Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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JFAプレミアカップ2009 大会第1日 @Jヴィレッジ
 二年前に名古屋版・黄金世代が3位入賞を果たしているJFAプレミアカップ。東海大会を二位で突破した(昨年静岡学園中学が全国大会で優勝したため東海地区には二枠が与えられていた)名古屋はFC東京深川、セイザンFC、JFAアカデミー福島と同じグループBに組み込まれた。普通に考えればグループ最大のライバルになるのは初戦で当たるFC東京深川で、強豪ひしめく関東のチームというだけでなく、昨年の高円宮杯で観た深川がカウンターを得意としていたことを考えても、アグレッシブで前掛かり(前のめり)なチームカラーの名古屋にとっては相性が良くない相手かもしれない。ただこれにはしっかり裏の見方もあって、関東地区はこのプレミアカップに向けた予選が行われておらず、昨年の高円宮杯(U-15)の成績上位チームに対するご褒美的に出場権が与えられるらしいので、去年の高円宮杯を制したU-15でもなければ予選を勝ち抜いたわけでもないこのFC東京深川U-14が強いという保証は全くない。ましてやチーム作りのプロセスや真剣勝負(予選)を経験していないことを考えれば、名古屋はむしろ有利かもしれないぐらいだ。

名古屋のスタメンは↓な感じ。

      曽雌   北川

伊藤    金    真柄   石川

中島   松田   ニッキ   後藤

         板倉

 ピッチに出てきた深川の選手達を見てまず驚いた。名古屋と比べると選手達が二回りぐらい小さい。名古屋が大きいだけかもしれないが体格だけ取っても名古屋には大きなアドバンテージだ。そしてキックオフから名古屋はそうした体格差を生かすためにあえてそうしているのかそれとも単に慎重になっているのかシンプルに深川DFの裏を狙った攻撃が目立つ。そんな展開の中、GK板倉からの長いキックを受けた曽雌がボックス付近でキープして北川へ渡し、北川は目の前のDFを切り返し一発で交わすとそのまま左足でゴールへと蹴り込んで名古屋がアッサリと先制に成功した。
 フィジカルをはじめとする個々のプレーヤーの能力の差も明らかなので、これを機にリラックスして得点の量産態勢に入っていけるかと思われた名古屋だったが、そんな俺の甘い予想に反してその後はなかなか深川を崩し切れず、逆にカウンターから何度かDFラインの裏に抜け出されGKと1対1を作られてしまっていた。
 名古屋の勢いを阻んだと思われる要素はいくつかあるが、まず考えられるのはJビレッジの深い芝。人工芝のグランドに慣れているせいか、毛足が長い天然芝のピッチ(分かりやすく表現するとすればグランウンダーのパスを出すとザザザ・・・と音を立ててボールが転がるイメージ)の影響と思われるようなコントロールミスやキックミスがいくつかあった。そして次にレフェリーのジャッジ。この試合を裁いた女性の主審はとにかく笛を吹かなかった。ひょっとしたら大会前にトップダウンでそういうお達しが出ているのかも知れないが、ファールも取らなければハンド(くさいプレー)も取らないジャッジによって試合は常に流れていたものの、選手たちに戸惑いの色が見えたのは確かだった。もちろんジャッジは両チームに対して公平だったが、どちらかと言えばその恩恵を受けたのは激しいディフェンスを見せる深川で、体格で上回る名古屋は二回り小さい相手に当たることに躊躇というかちょっと遠慮しているようにも見え結果的に損をしていた。そして最大の要因は、自分達と比べて能力的に下の相手に対して少し強引に攻めようとし過ぎていたこと。強引にやろうとするとどうしても判断が遅れてしまうが、身体は小さくてもよく規律を植え付けられている深川はボールホルダーに対する寄せが速く当たりも厳しいので、ボールを持ち過ぎるとあっという間に囲まれてボールを失ってしまう。
 そして前半はそのままリードを広げられず1-0で終了。サイドなどでの1対1では名古屋の選手が仕掛ければガスガス抜けているし、コーナーキックなどのセットプレーでも当たり前のことながらほとんど競り勝ていたことを考えれば勿体ない展開だった。

