Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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クラセン(U-15) グループD 名古屋U-15×FCディアモ @Jヴィレッジ
 クラセン二日目の相手は四国代表のFCディアモ。昨日の開幕戦で前橋FCと対戦したFCディアモは緊張もあってかキックオフから立て続けに失点を喰らいトータル8-2と敗れている。昨日はこの試合が名古屋とアズーリの試合が行われたピッチのすぐ隣で行われていたこともあって、前橋FCによるいきなりのゴールラッシュ(とそれに伴う観客の盛り上がり)が名古屋の選手達に与えた影響(焦りなど)も少なからずあるでのではないかと俺は思っているのだが、5メートルほどしかない両ピッチの狭間で試合を観戦していた立場からすると、混乱する選手達とそんな選手達に投げかけられるFCディアモの監督の声(コーチング)が印象的だった。選手がやるべきことを怠れば怒るし、良いプレーをすれば褒める、何をすべきか分かっていなければヒントを与えて考えさせる。これが晴れの舞台というよりもまるでトレーニングの一環のように試合を通じて投げ掛けられる監督の声は見ようによってはオーバーコーチングと言えなくもないが、そのタイミングや内容は的確で、クラブ創設6年目にして一枠しかない四国地区代表の座を勝ち取った要因のひとつはそんなところにあるのかもしれないと感じた。選手達はこの大会例えグループリーグで敗退することになったとしてもこの経験の中から将来に向けての何かを掴むに違いない。

 同じベンチからのコーチングでも良く通る声でスパルタ式に選手達を怒鳴り続けていた前橋FCの話は一旦ここでは置いておいて、それらとは対照的に、今シーズンから名古屋の監督に就任した高田監督は、U-18の小川監督と同様にベンチから静かに選手達を見守るタイプだ。ただ対戦するチームとの間に実力の差がない(もしくは相手の方が上という)U-18と比べれば、(少なくともこれまでの試合においては)対戦相手との間に力の差があったU-15では監督がベンチから口出しをしなくても良いような状況だった。そして東海地区予選などを観ていて思ったことは、いわゆる街クラブの監督がいちいちコーチングエリアにまで出て来て選手達に伝えなければないような内容は、J下部の選手達であればまだ中学生と言えども自分達で感じ取って自分達で修正するだけのサッカー選手としての奥行を持っている。このあたりはさすがに“アカデミー”と名乗るだけのことはあるが、J下部の監督というのは教えることと同じくらい我慢することが求められる仕事かもしれない。

 と、かなり前談が長くなったがさっそく試合。名古屋は昨日の試合とはスタメンを5人入れ替えて来た。よっぽどなことがない限りグループリーグ敗退はないという状況を考えても、一人でも多くの選手をこの大会に馴染ませておくことと彼等の(試合での)コンディションを測っておくことが狙いだろうか。

     北川   青山

曽雌  富田   真柄   森

河合  社本   大谷  鈴木

        渕上

 注目は三人の二年生。個人的には彼等三人に加えボランチのどちらかに代えて金を起用してくるかなと思っていたが、昨日の試合でも良いパフォーマンスを見せていた曽雌を筆頭に、U-14では不動のエースである北川(昨日の試合を頭だけ覗きに来たSALFUSのスタッフが真っ先に口にしていたのが「25番がいない」というこいとであり、実際地区予選でも決勝トーナメントに入る頃には3年生の中でも目立っていた)、さらには弟が全少を制した“新・黄金世代”でも活躍中の森といずれも期待の選手達がエース青山とともに攻撃陣を形成する。
 そしてもうひとつ気になる点としてはニッキの欠場。昨日の試合で足を痛めて交代したニッキはこの試合ではベンチにも入っておらず、今日見掛けた時にも普通に歩くだけで足を引きずっていたので、ひょっとしたら明日の前橋FC戦も難しいかもしれない。まあこの段階で無理をする必要は全くないのだが、高さのあるヘディングを武器に最終ラインで壁として立ちはだかるだけでなく「声」でチームを引っ張ることが出来るニッキの穴は、同じポジションでプレーする社本だけでなくチーム全体で埋めなければならないだろう。

