Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
J1 2009 第28節 名古屋×FC東京 @スカパー
 劇的な勝利を収めたACL準々決勝から中三日。ホーム瑞穂陸上競技場に迎えるのは7月の味スタ二連戦でコテンパンにやられたFC東京。その後FC東京はナビスコカップこそ決勝まで勝ち進んでいるものの、リーグ戦ではいつの間にか名古屋より下位に低迷している。カポレが中東に強奪されおまけにこの試合ではブルーノ・クアドロスが出場停止になっていることを考えれば、名古屋にとっては(体力的には厳しいかもしれないが)水曜日の川崎に続いてリベンジを果たさなければならない試合だ。

 しかし現実はそんなには甘くなかった。組織的で攻撃的なモダンフットボールを掲げる名古屋だが、確かにチーム全体で組織的に戦おうとする意思は見えるものの、その内実はまだ盤石な組織を築けているわけではなくむしろ個の能力に依存している部分が大きい。実際今シーズンも苦しい時期を即戦力の補強によってなんとか乗り切って来た。そんな名古屋にとっては個々の選手のパフォーマンスこそが生命線であり、連戦によって疲弊した選手達では勝負はやる前から見えていたのかもしれない。
 そんなこともあって、個人的にはてっきり先週の鹿島戦のように杉本やブルザノビッチといった選手達を先発で起用してくるものだとばかり思っていたので、この試合の先発メンバーを観た時にはかなり肩透かしを喰らった感じだった。昼間の試合で川崎が水曜日と同じスタメンで横浜戦に臨み2-0と勝利していたが、何年も前から同じスタイルで戦い続けている彼等と名古屋では基盤となる組織の熟成度が違う。ソリッドな守備組織からの速攻をベースとする川崎と名古屋を同列に語ることは出来ない。

 そんな名古屋の状態が顕著に現れたのは、例えば石川に奪われた同点ゴールのシーン。一体石川に何点取られれば気が済むのか?という感情論は一旦置いておいて、ただでさえ体力的にキツい状況でせっかくセットプレーから効率的に先制したにも関わらず、ブロックを作って守れない名古屋は相変わらずピクシーによる「プレッシャー!プレッシャー!」の指示一辺倒で前からディフェンスに行き、速攻が武器の東京に対してみすみすスペースを用意してしまった。そしてピッチサイドから放たれるピクシーの催促に対して、しぶしぶといった感じで2トップ(失点シーンでは玉田)が相手DFに対してプレッシャーを掛けに行くのだが、前からプレッシャーに行ったところでどう追い込むのかがハッキリしない名古屋は後ろの選手達の連動も中途半端で、結局は玉田のヌルいプレッシャーをかいくぐるようにタテ1本を出されると、ボックスの前には3対3の状況が出来上がっていた。ハーフタイムに図らずも城福監督が指示していたようにまずはブロックを作って前からのプレッシャーにも後ろが連動してそのパスの出先を狙っていた東京とはこれは雲泥の差。実際東京は後半名古屋に攻め込まれる時間帯もあったが名古屋にチャンスらしいチャンスは作らせなかった。FWが前からプレッシャーを掛けるだけで勝手に相手がボールをプレゼントしてくれた第16節のG大阪戦や前節の鹿島戦のような奇跡はそうそう起こらない。

 ただFC東京の飛ばしっぷりを考えれば、後半名古屋にもチャンスが来ることはある程度予想できた事態。ここでマギヌンがいないのは痛かった。両チームともに間延びした中盤でDFラインで弾き返したボールを運べるのが小川一人ではちょっと厳しい。昨シーズン終盤にマギヌンが怪我で離脱している間の名古屋がどんな状態だったか思い出すまでもなく、ブロックを作って守備を固めている相手に対して中村と吉村のWボランチが出来ることは限られている。ブルザノビッチや杉本の投入が悪かったとは思わないが、アクシデントでもあったならともかく、ピッチに残しておくべき選手とそうでない選手の見極めについてはもっと別の選択があったのではないだろうか。

 光明があるとすればここのところようやく得点に結び付くようになってきたセットプレー。これまではこれだけの長身選手を揃えていることを考えればほとんど奇跡と言っていいほど得点の匂いがしなかったが、大宮戦、ACL川崎戦、そしてこのFC東京戦とセットプレーから得点を重ねている。また順調にスコアを伸ばしている吉田もようやくユースの頃のような「引きの強さ」が出てきた感じだ。得点は基本的に引きの強い選手のところにボールが集まって来るもの。闘莉王がFW以上に得点を量産し続けているのは技術や戦術(ポジショニング)というよりも引きの強さがあるからと言っても過言ではなく、「(ボールが)自分のところに来い」と思っていなければ得点はままならない。今の吉田にはそれがある。
 そして吉田はそんなセットプレーだけでなく、ここのところのプレーぶりは代表に選出されても全くおかしくないほどのハイレベルなパフォーマンスを保っている。それは単なる調子の良さなどとは全く別次元のもので、何が吉田を変えたのかは分からないが、一つ一つのプレーや言動からヒシヒシと感じる高い意識を見るにつけ、近い将来吉田が本田のように海外へと巣立っていくのではないかと思わずにはいられない。名古屋ファンは間違っても来シーズンからの新加入が内定した新井と吉田で今後10年は名古屋DFは安泰などと思わない方がいいし、フロントも新井に続く後任のリストアップを進めておいた方が良いかもしれない。
[PR]
by tknr0326g8 | 2009-10-04 23:59 | Game Review
<< アジアカップ予選 日本代表×香... ACL 準々決勝 2ndレグ ... >>