 後半も同じような展開で試合が進んでいたが、ボックス内で北川が放ったシュートが深川DFにブロックされたはね返りを拾った金が左足を振り抜き鮮やかなミドルを決めると、ようやくチームも落ち着いてボールを動かし始めるようになった。そして中盤でボールを受けた金が身体の向きからは有り得ないぐらいの角度を付けたスルーパスを前線に通すと、これに抜け出した北川が飛び出してきたゴールキーパーを交わして左足でゴールに流し込み三点目。試合を決定付けた。
 その後7人まで行える(しかも復活可能な)選手交代を活用して選手を慣れさせつつ試合を進めた名古屋のゴールラッシュの締めは途中から左サイドハーフに入っていた森。左サイドからロナウジーニョばりの足技を駆使して仕掛けるドリブルでそれまでも何度かチャンスを作っていた森は、ボックス内の児玉から戻されたボールをスイッチするように受けると少し右へと持ち出しペナルティエリアの外から右足一閃。美しい弧を描いたシュートは反対側のサイドネットに突き刺さったのだった。

 終わってみれば4-0の快勝。しかし相手のレベルを考えればもっと楽に勝てる相手でもあったはず。選手達は当たりの激しさの中から全国の(関東の)スタンダードの一端を知っただろうし、また自分達が全国レベルでも十分通用すると知っただろう。これらも全て今後の糧としてもらいたい。

 第二試合は中国第二代表のセイザンFC。いわゆる街クラブというやつだが、FWにニッキと同じぐらいの長身プレーヤーがいて観た感じアジリティも悪くなさそうだったので、彼を使ったカウンターで予選を勝ち上がってきたのかもしれない。
 名古屋のスタメンは第一試合の前半にボールが直撃して鼻血を出し途中交代していた伊藤に代わり、その交代で入った後にゴールを決めて好調ぶりをアピールした森が先発に名を連ねた。それ以外は第一試合と一緒。

      曽雌   北川

森     金    真柄   石川

中島   松田   ニッキ  後藤

         板倉

 セイザンFCが第一試合でJFAアカデミー福島に0-5と大敗していることを知ってか知らずか名古屋はキックオフ前から気合が入っていた。変に様子を見て相手に合わせてしまうよりこっちの方がよっぽどいい。
 しかしいざ試合が始まってみると名古屋は、セイザンFCの父兄(特にお母さん達)による運動会さながらの応援(声援)に気勢を削がれたわけではないだろうが、なかなか歯車が噛み合わない。まずは守備ありきでカウンターを狙うセイザンFCに対して名古屋は深川戦に引き続き強引な攻めが目立つ。確かにセイザンは前からプレッシャーを掛けに来ていたが、それほど迫力があるわけではないので落ち着いてボールを回せば相手を走らせることも十分出来たはずだ。だが名古屋はボールを動かすことよりも個人技によって局面を打開することに拘り、ボールコントロールをミスしてボールを失ったり、無理矢理トップにボールを入れようとしてインターセプトされてカウンターを喰らったりといったことを繰り返していたのだった。
 結果的にこの前半は2トップがボールに触る回数は極めて少なく、前半終了に掛けてチームが放った何本かのシュートはいずれもペナルティエリア外からのミドルシュート(枠外)だった。

 名古屋はカウンターを喰らってもスピードのあるDFが先に追い付きセーフティーにタッチに逃げていたので危ない場面もほとんどなく、また後半になって相手の動きが落ちてくれば(常に二人,三人で対応されることがなくなれば)名古屋の個人技が生き得点も出来るだろうと思っていたので、ハラハラしながら見ていたわけではないが、この試合も第一戦同様相手チームとの力の差を考えるとストレスが溜まる展開であったことは確かだ。ここまで来ると真っ先にパスという選択肢を排し(相手が二人,三人いても)突破を試みるというのは立派なチーム方針であり、このレベルの相手に個人技で突破出来ないようでは先が知れているという考え方(ポリシー)をスタッフが持っているとしか思えない。

