Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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プリンスリーグ東海2010 第9節 名古屋U18×海星高校 @トヨスポ
 クラ選東海大会の準々決勝@サッカー場の終了後、第2グラウンドに移動してU14のトレーニングマッチ(×カターレ富山)とプリンスリーグ東海2010の最終節を観戦。プリンスについては同じ16時キックオフで飛騨古川合宿から帰って来たトップチームのトレーニングマッチ(×浜松大@トヨスポ第1グラウンド)と重なっていたが、トップチームは来週の大宮戦でじっくりと合宿の成果を堪能させてもらうことにしよう。なおカターレとトレーニングマッチを行っていたU14は、クラ選の東海大会(U15)に選手登録されているメンバーがトップチームの現在のモデルのユニフォーム、登録されていないメンバーがひとつ前のモデルのユニフォームと新旧ユニフォームがピッチ上に混在していたのが斬新な光景だった。

 というわけでプリンスリーグ。既に高円宮杯出場を決めている名古屋U18がプリンスリーグ最終節でトヨスポに迎え撃つのは、今年プリンスリーグ1部で唯一未勝利と最下位に沈んでいる海星高校。正直名古屋がここで取りこぼすとは思えないし、この試合の内容が再来週に開幕するクラ選に向けての参考になるとも思えないが、そんな試合をどうしても見ておきたかったのは、名古屋がここ数試合これまでと違うメンバーで戦っているらしいため。どういった事情があるのかは分からないが、メンバーが入れ替わってもここ2試合で磐田、静学という目下のライバル達を相手に引き分けを演じているチームが一体どういったプレーをしているのかどうしても見てみたくなった。

 名古屋のスタメンは、こんな↓感じのフォーメーション。

    大西  奥村

小幡  川村  近藤  加藤

渡辺  川本  奥山  野崎

      石井

 古川や岸、金編、高原、水野といったこれまでの主力選手達は、途中交代やこの後行われたB戦で先発していたので負傷などではないのだろう。(B戦は相手のプレッシャーが弱かったとは言え)水野などはむしろコンディションも良さそうだったので公式戦で見たかったところだが…。

 試合は開始早々に名古屋がアッサリと先制に成功する。左SBの渡辺が相手の右SBとCBの間に出来たギャップにフィードを落とすと、そのスペースに流れた大西がこれを拾って縦に抜ける。そして中央から並走する奥村に折り返しを流し込むと奥村がこれを落ち着いてゴールへと蹴り込んだのだった。このシーンに代表されるように、SHが相手のSBを引き付けてDFラインにギャップを作り、そこにDFの間を斜めに抜けるようなFWのランニングと最終ラインからフィードを合わせるようなパターンはこの試合で幾度となく展開されていたし、SHのポジショニングをキッカケとしたいくつかのパターン化された攻撃の形を名古屋は持っているのだろう。

 しかし幸先良く先制した名古屋だったがその後が続かない。名古屋の攻撃に連動性が生まれてスピードアップするのは2トップにボールが収まった時なのだが、肝心の2トップにボールがなかなか収まらない中では、スローインから奥村がヘッドで後ろに流したボールに反応した小幡がDFラインの裏に抜け出してGKと1対1になった決定的なシーン(シュートはポスト)などもあったものの、前半のうちに1点を奪うのが精いっぱいだった。

 ただ、対戦相手(と後々大きな意味を持つことになる得失点差)を考えればスコア的にも不満が残り攻撃のクオリティ自体も決して高くはなかったとは言え、選手一人一人のモチベーションの高さは十分に伝わって来たし、そのひとつの象徴として川本を筆頭にピッチ上で非常に良く「声」が出ていたのは印象的だった。そしてそれは前半が終わって選手が控室に戻った後のピッチがなんだか静まり返っているような錯覚を覚えさせたほど。また球際でも非常によく闘っていたこのチームは、確かにビルドアップの過程でミスからボールを失ってしまうシーンが多々あったのは事実だが、奪われたその場から奪い返しに行くようなディフェンスをしていて、それはあたかも格下の相手に一切サッカーをさせるつもりがないという強い意志を示しているかのようだった。こういうのを見ると、コーチングスタッフがしょっちゅう口にしている「メンタル」という部分もやはりそれなりに成果が現れているのかもしれない。

