Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第3回 GO FOR 2014 CUP 四日目 決勝トーナメント @埼玉スタジアムサブグラウンド
 昨日のマリノスカップで快進撃を見せた名古屋U-10も気になりつつ、名古屋U-18が決勝トーナメントへと進出したGO FOR 2014 CUPを観戦にいざ浦和美園へ。グループXで2位になった名古屋の準決勝の相手はグループYで1位だった横浜FMユース。横浜は両グループを通じて唯一の無敗チームで、小野裕二、後藤拓斗、熊谷アンドリュー、鈴木椋太といった代表クラスのタレントを擁している、言わずと知れた今年の高円宮杯チャンピオンだ。相手にとって不足はないし、名古屋にとってはクラ選のグループリーグで敗戦を喫したリベンジには絶好の機会。

 そんな試合に臨む名古屋のスタメンはこんな↓感じ。

      高原   大西

小幡   水野   三鬼  加藤翼

都竹   奥山    岸   金編

         古川

 グループリーグからの流れを見ていると、どうやらこれが(怪我人などを除けば)現時点での小川監督の中でのベストメンバーということなのだろう。大会二日目のFC東京との試合でも左SBに入っていた都竹は意外な発見だった。もともと中盤の選手でテクニックがある上クレバーさも兼ね備えているので状況判断が良く相手に寄せられてもボールを失わない。左足のフィードはもちろん前にスペースがあれば自らボールを運べるあたりも彼ならではの魅力だろう。そして唯一不安に思っていた守備面でも意外と1対1で粘り強いディフェンスを披露していた。U-15時代に左SBを担っていた佐藤を中盤(SH)で起用し、中盤だった都竹をSBでプレーさせるという起用法が、かつてトップチームの左SBとして二度の天皇杯制覇に貢献した小川監督のアイデアというのも興味深い。

 試合はクラ選とは打って変わって落ち着いた立ち上がり。両チームともにボールを動かしながらゲームを組み立てようと試みる。印象としては、ボールを持っている時間が長いのはどちらかと言えば名古屋だが、横浜はバイタルエリアを中心に選手が名古屋のゾーンの合間合間に顔を出してボールを受けたりサイドチェンジの長いボールなども有効に使うなど、上手く動かしているのはどちらかと言えば横浜といった感じ。なかなかトップにボールを収まらない名古屋の攻撃はカウンターからDFラインの裏に2トップが抜け出す形が多く、実際その形から2トップがそれぞれ二回づつぐらい決定的とも言えるビッグチャンスを迎えていたが、対する横浜は決定機こそ少ないもののその攻撃には「上手く合えば一点」といった雰囲気が漂っていた。そして時間の経過とともに名古屋はクサビのボールを読まれ始めており、徐々に横浜の攻撃が噛み合い始めていたので、もし35分ハーフで行われたこの試合が通常と同じ前後半45分ハーフだったら、前半の残りの10分を有効に使っていたのは横浜だったかもしれない。

 後半の立ち上がりから横浜は前線のメンバーチェンジを行ってきた。横浜としては満を持しての切り札投入といったところかもしれないが、ようやく噛み合いだした攻撃がリセットされてしまう上、前半はバランスを保てていた組織が微妙にそれを失ってしまったのは誤算だったかもしれない。
 一方の名古屋は前半に良いイメージを掴んでいたカウンターから前の4人(2トップと両SH)がサイドのスペースを狙って積極的にドリブル勝負を仕掛ける形を徹底。なかでもキレキレだったのは小幡で、相手の脇の下に潜り込むように深く踏み込んで行くドリブルは力強くそして誰にも止められないほどスピーディーだった。

 名古屋が後半なかばに挙げた先制点もそんな前線のアタッカーによるドリブル突破から生まれる。左サイドのタッチライン際(通常で言えば左SHの位置)でボールを受けた高原がそのままゴールライン際までドリブルで突き進むとそこからボックスの中へと切り込み角度のないところから左足でGKの脇を破ってゴールへとねじ込んだ。前半は(ここのところの人工芝→天然芝の影響でもあったのか)訪れた決定機で珍しくシュートをフカしていた高原だったが、重要な試合でしっかりとエースの重責を果たすあたりはさすがだ。
 さらに名古屋は左サイドでボールを持った小幡がカットインから再びタテへと方向転換してドリブルで仕掛けエリア内へと侵入して放ったシュートを横浜GK鈴木が弾いて得たCKで、その小幡が左サイドから蹴り入れたボールをゴール正面で岸?が頭で押し込み理想的な展開で追加点を手に入れることに成功した。

 そしてその後も名古屋の前線の選手達によるドリブル突破は冴え渡り、横浜はリズムを取り戻せないまま試合はタイムアップ。終わってみれば名古屋の完勝だった。横浜はチームとして色々と試行錯誤している最中なのかもしれないが、この快勝によって横浜に多少なりともトラウマを与えられたかもしれない。


 決勝の相手は札幌ユース。個人的にはせっかくの機会なのでグループリーグで当たった札幌ではなく浦和ユースとやらせてあげたかったが、残念ながら浦和ユースは準決勝でPK戦の末に札幌に敗れてしまった。今大会でこれまでのリベンジに勤しむ名古屋にとって、もし決勝の相手が浦和ユースだったなら、二年前の高円宮杯(U-15)の借りを返す絶好の機会でもあっただけに返す返すも残念だ。ただ相手となる札幌も大柄な選手が多く前から圧力をどんどん掛けてくるのでグループリーグで対戦した時はかなり苦戦していた印象。実際あの試合を優勢に進めていたのは札幌だった。結果的には1-1の引き分けだったので、ここはスッキリと決着をつけて大会を締め括りたい。

