Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2009 第18節 名古屋×京都 @豊田スタジアム
 思い出したくもない悪夢だがミッドウィークにナビスコカップの準々決勝を戦ったおかげで先週日曜日のリーグ戦以来中二日での試合が続く名古屋。冬場ならともかく真夏を迎えようかというこの時期にこの連戦は想像するだにキツイが、どうやらピクシーだけは京都に与えるハンデとしてこれだけでは不十分と思っていたようだ。“救世主”ケネディによる絵に描いたようなデビュー戦ゴールや怪我などで戦列を離れていた主力選手の復帰、さらには取り戻しつつある名古屋の攻撃スタイルなど全てが好転し始めている中で、この試合もし名古屋が勝ち点3を獲得することが出来ていればチームは上げ潮に乗っていけるところだった。しかし残念ながら半ば手中に収めていた勝ち点3を失う羽目になったのは、ピクシーの采配ミスだったと俺は思っている。

 ひと昔前にセリエAなどで流行っていたCBを4枚並べるDFラインを見るまでもなく、前半抑え目で試合に入って後半勝負に掛けていた京都は、後半開始と同時に中盤の安藤に代えて豊田陽平、さらには名古屋時代も含めもともとSBなのに中盤(SH)で起用されている中谷に代えてパウリーニョと温存していた攻撃のカードを次々と切って、実際にパウリーニョの突破からPKを獲得し同点ゴールに結びつけている。
 一方の名古屋はキックオフからゲームの組み立ての部分では悪くない感じで試合を進めていた(後述)。しかし後半になって蒸し暑さのせいもあって両チームの足が止まり始めると、試合はカウンター合戦のような攻め合いとなり、交代で入ったフレッシュなアタッカー達がゴールに迫る京都とは対照的に疲労が顕著な名古屋の選手達は中盤でボールを引っ掛けてカウンターに移行した時でさえ十分なサポートが見られないようになり攻め切るような場面自体が減少していったのだった。
 ピクシーがようやく動いたのは後半30分過ぎにマギヌンに代えて田中を入れてフォーメーションを3-5-2に変更した時で、それ以後は結局交代枠を二つ残したまま試合を終えている。動かずに待っていれば自分の「子供たち」がゴールをプレゼントしてくれるとでも思ったのだろうか。確かにこの試合で選手達のパフォーマンスレベルは向上してきていたし、昨シーズンからピクシーのもとでプレーしてきた選手達はそれだけの能力を備えてもいる。しかし上でも書いたように厳しいスケジュールで連戦を戦う選手達にそれを求めるのも酷な話だ。名古屋は引き分けるべくして引き分けた。もしピクシーが本当に誰が出ても同じスタイルが実践できる組織的なサッカーを目指しているのなら、考え方を改める必要があるだろう。

 キックオフから良い感じで攻め込んでいたのは名古屋だった。ケネディというターゲットマンを得た効果は顕著に現れた。時々今までの癖で無意味に横にボールを動かすような場面もあったが、これまでと比べれば随分とタテにボールが入るようになっていた。そしてケネディへの収まりが良いので周り(二列目)のプレーヤーがそれに連動して攻撃に参加することが出来る。攻撃に掛ける人数を増やせば必然的にパスコースは増えボールの回りも良くなる。ただこれは京都が様子を見ていたという部分も多分にあった。対戦相手の前線の核となるプレーヤーが入れ替わったのだからどいったやり方をしてくるのか試合をしながら探るのは当たり前の話だ。実際京都が名古屋のやり方を見切ってくると名古屋はケネディへのパスコースを消されてボールを預けられなくなり、半分追い詰められるようにサイドにボールを回してマギヌンや小川の突破力に頼ったり、アバウトなロングフィードを蹴って簡単にボールを失うようなシーンが増え始めた。後半になると京都も中盤の枚数を減らして少しづつバランスを崩してきたので名古屋は再びボールを動かせるようになったが、前半のような時間帯が続いていれば名古屋ももっと焦れるような展開に持ち込まれていたかもしれない。

 また名古屋にあってはボールはスムーズに動かせるようになったとしても、それをどうフィニッシュに結びつけるかという部分については課題は繰り越しになってしまった。ダヴィが去りケネディが加わったということは、簡単に言えば昨シーズンまで(もっと言うならヨンセンがいた頃)のスタイルへの回帰だ。ケネディとヨンセンを比べるというようなことはあまりしたくないが、ポストプレー自体はヨンセンが剛ならケネディは柔で遜色ないものの、ヨンセンの最大のストロングポイントであったボックス内でサイドからのクロスボールに合わせるという面ではどうなのか。得点に直結するところだけにケネディのそうした能力がどのレベルにあるのかの確認は最重要課題だ。乱暴な言い方をすれば、極端な話ヨンセンがいた頃は「サイドをどう崩すか」だけを考えていればよかった。サイドさえ崩せばあとはクロスを上げておけばヨンセンが高確率で決めてくれた。もちろん晩年はボックス内でのマークも厳しくなって単純にクロスを上げただけではゴールが決まらない状況になっていたが。
 一方のケネディは多少違うタイプのような気が俺はしている。マギヌンからのクロスをダイビングヘッドで決めたゴールは、ヨンセンがデビュー戦となった千葉戦(フクアリ)で決めた来日初ゴールと酷似していたが、もし二人のフィニッシュの形が違うのであれば、当然そこから逆算した組み立てにも別のスパイスを加えなければならないかもしれない。
 そして今は対戦相手も手探りだから違和感なくプレー出来ているが、相手チームに研究されてマークが激しくなった時にどうなのかというさらに次のレイヤーの話もある。かつてボックス内でヨンセンにマークが集中するようになって得点率が下がって来た時に、会見でピクシーが口にした「名古屋にはリアルストライカーがいない」という言葉。これによって札幌からダヴィが連れてこられたわけだが、このまま何もしないで見ているだけでは同じ道を歩むことになる。いつしかピクシーはその試合でのケネディのプレーを振り返りながら言うだろう。「ケネディは良いプレーヤ-だが名古屋にはリアルストライカーがいない。それが名古屋と鹿島の差だ」と。そう考えると、ヨンセンが清水で活躍し始めたのは脇に得点を量産し始めた岡崎というリアルストライカーがいるからであり、名古屋では玉田がどういったプレーを見せるのかが重要な要素となる。
 玉田と言えば、後半ロスタイムに左サイドからドリブルでボックスに侵入して決定的なラストパスを送ったシーンも印象的で、確かヨンセンのデビュー戦の時もフクアリで鋭いドリブル突破からボックスに侵入してアシストを決めていたシーンはそれに酷似していた。

 豊田スタジアムでの京都戦でパウリーニョが倒されてPKを獲得し最終スコア1-1というのもどこかで見たことがあるような光景だが、昨シーズン名古屋の進撃がそこから始まったことだと考えると、(この試合は選手達には少しかわいそうな試合だったが)これを良い予兆として次につなげて行って欲しい。
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by tknr0326g8 | 2009-07-19 01:51 | Game Review
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