Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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クラ選(U-15)東海大会 準決勝 名古屋U15×磐田ジュニアユース @東海学園大学グラウンド
 前日の準々決勝で岐阜VAMOSに5-1と完勝し全国大会への切符も手にした名古屋U15。しかし高いポテンシャルを秘めるこのチームにとっては、それは単なる通過点であって、東海そして全国を制することこそが真の目標であることは間違いない。その意味では全国大会への出場が決まったからといって彼等のモチベーションが落ちていることはないだろうが、強いて不安要素を挙げるとすれば、前日の試合のラストプレーで失点を喫したことが心理的にどのような影響を与えているかということだろうか。

 名古屋のスタメンは前日と同じ顔触れ。

         北川

伊藤        森       宮市

      石川    曽雌

加藤    松田    中島   若園

         板倉

 名古屋からしてみれば、この試合にケリをつけて決勝で清水に東海U15リーグのリベンジを果たしたいところだが、そんな思いとは裏腹に試合は立ち上がりから前線にロングボールを蹴り込んでくる磐田がペースを掴む。名古屋は磐田のダイレクトな攻撃にリズムを乱したのか不用意なファールが目立ち、磐田にセットプレーのチャンスを連発させてしまっていた。その後時間の経過とともに名古屋も徐々に落ち着きを取り戻し、こちらは磐田とは対照的にしっかりとボールを動かしてパスをつなぎながらゲームを組み立てようとしていたが、それでも攻撃をしっかりシュートやクロスで終われていたという部分では磐田の方に分があったかもしれない。

 しかしそんな流れの中、先制点は名古屋の方に転がり込む。左サイドで得たCKをキッカーの森がファーサイド目掛けて蹴り込むと、これに飛び込んできた北川がドンピシャのヘディングで合わせて先制。そしてこのゴールで勢い付いた名古屋は、右サイドでタッチラインいっぱいまで開いてポジションを取っていた北川にボールが渡ると、北川がドリブルでグングン持ち上がり、中央に切れ込んだところで横に流す。これを宮市、森が続けてスルーしたような格好になり、左サイドから走り込んで来てこれを受けた伊藤が相手DFの中央を割って入ってそのままゴールへと流し込む。名古屋にとっては先制点から畳み掛けるように奪った追加点までの流れはまさに理想的だった。

 二点のリードでプレーに余裕が出て来た名古屋の選手達は個々のプレーヤーのハイレベルな才能が輝きを放ち始める。北川が加速&減速自在の緩急の効いたドリブルで磐田DFを翻弄すれば、森がこちらは方向転換自在のドリブルで磐田DFを振り回す。もちろん前線のアタッカーだけでなく、大柄な身体が醸し出すイメージとは裏腹にキックの種類が多彩な石川がロナウジーニョばりのノールックスルーパスを繰り出せば、もともとアタッカーの曽雌が独特の跳ねるようなドリブルで敵陣を突破するなど、ピッチ上はちょっとしたテクニックの見本市のようだった。

 対して序盤の試合を優位に進めながらもまさかの二失点を喰らってしまった磐田だったが、それでもペースを崩さない。自陣でしっかりと人数を掛けてブロックを作って守り、前線にロングボールを蹴ってこれを拾うスタイル。そしてセットプレーを獲得すれば、例えそれがハーフウェーラインの付近であっても、後ろから大柄な選手が名古屋ゴール前へと集まって来てそこ目掛けて直接ボールを入れてくる。徹底的なダイレクトそしてパワープレイ。それは俺のようなオールドファンがサックスブルーのユニフォームに対して抱くイメージとは似ても似つかないスタイルだった。

 俺はそんな磐田を見ながら強烈な既視感を覚えた。そして思い出す。そう言えば去年のボルケーノで先制しながら三失点を喰らって逆転負けを喫したのもこの磐田だった。磐田は一年前からずっとこのスタイルを貫いてきたのだろうか。それとも相手が名古屋だから仕方なしにこのスタイルで戦っているのだろうか。
 そしてこの試合の名古屋はまるでその一年前の試合のリプレーのように、前半のうちにカウンターから右サイドを破られて一点を返されると、後半に入ってからハーフウェーライン付近からのFKを合わせられて同点。そして動揺を抑える間もなく相手にPKを献上して逆転を許してしまった。

 この試合で戦った両チームのうち「サッカー」をしていたのは間違いなく名古屋の方。どちらのチームの方が力が上かと問われても俺は間違いなく名古屋と答えるだろう。だが名古屋は強力なアタッカー陣が最後まで磐田のブロックを打ち破れず、結果的にはその力(の差)をピッチ上に反映することが出来なかった。
 名古屋と磐田で何が違っていたのかと言えば、磐田が技術や戦術とはまた別次元で試合に勝つための狡猾さや駆け引きを持っていた点だろうか。この年代でそれに走ることが良いか悪いかは別として、例えば名古屋の選手が躊躇っていた危険な場面でのプロフェッショナルファールを磐田の選手達は当たり前のようにやっていたし、磐田の選手達は目の前の試合に勝つためなら「サッカー」を捨てて勝負に徹することが出来る。また名古屋の選手達が黙々と目の前のプレーに集中する一方で、磐田の選手達は明らかなオンサイドでもDFラインが大きく手を挙げて副審にオフサイドをアピールしたりもする。
 対する名古屋はと言えば、例えば前半リードを奪った後に(全体的にやや判定がデリケートだった)レフェリーに「早くスタートして」とカードをチラつかせながら催促されたGKの板倉が、その後明らかにゴールキックのプロセスが速くなり、後半のチームの流れが悪い(ひと息つきたい)時間帯にも慌てて蹴ってそのまま相手にボールを渡してしまったりしていたシーンに代表されるまでもなく、どこか素直で駆け引きなどは二の次なイメージだ。
 ひと言で表現するなら養殖によって育った純粋培養のエリートが、生き抜く術に長けた天然ものに屈した試合といった感じだろうか。市場価値が高いのは圧倒的に前者だが、ここ一番で勝負強いのはひょっとしたら後者かもしれない。

 敢えて書かないが名古屋は俺が相手チームの監督だったら徹底的に「ここ」を狙うという分かりやすいウィークポイントがあり、この試合でも「そこ」は何度も狙われていた。今後チームが戦術や人選を含めてどう変えていくのかは分からないが、これだけ個々の能力が高い選手達ならもう少しチームとして上手く噛み合う組み合わせがあるような気がしないでもない。この試合の結果は残念だったが、現在の課題を修正して来るべく8月の全国大会では是非その力を結果に結び付けてその強さを証明して欲しいところだ。本当は「この敗戦が全国に臨む上では良い薬となると期待したい」ぐらいの強がりを書きたいところだが、それよりも気になるのは、名古屋が東海U15リーグ(前期)の優勝決定戦となった清水戦でも2-0から2-3と逆転負けを食らったばかりということで、これが彼等にとって変なトラウマにならなければいいなと思うし、チームには相手どうこうよりも2-0から勝ち切るだけの勝負強さを身に付けて欲しい。
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by tknr0326g8 | 2010-07-16 02:07 | Youth
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