Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
クラセン(U-15) 準決勝 名古屋U-15×神戸ジュニアユース @Jヴィレッジスタジアム
 グループリーグ最終戦で前橋FCを相手に0-1と敗戦を喫したものの、決勝トーナメントに入ってからは浦和、横浜FCといった関東の強豪チームを退けてベスト4まで勝ち上がってきた名古屋U-15。一週間に渡る戦いもあと二試合となりいよいよ二年連続の栄冠が見えてきた。

 準々決勝で横浜FCを6-0と下している名古屋は試合前のアップを見ていても逆にそれが心配になってしまうぐらい選手がリラックスしていて雰囲気が良い。そこには大会開幕直後Jヴィレッジの芝に順応出来ずに思うようなパフォーマンスを発揮できていなかった選手達の姿はなく、試合を重ね勝ち上がっていくごとに自信を付けてきた様子が伺える。選手達は全国大会の雰囲気とレベルを肌で感じながらこの大会期間中に大きく成長したのだろう。

 そんな名古屋が準決勝で対戦するのが神戸ジュニアユース。残念ながら昨年のJFAプレミアカップでベスト4に入っているぐらいしか事前の知識はなく、グループリーグでも彼等の試合を見れていないので彼等がどういうチームなのかは分からないが、前評判の高いチームであり、この神戸や札幌そして浦和といった強いチームと名古屋が決勝トーナメントで戦う機会に恵まれれば(その上でそれらを勝ち抜ければ)いいなぁと思っていたので、(札幌は準々決勝でジュビ沼にまさかの敗退を喫してしまったが)ベスト16で浦和、そして準決勝で神戸と当たれたことは良かったと思っている。

 名古屋の先発はこんな感じ↓

      中根   青山

岩田   真柄   富田   曽雌

樫尾   社本   大谷   宮越

         渕上

 試合前のアップの片隅で裏方の仕事をこなしていたニッキを見る限りまだ試合に出られる状態ではなさそうだったのは残念だが、負傷明けでこの大会に臨んでいるU-15日本代表の岩田が本来のパフォーマンスを取り戻して来ていると思われるのは好材料。決勝トーナメントに入ってから勝負強さを発揮しゴールを連発しはじめたエース青山とともにそのプレーに期待が集まる。

 試合はキックオフから名古屋にとっては我慢の時間帯が続いた。FWの9番とDFラインの18番を筆頭に、サイズがありフィジカルが強そうな選手が多い神戸に対して名古屋は序盤から押し込まれてしまう。ポイントは「頭」と「セカンドボール」だ。名古屋の最終ラインは大谷も社本も決してヘディングの競り合いが弱いわけではないはずなのだが、神戸のそれが名古屋を上回っていることは明らかで、単純なロングボールに対して名古屋DFのヘディングクリアがキレイに決まったのはこの試合の中でもそれこそ片手で足りるぐらいだった。神戸は単純なヘディング技術というだけでなくポジション取りや身体の当て方なども上手いのだろう。そしてそんな安定しない名古屋のクリアを拾うのはほとんどが神戸の選手だった。名古屋の最終ラインがこれほどロングボールを跳ね返せない状況は中盤の選手達にとっても初めての経験だっただろうし、なにより今大会かなりの重労働を強いられているWボランチにこれを回収しろというのもかなりキツイ話だ。
 そして中央が強い(武器)ということを自分達でも認識している神戸はサイド攻撃にも迷いがないし、9番と2トップを組む17番が名古屋のDFラインと中盤の間に降りて来てボールに触ったり中盤の底でゲームを組み立てていた6番がやはり合間合間に顔を出してテンポ良くボールを捌いたりして完全にゲームを支配することに成功していた。
 
 相手に押し込まれて前線からの強い圧力にさらされている名古屋の攻撃の組み立てが苦し紛れとも言えるロングボール中心になるのは必然だが、これを神戸は18番(182cm)がことごとく撃墜してしまう。こちらのクリア率はほぼ100%だ。かといってグランウンダーでパスをつなごうにも、神戸は非常に組織だったソリッドな守備ブロックを築いているので、簡単にはトップにクサビのパスを入れさせてもらえない上、寄せが早く球際に強い神戸は名古屋の選手が少しでも逡巡しているとボールを奪い取り一気に名古屋ゴール前へとボールを運んでしまう。神戸は普段から守備組織を作るトレーニングを相当やり込んでいると思われ、GKからのコーチングもそうしたものが多い。こうなると名古屋としては神戸が前掛かりになってバランスを崩したところでカウンターを狙うしか打つ手がない状況だ。

