Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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プリンスリーグ東海2010 名古屋U-18×中京大中京 @トヨスポ
 体制を一新して臨んだ昨シーズンは最終順位が4位となり、5年連続で出場を果たしていた(うち準優勝が二回でベスト4が一回)高円宮杯出場を逃す結果となったプリンスリーグ。今シーズンは東海の枠が広がって上位4チームが高円宮杯出場権を得られるようになったが、来シーズンから始まるという全国リーグ出場のためには3位以内に入ることが必須条件となる。育成年代で「結果」だけに拘るのはナンセンスだが、一昨年と昨年に経験を積んだ選手も多くいる今年のチームには是非高いレベルでプレーをして欲しいし、その意味でもこのプリンスリーグは最低でも3位以内に入らなければいけない大会だ。

 名古屋のスタメンは3年生が5人で2年生が6人という構成。気になるのは岸の不在だ。ベンチには入っているようだし、先週はトップチームの練習試合にも出ていたようなので怪我ではないと思われる。トップフォームでないのであれば夏から始まる全国大会までにはなんとかそれを取り戻して欲しいところ。

      高原   奥村

加藤   水野   近藤   小幡

金編   川本   奥山   三鬼

         古川

 試合はキックオフと同時に中京が宮市ひとりを前線に残して自陣のスペースを埋めカウンターを狙うスタイルを打ち出してきた。前線に強力なドリブラーを揃える名古屋に対して中京・道家監督の頭の中には昨冬の選手権の神村学園戦の悪夢が蘇ったのだろうか。それとも自分達の戦力と名古屋の戦力を比較し、また宮市というこの年代屈指のタレントを活かす上で、最も理に適った戦い方がこれだったのだろうか。そして必然的にボールを保有する形となった名古屋は、序盤はそんな中京の出方を伺っていたのと、中京の前線にいるのが宮市である以上強引に攻めて変な形でボールを失いたくないという思いからかかなり慎重に試合を進めていた印象だった。

 そんな静かな展開の中で攻撃の口火を切ったのはやはり名古屋の10番小幡。ひと際小柄な左利きのアタッカーが得意のドリブルでサイドをエグッてからの折り返しや切れ込んでからのミドルシュートなどを見せると、それを号砲代わりに名古屋の攻撃もテンポアップ。それまで中京のブロックの外でボールを回していたようなポゼッションから一転、トップの高原にボールが入り始め、これを受けた高原が前を向いてドリブルで仕掛けることで名古屋の攻撃から俄然ゴールの匂いが漂い始めた。
 いくら名古屋のサイド攻撃が強力でも、大柄な選手が多い中京からしてみれば名古屋がサイドでボールを持っている分には怖くない。サイドを破られてクロスを上げられたとしても中央では問題なく弾き返せるからだ。しかしトップにクサビの縦パスを入れられ始めると話は変わってくる。そこではむしろ寄せの甘さが目立ち、高原に楽に前を向かれているようなシーンも多くあった。

 そんな高原のドリブル突破をによって得たボックスの外やや左寄りの位置からのFKで、相手の準備が整う前に水野がゴール前へとボールを入れるとこれに小幡が反応。慌てて止めに入った中京DFが後ろから小幡にのしかかるように倒してしまい名古屋はPKを獲得、これを小幡がゴール右スミにしっかり決めて名古屋が先制に成功する。そしてその後も名古屋のペースは続き、小幡と近藤によるショートコーナーからのパス交換から近藤がゴールに向かってボールを蹴り込むと、相手GKの前で高原が触るか触らないかの感じでボールを流し、これがそのままゴールネットへと突き刺さり、名古屋が2-0とリードして前半を終了した。