 ハーフタイムを挟んで後半になるとベンチからの指示なのか名古屋は急にボールを動かし始めた。そしておそらく普段からそういったトレーニングをしていないのかどことなくギコチナイ感じは否めないものの、それでもセイザンのディフェンスを横に広げるには十分で、それが開始2~3分での石川の先制ゴールにつながった。左から右、右から左と移動するボールの中で右から入って来たボールを中央で受けた金が深川戦の先制ゴール同様にたっぷりと角度を付けたスルーパスを前線に通す。するとこれにボックス内の深い位置で追い付いた右サイドハーフの石川が角度がないながらも豪快に右足でシュートを叩き込んだ。
 特筆すべきはパスを出した金。“オーバーエイジ”の真柄がセンターハーフの一角に収まったこともあって、県大会当初の左サイドバックから中盤へとポジションを移した(戻した)金は、その中盤で溢れんばかりのファンタジーを発揮している。金がこの試合の後半に放ったシュート二本は一見いずれも力なくGKの胸に収まったように見えるが、両チームを見渡しても極めて身長が低いセイザンGKの頭越しにシュート狙ったことは明らかだった。またボールコントロールのところでミスしたり芝に足を取られてバランスを崩したりする選手が多い中で金がミスをすることはほどんどなく、その技術の確かさと小さくても体幹の強さが伺える。パートナーの真柄も縁の下の力持ちとして金のそんなプレーを意識的に引き出しているのだろう。

 先制点によって精神的にも楽になった名古屋はさらにゲームを支配してボールを動かそうとするが、それでもやはり名古屋のパスワークが円滑に行われているとはとても言い難い状況が続く。名古屋は選手ひとりひとりの能力は高いが、その分個々のプレーヤーが「いいこと」をしようとし過ぎているような感じだ。探せば空いている選手がいるにも関わらず持ち過ぎてしまったり、ワンタッチで出せることをツータッチ、スリータッチとして自らパスコースを限定してしまったりといったシーンがこの試合でも目立った。またやはりJビレッジの芝に慣れないのかちょっとした技術的なミスによってボールを失うシーンも頻発している。パスもグラウンダーのものは全体的に短いように感じるので芝は無関係ではないだろう。

 そんな中追加点を奪ったのはまたしても森。昨年の高円宮杯(グループリーグ)では一年生で唯一ベンチ入りを果たしていた飛びきりのテクニシャンによるここのところベンチスタートが続いた鬱憤を晴らすかのような二試合連続ゴールだった。このゴールも一度は相手DFにシュートを阻まれたボールをもう一度追い掛けて行ってマイボールにし、ゴールライン際から左足でねじ込んで、相手GKに当てながらゴールに吸い込まれたシュートには執念を感じた。

 その後名古屋は何気なく後ろにボールを戻したところでGKがつなごうとしたボールを突っ込んで来た相手FWに拾われ一点を返されてしまった。3月の横浜遠征二試合(追浜戦、マリノスJrユース戦)でも感じたことだが、このチームは相手のプレスに対してGKまでを入れたパス回しでかわすといったプログラミングがそもそもされていない。攻撃、守備両面においてポゼッションの概念が極めて希薄だとも言える。これが良いことか悪いことか結果が出来るのはもう少し先のことだ。それに高校やプロになれば嫌でもそういったサッカーをしなければならない場面が出てくる。こういった要素はそれからでも遅くはないということだろうか。

 明日行われるグループリーグ最終戦は、JFAアカデミー福島とグループリーグ突破を掛けた戦いとなる。他グループの状況から引き分ければ両チームともに決勝トーナメント進出が決まるが、おそらく名古屋は引き分け狙いの戦い方はしないだろう。というかそういった戦い方は上にも書いたような理由でそもそも出来ない。結果的に引き分けがあるとすれば、JFAアカデミーの方が(0-0の)引き分けを狙って来た時か打ち合いになった時だろうか。
 いずれにせよ、これまで個人能力の高さで勝ち残って来た名古屋としては自分達と同レベルの個人能力を持った相手との戦いで、今度はチーム力が試されることになる。それとも日本のエリート達を相手にしてもなお個人能力でそれを突破してしまうのか。上でも書いたようにピッチに苦しんでいるような印象も受ける名古屋に対してJFAアカデミーは普段かトレーニングを積んでいるホームグラウンドというハンディもある。正直言ってちょっと酷いパフォーマンスだった今日の二試合目が結果的に良い教訓(苦い薬)となって明日以降の試合に生かされることを期待したい。

 そう言えば、会場では名古屋とゆかりの深い人たちも何人か見掛けた。かつて二度名古屋の監督の座に就いたこともある敏腕スカウト(現在はユースのスカウト担当)三浦さんと前名古屋ユース監督の朴さんは昨日の鹿島に続いて出没。朴さんは徳島の中田GM(最も名古屋をJ2降格に近い位置へと導いた元名古屋監督)と談笑している姿も見かけた。名古屋から徳島にレンタル移籍中の青山のことなども話していたようだ。
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by tknr0326g8 | 2009-05-03 21:46 | Youth
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