Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2009 第7節 名古屋×横浜 @スカパー 
 水曜日に行われたACL・ニューカッスル戦(AWAY)でマギヌンが負傷退場したことは、名古屋にとってある意味玉田のそれを上回るインパクトを持つ。実際昨シーズンは第25節の新潟戦でマギヌンが負傷した後6試合勝ちなしという苦戦を強いられ、結果的にこの大事な時期に勝ち点3を積み上げられなかった名古屋は残り10節時点では優勝に最も近いとされるチームであったにも関わらずそれに手が届かなかった。
 そんなわけで俺が今シーズンこれまでの試合のレヴューの中でマギヌンの緩いディフェンスに対してその事実だけは伝えつつもそれを糾弾する気になれなかったのは、その後の攻撃に備えたポジション二ングというメリットを見ていた面もあるが、下手に守備を頑張って怪我でもされたら困ると考えていたからだ。ブラジル時代は知らないが、川崎時代を含め日本に来てからはフルにシーズンを戦い抜いたことがないマギヌンの最大のウィークポイントはこの点で、心のどこかで覚悟はしているものの、よりによって週二試合のペースで続く怒涛の7連戦の序盤でこうした事態が起こってしまったことは最悪としか言いようがない。もちろんクラブも昨シーズンの教訓を踏まえて、シーズンオフには平木や橋本という大卒の即戦力アタッカーを補強してはいるが、この二人がいづれもピクシーの信頼を勝ち取るには至らず未だセカンドチームで燻っている(ベンチにすら入れていない)ことを考えると先行きの見通しは決して明るくない。ベンチ入りを許されている花井や佐藤といった若いアタッカーがこれを機に出てくればチームとしても多少は勢いが付くのいだろうが。

 前節の柏戦では玉田が欠けたことに伴う4-1-4-1、そしてミッドウィークのACLではピクシーが監督になって初めて試合開始から3バック(3-6-1)を採用するなど、フォーメーションが日替わりになりつつある名古屋は、玉田に加えてマギヌンとバヤリッツァという両外国人も欠くことになった今節は柏戦に続く4-1-4-1で中盤の右に今シーズン初出場となるFWの津田を起用してきた。ニシーズンぐらい前から昨シーズンの最初にかけて明らかに良い調子を持続している時期があった津田は、それを逃さず使い続けていれば清水の岡崎ぐらいの選手になれたと俺は本気で思っているが、杉本の後塵を拝して出場機会を減らし続けた結果、いつの間にか当時のオーラは消えてしまった。そして昨シーズンのような状態が続くのであれば(レンタル)移籍でもした方がよいと俺は思っていたのだが、ACLもあって出場機会が増えると判断したのか津田はチームへと残りここにきてようやくチャンスを掴んだのだった。

 試合は序盤から名古屋がボールを支配し、対する横浜は強固な守備ブロックを作ってカウンターを狙うような展開。吉村のアンカー+その前に二人のセントラルミッドフィールダー(中村と山口)が並ぶ布陣がようやく様になり始めた名古屋は、横浜が最も警戒すべきダヴィを囲い込むような感じ(位置)で守備ブロックを作っていたこともあって、中盤でのボールの動きも少しづつ円滑になってきた。中村や山口が自慢の運動量と当たりの激しいディフェンスでボールホルダーにチェックに行き、こぼれたボールを吉村が回収してサイドに展開するオペレーションも時間帯によっては上手く回っている。もちろんこの形がハマらない時は、人とボールに釣られやすい傾向にある吉村がボールサイドに引っ張り出されて名古屋のバイタルエリアは相変わらずスカスカになっていたりすることもあるが、最近の浦和を見るまでもなくショートパスをつなげるような選手間の距離や角度が出来ている時は得てして守備も上手く行くものだ。
 しかし中盤から後ろでは比較的ボールを動かせている名古屋だが肝心のアタッキングサードへと上手くボールを運ぶことが出来ない。横浜がここにブロックを作っているのでそれが難しいのは当り前なのだが、ACLとの連戦になる小川や中村は運動量の低下が激しく、特にここのところ人が変わったようにボックスの中への飛び込みを見せるようになっていた中村の前への勢いは鳴りを潜めていた。また接触プレーに対してあまり笛を吹かない西村Rのジャッジも、これまで比較的よく吹くレフェリーに当たってきた名古屋の選手達にとってはマイナスに作用していた。これは何もペナルティエリア近辺でファールをもらい損なっていたアタッカーに限った話ではなく、さすがに代々守備を売りにするだけあってユニフォームを引っ張ったりすることも含めて激しいディフェンスをする横浜と比べれば随分とお上品なプレーをする名古屋の中盤以下の選手(山口除く)には全員当てはまる。
 そしてマギヌンの代役として今季初出場を果たした津田も慣れない役割ということやコンビネーションの問題もあってか中々ボールが収まらずチームとしてはブレーキとなっていた印象だ。30分を過ぎる頃からようやく落ち着いてゲームのリズムに乗って行けたようだが、これで再びピクシーに見切りを付けられないことを願う他ない。個人的には津田はこのポジションでは持っている力の半分ぐらいしか出せない気もするが、右も左も(杉本よりは)器用にこなすだろうしもう少し我慢して使って欲しい。あと気になった点としては、中盤の両サイドの小川と津田が積極的にディフェンスに関与しなかったのは、横浜の3バックの両脇のスペースに人を残しておきたいというピクシーの狙いだったのだろうか。

