Grampus Diary from TOKYO
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高円宮杯(U-15) 東海大会 決勝 名古屋U-15×岐阜VAMOS @港サッカー場
 瑞穂で天皇杯という選択肢もあったが、チームが勝ち上がってくれることを信じて、昨日の準決勝に引き続き港サッカー場で高円宮杯(U-15)東海大会を観戦。今日の試合は決勝。相手は準決勝と同じ岐阜県代表の岐阜VAMOSだ。クラ選の東海地区予選を見た時には、引いて守ってカウンター狙いのVAMOS相手に名古屋が大苦戦を強いられた印象だったが、逆にVAMOSに対して危険な相手だと感じる場面も少なかった。あれから4カ月で両チームの力関係はどう変わっているのだろうか。

 名古屋のスタメンは昨日と同じ。

      北川   中根

岩田   真柄   富田   野崎

樫尾   ニッキ    大谷   鈴木

        渕上


 クラ選では名古屋に負けたことによって全国大会出場を逃したVAMOSにはその雪辱に燃える思いがあるだろうし、名古屋にとっては東海チャンピオンになって本大会へというモチベーションがあるこの試合。しかしここまで余裕の勝ち上がりで前日の準決勝でもVAMOSと並ぶ岐阜県クラブユースの雄・JUVENに大勝した名古屋よりは、そんな「東海無双」の名古屋にひと泡吹かせてやろうと乗り込んで来たVAMOSの方が気持ちは勝っていたようだ。球際の競り合いでも名古屋はイマひとつ激しく行けていないし、何よりキックオフから完全に気持ちが「受け」に回ってしまっている。この決勝戦でよりアグレッシブにそして主体性を持って試合を進めていたのはVAMOSだった。

 VAMOSはハイプレッシャーからボールを奪い執拗に名古屋DFの裏を狙ってくる作戦。スピード勝負に持ち込めば名古屋の強力なCBコンビに対しても十分勝算アリと踏んでいるのだろう。そして前回対戦では迫力に欠けていたカウンターも、攻撃に対する人数の掛け方がまるで別のチームのように分厚くなっていた。ボールホルダーに対して周りの選手が顔を出してパスコースを作る忠実な動きが目立ちテンポ良くパスをつないで来るVAMOSは、名古屋の最終ラインが高い位置にあれば1本の長いタテパスでその裏を狙い、逆に深ければバイタルエリアへとボールを運んで名古屋DFを誘い出しワンツーなどを使って裏へと抜け出してGKとの1対1の状況を作り出す。VAMOSが奪った1点目もまさしくそんな形で、前におびき出された名古屋DFラインの裏に上手く飛び出した10番の選手が名古屋GK渕上と1対1の状況から冷静にシュートを沈めていた。

 対する名古屋はVAMOSとは対照的にボールを持っても個々の判断が遅れがちでボールを引き出すような動きも少ない。こうなると守る側も狙いどころを絞りやすくなるので、名古屋はせっかくボールを保持していても簡単にVAMOSの守備網に引っ掛かってボールを失いカウンターを喰らうというサイクルにハマるのは自然な流れだった。そしてマイボールになると2トップと両SHの4人が前線に張り出す名古屋の攻撃は、ビルドアップの過程でボールを失うと前線に4人の選手が取り残される形になり、切り替えの早いVAMOSに対してあっという間に数的不利の状況を作られてしまう。いくらこのチームのWボランチがハードワークを生業としているとは言え、中盤の広いスペースを二人でカバーするのは到底無理な話で、Wボランチが慌ててボールホルダーに対して寄せたところで、余裕のあるVAMOSの選手達の巧みなボールコントロールによcつてアッサリとそのプレッシャーをかわされパスをつながれてしまっていた。

 「思っていたのと違う」が「何かおかしい」になりやがて焦りから自分達のリズムを見失っていく。そんな名古屋にとっての嫌な流れを押し戻したのは昨日の試合でもキレのある動きを見せていた左SHの岩田だった。この試合の後に行われた表彰式で今大会のMVPにも選出された岩田は、調子自体の良さもあるのだろうが、このレベルでは突出した個の能力の高さを発揮しており、チャンスメーカーとしてのみならず積極的にゴールに絡む動きが目を惹いていた。
 タテ1本から北川(のバックヘッド)→野崎と渡ったボールを受けた岩田はドリブルでPA内に侵入して鋭い切り返しでGKまで翻弄。それを抜き去ると右足で冷静にゴールを叩き込み同点に成功。そしてその後再び突き放されたりとなかなかペースの上がらないチームの中でも岩田個人のオンステージは続いた。この試合チームとして珍しくワンタッチでテンポ良くパスがつながって再び同点に追い付いた2点目では、クサビに入った中根の落とし→真柄とボールが渡り真柄がそれをワンタッチで前線に送るとそこに入り込んでいた岩田が落ち着いて目の前のDFを外してゴール右隅へと鋭いシュートを蹴り込む。さらに3点目のシーンでは野崎が横にドリブルしながら入れたクサビのボールを相手DFを背負いながら中根がキープ→そのヒールパスからDFラインの裏に抜け出した岩田が切り返しで右足に持ち替えてそのまま豪快にネットを揺らしたのだった。
 チームとしてはむしろやられている印象の方が強い前半だったが、岩田のハットトリックの大活躍によって名古屋は3-2とリードし前半を折り返した。

 ペースを握られ二度のリードを許す厳しい展開ながらも前半のうちに逆転に成功したことで、ハーフタイムを挟む後半は少しは落ち着いて試合が進められるかと思われた名古屋だったが、後半も依然としてVAMOSのペースは続いた。前線からのプレッシャーによって相手のパスミスを誘ったり相手が苦し紛れのタテパスを蹴って来たらそれを「前で」インターセプトする守備といい、ピッチを広く使ってボールを動かしてゲームを組み立てる攻撃といいそれは名古屋はすっかりお株を奪われてしまっている。逆に名古屋は悪い形でボールを失っているという面はあるにせよ、前線からのプレスがハマらないので中盤から後ろの対応が後手後手になってしまっていて、その結果1対1での主導権もVAMOSに譲るという悪循環のようにも見えた。

 しかし試合を決める力という点では個の能力に勝る名古屋の方が上。前半にも何度か見られたように判断を早くし良い流れさえ作れば(簡単にとは言わないまでも)名古屋は高い確率で得点に結び付けることが出来る。より高い技術を持ったチームが早くボールを動かしたら個の力で劣るチームはそれに付いていくことは出来ないからだ。そして名古屋はVAMOSからボールを奪うとカウンターから中央で途中出場の曽雌→北川→中根とつないで最後はファーサイドからPAに飛び込んで来た真柄へと展開。これに慌てたVAMOSのDFが真柄を倒してしまい名古屋はPKから追加点をあげる。その後タテ1本で裏を取られてゴールを割られ1点差に追い上げられたものの、左サイドからドリブルでカットインした北川が思い切って放ったミドルがGKのファンブルを誘ってそのままゴールに吸い込まれて、撃ち合いとなった試合にようやく終止符を打たれた。

 最終的なスコアは5-3。サッカーに判定はないが内容だけならVAMOSの方が上回っていた。それも東海無双の名古屋に真っ向から挑んだ上でだ。それでも名古屋はVAMOSを力でねじ伏せ当面の目標だった東海チャンピオンを達成したところには王者としての風格すら漂う。さらなる大きな目標に向けてこの苦戦が全国大会で生きることを願いたい。

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by tknr0326g8 | 2009-11-15 23:59 | Youth
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