Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2009 第5節 名古屋×浦和 @スカパー 
 大迫と原口、未来の日本代表を背負って立つかもしれない二人のティーンエイジャーが揃ってJ初ゴールを挙げた記念すべき一日に、そのどちらかにLIVEで立ち会えただけでも今日はよしとしなければならないのかもしれない。
 当初は久保(明治)と酒井(駒澤)のユースから続くライバル対決を観に多摩(関東大学リーグ)に行こうと思っていたのだが、たまには他人行儀にJを観戦してみるのも悪くはないかなというわけで、直前にチケットが回って来た味スタへ方向転換。ここではレフェリーの微妙なジャッジにイライラすることもなく、むしろ自分達(が応援するチーム)にとって少しでも不利な判定があると過剰に反応するファンの様子に対しては「こんなリアクションしてちゃレフェリーにプレッシャーを与えるどころか逆に(レフェリーに「こいつら素人だな」と)ナメられるのがオチだ」という感想を抱いたほど。そしてともに日本代表経験がある今野と羽生をWボランチに据えながらどうにも中盤のバランスが悪いFC東京を見ていると、いつもムラムラコンビに対して抱いているストレスも幾らかも緩和され、あまり贅沢ばかり言ってられないという戒めが俺自身の中に生じたのだった。味スタから直帰してTV観戦した名古屋と浦和のゲームで「悪魔の笛」を持つ男・家本がカードを乱発しても、名古屋のサッカーが個人技頼みでちっともコレクティブじゃなくても、必要以上に動揺することなく淡々と観戦することが出来たのはそんなことが影響していたのかもしれない。

 火曜日のACLで最低のパフォーマンスを披露していた名古屋は、阿部、吉村、増川が先発に復帰。しかしチーム状態は決して良好とは言えず、頼みのダヴィも相手チームのマークが日に日に厳しくなっていて公式戦は3試合ゴールから遠ざかっている。浦和がいくらチーム再建中であるとは言え、抱えている選手の能力を考えればこの試合で名古屋の苦戦は免れず、唯一ポジティブになれる要素があるとすれば相性の良さぐらいだろう。
 
 試合は四日前のACLニューカッスル戦同様に名古屋が新生・浦和を「受けて立つ」ような展開でスタート。相手によって自分達のサッカーを変えるようなことはしないと言っている名古屋からどうして相手の出方を見るという発想が生まれてくるのか俺には不思議で仕方ない。「自分達のサッカーで」というのなら何故キックオフから自分本位に猛攻を仕掛けないのか。そもそも名古屋が相手の出方によってやり方を変えるような機転を持ち合わせているとも思えない。こうなると彼等にとって自分達のサッカーというのは考えることを放棄した怠慢に対する言い訳にすら聞こえてくる。

 名古屋が受けに回ってくれたおかげで、最初の10分ぐらいはフィンケ率いる浦和が今年取り組もうとしているサッカーを垣間見ることが出来た。一発のパスでスペースを狙うのではなくワンタッチ、ツータッチで細かくパスをつなぎDFラインと中盤との間のスペースに落ちてきたFWにクサビのボールを当てながら攻撃を組み立てるスタイルは去年までとは大きく異なり、選手間の距離の近さは集散の速いディフェンスでも活かされている。開幕戦で見られたカウンターに対する脆弱さも鈴木と阿部のWボランチによって完全にカバー出来ている。怪我上がりとは言え、名古屋に来れば即ボランチのレギュラー奪取出来そうな細貝が左SBのサブというのもなんとももったいない話だ。

 一方の名古屋は全く組織的なサッカーが展開出来ていない。組み立ての部分では試合前に負傷したらしい玉田の動きが少ないためか、それとも単に浦和のプレスを嫌がってか、ダヴィを狙った単純なロングボールがやたらと目立っていた。そしてアタッキングサードに入ってからも、多くの観客で埋まったタジアムの雰囲気に勝手にテンションが上がってしまったのか、いつも以上に個々のプレーヤーが個人技に走って浦和の素早い寄せを前に行く手を阻まれている。前線のアタッカー4人の個人能力は高いので(特にダヴィと坪井や闘莉王との1対1に持ち込めば)それだけでもチャンスは作れるかもしれないが、これは名古屋のスタイルとは到底呼べる代物ではないはずだ。

 前半終了間際の失点は気を付けなければいけない時間帯に喫したという意味では最悪だが、セットプレーからの流れで闘莉王があのポジションに残っていたという点で不運であり事故のようなゴール。名古屋としては切り替えて後半に臨むしかなかった。そして後半開始と同時に玉田に代えて久しぶりに杉本を前線に投入し、その後お約束で巻と山口を相次いで投入した名古屋だったが結局浦和から得点を奪うには道のりはあまりにも遠かった。パワープレーに転じた80分過ぎに山口が角度を付けずに真っ直ぐ巻にロングボールを放り込んで浦和DFにはね返されるシーンが二度たて続けにあったが、こういうシーンを見ていると(山口個人の戦術理解の問題もあるが)チームとしてこうしたパワープレーに対するトレーニングや意思統一は行っていないのだろう。

 そして名古屋がこの試合で勝ち点を拾う上で致命的だったのがセットプレーの精度の低さだった。実は俺がピクシーの監督就任に際して最も期待していたことのひとつはセットプレーの改善だった。しかしこの一年でその精度は一向に上がらず、昨日の中スポでも浦和戦に向けてセットプレーの確認に時間を割いたという記事が掲載されていたが、そこには相変わらず得点の気配が全くと言っていいほど感じられなかった(唯一の例外が解説の藤川久孝が思わず声を上げていたプレー)。試合前のGKのアップでGKコーチ(マザロッピ除く)が蹴り込んでいるクロスボールを彷彿とさせる名古屋のキッカーの弾道はGKの手の中にそのままスッポリと収まるか、ニアを狙えば相手DFにぶつけ、それではとファーを狙えば誰にも触れられず反対側のゴールラインを抜けて行く。セットプレーはキッカーで決まるとよく言われるが、これではピクシーがテクニカルエリアで頭を抱えたくなるのも無理はない。
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by tknr0326g8 | 2009-04-12 23:24 | Game Review
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