Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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高円宮杯(U-15) グループリーグ 名古屋U-15×帝京FCJrユース @瑞穂北陸上競技場
 平林(現名古屋オーシャンズ)や日下(現FC刈谷)を擁してこの大会を制した1999年から10年振りの優勝を狙う名古屋。そんな10年前の記憶は彼等の中にはないだろうが、昨年ベスト8で涙を呑んだ光景を地元の港サッカー場のスタンドで目の当たりにした今年のメンバー達がどこまで勝ち進めるのか。条件は決してやさしくはないが、ひとつづつクリアしてこのチームとして一試合でも多く試合をこなして欲しい。

 名古屋のスタメンはこんな↓感じ。

      青山   北川

岩田   真柄   富田   森

河合   ニッキ   大谷   鈴木

         渕上

 高田監督が中スポ・ユースニュースの中でも紹介していたサイドアタッカー(右SH)の野崎はベンチスタート。二年生のテクニシャン・森に先発のチャンスが巡って来た。ゲーム序盤はなるべくボールを落ち着かせて、相手の動きが落ちて来た後半に野崎の突破力を生かすゲームプランだろうか。また左サイドバックとして不動のレギュラーでもある樫尾はベンチににも入っておらず、左サイドのユーテリティプレーヤーである河合がそのポジションに入っていた。

 試合はすぐに動く。青山の突破によって獲得したペナルティエリアすぐ外からの直接FKを富田が壁の外側を巻くようにキーパーサイドにグラウンダーでシュート。このこぼれ球に反応した北川がプッシュして名古屋が幸先良く先制に成功した。相手が名古屋のことを研究していて富田とともにボールの前に立っていた岩田の左足を警戒し裏をかかれたという風でもなかったが、ピッチコンディションや壁の死角から入って来たシュートがGKのミスを誘ったのかもしれない。そして試合序盤はこのFKのキッカケにもなった青山のスピード溢れる突破に対して帝京FCが全く対応出来ていない(止められない)感じだった。

 しかしこれでリズムを掴めるかと思いきや名古屋はなかなか波に乗っていけない。二人が同じボールに競りに行って重なってしまうことが何度かあったあたりを見ると緊張や気負いといったものもあったのかもしれないが、チーム全体でのオペレーションとして見れば攻守両面においてセカンドボールを拾えていなかったのが大きいように感じた。足が動いておらず「見て」しまっていた名古屋の選手達はセカンドボールの確保においてどうしても帝京FCの後手に回ってしまう。それはすなわち次のプレーを予測したポジショニングという意味でもあるのだが、このチームにとってセカンドボールは生命線でありこれが拾えないと名古屋は苦しい。
 そして前の4人(2トップと両SH)にタテパスを入れてそこに対して後ろからオーバーラップしてきた選手が絡む名古屋の攻撃は、上手くクサビのボールが入れられなかったりそこでボールキープが出来ないとやや強引なロングボールが多くなる傾向がある。こうなるとなかなか試合が落ち着かずコントロールすることが難しくなるが、ただ前の4人の個の能力の高さを考えればそれでもビッグチャンスは作れるだろうし、なにより東海大会の決勝(岐阜VAMOS戦)や先日の追浜とのトレーニングマッチを見るまでもなく、このチームはそんな苦しい時間帯を乗り切るだけの強いメンタリティを持っているはずだから、こうした時間帯はチームとともにスタンドもも我慢するしかない。

 サイドバックが積極的にオーバーラップし攻撃に絡む名古屋のスタイルにとってセカンドボールと同じぐらい大事なのはつまらないミスでボールを失わないことだ。相手に高い位置でボールを奪われると手薄な名古屋のDFラインがその速攻に対処するのは難しい。このチームでよく見られる失点シーンはそうしたショートカウンターからギャップになっている両SBの裏(CBの両脇)のスペースにボールを流し込まれるパターンだ。そしてこの試合でも中盤で失ったボールをサイドのスペースに流し込まれ、CBのカバーリングが到着する前に強烈なシュートでニアサイドを撃ち抜かれてしまった。そう言えば、夏のクラ選準決勝で神戸にやられた失点も東海大会準決勝でJUVENにやられた失点も同じような形だった。
 まあこの失点シーンについて言えば、奪われたボールをバイタルにつながれた時に寄せ切れずそのままターンされて前を向かせてしまったのが失点につながったとも言える。その後もクサビのパスに対する判断では何度か怪しい場面があり、簡単に前を向かせてしまってピンチを招いていたシーンがあったので、この部分は改善する必要があるかもしれない。

