Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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プリンスリーグ東海2009 第7節 名古屋U-18×磐田東 @トヨタスポーツセンター
 GWに藤枝明誠との試合を観て以来となる名古屋U-18。その後、勝負どころの清水商業・清水ユースとの連戦で、清商にはかろうじて勝利したものの清水ユースには2-0からの大逆転を喰らい、優勝争いそして高円宮杯出場権を懸けた争いから半歩後退してしまった。G大阪ユースが関西プリンスで二部に落ちる時代、何が起きても不思議ではないが、昨年の東海王者にして高円宮杯で三年連続ベスト4(うち準優勝二回)の名古屋もまた高円宮杯出場の危機に瀕している。望みをつなげるためには残り三試合とにかく勝ち続けるしかない。

 名古屋のスタメンは、

     5    11

10   27   12   6

8    19    4    2

        1

 三浦天が公式戦でゴールマウスを守るところを見るのは実はこれが初めてかもしれない。去年の春先に早稲田大学とトレーニングマッチを観に行った時のB戦でチームの中で最も声が出ていて、ひょっとしたら翌年のキャプテンは彼かもしれないと思った記憶があるが、比較的黙々とプレーする選手が多い今年の名古屋の中ではやはり彼の声は突出している。
 そしてこの試合で個人的に最も注目したのは矢田と三浦俊の両サイドハーフだった。名古屋(トップチーム)の歴史はサイドハーフの歴史でもある。平野と岡山、平野と望月、本田と中村、そしてマギヌンと小川。ユースもトップチームと同じようなサッカーに取り組むらしく、またピクシーと同じくベンゲルのもとで(左SBのレギュラーとして)プレーした小川誠一に監督が変わった今シーズンを考えれば、このチームの最大の売り(鍵)は黄金世代でもなければ岸や金編といった昨年経験を積んだ新二年生でもなく、ともに最終学年を迎える矢田と三浦俊の両サイドハーフになるだろうというのがシーズン開幕前に俺が思い描いていた青写真だった。このチームで10番を背負い、トップチームのキャンプやトレーニングにもしばしば参加している矢田をどのポジションで使うのかについてはこれまでFWやボランチといったセンターラインが試されていたが、ようやくこのコンビによる両サイドを見ることが出来る。

 試合前、磐田東の控室となっているプレハブ小屋の横を通りかかったら監督と思われる人の声が聞こえてきた。(試合の終わった今だから書くが)「名古屋というチームの特徴を挙げるとすれば動かない・運動量が少ない」「だからお前達が相手よりもたくさん動いて・・・」とか云々カンヌン。磐田東も一部残留が懸かっている。最下位のチームとは言え、走り合いを挑まれたら決して楽な展開にはならないだろう。
 しかしいざ試合が始まってみると磐田東がどういったサッカーをしたいのか今ひとつ俺には理解することが出来なかった。まずは守備から入ってボールを奪ったら素早く前線に送るわけだが、前線に強力なタレントがいるならともかくこれだけではなかなか難しい。名古屋のDFラインは比較的ギャップを作ってしまう傾向があるのでそこに二列目から走り込んだり、高さがない(確実にヘディングで弾き返せる選手がいない)名古屋のDFラインに対してロングボールの競り合いでは勝つことが出来ていたが(またそのセカンドボールも磐田東が拾っていたが)それでも決定機を作り出すまでには至っていなかった。

 対する名古屋は立ち上がりから後ろでゆっくりとボールを動かしながらシンプルに長身の2トップにロングボールを入れるダイレクトプレーが目立った。とは言ってもフィードは彼等の頭を狙うのではなく足元に入れたり裏を狙わせたりといったことの方が多い。特に大西は(背番号(5)といい身体のサイズといい)いかにもDFからの転向といった雰囲気(もともとFWだったという話もあるが)を醸し出しているが、ボールの落下地点を読むのが苦手なのかヘディングは決して上手くはなく、足元で受けて裏に抜け出すようなプレーを得意としている完全なセカンドトップタイプ。相手DFからしてみたらあのサイズでボールを持って前を向かれたら(しかも結構速いので)それはそれで怖いだろうが、最初はかなりのギャップを感じたに違いない。
 そしてそんな大西のビジュアルとのギャップ効果もあってか、磐田東DFの意識が比較的中央に集中したことでサイドで伸び伸びとプレーしていたのが名古屋の両サイドハーフだった。自慢のスピードを生かしてゴール前で何度かチャンスに絡んだ三浦俊もさることながら、この試合のMIPは何といっても矢田。さすがに時々プロに交じってトレーニングを積んでいるだけあって一人だけちょっとプレーのレベルが違う。インパクトだけで言えば(プレースタイルこそ違うが)二年前の夏にクラ選で中田健太郎を観た時に近いものがあった(ちなみに中田健太郎はその直後U-18に選出されている)。そして矢田は左サイドからドリブルで仕掛けてゴール前に決定的なセンタリングを送り込んだかと思えば、同じく定評のあるセットプレーのキッカーとしては今すぐトップチームに連れて行きたいぐらいの精度と鋭さを伴ったキックで先制点も演出していたのだった。