 昨日の試合で前橋FC相手に8失点を喰らっているディアモに対して、自分達もそれ以上に点を取らなければいけないという思いもあるのだろうか、名古屋は立ち上がりからアグレッシブに攻め込む姿勢は見せるもののどこか焦りにも似た感じで気持ちが先走っているようにも感じられた。そしてディアモの忠実で速い寄せと未だ対応し切れていないJヴィレッジの芝の影響からかなかなかボールが落ち着かず組み立てが上手く行かない名古屋はロングボールを蹴り出すようなシーンが目立つ。

 対するディアモは完全なカウンター狙い。とは言っても自陣にベタ引きになって前線の一人か二人でカウンターを繰り出すというのではなくて、しっかりとプレッシャーを掛けてボールを奪い、ボールを奪ったら何人かの選手がグループとなって一斉に動き出す。比較的小柄なチームにあってサイズもある二人(中盤でボールを落ちつけられる10番とボックス内で危険なところに入って来る9番)がこのチームの中心選手ではあるが、ダイレクトに9番を狙うのではなくて、逆サイドにボールを振ったりして相手(名古屋)DFの意識を分散させ、その隙に9番がボックスに飛び込んでピンポイントで合わせるのがパターンだ。それを相手の監督のコーチング風に言うなら、「単純に(タテに)入れても高さのある相手に勝てないんだったら、どうしたらいいか考えろ」となる。
 そしてそんな攻撃はこの試合では名古屋よりも先に実を結び、カウンターから左サイドのスペースに抜け出されるとその折り返しに合わせようとした9番を大谷が後ろから引っ張ってしまいPKを献上してしまった(大谷にはイエローカード、PKは9番がゴール右に外す)。この試合について言えば、ここでPKを決められていたとしてもおそらく大勢に影響はなかっただろうが、今後自分達と同等レベルの相手と対戦する時はこうした不用意なプレーが致命傷となるだけに気を付けなければならない。

 よくよく考えてみれば、名古屋のDFが左右に揺さぶられるようなシーンはこれまであまりなかった。これまでは前線からのプレスはもちろんトップチームの理想を体現するかのようなハードワーカータイプのWボランチが中心となって中盤でボールを回収したり、そうして相手が苦し紛れにまっすぐ蹴って来たボールをニッキや大谷が跳ね返していたからだ。狙われるとしてもせいぜい相手のFWがサイドのスペースに流れてタテパスを受けてそのまま勝負するぐらい。しかしこのここに二試合では中盤でボールを獲り切れず、入れ替わられてそのまま前を向かれるようなシーンも少なくなかった。これは攻撃のスイッチが入った時に変な形でボールを奪われているからであり、そうした状況に堪らずボランチが一発でボールを奪いに行ってしまっているからでもある。チームとして簡単にボールを失わないことと守備におけるバランスを考え直すことが必要だろう。そしてDFラインは今後しっかりゲームを組み立てられるチームと対戦しサイドからの揺さぶりに遭った時にその真価を改めて試されることになる。

 これで目が覚めたわけではないだろうが、このピンチを凌いだ名古屋はその直後にCKから先制ゴールを叩き込む。左コーナーから真柄が入れたスピード、コースともに申し分ないボールに中央で一人(大谷?)が飛び込んでオトリとなり、その後ろから入って来た選手(北川?)がダイレクトボレーを蹴り込んだ。

 そしてこの得点と前後して、なかなか上手く行かない名古屋はフォーメーションに微修正を加える。北川を右サイドに回し森を中央へ。森と青山はタテの関係になって4-2-3-1のような形になった。

        青山

曽雌      森      北川

     富田   真柄

河合  社本   大谷  鈴木

        渕上

 キープ力のある北川がよりボールを受けやすいサイドに回ったことなどもあって少し前線にボールが収まるようになり、ディアモを押し込むことに成功した名古屋だったが、それでもフィニッシュの部分では強引さが目立ち、結局追加点を奪えぬまま1-0で前半を終了。現実的に考えれば逆転される可能性は低いが、「こんなはずでは…」というのが選手達の偽らざる気持ちではないだろうか。

 後半の開始に当たってベンチは青山と北川というU-15とU-14の両エースに代えて昨日ハットトリックを決めた中根とU-15日本代表候補でもある怪我明けの岩田を投入する。ベンチがよっぽど前半の出来が気に食わなかったのかと思いきや、どうやら青山は足を痛めていたようだ。後半も出ていれば必ずエースとしての仕事をしてくれたであろうだけに残念だが、全国初ゴールはこの先の大事な試合の数々の中できっと決めてくれるだろう。また彼のゴールなくして名古屋の栄冠も有り得ない。

