Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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ナビスコカップ 準々決勝 FC東京×名古屋 @味の素スタジアム
 昨シーズン監督に就任したピクシーのもとJリーグ3位と躍進を果たした名古屋を見ながら、それでももし名古屋がFCWCに出場してヨーロッパチャンピオンとガチンコで試合をしたらこんな感じになるんじゃないかと俺が思い描いていた展開、それがデジャブのように現れたのが前半30分までのこの試合だった。組織的でスペクタクルなモダンフットボールを掲げる名古屋だが、その実DFラインと中盤との間の連携は乏しく組織として致命的な欠陥を抱えてしまっている。最終ラインは相手がボールを持ったら裏を取られないようにとシュートコースを切りながら後退し、中盤での守備を引き受ける二人のCHは運動量を生かして前後左右に走り回っているだけなので、名古屋はどうしてもDFラインと中盤のラインの間すなわちバイタルエリアを相手に自由に使われてしまうのだ。もちろんこれは日本人選手の持つスピードやシュートレンジを考えれば裏を取られるよりもミドルシュートを打たせた方が失点の可能性は低いという合理的な判断でもあるのだが、ミドルシュートが芯に当たったら即失点につながってしまう(実際それで痛い目を何度も見た)し、シュートレンジが広いヨーロッパのチームと試合をしたら通用しない戦術なんだろうなと俺は漠然と思っていた。

 だがまさかそれがヨーロッパどころかFC東京相手に現実のものとなってしまうとは思ってもみなかった。あっという間に喰らった4失点も、マンチェスターUが本気を出した途端にG大阪が手も足も出なかった光景を思い出させる。この試合に限って言えば、FC東京と名古屋の間にはマンUとG大阪と同等かそれ以上の差が存在していたのは事実だが、ではなぜ(いくら今勢いがあるからと言って)ヨーロッパチャンピオンでもないFC東京相手に名古屋が手も足も出なかったのか。
 その最大の要因が名古屋のディフェンス陣のうちGKも含めればレギュラー5人中3人を欠いていたことにあることは間違いない。4人のDFがラインを保ちながら機を見てラインをブレークして相互カバーを行うことで(中盤からのサポートを期待せずに)それ単体で成り立っているDFラインは、逆に言えばメンバーが大幅に入れ替わると機能を失ってしまう危険性が高い。
 具体的に言えば、まずCBに入った竹内がこの二試合平山との競り合いに全く勝てなかったこと。大学(国士舘)時代、スカウトがたまたま観戦していた試合(阿部目当て?)で当時筑波大学にいた平山を抑えていたのが目に留まったとも言われるシンデレラ・ストーリーを持つ竹内だが、今ではすっかり立場が逆転してしまった模様。中盤からのサポートを期待出来ない名古屋のDFラインにおいては相手FWにロングボールの競り合いで勝てないのは致命的だ。増川もカボレの対応にいっぱいいっぱいでサポートどころではない。
 またこの試合では左サイドから崩されるシーンが目立った。これは2年目の左SB佐藤が1対1の対応でことどことく後手に回っていた影響は多分にあるにしても、そもそもDFライン自体が簡単に裏を取られていたようなシーンを見ると、阿部だったらもう少し増川との距離感を調節して上手くやっていたいただろうなというコンビネーション面での問題も大きいように見えた。
 どこでボールを取るんだよ?と突っ込みたくなるぐらいバラバラな前線からのディフェンスが中盤で遊ばれるのは想定内。上でも書いたようにボランチ二人がひたすら走り回っているだけのディフェンスではしっかりとボールを動かせるチームが相手だと太刀打ち出来ないシーンは昨シーズンも何度かあった。これを今更改善しろと言っても一朝一夕にはオーガナイズ出来るはずもない。もし出来るとすれば大森が指摘しているように前線の選手によるディフェンス量を増やしてボランチの出動範囲(負担)を減らすことぐらいだろう。これに比べると最終ラインは(コンディションの問題こそあれ)バヤリッツァ、吉田、阿部といった主力が戻ってくれば改善される部分(ロングボールへの対応など)も大きいのは救いだ。