 強い逆風に苦労し挙句前半終了間際には追い風に乗るかのような速いカウンター一発からゴールを許した名古屋にとって風上に立つ後半はいくらか戦いやすくなるであろうことは予想されたが、それでも横浜の高く強い3バック、そして左サイドの田中、ボランチの小椋で構成する守備ブロックをどう攻略するのかは、マギヌンを欠く名古屋にとっては相変わらず難題だった。この場に玉田がいたとしても(セットプレーを除いては)大きな有効打にはならなかっただろうが、おそらくマギヌンを止められるDFは横浜にはいない。横浜が向かい風+リードを奪っていることで一層受けに回っていることを考えれば、中村か山口に代えて花井を投入しマギヌンに近い役割をさせるという手はあるが、花井をまだ戦力として考えていない節があるピクシーはおそらくやらないだろう。どこかの時間帯で津田と杉本を入れ替えるだろうとは思っていたが、杉本が取り戻しつつあるスピードでいくらサイドを破って津田の鬱憤を晴らしたとしても、横浜の強大な3枚のCBがそびえ立つペナルティエリアにクロスボールを入れても勝ち目はなく、コーナーキックを獲得したとしても極めて精度の低い名古屋のセットプレーがこの山を越えられるとは思えなかった。名古屋に唯一突破口があるとすれば小川のいる左サイドで右アウトサイドの丁と右ストッパーの金の韓国コンビをこじ開けてペナルティエリアの中まで侵入するぐらいだろうか。

 そしてそんな苦しい展開の中、相手のミスという形で先制点が転がり込んだことは名古屋にとってはラッキーだった。相変わらず相手チームにとってはセットプレーの守備のトレーニングの続きのような怖さのカケラもないセットプレーを続けていた名古屋――ACLのニューカッスル戦といい相手の方に高さの面では圧倒的なアドバンテージがある中、なぜショートコーナーを使ったりして工夫しないのか不思議だった――の何の変哲もないコーナーキックに対して横浜GKの榎本が中途半端に飛び出して何故か躊躇して止まったことで、フリーでヘディングを合わせた吉田のシュートは無人のゴールへと吸い込まれた。ルーキーイヤーにセットプレーから中澤にほとんど子供扱いされて決められていた吉田にとってはそのお返しとも言えるゴールだった。

 こうなると名古屋としては押せ押せで松田の激しいチャージによって得たペナルティエリア左からのセットプレーで小川が蹴ったボールがそのまま榎本の頭上を抜けてゴールへと突き刺さった。全くもって精度の上がって来ない名古屋のセットプレーだが、HOMEでのニューカッスル戦で左サイドのやや浅い位置から小川が良いボールを蹴って以降、左サイドの角度がある位置からのセットプレーには得点の臭いが漂うようになって来た。前節の柏戦では菅野のスーパーセーブに遭ったものの同じような位置から惜しいチャンスがあったし、AWAYでのニューカッスル戦でも同じようなシーンが見られた。こうしたプレーを続けて行くことでチームは少しづつイメージを共有しそれが必殺のパターンとなっていく。これは間違いなく良い傾向だし名古屋としてはこうしたパターンをいくつも作って行かなくてはならない。
 こうして小川も今では左サイドからのFKに関しては自らの蹴るボールの軌道も含めて明確なイメージを描けるようになって来た。それはカーブを描きながら手前の密集を越えてゴールマウスの右上にそのまま向かって行くイメージで、例えそこに相手のGKが立っていたとしても手前で誰か名古屋の選手が触れば一点というイメージだ。その観点から言うなら、この試合での決勝ゴールとなったFKも角度こそやや深い位置だったが、同じようなキックの軌道がイメージされていたのではないだろうか。もちろんこれからは相手も研究してくるのでまた別のパターンも作っていかなければならないわけだが。

 もし名古屋がこの横浜戦を落としていたら、俺はその責任の大部分を小川に求めるようなエントリーを上げていたに違いない。それは決してスケープゴートというわけではなく、負傷によって玉田とマギヌンという攻撃のキープレーヤーが欠けた名古屋にとって小川が担わなければならない役割は大きく、新人王の資格を持つイチ若手プレーヤーだった昨シーズンならともかく今シーズンから背番号10を背負う小川にそれぐらいの負荷が掛かるのは当然のことだと思うからだ。そして結果として名古屋は(相手のミスに助けられた面もあったが)逆転でこの試合に勝利し、また小川も1得点1アシストを記録して勝利に貢献した。チームとして快勝とはいかなかったがこれは十分賞讃に値する。

 最後にこの試合の締めを飾ったのは公式戦初出場となるユース出身の福島新太。時間稼ぎの交代だったので結局ボールタッチする間もなく終了のホイッスルを聞くことになったが、福島にはこれをスタートとしてこれから少しでも出場時間を増やしキャリアを重ねて行って欲しい。そして敢えて言うならば、この試合疲れからか明らかにいつもより動きの量が落ちていた中村を思い切ってもっと早く福島に交代し、なおかつそれでも勝ち点3を拾えるようなチーム作りが出来るようになれば、若手はもっと伸びて来るだろうし、それに伴いチーム力も上がって来るに違いない。
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by tknr0326g8 | 2009-04-26 23:57 | Game Review
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