 幸先よく先制し危ない場面もほとんどない名古屋だったが、追加点のチャンスを相手GKの好セーブなどもあって潰しているうちに思いもよらぬ悲劇に見舞われてしまう。磐田東DFラインの裏に出たボールを追い掛けた大西が、飛び出して来てヘディングでクリアしようとしたGKの顔の前で足を高く上げてハイキックを取られ2枚目のイエローカードで退場を宣告されてしまったのだ。まだ前半だというのに名古屋は僅か1点のリードのまま一人少ないハンディを背負い込むことになってしまった。

 ただ前半のうちに退場者が出たことは(体力的には苦しいかもしれないが)ハーフタイムにスタッフからのアドバイスも聞きながら態勢を建て直し気持ちを切り替えられるという意味では不幸中の幸いだったかもしれない。もしこれが後半だったら、選手達はおそらく生じるであろう動揺・混乱から自分達の力で切り抜けられただろうか。そして実際に名古屋が後半に見せたサッカーは数的不利の状況をほとんど感じさせないほど素晴らしいものだった。
 前半と同じように後ろから1トップの奥村を狙って長いボールを入れてもそこを基点に攻めることは難しいことを悟った選手達はしっかりとショートパスをつなぐ組み立てへとシフトチェンジを図る。そしてそこでは前半に散々ロングボールを見せられていた磐田東のDFラインが名古屋がボールを持つとロングボールを警戒してどうしても深くなってしまうため、名古屋は比較的余裕を持ってパスを回すことが出来ていた。
 また名古屋は単にパスを回しているだけではなく、時折見せる大きなサイドチェンジからサイドに基点を作り後ろからもリスクを冒してどんどん選手が飛び出すスタイルでゴールを狙う意識を持ち続けた。特に左サイドの矢田にボールが渡った時には必ずと言っていいほどその後ろを左SBの安藤が果敢なオーバーラップを見せていたのが印象的で、前半につなぎ(組み立て)の部分では何度かミスもあった安藤だが、こうしたところでの積極性と走力が買われているのだろう。

 結局最後まで追加点を奪えなかった名古屋だったが、後半も攻撃ではおそらく磐田東以上に良い形を作っていたはずだし、ディフェンスでも集中した速い寄せからコンパクトな守備陣で最終ラインが相手の前でボールに触れるようになっていたので危な気なく試合を進めることが出来ていた。それをなんとかこじ開けようと磐田東が次々とフレッシュな選手を投入して手を打って来るのに対して、名古屋は小川監督がなかなか選手交代を行わなかったので見ている側とすればヤキモキしたが、こうした光景は朴前監督の頃から慣れっこだし、良い形で試合を進められていたこともあり戦術的にも代えるに代えられなかったのかもしれない。得点を奪いに行くのであれば、最後の方は磐田東もベンチの指示でDFラインを上げていたので、この試合でゴール運から見放されていた奥村に代えて高原などを入れても面白かったとは思うが、セットプレーの守備を考えるとやはり奥村は外せない。実際終盤に来て奥村に代えて加藤翼が入った後は、自陣で相手にセットプレーを与えないように・・・ということだけを心配しながら俺も見ていたぐらいだ。

 この試合の後半を見ていればチームが普段どんなトレーニングをしているのかがなんとなく見えて来るような気もするが、こうしたサッカーをしていれば続く静岡学園戦、ジュビロ磐田戦に連勝することも決して不可能ではない。文字通り高円宮杯出場権を掛けた戦いとなるが、選手達には持てる力の全てを出し切って戦って欲しい。そうすれば結果は後から付いて来るだろう。
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by tknr0326g8 | 2009-06-28 07:53 | Youth
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