 この年代での試合(特にグループリーグ初戦など)はプロと違って相手チームに対するスカウティングがなされていないので、どちらかと言えば自分達の良さを発揮しプレースタイルを実践することに優先順位が置かれたような戦い方だ。しかしハーフタイムを挟むとそこには「大人の知恵」が加わることになる。前半は途中から試合がやや淡白な感じなってしまったが、ハーフタイムを挟んで迎えた後半に帝京FCがどういった戦い方をしてくるのか個人的には少し警戒していた。
 そして案の定帝京FCは名古屋のサイドバックの裏を狙うようなそぶりを見せてきたものの、ハーフタイムを挟んで動きが良くなったのはむしろ名古屋の方だった。ただこちらは相手がどうこうというよりも自分達の良さをいかに出すかという部分での修正(指示)が入ったような印象だ。前半と比べてもアグレッシブさを増した名古屋は立ち上がりから全快で試合を支配して行く。

 名古屋U-15の試合(公式戦)を観に行くと必ず掲げられている弾幕がある。「Dominate the game」――直訳すれば「試合を支配しろ」ということだが、去年のチームはベースとしてはボールを失わないで動かすことでそれを実践していたような印象だった。菅澤前監督がユースニュースの中で語っていた「ポケットに手を突っ込んだまま勝てるサッカー」という言葉がまさに象徴的だ。今年のチームは決してそんなポゼッションが得意なチームではないが、後半の名古屋はそれとは違うやり方で間違いなくこの試合を支配していた。
 前線にボールを預けて(クサビのボールを入れて)二列目以降が後ろからそれに絡んでガンガン攻める。仮にゴールを奪えなくても前掛かりになった選手達がそのまま前線からプレッシャーを掛けることで相手に苦し紛れのタテパスを蹴らせ、高さと前に強いニッキと大谷の両CBがこれを弾き返して再び攻撃につなげる。後半は相手の動きが落ちたこともあってかセカンドボールがよく拾えていたし、こうなると名古屋は良いサイクルにはまり文字通りの波状攻撃だ。

 ほとんどワンサイドゲームでビッグチャンスを何度も作りながらなかなかゴールを割れなかったところだけが心配だった名古屋だが、沈黙を破ったのはハードワークが持ち味のボランチによるスーパーハードワークだった。岩田と左右を入れ替わって左に回っていた森が内側にドリブルしながら相手を引き付けるだけ引き付けて背後をクロスオーバーした富田にパスを送ると、富田はこれを受けてフリーで左サイドからボックス内に持ち込み応対に来たDFを鮮やかなフェイントで振り切ってゴール前を横切るクロスボール。これに大外で鈴木が詰めた。ボランチの位置でのロングキックとハードワークが印象的な富田だがアタッキングサードでボールに絡めばこうしたドリブル突破も見せるアジリティに溢れるプレーヤーだ。そして終了間際には途中出場でGKとの1対1を含む何度かの決定機を決められていなかった野崎が左サイドからのアーリークロスにファーサイドで右足で合わせ3-1、試合を決めた。

 第二戦の相手は今日の第一試合で神戸に0-6と大敗を喫した島原一中。立ち上がりから守備的に戦っていたがボールへの寄せが甘く神戸のWボランチを軸としたビルドアップに全く付いていけていなかった。DFラインにはサイズがある選手を揃えているものの、帰陣が早過ぎてすぐボックスの中まで下がってしまうので、逆にバイタルエリアがポッカリと空いていた印象もある。名古屋としてはここを上手く使って青山や北川がボールを受けそのまま前を向いて仕掛けられれば得点のチャンスが広がりそうだ。名古屋の場合カウンターの脅威は常にあるチームなのでそこを気にしていても始まらない。島原一中が一日でどこまで建て直してくるかにもよるが、名古屋としてはとくにかく早く先制点・追加点を奪って楽に試合を進めたいところだ。

 神戸はクラ選で名古屋と当たった時にはゴールに向かってダイレクトにプレーする(そしてそれに対して名古屋が後手に回って慌てた)印象が強かったが、この試合ではWボランチを中心としてしっかりとボールを動かしてゲームをコントロールしていた。もっとも次の対戦で神戸がダイレクトプレーを増やしたとしても、そこには前回の対戦では不在だったニッキがいるので、名古屋もそうしたやり方に対しては簡単には主導権を譲らないだろう。
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by tknr0326g8 | 2009-12-20 09:02 | Youth
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