 名古屋のスタメンは準決勝からGKを入れ替えただけであとは同じメンバー。この大会の名古屋はGKの三人(古川 : 伊藤 : 石井)を1 : 0.5 : 0.5で回している感じ。この試合でも前後半で伊藤と石井が交代しており、かつてU-15時代に伊藤と石井がテレコで起用されていたのを思い出す。

 試合は思いのほか札幌が前からプレッシャーに出て来ずちょっと拍子抜けといった感じだったが、コンパクトに組織された札幌のディフェンスを逆手に取り、名古屋は浅い札幌DFラインの裏を徹底的に突いていく。高原が、大西が、小幡が、加藤翼が、そして金編が細かなコンビネーションを絡めつつサイドから何度も札幌DFを突破し縦横無尽のドリブルで切り裂いていく姿は爽快だった。そして裏を取れていれば今度はトップへのクサビも決まり出すという好循環が生まれる。名古屋は横浜に完勝した勢いをそのままこの試合まで持ち込んで来たかのようだ。実際、勢いだけではなくFC東京や横浜といった関東の強豪ユースを連破したことによって得られた自信が彼等に与えているエネルギーは相当なものなのだろう。

 観ている側からすれば唯一の不安は飛ばし過ぎによるガス欠。散々サイドを破りながらもフィニッシュ(ゴール前でのツメ)が甘くなかなかゴールを割れなかった名古屋の選手達は、やはり良いリズムの時間帯になんとか得点を奪いたいという思いが強いのか、まるで憑りつかれたようにハイテンポなサッカーを継続していて、これが今日の一試合目ならまだしも前の試合からインターバルが一時間半しかない中で(しかもグループリーグでは(もちろんメンバーを入れ替えながらだが)三日間連続で一日二試合をこなしてきた状況で)そのスタミナがどこまで持つのか心配になる。そして案の定30分ぐらいになると名古屋の選手達は徐々に足が止まり始め、札幌に押し込まれる時間が生まれ始めていた。

 0-0のまま迎えた後半。開始早々に試合は動く。左サイドに流れてボールを受けた大西からその内側を抜けた小幡にボールが渡ると小幡がそのままゴールライン際まで持ち込んでシュート。これを札幌GKが弾いたところにゴール正面で加藤翼が詰めて名古屋が先制に成功する。
 こうなるとここまでハイペースで飛ばしてきた名古屋が残り時間をどう戦うかに注目が集まるが、名古屋の先制点の直後に札幌を襲った予期せぬアクシデントによって試合の流れは決定づけられてしまった。最終ラインでゆっくりとボールを回す名古屋に対して、先制を許したことで前線からアグレッシブにプレッシャーに出て来た札幌は、水野からGK(石井)へのバックパスが緩くなった隙を見逃さず29番の選手が猛然と突っ込む。ボールは間一髪で石井が確保したがこれと接触する形になった札幌の29番のプレーが危険な行為と見なされこの日二枚目のイエローカードで退場。ちょうどJユースカップの準々決勝(磐田×柏)で磐田の選手が退場したのと同じような感じだが、札幌の追撃は思いっ切り肩透かしを喰らってしまった。

 これによって少し余裕が出て来た名古屋は、小幡と加藤翼のサイドを入れ替えるなどのテストを行いながらも基本的なスタイルは崩さず追加点を狙いに行く姿勢を貫く。しかし形成有利と相俟って一層冴え渡る前線の4人のアタッカーに右SBの金編を加えた強力なドリブル突破にも関わらず、フィニッシュの部分に課題を残す名古屋はなかなか追加点を奪うことが出来ない。そんな名古屋にとって救いだったのは非常に集中していたDF陣が札幌に付け入る隙を与えていなかったことで、こうした展開ではえてして攻め込まれているチームがワンチャンスをモノにしてしまうものだが、一人少なくなった札幌がシンプルに裏やサイドのスペースを狙ってきたボールに対して名古屋DFは落ち着いた対応と迅速なカバーリングによって危な気なくこれを凌いでいた。

 さすがに試合終盤になると名古屋の選手達にも疲労の色が見え始めたが、ここで小川監督は加藤翼→藤田というお決まりの交代と水野→川村という交代以外は行わない鬼采配を見せる。札幌が次々と選手を入れ替えて来ていたことを考えても体力面では明らかに札幌に対して劣勢で、勝敗に拘るなら他にも打つ手はいくらでもあったと思われるが、35分ハーフの試合でしかも相手が一人少ない状況ということを考えれば、これで勝ち切れないようではこの先の伸びシロはないという判断なのだろう。その意味では小川監督はなかなか我慢強い監督かもしれない。そしてチームはそんな小川監督の期待に応え、苦しいながらも最後まで攻め続け見事新チームに初のタイトルをもたらしたのだった。

 今年で第三回を迎えるこの大会は、初代王者が翌年の高円宮杯を制した浦和黄金世代で昨年の王者が今年圧倒的な強さでJユースカップを制したFC東京ユースという非常に縁起の良い大会。今年は高円宮杯出場を逃すなど今ひとつ奮わなかった名古屋U-18だが、来年はそんな歴代の優勝チームにあやかってタイトル獲得を目指し更なるレベルアップに期待したい。
 なお昨年は重松健太郎が選出された大会MVPには文句無しで名古屋の10番・小幡元輝が選ばれている。
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by tknr0326g8 | 2009-12-29 09:15 | Youth
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