Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2009 第12節 名古屋×大宮 @スカパー 
 三週間以上に渡って続いた週二試合ペースのハードスケジュールからようやく解放され、中一週間を空けての公式戦となった名古屋。このところ省エネスタイルでの試合が続いていたがコンディション的にも少しはフレッシュな状態で試合へと臨めるかもしれない。キリンカップ~W杯アジア最終予選を見据えた?玉田の再離脱は懸念材料だが、チーム全体でのそれを上回るパフォーマンスを期待したいところだ。

 しかしこの試合でキックオフからペースを握ったのは前節の神戸同様にアグレッシブに前からプレッシャーを掛けてきた大宮の方で、スタミナ配分をまるで考えていないとしか思えない大宮のハイプレッシャーに対して名古屋は最終ラインから大きくタテに蹴り出すようなプレーを余儀なくされてしまった。一般にパスサッカーと言われる名古屋だが、その起点は常に最終ライン(特に阿部)なので、ここにプレッシャーを掛けられるとその面影は消え失せてしまう。もちろん今シーズンの名古屋は前線に一人でゴールまで持ち込めるダヴィがいるのでそんな攻撃でもなんとかなってしまう可能性もなくもないが、ダヴィにはマトがピッタリとマークに付き、ロングボールのこぼれ球(セカンドボール)をことごとく大宮に拾われているようではノーチャンスだ。さすがに大宮のプレッシャーが弱まってくれば名古屋も少しは中盤を経由してボールをつなぎゲームを組み立てることが出来ていたが、試合を通してそれが機能していた場面は数えるほどしかなかった。
 また名古屋としては大宮の見慣れない韓国人左SBがDFラインとの間にギャップを作っていたのでそこを突いて行けばもう少しチャンスを作れたと思うのだが、立ち上がりから何度か良い形でそのギャップに入り込みボールを受けていた小川と左右を入れ替わって20分過ぎに杉本が右へと回ると、田中との相変わらずギクシャクとしたコンビネーションによってみすみすチャンスを潰してしまったのも痛かった。まあそれ以前の問題として杉本の場合はオフサイドに引っ掛かり過ぎだが。

 一方の守備でも名古屋は大宮の変則的な布陣に対して完全に後手に回っていた。大宮の攻撃は簡単に表現するなら前→後→前で縦の揺さぶりを掛けながら攻める速攻。奪ったボールを素早く最前線の藤田に当てて、クサビを受けた藤田はシンプルにその下に位置する石原、藤本、デニス・マルケスに落とす、これを受けた二列目の選手達は再び前(DFラインの裏)へとボールを運ぶというパターンだ。もちろん名古屋の最終ラインには吉田がいるので藤田へのロングボールの大半は弾き返すことが出来るのだが、名古屋はこのセカンドボールを拾えなかった。大宮にとっては二列目にボールを落とすのが藤田であろうが名古屋のDFであろうがそんなことは大きな問題ではない。特に目に付いたのは藤本とデニス・マルケスがフリーで前を向いてボールを持つ場面。彼等は攻撃になるとかなり内側に絞ったポジションを取っていたので名古屋はSBが付いて行けず、名古屋は吉村の両脇に広がるスペースを上手く利用されていたのだった。
 俺はこの日のスターティングメンバーを見た時に吉村と山口をWボランチに並べ中村をトップ下に配置した4-2-3-1のような並びになるのだと思っていたが、実際には吉村を1ボランチに据えた4-1-4-1のような形で、二列目に配置された中村と山口は前目にポジションを取っていた。しかしこれは完全に裏目で、中村や山口が前から行こうにも大宮は中盤を飛ばして後ろから前線にボールを入れてしまう。名古屋が人を配置すべきなのはむしろそのこぼれ球を拾える自陣のDFライン前のスペースだった。連戦の最中の頃はローテーションを組みながらも極力運動量を減らすためか、中盤の選手もディフェンスになれば一端自陣に戻ってポジションを取ることが多かったが、逆に一週間の回復期間を経て体力的な余裕が出来たのか前から行くようになってバランスを崩してしまった。

 後半になるとピクシーはまず杉本に代えて巻を投入しフォーメーションを4-4-2に変更。確かに杉本が機能していたとは言い切れないし、大宮に対してはDFラインの前に二枚のボランチを並べた方がバランスが良いかもしれないが、こうなるとそもそもなぜ杉本を先発させたのかという話になる。名古屋はこの時点で同点そして逆転に向けたカード(杉本)を一枚失ってしまった。そして1ボランチからフラットな4枚に代えても一向にバランスの整わない中盤は大宮の攻撃に振り回され続けただけでなく、巻を入れたというのにサイドからのクロスボールが全く入らないという意味からすれば攻撃面でも機能しているとは言い難かった。

 こうなると最後の切り札は前節・神戸戦のロスタイムで劇的な同点ゴールを決めた津田しかいない。そしてこの津田の投入が名古屋にひとつの化学反応を引き起こす。60分、山口に代えてピッチへと送り出された津田は最初は右サイドハーフの位置に入っていたが、次第にそのポジションは前そして中央に寄って行き、いつしかダヴィ、巻と流動的な3トップを形成するような形になっていた。そしてこれにより目の前のスペースが空いたことで水を得た魚のように躍動し始めたのが田中だった。試合終盤になっても全く色褪せないスタミナによってディフェンスだけでなく、攻撃になるとボックス内にまで顔を出し始めた田中は幾度となく好機に絡む。今季から名古屋に加入したこの元日本代表をここまで15試合ほどを観て来て得たひとつの結論は「田中のフィニッシュには期待してはいけない」ということだが、田中の場合そこに(来て)いることが重要だ。そしてこの試合でもダヴィによってもたらされた同点ゴールは巻が頭で落としたボールを拾った津田がゴールライン際までえぐり、ボックスの中まで走り込んでいた田中にマイナスの折り返し、案の定シュートをミスった田中だったがそのこぼれ球がダヴィの足元へと転がったところから生まれたのだった。その前にも左サイドからのクロスボールに対してボックス内ファーサイドで受けた田中がダイレクトで折り返しゴール前で詰めた津田があわやというシーンなどもあり、この時間帯の名古屋にとって田中がいかに大きな仕事を果たしていたか分かるだろう。

 またしても試合終了間際のゴールによって追い付いた名古屋だったが結果的には二試合連続の引き分けとなってしまった。そして内容は良くなかったものの相手の力を考えればやはり勝ち点3を取りたかった試合でもある。ただこれはもう切り替えるしかないので、既にグループ首位通過を決めているACLを名古屋がどういうメンバーで臨むのかは分からないが、来週の磐田戦でなんとか勝ち点3を獲得して中断期間を迎えて欲しいところだ。イ・グノの加入によって劇的なまでにチーム力の上がった磐田だが、名古屋にとってはむしろジウシーニョや西がポイントになりそうな気がする。
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by tknr0326g8 | 2009-05-17 21:18 | Game Review
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