Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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KASHIMA招待2009(U-13交流戦) @鹿島ハイツ
 一時期名古屋は同じポジションに二人の新卒プレーヤーを獲得していたことがあった。豊田陽平と平山智也、本田圭佑と井上渉、阿部翔平と片山奨典、青山隼と須藤右介・・・ライバルと切磋琢磨させて成長を促進するのが目的なのか、それとも二人いて一人モノになればよいという安直な考えなのかは分からないが、なかなか贅沢な補強(新人獲得)を行っていた。
 なんで突然そんな話題を思い出したかのように書いたかと言えば、今日のトップチームの対戦相手である京都に豊田陽平が在籍しているからであり、また今日三ツ沢球技場で開催されるJ2リーグ戦で対戦する横浜FCと徳島に片山、須藤、青山、井上の四選手が在籍しているからでもある。豊田のようにレンタルで外に出た後出世してオリンピック代表にまで昇りつめ名古屋に多額の移籍金を落として行った選手もいれば、名古屋を戦力外となり他チームでレギュラーを掴んだ者、自分の居場所を探し続けるかのごとくレンタル移籍の旅を続ける者もいる。「生き物」であるプロサッカーチームに過去も含めて在籍していた選手を全て追い掛けていたら切りがないが、彼等のことが気にならないと言ったら嘘になる。それが新卒からの生え抜きであれば尚更だ。

 というわけで今日は三ツ沢へと出向く気満々でチケットも購入済だったのだが、昨日になって突然気が変わった。俺の気を変えさせたのは、黄金、プラチナに続く名古屋ユース第三の世代の存在。昨夏の全日本少年サッカー大会で見事準優勝を飾り、年末のマリノスカップでも準優勝、年が明けて正月のバーモントカップでもベスト4と輝かしい戦歴を誇る彼等は、現時点でも実績だけならクラブ史上最高の世代である。そんな彼等が鹿島で主要なクラブチームが一同に介するKASHIMA招待2009に参戦している。明日からのJビレッジ前哨戦として覗いてみるのも悪くないと思い直した。

 三日間の日程で計6試合をこなす名古屋の今日の対戦相手はFC東京むさし(11:00KO)とC大阪(15:00)。周りに何もないところでインターバル3時間は正直キツイが、ヴェルディだろうとマリノスだろうと川崎だろうと柏だろうと浦和だろうと三菱養和だろうとチームを選ばなければ、今日は全4面が使用されているピッチでは間断なく試合が行われているのでそれをハシゴ(掛け持ち)しながらのんびり過ごすことも出来る。そしてその中で印象に残ったのは、小柄な選手ばかりを揃えて圧倒的なパス回しの技量を持っている柏や、それとは対象的にサイズの大きな選手を揃えている三菱養和といったあたりだろうか。マリノスのカウンターにやられていたが、来年も名古屋とプレミアカップを賭けて戦うことになるかもしれない清水にも前線と中盤で圧倒的な(高校生が混じっているような)存在感を放つ大柄な選手がいたのが気になった。

 名古屋の初戦の相手はFC東京むさしU-13(なお明日のプレミアカップで当たるのはFC東京深川のU-14)。名古屋はスタメンに昨年のチーム(全少やバーモント)でも主力だった4,10,9がそれぞれDF、中盤、FWの軸となりしっかりセンターラインを形成している。エースストライカーでもある9番の桜井昴は先のエリプロ・U-13日本選抜の一員として中国遠征にも参加しているし、センターハーフを務める10番の笹沼孔明はマリノスカップのMIP。センターバックの4番・赤塚竜馬は当たりの強さに加えてボールを持っても足裏を使って鋭いターンで相手を置き去りにするプレーを得意とするなど足元の上手さは過去の名古屋ユースCB史上でもトップクラス。彼等がセンターラインにいる限りこのチームは(ユース年代とは言え)そうそう大崩れしないだろう。またむさしの選手がアップの時に「名古屋デカくない?」と言っていたので、全体的にサイズとしてもこの年代では恵まれた選手が揃っている。
 しかしいざ試合が始まると予想に反して名古屋がむさしに押し込まれる展開。名古屋はアグレッシブに前からプレッシャーを掛けてボールを奪いに行き試合の主導権を握ろうとするのだが、むさしは巧みなパスワークによってやすやすそれを外し名古屋陣内へ侵入してくる。そして名古屋がなんとかむさしの攻撃を食い止めたとしてもバランスの良いむさしのディフェンスはことごとくそのセカンドボールを拾って二次攻撃・三次攻撃へとつなげていた。そんな戦術的に洗練されたむさしのサッカーに面喰らったたわけではないだろうが、名古屋は攻撃を組み立てるどころか苦し紛れのクリアをするのがやっとという展開が続いていた。そしてそんな展開の中相手陣内深くで得たスローインからあっさりボールを奪われるとむさしの長身FW(2)に一気に右サイドをドリブルで持ち込まれ、名古屋陣内半分を過ぎた辺りからGKの頭越しにループ気味のミドルシュートを決められ先制されてしまった。
 攻撃を組み立てられず自分達のサッカーが出来ない名古屋は前線に出たボールをなんとか桜井がキープして独力で突破するか、中盤からは笹沼がドリブルでボールを持ち出すぐらいしか突破口がない。しかし1点を先制された後すぐに笹沼が中央をドリブルで持ち上がってペナルティエリアの手前で倒されて得たFKで桜井がゴール右隅へと鋭いシュートを決めてあっという間に同点に追い付いてしまった。