 決定的なピンチを何度か招きながらも相手のシュートミスに助けられていた名古屋は絵に描いたようなカウンターから真柄のスルーパスに青山が抜け出したシーン(シュートは打てず)ぐらいしか良い場面がなかったが、30分を過ぎたあたりから神戸の動きが落ちて攻め手を失っていったことで少しづつ神戸陣内へとボールを運ぶことが出来るようになっていった。
 そんな中目を引いたのは樫尾と宮越の両SB。神戸の攻撃のペースが落ちたとは言っても守備組織は相変わらず堅いので、名古屋がその中に入って行こうと思えば上記の通りカウンターを狙うかもしくは個々のプレーヤーが目の前の相手をドリブルで抜いて相手の組織のバランスを崩すしかない。それを最も体現していたのが左SBの樫尾だった。3月にはユース(高校生)に交じってJリーグU-16チャレンジリーグに参加するなど、サイズもあってクラブの期待も感じさせる樫尾は愛知や東海地区の予選を通してもそのポテンシャルをフルには発揮出来ていない印象があったが、ここにきてようやくそれを出せるようになってきたようだ。神戸の守備ブロックに割って入り、相手が寄せて来ても間に身体を入れてドリブルで突き進んで行く様は圧巻だった。また正確な右足のキックを持つ右SBの宮越は樫尾のようなドリブル突破こそないものの、名古屋が攻め込んでいる時間帯に絶妙な位置に入って来てセカンドボールを拾い攻撃に厚みを持たせていた。

 名古屋にとっては押し込まれる時間が長く、特にDFラインは一瞬たりとも気を抜けないまま終了した前半だったが、終盤には攻撃面で後半に向けて良い兆しも見せた。そして立ち上がりに気を付ければベンチには北川や森といった二年生ながら違いを作り出せる選手も控えているので、1点勝負で勝ち抜けるかもしれないというような期待を抱きつつ始まった後半は、神戸が良い形でチャンスを作っても決定機でことごとくシュートをミスしてくれたこともあって「予感」はさらに高まっていた。もしこれが大人のサッカーであったならば、プレーしている神戸の選手達も過去の経験からそんな嫌な「予感」を感じ取ってそれがパフォーマンスにも影響していたかもしれない。そして実際、中根に代わって北川が入った直後には神戸の守備ブロックが一瞬間延びした隙に右サイドの曽雌から北川にナナメのクサビのボールが収まり、これを受けた北川が裏に走り込む青山に出したボールを青山がゴールに流し込んだり(判定はオフサイド)、岩田が東海地区予選の清水戦で決めたのと同じような位置で直接FKを狙ったりといったようなシーンも出現していた。相変わらず中盤を制し決定的なチャンスが多いのは神戸の方だが、ここまで来たらどっちに点が転がり込んでもおかしくない。

 だが名古屋にとってはチャンスが少しづつ増えていたことが逆にアダとなってしまった。前掛かりになったところで2バックのようになっていたDFラインと後で2対2の状況を作られ、社本との1対1を制した神戸9番が角度のないところから(今年のプリンスリーグ東海での名古屋と藤枝明誠の試合で藤枝明誠の9番に決められたのと全く同じような)豪快なシュートを名古屋ゴールへと叩き込んだ。名古屋は残り時間を考えて、敢えて後ろを2バック状態にするリスクを冒し勝負に出たのかもしれないし、単純に選手達が相手ボールになった時に守備に戻るだけの体力がなかっただけかもしれない。
 そしてさらに今度は正真正銘のリスクを冒した2バック状態から裏にボールが出てまたしても相手2トップと2対2の状況になると、17番の対応に行っていた大谷が振り切られ中央で待っていた9番にボールが渡る。これを9番が今度は飛び出してくる渕上の脇を抜けるように冷静にシュートを流し込んで2-0としほぼ勝負を決定付けたのだった。

 名古屋からしてみたらロングボールの競り合いに強いニッキがいればまた違った試合展開になっていたかもしれないが、文字通り「堅守」と呼ぶに相応しい神戸の組織的なディフェンスをチームとして攻略出来ず、いつもの自分達のスタイル(良さ)を出させてもらえなかったのも事実。決勝進出の目があるとしたらカウンターからの1-0しかなかった。これはこれで良い経験として新たな目標が出来たと捉え高円宮杯で再び神戸そして日本一にチャレンジして欲しい。少なくとも選手達はこの試合から速い判断の大切さと中途半端なプレーの危険さを学んだに違いない。そんな彼等が冬にどんなチームへと成長しているか楽しみにしていたい。
b0036243_081458.jpg

[PR]
by tknr0326g8 | 2009-08-22 23:59 | Youth
<< J1 2009 第23節 G大... J1 2009 第22節 千葉... >>