Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2009 第13節 磐田×名古屋 @スカパー 
 ACL出場に伴う過密日程を強いられている今シーズンの名古屋だが、この試合に限って言えば、ミッドウィークにナビスコカップを戦っている磐田に対して名古屋はACL(北京戦)で主力を温存しており、体力的にはむしろアドバンテージがあるはずだった。磐田は特に救世主のイ・グノに疲れが見られるとの情報もあり、名古屋からすれば北京遠征に帯同することもなく休養たっぷりの主力選手達がハイレベルのパフォーマンスを見せられれば十分に勝機を見いだせる試合だ。
 しかしそんなコンディション的なアドバンテージを生かせる試合であるにも関わらず、ピクシーは敢えて巻や竹内、山口といった水曜日の試合にフル出場している面々を先発で起用してきた。今朝の朝刊で「復活2トップ、ダビ&玉田」とブチ上げていた中スポも全くもって良い面の皮だが、これは俺にとっても正直意外な采配だった。ベンチ入りした松尾や花井、新川といった面々は明らかにご褒美的な意味合いだろうが、玉田や田中といった主力をベンチスタートにさせてまで彼等を先発起用する理由がどこにあったのか。考えられるとすれば、磐田がハイクロスに弱いというスカウティングを行っていたということ。実際セットプレーでも名古屋の選手が競り勝つ場面は多く、クロスボールを送り続ければそのうち得点が生まれるのではないかという予感は漂っていた。ヘディングの強い巻とセットで、(田中ほど安定感はないが)タテへの勢いがありクロスマシーンに徹することが出来る竹内を右SBで起用したというのもこう考えれば合点が行く。そして本来であれば杉本を起用するであろう右SHに中村を回した(センターに山口を起用した)理由についてはジウシーニョ対策と見るのが妥当だ。どうしてサッカーの記者は一等席で観戦し会見に出席するという特権を得ながらこういった疑問を解決してくれないのだろう。

 試合は立ち上がりから守備ブロックを固めている磐田に対して名古屋が攻めあぐむ。クロスボールを巻に合わせようにも深い位置まで侵入できない名古屋は必然的にロングボールやアーリークロスが多くなり攻撃の精度は低かった。そしてボール扱い(パス回し)の決して上手くない右サイドのコンビ(中村&竹内)やボランチのところでボールを失っては磐田にカウンターを浴びる展開が続く。
 このようにサイドのスペースが消されて自慢のサイドアタックを封じられた時、名古屋がボランチのところでチャンスメイクを行うことが出来れば・・・というのはこれまでも何度となく書いてきたことではあるが、そもそもこのチームにそんな発想はない。この試合でもボランチが果たしていた役割はと言えば、稀に前を向けた時でも迷うことなくサイドにボールを展開したり、ウイングのように高い位置に張り出した竹内の空けたスペースをケアするといった守備的なタスクだった。

 前線でコンビを組むダヴィと巻の2トップはまだ発展途上のコンビだが、互いの良さを引き出すようなコンビネーションは試合ごとに良くなっている。初めてこのコンビを見た時に俺は「このコンビを機能させるためにはダヴィにもっと広範な仕事が求められる」と書いた記憶があるが、それはすなわちこのチームにおいてゴールゲッターとしての役割を担っているダヴィがそのオールラウンドな能力を生かしてアシストする側に回ることも含めてプレーすることであり、それ(フィニッシャーとして巻がプレーするシーン)はこの試合でも随所に見られていた。
 しかし徐々にフィットしつつあるこのコンビネーションには現段階で致命的な欠点が存在することもこの試合では露見していた。それが巻の決定力だ。いくらダヴィが黒子に回り役割分担を行おうとも、最後のところで巻のシュートが枠に飛ばないようでは話にならない。むしろチャンスに決められなければ(勝敗を含めた)流れが相手チームへと行くのがサッカーというスポーツの必然でもある。もちろん巻には元日本代表の兄を例に取るまでもなくプレーヤーとしての伸びしろが残されているのでしっかりと育てれば兄と同じように代表クラスにまで成長する可能性はあるが、あとはクラブとして腹を決めてどこまで我慢して起用し続けていくのかに懸かっている。

 その後試合は終盤に差し掛かった頃に小川の退場によって動揺したのかセットプレーの流れから磐田に先制を許すと、さらにはピクシーからの反撃の合図として阿部に代わって杉本が投入されたことでバランスを崩し昨シーズンのデジャブのような成岡のミドルシュートを喰らってしまった。二失点目は点を取るために前線に人数を掛け3-2-4みたいな布陣になっていたので仕方のない部分もあったが、最終スコアから見てもこれが致命傷となった感は否めない。阿部のいたスペースにボールを運ばれたことで吉村がカバーに回り、ただでさえスカスカな中盤(バイタルエリア)が山口一人だけになり、余裕を持って横へと回されて後ろから上がって来た成岡にミドルを打ち込まれるというのは磐田からすれば狙い通りの絵に描いたようなカウンターだっただろう。

 その後一人少ないながらも執念を感じさせる粘りで1点を返しさらに(川口のセーブによって阻まれたものの)あわや同点かというチャンスも作ったことは名古屋にとって僅かな光明だ。たがここのところJリーグでは試合終盤のパワープレーからしか点を取っていないということもまた動かしようのない事実。中断期間のリフレッシュとミニキャンプを経てチームにレベルアップが必要なのは言うまでもない。マギヌンが帰って来ればいくつかの問題が解決する可能性もあるが、この試合は「これまで通り」ではもはや通用しないという良いレッスンになったはずだ。

 あとこの試合について残念だったことは、御殿場で開催中の「ジャパンズエイト」を辞退してまでベンチ入りさせた花井や、水曜日の試合でプロ初ゴールを挙げた新川に出番が巡ってこなかったこと。俺はこういう試合を見るたびに、試合を有利にする進めるために花井をボランチの位置で使ってみたらどうかと思ってしまうのだが、ピクシーに戦力と見なされていない彼等若手プレーヤーは例えベンチ入りを許されたとしてもよっぽど余裕のある展開でもない限り出場機会に恵まれないことも目に見えている。対戦相手の磐田では花井と同学年のライバルでもある山本がスタメン出場し、浦和では厚い選手層を抱えるチームにあっても10代の選手が戦力としてカウントされ起用され続けている中、それがチームの方針であるとは言え複雑な気分になるのは禁じ得ない。
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by tknr0326g8 | 2009-05-25 02:12 | Game Review
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