        中根

岩田      森      曽雌

     富田   真柄

河合  社本   大谷   鈴木

        渕上

 ハーフタイムにベンチからの指示もあったのか、後半になると名古屋はトップ下の森が中心となってボールを引き出すための動き(顔を出す動き)が活発になり、いきなり長いボールで前線のアタッカーにボールを付けるのではなく、その間にワンクッション噛ませるようになったことでさらに前線の動きも活性化してきた。
 そしてなかなか強い気持ちを持っているディアモを相手に苦戦しながらも、名古屋は続々と得点を重ねて行く。CKのセカンドボールを拾った味方選手からDFラインの裏にフワリと出されたパスに反応した中根が左足のダイレクトボレーで逆サイドのサイドネットに突き刺して二点目を奪うと、左サイドから回って来たボールをバイタルエリアで受けた森が右サイドの曽雌にパスを送り、これに抜け出した曽雌がニアサイドの上を撃ち抜いた。
 森に代わって金がトップ下に入ってからは一層バイタルエリアを経由した攻撃の傾向は顕著となる。森と違って金は広範囲に動き回ってボールを受けるタイプではないが、タテに急ぎがちなチームにあってその確かな技術をベースとしたインテリジェンス溢れるプレーは一服の清涼剤的な味わい。U-14のJリーグ選抜でもプレーし(合宿を行い)そのプレーには少しだけ力強さも増したように感じる。そして真柄のスルーパスに右サイドからボックス内へと抜け出した金が冷静にコースを狙い澄ましてシュート、これはGKのビッグセーブによって阻まれたが、中根がプッシュし名古屋のリードは4点と拡がった。この金のシュートといい、その後同じように右サイドからドリブルでボックスへと侵入してきた曽雌がGKのニアサイドを抜こうとしてポストに当てたシュートといい、決まりはしなかったもののしっかりとコースを狙ってシュートを放っている彼等の冷静さと技術には驚かされる。トップチームの試合でハーフタイムのシュート練習を観ている時、ことごとくゴールネットを揺らしている選手の方が調子が良かったりシュート精度が高いと思いがちだが、外したりポストやバーに当てている選手の方が意外と際どいコースを狙ってシュートを打っている結果だったりするから気を付けないといけない。

 その後名古屋は大谷と曽雌に代え松田と石田を投入し富田を右サイドに回すなどのローテーションも実施。最終的な布陣はこんな感じ↓。

        中根

岩田      金      富田

     真柄   石田

河合  松田   社本   鈴木

        渕上
 
 そして試合終了間際にはロングボールに反応した岩田が相手DFに挟まれながらもスピードとパワーで抜け出し強引にゴールにねじ込んで5-0。完全にディアモの息の根を止めた。ようやく岩田らしさの出たゴールも見ることが出来たわけだが、岩田はこれから決勝トーナメントに向けてさらにコンディションが上がっていくことが期待される。

 これで二日目を終えてグループDは勝ち点6で名古屋と前橋FCが並び、アズーリとディアモが勝ち点0のままなので、名古屋と前橋FCは三日目の直接対決を待たずしてグループリーグ突破が確定した(順位は総得点差で前橋FCが首位)。決勝トーナメントで当たると思われる浦和――今日の試合では東海地区予選決勝で名古屋と戦ったジュビロ沼津の徹底したカウンター攻撃に大苦戦を強いられながらも最後は3点を固め取りして勝利――や、初日にその浦和の猛攻に耐えて0-0で逃げ切り、今日は退場者を出しながらも劇的なロスタイムゴールで勝利したジェフ千葉U-15習志野に目が行きがちだが、まずは目の前の試合。前橋FCは(隣のピッチをチラ見した程度だが)選手達が良くサッカーを知っていて、ショートパスを使いながらゲームを組み立ててくる印象。とりあえず選手達を怒鳴り散らしてとにかくうるさい前橋FCのベンチ(監督)のことは気にせず、試合に集中して良い弾みを付けて決勝トーナメントに臨んでほしい。
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by tknr0326g8 | 2009-08-17 00:53 | Youth
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