切ったなという印象だった。プレシーズンで試していた平木や開幕戦で使った竹内も決して満足のいくようなパフォーマンスは見せられていなかったが、佐藤の場合はまた特徴も違いどうなるのかという予想は俺にも全くつかなかった。

 そして試合はそんな佐藤の積極果敢なオーバーラップで幕を開ける。左SHに入るマギヌンは元来単独突破を図るタイプではなくボールをキープして攻撃に変化を付けたりタメを作ったり出来る選手なので、佐藤のようなタイプとの相性は決して悪くはないはずなのだが、それが再確認できたようなシーンだった。まだまだ攻守の切り替えが遅いシーンも見られ、スローインをはじめプレーが少し雑になるシーンも目立った佐藤だったが、自らの長所を発揮しようという積極性は垣間見えたのは収穫だ。
 しかしそんな若手の頑張りも虚しく玉田がGKとの1対1を止められたあたりから試合は徐々に蔚山のペースへと移っていく。昨シーズンのレビューの中でも何度か書いたが、「モダンフットボール」を謳いつつもちっともコレクティブじゃない名古屋の中盤の守備は、ボールを動かすことに長けたチーム(選手)には滅法弱い。広大な中盤のスペースを二人で見なければならない守備的なWボランチは前(2トップ)後(DFライン)左右(両SH)からのサポートにも恵まれずひたすらボールを追っ掛けて走り続けている。それはすなわち前にプレッシャーを掛けに行ってボールを奪えなければ背後にスペースを空けることを意味し、そこにパスを回されるとチームは一転大ピンチに陥ってしまうことを意味している。そしてこの試合では蔚山の中盤の底に入っていた6番と、名古屋の中盤とDFラインの間に立っていた7番の両外国人に自由なプレーを許していた(ほとんど遊ばれていた)名古屋はそこを基点として何度か危ないシーンを作られていた。このチームには数的不利の中盤で走り回るWボランチの穴埋めに最終ラインから誰かが加わる発想はないし、またフラットに並ぶWボランチは互いの間ですらカバーの意識は希薄だ。

 この試合は両チームの得点4が全てセットプレー(及びその流れ)という意味でも特徴的だった。
 前半に失った先制点は、コーナーキックからニアサイドでスラされゴール正面で蹴り込まれたもの。ラインを作ってゾーンで守る名古屋にとってはゾーンから外れたニアやファーは泣き所であり、そこを突かれたのだから致仕方ない部分もあるが、それにしてもこの失点シーンでは名古屋のラインの作り方(ゾーンの敷き方)がニアサイドを空け過ぎてたし、バランスに欠けた名古屋のゾーンディフェンスに昨シーズンまでのような安定感は結局最後まで見られなかった。セットプレーをゾーンで守る以上、ポジショニングは生命線であり、名古屋は一刻も早くこのズレを修正しなければならない。
 後半に名古屋が奪った三点も、土曜日の大分戦のレビューの中で俺が「一向に入る気がしない」と書いたセットプレーから。ただこれは相手の足が止まってほとんど棒立ちだったこととを考えると根本的な解決にはなっていないしあまり楽観的にばかりも考えてはいられないと俺は思う。ゴールを決めた吉田やマギヌンが見せた(技術や戦術などとは違う次元で必要な)怖がらずにボールへと飛び込んで行く姿勢や、ピンポイントで合わせた小川やマギヌンや玉田のキックは素晴らしかったが、大分戦のレヴューでも書いた通りキッカーが「点」で合わせているうちはセットプレーからの得点量産はなかなか難しいだろうし、今後は主にキッカーを中心として名古屋のセットプレーがどのように精度と得点力を増していくのかに注目していきたい。

 あと名古屋で特筆すべきは今季から名古屋に加わった右SBの田中。噂通りの尽きることない運動量で攻守に味方をサポートしていた。田中の攻め上がりがなければ名古屋の攻撃はもっと行き詰っていただろうし、田中の落ち着きがなければ所々に不安定さを垣間見せていた若いDFラインはもっと混乱していたかもしれない。やはりちょっとモノが違うという感じだが、早くもチームにとって欠かせない存在になりつつある田中がもっとチームに馴染んで決定的な仕事をしてくれる日が今から待ち遠しい。
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by tknr0326g8 | 2009-03-12 01:53 | Game Review
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