 後半になると、道家監督からハーフタイムの指示でもあったのか、中京が少しアグレッシブな姿勢を打ち出してサイドを使った攻撃に打って出る。個別のプレーで気になったのは、ボランチの位置に入っていたひと際大柄な6番の選手を、自分達のゴールキックの時には前線に上げてターゲットにしていたこと。大会プログラムによると190cmというプロでもなかなかいないサイズを持つ彼をターゲットにすること自体にはもちろん何の違和感もないが、もし中京がこの試合をこの6番の選手(でなくても他に大勢いる大柄な選手)と宮市の2トップで戦っていたらどうなっていただろうか。
 流れの中では前線に一人取り残されていた形の宮市に対して、名古屋は2人のCBが受け渡しながら(左サイドに流れることが多いので主に奥山が)見ていた感じだった。いかに宮市といえどもチャレンジ&カバーを明確に分担した二人のCBを突破するのは容易ではない。ここでもし宮市のほかにもう一人ターゲットとなる選手がいて、そのセカンドボールを宮市が狙っていたとしたら、名古屋のCBコンビも当然マークを分散せざるを得ず、その脅威は増していたのではないだろうか。CBのカバーにSBがしぼってくれば今度はサイドが空いてくる。
 後半に中京が挙げた追撃の一点(PK)は少なからずそんなことをイメージさせる展開からだった。現象だけ追えば、名古屋の攻から守への切り替えが遅くなったところで右サイドへと大きく展開されて、中京の右サイドアタッカー(7番)の突破に金編が思わず手を掛けて止めてしまったちょっともったいない形だったが、そもそも金編のカバーにCBがすぐに行けなかったのは、この試合でのCB二人が宮市に引っ張られていたからだろう。もし中京が宮市とは別に前線にターゲットを置いていたら、中京がこうしてサイドを突破するようなシーンはもっと増えていたかもしれない。
 中京は誰の目から見ても分かる宮市の個人能力に依存した戦い方(それはそれでいいと思う)で、愚直なまでにそのスタイルを実践していたわけだが、周りのサポートなどでその宮市をもっと活かす方法を考えたり、宮市自身をオトリにしてサイドを崩したりといった部分で策がなさ過ぎた。

 宮市の豪快なPKもあってにわかに活気付く中京だったが、同時にミスも多く流れを完全に引き寄せることが出来ない。そして前掛かりになったところでカウンターから奥村に独走を許し追加点を与えてしまう。追走する相手DFに当たられても倒れずゴールを目指して突き進んだ奥村の頼もしさが感じられたゴールだったが、奥村は前半試合に上手く入り込めていなかった印象だったので彼にとっもうれしいゴールだろう。足元の技術が高く密集の中でもクサビを受けて基点となれる奥村の存在はこの試合でも十分にその貴重さが伝わってきたが、ゴール前でFWとして最も必要な決定力を欠くような場面もあり、ゴールという結果を積み重ねることによって真のストライカーへと成長していって欲しいところだ。

 試合はその後コーナーキックからのこぼれ球(セカンドボール)を左足のボレーで豪快にゴール右上に決められた事故のようなゴールで再び中京が1点差へと追い上げたものの、高原、水野、小幡が絡んだ細かいパス交換からボックスのやや外でボールを受けた加藤翼が逆サイドネットに豪快なシュートを決めて名古屋が三たび突き放す。そして再びショートコーナーから小幡→近藤→小幡と渡り、小幡が鮮やかな弧を描くシュートを中京ゴールに突き刺しさらに追加点。締め括りはどうしてもこの試合で点が取りたそうだった高原が左サイドからボックス内へと持ち込み鋭い切り返しで相手DFを外すと、高原らしい左足のよく抑えが利いたシュートを決めてゴールラッシュを締め括った。終わってみればスコアは6-2だった。

 この試のMOMを挙げるとすれば個人的には近藤と水野のWボランチを挙げたい。宮市を抑え切ったCBコンビも立派だが、中盤でこの二人がことごとく攻撃の芽を摘んでいたことは、名古屋のディフェンスが宮市に仕事をさせなかったことと無関係ではない。また二人とも攻撃においても、真ん中でボールを散らすだけでなく、時には自分で前にボールを運んで行く様には力強さも備わってきた。唯一あるとすれば水野にはもっとゴールを意識して欲しい。類稀な才能を持つこのコンダクターは、この試合に限らずだがシュートコースが空いていてミドルシュートを打てるような場面でスルーパスに拘ってみたり、この試合でも一旦小幡に預けたボールを小幡がワンツーでボックス内に落としたのに水野が走り込んでいなかったというような場面があった。水野が「良い」選手というだけなくもっと「怖い」選手になった時が、水野自身もこのチームもワンランクステージが上がる時だと俺は勝手に思っている。もちろんポジション柄(近藤との役割分担柄)遮二無二ゴールを目指すわけにはいかないが、チャンスがある時にはゴールに対する貪欲さを失わないで欲しい。

 あとは高原や加藤といった俺のイメージの中では守備が苦手な選手達が危ない場面に戻って来て守備に貢献しているのを観ると、チーム全体として守備の意識がかなり高くなってきたことを伺わせる。会場は無反応だったが、この二人の他にも小幡などが周りの味方選手からディフェンスで「ナイス○○」と言われる場面は何度かあったし、全体としてチームは良い方向に進んでいるのではないだろうか。夏の全国大会で彼等に再開できるのが今から楽しみになってきた。
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by tknr0326g8 | 2010-04-29 23:46 | Youth
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