 後半もまた開始から程なくして得点が生まれた。奥村からパスを受けた小幡がそのままゴールに向かって突進すると、アタックに来るDFを切り返し一発で外しそのまま効き足でない右足を振り抜く。GKからしてみると少しボールがブレていたのかもしれないその強烈なシュートは、まるでGKを吹き飛ばすかのように豪華にゴールネットへと突き刺さった。さらに小幡はその直後今度は近藤のスルーパスから抜け出すと、ドリブルで持ち込んで冷静にGKを外して左足でゴールへと流し込みチームとして決定的な3点目を挙げたのだった。ひと際小柄ながら技術が高い上パワフルで圧倒的なキレ味を誇るこのアタッカーは、かつてユーゴスラビアでピクシーとともにEURO(2000)を戦っていたドゥルロビッチのようだ。
 切れ味という面では小幡と対をなす加藤翼も負けてはいない。ゴールラインまでの距離が5.5mしかないゴールエリアの中で相手DFと相対した状態から縦に勝負して抜いていくようなシーンがこの試合でも何度かあり、これはほんの2,3mあれば相手DFを置き去りに出来るだけのスピードがあるということを意味している。細かなコンビネーションを用いた崩しもいいが、名古屋と言えばその象徴はやはりサイドアタッカーでありサイドハーフ。その意味では彼ら二人はまたこれまでと違ったタイプながらもしっかりと名古屋の系譜を継承している。

 格上の名古屋が3-0と得点差を拡げたことは会場全体にどことなく緩んだ空気をもたらした。その空気に迎合したわけではないだろうが、名古屋ベンチも川村に代えて岩田(小幡がボランチへ)、奥村に代えて高原、野崎に代えて金編、加藤翼に代えて加藤凱と次々と新しい選手を投入するテストモード。もちろん代わって入った選手達は先発で出てもおかしくない選手達で接戦であったとしても同じような交代が行われていたのかもしれないが、その間に(アクシデント的な長距離の直接FKを含め)2ゴールを奪われ一時は点差を1点差にまで縮められてしまったことは、これらの選手交代とは決して無関係ではないはずだ。まあかくいう俺も岩田が登場した後は、試合の流れや全体の動きそっちのけで、この次世代を担うサイドアタッカーの一挙手一投足に釘付けとなって、その場の空気を作っていた一人なわけだが。

 予期せぬ失点を二つも喰らってこの試合初めて小川監督が選手達に声を掛けるべくベンチから出てきたが、選手達を奮い立たせるわけでも目覚めさせるわけでもないようなそのアクションは選手達にどこまで届いていただろうか。その後試合終了間際に大西に代わって入った藤田から高原へとボールが渡り二点目の小幡と同じように切り返しから右足で高原らしい抑えの利いたシュートが決まって海星にトドメを刺した名古屋だったが、これはむしろ選手達自身による意地のゴールのように思えた。

 そして試合は4-2のまま終了。首位の清水が引き分けたため、名古屋は得失点差僅か「1」の差で清水に優勝を譲ることになった。たらればは禁句だが、この試合の相手は比較的コントロールしやすいレベルだっただけに、これはなんとももったいないのひと言に尽きる。

 この後のB戦や翌日の東海学園とのトレーニングマッチを見るとベンチからはしきりに「テンポ」を意識したコーチングがなされていた。トップにクサビを当てて後ろの選手が(三人目の動きも含めて)それに絡んでワンタッチでテンポ良くつなぐスピーディーなコンビネーションサッカーで相手の守備ブロックを突破する攻撃を意図しているのだろう。確かに相手のレベルが格下であれば個の能力に依存した攻撃でも得点を奪えるかもしれないが、相手のレベルが上がってくればグループで連動した攻撃をしかもテンポアップして行わないとラストサードで突破できないだろうし、そんな攻撃で全国の強豪チームをチンチンに出来たら観ている方もやっている方も爽快だろうとは思う。ただ現時点で言えば残念ながら個々の技術も選手間のコンビネーションもその水準には達していない。
 これがチームとしてより高いレベルにチャレンジするために必要なことであると言うならば観ている側にも我慢が求められるのかもしれないが、コンビネーションがまだチグハグだったり、メンバーの半分をごっそり入れ替えてチーム全体の力を底上げしていくようなチーム作りの在り方などは(クラ選そして高円宮杯という全国大会を目前に控えたこのタイミングにも関わらず)まるで2~3月のジャパンユースや新人戦でも観ているかのような印象も漂う。
 とは言え、ここまで来てジタバタしても仕方ないので、24日に開幕戦を控えたクラ選では準決勝・決勝まで勝ち進んでの関東凱旋、そして9/4に開幕する高円宮杯では間違ってもグループリーグが札幌会場に飛ばされないことだけを個人的には願いつつ、このチームのより成熟した姿に再会出来る日を楽しみに待ちたい。
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by tknr0326g8 | 2010-07-14 00:09 | Youth
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