Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2009 第29節 横浜×名古屋 @日産スタジアム
 突然ピッチにボフッという乾いた音が響き、そちらに目を向けるとゴールに向かって飛んできたボールがワンバウンドしてゴールの天井に突き刺さるように飛び込んだ。沸き上がるメインスタンドに向かって満足そうに両手を挙げて応えるピクシーを見て、俺はどうやらその“シュート”を決めたのがピクシーだったということを悟ったが、この“プレー”に対して松田のご注進を受けた主審はピクシーに退場を命じてしまう。バックチャージを受けたはずのマギヌンが松田の安い挑発に乗って相手と一緒にイエローカードをもらったシーンといい、百戦錬磨を誇る横浜主力選手の審判対応が上手いと言えばそれまでだが、この試合を捌いた主審(廣瀬格)に対する俺の不信感が決定的になった瞬間だった。伏線は名古屋が後半に横浜ゴール前で迎えたFKのシーンにある。キッカーの三都主が再三に渡って壁の近さをアピールしているにも関わらず廣瀬主審は遠くから「続けろ」の一点張り。結局三都主が蹴った壁越しのFKはゴール前で落ち切らずにバーの上を通過した。このシーンをAWAY側バックスタンドから観ていると良く分かったのだが、一度は自分の足で測ったところまで横浜の壁を下げさせようと試みた廣瀬主審だったが、壁を作った横浜の選手達がそれを無視していると、あろうことか廣瀬主審は壁をそのまま放置してその場を離れてしまった。弱気にも程があるし壁の距離は明らかに近い。まがりなりにも日本のトップリーグの試合を捌くレフェリーがあんな草サッカーでもなかなかお目に描かれないような状態でプレーを続行させて恥ずかしくないのだろうか。ピクシーへの退場宣告でレフェリーとしての威厳を示したつもりかもしれないが、この有り様ではそれどころではない。

 試合は名古屋が負けるべくして負けた試合だった。水曜日にAWAY(サウジアラビア)でのACLを控える名古屋は小川と代表戦から帰って来たばかりのケネディを温存。巻とブルザノビッチで2トップを組ませるというかなり思い切った策を打ち出して来た。捨てゲームとまでは言わないが勝ち点を拾えればラッキーぐらいな感覚なのだろう。しかし横浜は日本代表・中沢を中心としたDFラインに加えWボランチに松田と河合を起用したストッパー祭りで守備ブロックを作っており、これを突き破るには巻とブルザノビッチの2トップではどうにも分が悪い。ロングボールの競り合いにおける巻の健闘は正直予想以上だったが、それ以上のこと(ただでさえ高くて強い選手が揃っている横浜のマーク(意識)を二人、三人と引き付けること)は事実上不可能。中沢であれ栗原であれよっぽどなことがない限り1対1でも高さで完全にやられることはないので、余った選手は2トップの片割れであるブルザノビッチのマークに集中出来る。ブルザノビッチは基本的にあまり動かないのでこうなるとモロに横浜のマークにつかまってしまい仕事が出来ない。中盤に下がろうにもそこには松田や河合がいるという状態だ。
 そんな展開を俺はこの試合右SHで先発起用されていた杉本をトップで使って走力で勝負させた方が横浜DFとしては嫌だろうなと思いながら観ていた。かつてフェルフォーセンがガチガチの4-4-2の布陣を敷いてここ日産スタジアムで横浜に完勝した時のアレだ。巻が予想以上に(当時のヨンセン並には)中沢と競れていたことを考えればこの戦術は決してない話ではない。逆に言えば、このままでは名古屋はせっかく後ろでボールを奪って攻め込んでもフィニッシュに辿り着けないままボールを奪い返され、再び後ろは守備に奔走することになるという悪循環が止まらない。これでは後ろの選手達の疲弊は時間の問題だった。
 そして吉田の鮮やかなゴールで先制するも、バヤリッツァの負傷と増川のインフルエンザでこの試合CBに入った竹内が定期的にやらかすマーカーを見失って相手に前に入られるというミス(去年で言えば東京V戦(河野)や天皇杯・G大阪戦(中澤))で失点し1-1の同点のまま後半を迎えた名古屋は、後半頭からブルザノビッチに代えて小川を投入し、巻と杉本の2トップが図らずも実現する。これは戦術的な意図と言うよりも単にブルザノビッチの負傷によるものだと思われるが、名古屋がこの試合で勝ち点3を取ろうと思ったらこのフォーメーションで戦っている時間帯しかチャンスがなかった。
 しかし最後のところでアイデアが足りず名古屋は横浜ディフェンスを崩し切れない。そしておそらくACLを想定したローテーションでマギヌンが下がってケネディが投入されると名古屋は実質ノーチャンスだった。確かにケネディの高さと決定力は脅威だが、これで横浜は再びDFラインの前だけに注意を払えばよく、これまた高さが自慢のWボランチと挟み込むように守ればいい。そしてそんなケネディに対して最も質の高いボールを供給出来るマギヌンがいなくなってしまってはその脅威は半減だ。そうでなくてもそこから訪れるであろうオープンな時間帯で最終ラインと前線のリンクマンとして機能するマギヌンがいなくなってしまうのは名古屋にとって大きな痛手だった。
 さらにお約束で杉本が足を攣って同じポジションの津田に交代すると俺の注目は名古屋の守備陣が試合終了まで持ちこたえられるかどうかの一点に絞られた。横浜の高く堅固なディフェンスを崩すほどのアイデアが急に湧き出て来るとは思えないことを考えれば、攻撃的な選手のみで交代枠を使い切った今となっては、前半から飛ばしていたツケが後ろの選手達に回るのもまた目に見えていた。実際攻撃がアタッキングサードにおいて致命的とも言えるアイデア不足に陥っている中、守備陣はGK広野のビッグセーブ連発でなんとか横浜の猛攻を凌いでいるような状態だった。そしてロスタイムの悲劇は三たび訪れる。こんなゴールをかつて磐田戦で成岡に決められた記憶があるが、もはやこれは戦術的な問題ではない。

 そんな名古屋において目立っていたのはやはりアジアMVP候補の吉田麻也。技ありの先制点もさることながら、DFでも持ち味であるハイボールの競り合いだけでなく、1対1でもスピードのある坂田に仕事をさせなかった。前回瑞穂で対戦した時にはこの坂田にぶっちぎられたわけだが、同じ相手に二度やられるわけにはいかないという意地だろうか。ここのことろはつなぎも安定しているだけでなく時々決定的なパスを出すこともあるし、その眼はさらなる高いステージを目指しているような気がしてならない。一年目の時はセットプレーでも中沢に子供扱いされていたが、今やそれとも互角以上に渡り合っている。ユースの時に発していたような絶対的な存在感をこのレベルでも遂に発し始めた感じだ。この試合を視察した日本代表・岡田監督の目に吉田はどう映っただろうか。
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by tknr0326g8 | 2009-10-19 02:18 | Game Review
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