Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2010 第10節 浦和×名古屋 @埼玉スタジアム
 昨シーズンはクラ選(U-18)と重なってしまったために、個人的に二年ぶりとなる埼玉スタジアムでの浦和戦。一昨シーズンの二試合(リーグ戦&ナビスコカップ)のイメージからするとかなり評価はポジティブだが、スタジアムに向かう率直な気持ちは期待と不安が半々だった。その理由はピクシー率いる名古屋とフィンケ率いる浦和はそれぞれが苦手なタイプ同士による試合だからだ。

 浦和の弱点が山田暢久と坪井のセンターバックコンビに高さがないことであるのは明らかだ。また上手く機能している時はショートパスをつなぐ距離感がとてもいいフィンケのサッカーはその距離感(コンパクトな陣形)を保ったまま守備に移行できるという強みも持っているが、コンパクトもなにもその網に掛かるところに相手がボールを入れてこなければどうしようもない。そう考えると前線にケネディという絶対的な高さを誇るターゲットを擁し、パス回し自体も基本的にはDFラインで横に動かしたり素早くサイドに付けたりしながらケネディ目掛けて放り込むのが常の名古屋との相性は最悪と言っていいだろう。名古屋からしてみれば変な色気を出して中へと入って行かないことが勝利への近道だ。
 一方で中盤に攻撃的な(守備ではあまり気が効かない)プレーヤーを並べる名古屋は守備に回ると中盤のフィルターが全く効かないので、どの試合でもピッチのど真ん中でガスガスとクサビのパスを通されている。ピクシー好みの大柄で屈強なCBが出足良くこれをカット出来ているうちはいいが、試合終盤になるとさすがにその出足も鈍って来るし、ポストプレーから(ワンツーのような感じで)二列目に飛び込まれるともう対応の余地がない。フィンケのもとで生真面目にポスト役を引き受けているらしいエジミウソンにどんどんボールをつけて基点を作られ、田中達也や柏木そしてポンテといった二列目のアタッカーにボックス内へと飛び出されたり、ポッカリ空いたバイタルエリアから積極的にミドルシュートを狙われたりしたら埼玉スタジアムが浦和のゴールショーの舞台と化してもなんら不思議ではない。

 そんな先入観を具現化したかのような試合は、今シーズン完全に頭が混乱したままプレーを続けている小川がGKとの1対1で見ているこちらが拍子抜けするぐらいアッサリとシュートを外したプレーから始まった。

 前半からハイペースで飛ばして主導権を握った名古屋は、小川の致命的なシュートミスこそあったものの、コーナーキックの流れから三都主が浦和のプレッシャーの行き届かないタッチライン際でボールを拾いそのまま上げたハイクロスにケネディが超人的な高さのヘディングで合わせるという予想通りの展開で先制に成功する。その後も慌てず無理せず「安全地帯」でボールを回す名古屋は、W杯日本代表を座を賭けた田中達也との直接対決に燃える玉田が浦和が網を張っている中央にドリブルで突っ込んで行く(そして潰されてボールを失う)のを除けば盤石と言っていい試合運びだった。その後飛ばし過ぎがたたってか足が止まり始めた名古屋に対して浦和が猛攻を仕掛ける時間帯もあったが、キレイなパスワークとフリーランニングでサイドをいくら崩されても、中央での「弾ね返し」に滅法強い名古屋にとってそれは全く脅威ではない。名古屋にとっての危険度のバロメーターはあくまで(前半は極端に少なかった)エジミウソンのボールタッチであり、サイドからの崩しと関連付けるならバイタルエリアへマイナスの折り返しを入れられることだが、幸い浦和はそういったプレーをあまり仕掛けて来なかった。

 後半の開始に当たり浦和の選手達が早々にピッチに現れた後も名古屋の選手達がなかなか出て来ないのを見てふと頭をよぎったのは二シーズン前のフクアリでの千葉戦だった。事故のような小川のゴールで先制しハーフタイムにたっぷりと時間を割いたにも関わらず、後半開始早々にアッサリと連続失点を喫したあの試合。そしてその悪い予感は的中する。
 後半開始からものの10分で同点そして逆転ゴールを許した時間の中ではやはりエジミウソンのボールタッチの増加が際立っていた。同点ゴールはサイドを崩されてマイナスの折り返しからミドルシュート、逆転ゴールはエジミウソンのポストプレーからポンテ、原口に飛び出されて決められるあたり、両ゴールともなんとも名古屋らしい失点だった。後半頭からFW(怪我の玉田)に代えてボランチ(吉村)を一枚増やしたにも関わらずなぜバイタルエリアが空いてしまうのか?という問いは愚問。そこが名古屋のアイデンティティであり名古屋の名古屋たる由縁だ。
 一昨年まで名古屋ユースで監督をしていた朴さんが当時から「早く(UEFA)チャンピオンズリーグとかの舞台でプレー欲しい」と規格外の賛辞を送っていた“怪物”が一年間ゴールから遠ざかっていれば、その感覚を取り戻させてあげるのも名古屋の役割。自分たちのチームが他所から掻き集めて来たベテラン選手ばかりならせめて相手チームの若手育成には協力しようという使命感でもあるのだろうか。

 逆転された後は時間の経過とともにみるみる同点に追い付く可能性が目減りして行ってしまった名古屋。中でも致命的だったのは三都主の交代だ。名古屋にとってはケネディ目掛けてクロスボールを放り込むことが唯一にして最大の得点機なのだから、チームで最も精度の高いクロスを蹴れる三都主は多少動きは落ちたとしてもピッチに残しておきたかった。阿部を残しておけば十分に事足りるという考え方もあるが、今シーズンはスタメンで出たりベンチスタートだったりといったことが続いていたせいかクロスの精度がすっかり劣化している阿部は、そのチューニングにまだまだ時間が掛かりそう。
 そんnこんなでケネディへの放り込みという決してクオリティが高いとは言えない戦い方すら完遂できなかったのがこの試合の名古屋だった。その戦い方に変化を付けられるマギヌン、金崎、(後半から)玉田を欠いていたとは言ってもこれでは到底勝ち目がないし、逆にそれを徹底できれば彼等不在でも名古屋には十分勝機があったはずだ。

 瑞穂や豊田では到底お目に掛かれない5万人の観衆を前にしてアドレナリンが出まくっていたのか、最後はこれがまるでトーナメント戦ででもあるかのように全員攻撃を繰り出してはカウンターから絶体絶命のピンチを招いていた名古屋。チームのスローガンである「Never Give Up!!」を体現していたその部分については今後に通じるものだと思いたい。
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by tknr0326g8 | 2010-05-05 21:32 | Game Review
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