 この試合で予告通り何人かのスタメンを入れ替えて来たピクシーの意思がどこにあったのかは俺には分からない。日曜日の試合を観てのペナルティなのか、疲労なのか、それとも単なる気分転換なのか。だが今日のスタメンを見た時に俺が思い浮かべた戦い方は、まずはしっかりと守った上でシンプルに相手DFラインの裏に蹴ってダヴィと杉本の機動力を生かすというもの。この試合がホーム&アウェー方式のカップ戦のアウェーだということや相手が日曜日の試合でコテンパンにやられたばかりのFC東京だということを考えればこうした戦い方も悪くはない選択だし、またダヴィのパワーと杉本のスピードをもってすれば得点出来ないまでも相手DFに相当なプレッシャーを掛け運動量とパワーを強いることが出来る。そして後半相手DFが肉体的にも精神的にもヘバったところで消耗品の杉本に代えて切り札の玉田を投入すればいい。そして(このメンバーで守り切れるのかどうかはともかくとして)キックオフ直後の名古屋は実際にそうした戦い方を実践してペースを掴みかけたかにも見えた。
 しかし試合が進みFC東京がスコアを重ねていくと名古屋はこうしたスタイルではなく元来のサイドから崩すスタイルへとチェンジしてしまった。先行したFC東京が引いて守ってカウンター狙いに切り替えたことで多少ボールを持てるようになったからかもしれないし、逆にそうなったことで裏にスペースがなくなってしまったからとも言える。しかしダヴィと杉本の2トップに対してサイドからクロスを放り込んだところで得点など期待できるはずもない。そして前半も終了間際になるとダヴィが完全にやる気を無くしてしまった。ピクシーもそれを感じたのか後半開始からダヴィに代えて玉田を投入したが、監督が落合だったら最終の新幹線でダヴィを名古屋に強制送還しているところだろう。

 またこの試合に向けて球際の強さなど気持ちの面を強調していたピクシーだったが、それも選手達には上手く伝わらなかったようだ。前半に佐藤がマッチアップする石川に対して撫でるように優しいボディコンタクトで簡単に入れ替わられて(抜けられて)しまうシーンが続いたのを観て俺は正直嫌な予感がしていた。相手は最も警戒しなければならない石川。まだレギュラーポジションどころかベンチ入りさえままならない20歳になるかならないかの一介の若手でしかない佐藤にとって「顔」で止められる相手では到底ない。なぜ潰すぐらいの気持ちで行かないのか。最悪1対1で振り切られるのは仕方ないとしても、相手を上回る気持ちを持てていないようではやる前から結果は見えている。そしてこの佐藤のプレーはチーム全体を象徴していた。彼らにとっての戦う覚悟とは結局この程度のものでしかなかったのだ。交代で入った玉田を後半立ち上がり早々にいきなり梶山が削りに行った場面があったが、良いか悪いかはともかくとして、それぐらいの気持ちを名古屋の選手にも見せて欲しかった。4点取られた後に竹内が平山にバックチャージをかましてイエローカードをもらっていたシーンなどもあったがそれでは遅すぎるし、気持ちというよりはどうしても勝てない相手にテンパってファールを犯したようにしか見えない。おそらく石川のスパイクには蹴られた跡すら残っていないだろうし、平山がここまで気持ち良くプレー出来る相手はきっと今のJでも名古屋か柏ぐらいだろう。

 名古屋にとってこのナビスコカップは、おそらく今年のチーム状態でグループリーグを戦っていても決勝トーナメントには残れなかっただろうというおまけの大会。まだホームゲームが残っているとは言えこの結果は順当だ。次回ホームで4-0で勝てば逆転ベスト4も可能だがピクシーはやはり「Never Give up!」の精神で「ベスト」メンバーを組むのだろうか。
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by tknr0326g8 | 2009-07-15 23:41 | Game Review
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