Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
ナビスコカップ 予選リーグ第1節 FC東京×名古屋 @国立競技場
 昔誰かが言っていた「名古屋の半分は優しさで出来ている」というのはもはや不変の真理らしい。チーム表記から「エイト」を削っても、「Never give up!!」を信条とするピクシーが監督になって名古屋では異例の長期政権を委ねられても、アジアの舞台(ACL)でベスト4まで進出しても、ファイティング・スピリットの塊のような闘莉王を獲得しても、それはチームの根底に脈々と受け継がれていて時々こうして顔を覗かせる。
 「今シーズンこそ悲願のリーグ優勝を!」と意気込み、アジアと掛け持ちするわけでもないのに大型補強を断行してローテーションが可能な巨大戦力で2010シーズンへと突入したチームが、メンバー的にも1軍半でチームとしてのパフォーマンスも決して良くないFC東京に対して、引き分けるのがやっとという惨状は、フィールドプレーヤーの4割が新加入でまだチームにフィットし切れていないという事実を差し引いたとしてもブーイングに値するものだったと俺は思っている。
 それでもせめて二度もリードを奪った試合で勝ち切ってさえいえば、「勝つために組織されたチーム」の最低にして最大のミッションコンプリートに対して試合後に拍手を贈る気持にもなれたのだろうが、ユース上がりの若手の大粛清を行い、親会社の援助によって「完成品」をかき集めたチームが、ついこの間まで高校生だったFC東京ユース出身の重松に同じくユース出身の大竹とのコンビネーションから劇的なロスタイム同点ゴールを奪われるあたりはもはや皮肉を通り越して屈辱に近い感情を覚える。

 個人技主体ながらもその集積によって攻撃をオーガナイズして決定機を演出し、また個の能力を最大限に生かせる場の一つであるセットプレーから得点を奪えるようになったことはチームとしての収穫。昨シーズンまでは阿部に頼りっ切りだった最終ラインからのビルドアップも、阿部と闘莉王の二枚で行うことで、FC東京の前からのプレッシャーを苦もなくいなしていた(FC東京は名古屋最終ラインへのプレッシャーが無意味だと分かるとそこからボールを受けるアンカーのダニルソンに狙いを切り替えていた)。ただ今後ピクシーには「勝つために組織されたチーム」から矛盾点をひとつづつ取り除いていくいく作業が求められるだろう。

 例えばピクシーたっての希望でポジションバランスを無視してツルヴェナ・ズヴェズダから連れて来られたブルザノビッチの扱い。後半開始早々に得たPKのチャンスで、東京GK・権田のPKストップにスタンドのFC東京サポーターは試合に勝ったかのような盛り上がりを見せていたが、目の前でその一部始終を見せられた名古屋サポーターの半分くらいはブルザノビッチがボールをセットした時点(キッカーがブルザノビッチと判明した時点)で追加点を喜ぶ可能性をなかば放棄していたに違いない。とてもヨーロッパから来たプレーヤーとは思えない、二流の日本人プレーヤーのような「間合い」を持つブルザノビッチは、当然のことながらドリブルで突っかければ相手DFに引っ掛かって相手チームのカウンターを誘発するシーンをどの試合でも連発しているし、アタッキングエリアにおいてもプレーの選択に意外性がない(これまたの日本人と大差ない)ので、チームにおいて決定的な仕事が出来ていない。そんなブルザノビッチがPKキッカーとなったところで、日本人(権田)の間合いにシュートするであろうことは、蹴る前から予想出来ていたことだった。もちろん日本人ではなかなか探すのが難しいサイズと技術のバランスやそれに起因する懐の深さや身体の強さを生かしたボールキープ、強烈なミドルシュートなどの見どころは持つプレーヤーだが、日本人でもないブルザノビッチの育成のために勝利を犠牲にするいわれはどこにもない。

 また試合の中で見ても東京の左SBは明らかに「穴」だった。かつて古賀正紘がカシマスタジアムで大量8点を喰らって試合後号泣していたのを彷彿とさせるぐらい混乱していた東京の左SBを、名古屋は勝つためには徹底的に狙うべきだった。どうしてそこを狙わなかったのかは分からないが、そこにもまた名古屋が常勝チームに成り切れない要因の一つがあるのかもしれないし、グループとしてのボールキープが必要な場面で、ブルザノビッチや小川のいい加減なパスによってボールを失っていたシーンなどを見ると、ボール回しでミスした後に周りのチームメートの爆笑が聞こえてきそうな普段のヌルいトレーニングが垣間見られた気がしたのは気のせいだろうか。それらのシーンだけ見てもこのチームには勝利に対するストイックさが決定的に欠けているし、それを身に付けない限りはいくら戦力補強をしても優勝などはままならないだろう。
b0036243_13565963.jpg

[PR]
by tknr0326g8 | 2010-04-03 13:57 | Game Review
<< J2 第8節 千葉×岐阜 @フ... ダノンネーションズカップ 20... >>