 後半になると4,10,9あたりの中心選手はそのままで、残りのメンバーを半分ぐらいの入れ替えてフレッシュな状態で仕切り直し。そして後半はむさしも選手の入れ替えを行ったのかそれとも疲労の影響なのかは分からないが、前半とは打って変わって名古屋の個人技が輝きを放ちゲームの主導権を握ってほとんど一方的なペースで試合を進めていた。局面局面を見れば後半から右サイドハーフに配置転換された桜井やセンターの笹沼のところでよくボールが収まりここでタメが出来るのでチーム全体にも動きが出てきていたり、前線では後半から出場したひと際小柄な11がキレキレのドリブルでむさしのDFにボールを触らせなかったりといったことが試合が名古屋ペースに傾いた要因として挙げられるが、戦術面以上に個々のプレーヤーが強い気持ちを持って球際の競り合いを制していたことが大きいようにも感じられた。
 そして試合は右サイドから笹沼と桜井が粘ってキープして作ったチャンスを、最後は桜井のクロスからゴール前で一人がオトリになり(ヒールで後ろに流して)、左サイドから走り込んできた左サイドハーフの5が豪快に蹴り込んで逆転。そのまま2-1で名古屋が勝利を手に入れた。

 名古屋としては特に前半は良い経験になったのではないだろうか。普段対戦しているであろう大多数の力の落ちる相手なら前からプレッシャーを掛けることによって狙ってボールを奪いドリブル突破でもパスでの崩しでも好きなように攻撃を組み立てられるだろうが、組織立った(大人のような)チームを相手にした時にどうこれに対処するのか。もちろん苦しかった前半でも桜井や笹沼など個人技でこれを崩すことが出来る選手はいたが、今後はどこかのタイミングでチームプレーの精度を上げて行く必要もあるのだろう。むさしはパス回しに適した選手間の距離や角度の作り方、俗に言うコンペンセーションがキッチリとなされている組織的なディフェンスがこの年齢にしてしっかりと擦り込まれており、文字通り頭ひとつ抜けている2の個人技に頼ることなくクサビのボールをトップに当ててそこを基点として後ろから次々とスペースに飛び出して来るようなハッキリとした攻撃の形を持っていた。それすらもを打ち破るだけの個の力を備えた名古屋がチームプレーの精度を上げて行ったら楽しみなチームが出来るかもしれない。

 3時間のインターバルを経て行われた第二試合の相手はC大阪。むさしとの試合の後半の流れそのままに(それ以上に)球際での強さを見せた名古屋は一方的にゲームを支配していたが、ひよっとしたら一時間前に前の試合を終えたばかりのC大阪との間に体力的な(回復の)差(ハンディ)があったのかもしれない。
 一方的に攻めながらもアタッキングサードでのパスや仕掛けの精度が悪くなかなか得点に至らなかった名古屋にあってU-13日本選抜の中国遠征帰りで今日も第一試合からフル出場を続けるエースの桜井に疲れが見えるのが懸案材料で、後半途中まで引っ張ったベンチだったがついに18との交代を決断した。個人的にはこの時点で引き分けも覚悟したが、この試合やたらとバックパスを処理する機会が多かった相手GKがボールの処理にもたついたところを11がスライディングで突っかけ、ボールがこぼれたところ18が無人のゴールに蹴り込んで先制、試合もこの一点を守って危な気なく1-0で勝利を飾った。
 この試合については、疲れの要素も多分にあってかリアクションスタイルに徹していたC大阪に対して、正直にクサビを入れてボールを奪われたり、そのクサビを始めとしたタテパスの精度が上がらなかったり(コンビネーションが合わなかったり)といった部分が今後の改善ポイントだろうか。試合を通して4,10,9,11の他にも何人かの選手の良い部分が多く見られた試合だったが、相手のコンディション含めもう少し楽に勝てた試合だったような気がする。
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by tknr0326g8 | 2009-05-03 08:35 | Youth
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