Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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豊田国際ユース U-16日本代表×U-16名古屋グランパス・愛知県・豊田市選抜 @豊田スタジアム
 名古屋が初優勝を飾った全少の表彰式に後ろ髪を引かれながらも良きところで切り上げやって来たのは豊田スタジアム。目的はもちろん今年で10回目を迎える豊田国際ユースだ。大会自体は欧州の強豪クラブのユースが参加していて華やかだった初期の大会から、ナショナルチームのユースが参加するようになった5回大会以降とどんどんそのクオリティが下がり続けていて、2007年の第8回大会ではついにヨーロッパからの参加がなくなってしまった。日本、韓国、アメリカ、オーストラリア、UAEというパンパシフィックな香りが漂っていたこの大会については「ユースニュース」の中で神戸さんも苦言を呈していたのを覚えている。そして今年からは参加チームを6→4に縮小。これまでの2グループ制から1グループで順位を争う方式へと変更された。天下のトヨタが大赤字を計上している時代なのでチーム数を絞ること自体は仕方ないのだが、問題はそのクオリティだ。SBSカップや仙台カップなどの例もあるように、少数精鋭で争うことで参加している日本のチーム(選手)にとって貴重な体験となるのであれば良いが、そもそも今回日本から参加している二チーム(日本代表と名古屋グランパス・愛知県・豊田市選抜)がU-16なのに対し、残りの二チーム(メキシコと韓国のナショナルチーム)が実質U-15というのではやっつけ仕事にもほどがある。やる気がないのならとっとと大会を畳んでそのお金でU-16名古屋グランパス・愛知県・豊田市選抜を欧州遠征にでも連れて行った方がよっぽど良いと思うのだが。

 と、そんなネガティブな感情を抱いている大会になぜ俺が遥々やって来たかと言えば、それは名古屋の黄金世代と呼ばれるU-16が同年代の日本代表チームと戦うというドリームカードを是非生で観てみたかったからだ。これは俺の中では昨年のクラセン(U-15)のグループリーグ初戦で同じく彼等黄金世代がJFAアカデミーと対戦したのに匹敵するぐらい幻想を掻き立てるビッグカードでもある。俺の脳裏には4年前の仙台カップで青山隼と吉田麻也のいたU‐18日本代表が東北選抜に2‐5とボコられた現場を目撃した残像が今でも残っているが、心のどこかでこの試合にはそれに匹敵するインパクトを期待していたのも事実だった。

 しかし現実は俺のそんな淡い期待よりも遥かにシビアだった。怪我の三鬼などを欠くものの名古屋ユース所属メンバーだけでスタメンを組んだU-16名古屋グランパス・愛知県・豊田市選抜だったが、急造チームのU-16日本代表に対して前半はロスタイムに水野が決めた半ば事故のようなスーパーFK以外何もさせてもらえず、後半になって暑さのせいかU-16日本代表の動きが落ちて次々と新しい選手を投入してきてからはようやく意地を見せたものの、両チームの間に横たわる力の差は誰の目にも明らかだった。
 次第にワンサイドゲームになっていった前半を観ながら俺が抱いた印象を卒直に表現するなら、名古屋はまるでひとつ上の学年の日本代表と試合をしているようだった。これが果たしてサイズ(をはじめとしたフィジカル)の問題でそう見えたのか、それとも今年U-16となった黄金世代が同世代の頂点に立ったU-15から成長が止まったままだからなのか。日本代表が(特に先発メンバーには)サイズのある選手を揃えていて、それをベースとした球際の競り合いで優位に立っていた(名古屋が後手に回っていた)のは事実だし、そんなサイズ(フィジカル)だけでなく同年代の選手が高校へと進学してより高いレベルで経験を積むことでサッカー選手として驚くほどの成長を見せ、黄金世代の選手達のアドバンテージが失われてきているのも事実だろう。

 とは言え、仮にも日本代表の相手チームの個々のレベルが高いであろうことは俺もある程度想定はしていた。それでもなお俺が「歴史的な瞬間」を期待していたのは、U-16日本代表がまだ寄せ集めの域を出ていないのに対して、名古屋が中学時代から一緒にプレーしてきた選手達を中心としたFamilyだったからだ。チームとしての力は間違いなく名古屋が上のはずだった。
 しかし残念ながらクラセン(U-15)を制した黄金世代のチームとしての原型は失われてしまっていた。先日クラセン(U-18)に先んじて行われた関東遠征で柏とのトレーニングマッチを観た時には前線からの非常に統制されたディフェンスを見せていたような気もするのだが、相手の(個々の)レベルが上がった影響なのか、その時感じたことがまるで白昼の幻ででもあったかのように、この試合ではその面影を見ることが出来なかった。特に気になったのは、(ボールを蹴ると砂が舞うようなピッチ条件の影響もあったのかもしれないが)どうやって攻めるのか形が見えなかった攻撃面もさることながら、動きがバラバラでまるで揃っていない(揃えるつもりがない?)DFラインだ。形だけ4人がプロットされたようなDFライン(4バック)は、ゴール前の危険なシーンでは必死でシュートコースに入るなど個々のプレーヤーが身体を張って1対1では奮闘は見せていたものの、U-16日本代表に対して前半から簡単に裏を取られて幾度となく大きなピンチを招いてた。

 黄金も磨かなければいつかは錆びる。小柄でテクニックのある選手が揃う黄金世代の選手達は、ひょっとしたらトップチーム以下クラブが目指しているサッカーではなくもっと違うサッカーをした方がその特徴が生きるのかもしれない。選手達もやっているサッカーが去年までとは変わって戸惑っている部分があるのかもしれない。しかしクラブはサッカー選手としての能力は間違いなく高い彼等をスポイルすることなく育ててながらクラブを強化していかなければならない。

 この試合で目に付いた選手は、スピード溢れるドリブルで度々右サイドから仕掛けていた加藤翼。前半の名古屋が日本代表から得点を奪うとすれば、逆サイドからのダイアゴナルパス(サイドチェンジ)で加藤翼を使うかセットプレーぐらいしか可能性がなかっただろう。残念ながらローーテーションによって後半途中に交代してしまったが、後半はカウンターの撃ち合いになって名古屋にも決定的なシーンが訪れていただけに、もしあのまま加藤翼がピッチに残っていれば名古屋は逆転していたかもしれない。そして来週からクラセン(U-15)に臨むU-15からの飛び級組の青山も、投入直後は遠慮していたのかハッキリしないプレーが続いていたが、プレーしていく中で自信を付けたのかどんどんプレーに積極性が出て来てパフォーマンスが上がって行ったのも印象的だった。名古屋はた立場上はあくまでチャレンジャーなのだからこれぐらい怖いもの知らずの方が観ていても面白い。

 それにしても小川監督は不思議な監督だ。U-16に関しては佐賀コーチに任せているということなのかもしれないが、小川監督は試合中にテクニカルエリアに出て行って選手達に(教育的)指示を飛ばすこともなければ、もちろん怒鳴るようなこともない。かといってベンチで偉そうにふんぞリ返っているわけでもない。まるでおとなしい子供が家で留守番でもしているかのような雰囲気でベンチにじっと座っている。チームが上手く行っていない時ベンチに座る彼は内心イライラしながらも堪えて黙っているのか、それともピッチ上で起こっていることを解説者のように冷静に分析しながら試合を眺めているのか、その心中を推し量ることは困難だ。普段のトレーニングやハーフタイムで彼が一体どんな指示を送り、どんな言葉を掛けて選手達をピッチ(試合)へと送り出しているのか一度聞いてみたい。
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by tknr0326g8 | 2009-08-09 13:55 | Youth
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