Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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クラ選(U-15) 名古屋U15×新潟ジュニアユース @Jヴィレッジ
 一昨年は優勝、昨年は3位と近年この大会で好成績を残している名古屋U15。今年のチームはそれらのチームと比べても選手達の能力ではひけを取らないどころかむしろそれを上回るレベルにあり、選手やスタッフも上位進出ひいては二年ぶりとなる優勝が現実的な目標として視野に入っていることだろう。

 グループリーグの初戦で熊本のバレイアSCに9-1と大勝した名古屋が二戦目の相手として迎えるのはアルビレックス新潟ジュニアユース。新潟は昨日の初戦でヴェルディに0-6と(スコア上では)完敗を喫しており、名古屋としてもスッキリと勝って決勝トーナメント進出を決めてしまいたいところだ。

 名古屋のスタメンは下のような感じ。先日の関東遠征でも見られた並びだが、昨年のプレミアカップで準優勝した時には(早生まれ組として参加した)ニッキとCBと組んでいた松田が左SBに出て、左右のSBだった中島と後藤がCBを組む。ビルドアップの時に後藤にまだ若干のぎこちなさが見て取れるのはこのためだろう。加藤は元々パワフルなドリブル突破を見せるサイドハーフだったが、このチームは前線にタレントが多いこととその走力を見込んでかプレミアカップの後からSBにコンバートされた。Wボランチは俺がおそらく初めて見る組み合わせ。プログラムによると180cmの石川と168cmの金というコンビは見た目こそ好対照だがプレースタイル的には比較的似たタイプの組み合わせなので(ともに能力はとても高い選手ではあるものの)高田監督が敢えて併用を避けているのかなと思っていたが、この大会でチャレンジを行ってきた。

       北川

伊藤     森     曽雌

     金    石川

松田   中島   後藤  加藤

       板倉

 早々にグループリーグ突破を決めてしまいたい名古屋は(昨日新潟に大勝した)ヴェルディへのライバル意識もあるのだろうかキックオフから気合い十分。まずは先制点ということでしっかりとボールを動かしながらアタッカーを中心にアグレッシブな攻勢を仕掛ける。中でも目立っていたのはサイドチェンジから左サイドの伊藤が見せるドリブル突破とボランチに入っている金の積極的な前線への飛び出し。
 しかし後がない(逆に言えばこの試合に勝てば決勝トーナメントに行ける確率が高くなる)新潟の研ぎ澄まされた集中力と組織的で粘り強いディフェンス、Jヴィレッジ特有の長めの天然芝、ボディコンタクトに対してちょっとナーバスだった主審のジャッジといったものが少しづつ影響し、名古屋はその攻撃をシュートそしてゴールという形で結実させることが出来ない。
 新潟のディフェンスに関して言えば、例えば金が前線に飛び出して行っても新潟はしっかりとマーク(カバーリング)が付いて来て自由なプレーを許さなかったり、トップの北川をはじめ前線にクサビのボールが入っても受けた選手が少しでも長くボールを持っていると複数のDFが身体を寄せて自由を奪ってしまうなど個々の能力の不利を払拭するには十分な対応を見せていた。
 そしてまずは守りから入った新潟だったが、試合が落ち着いてくると少しづつ攻撃に転じ始める。形は主にサイズ(180cm)とスピードのある1トップの高橋に放り込む形でのカウンターで、もちろんこうした攻めに対しては、ともに170cm台後半の上背があり1対1に抜群の強さを持つ中島とスピードのある後藤のコンビで十分に対処出来るものなのだが、名古屋が強引に攻めようとしてバランスを崩したところで空けたスペースにボールを流し込むような狡猾さも新潟は持ち合わせていた。

 そんな展開の中先制点を奪ったのは名古屋。左サイドから新潟陣内深くまで侵入した伊藤とそこに寄ってきた北川がドリブルで新潟DFを“ちゃぶ”ってCKを獲得すると、そのCK自体は新潟DFに防がれたものの、リスタートで新潟がGK→DF→DFと短くつないでビルドアップしようとしたところを狙っていた森がインターセプトし、そのまま持ち込んでGKの脇の下を抜いた。
 このゴールは名古屋にとって待望のゴールであり、これで名古屋は一気にペースを掴んで乗って行けるはずだった。しかし名古屋のリードは長くは続かない。今度は新潟のCKから一度は名古屋DFがクリアしたボールを拾った新潟の選手が何ともなくゴール前へと放り込む。これに対して抜け出そうとした新潟の選手を対応に行った後藤が後ろから押して倒すような形になりPKを献上。正直それほど焦るような場面でもなかったが、ボールが入った瞬間にGKが出るのかDFがクリアするのかで迷いがあったようにも映った。実はこうしたシーンはこの場面だけでなく、特に後半になるとマークの受け渡しという部分で上手く機能していない場面が何度か見られていたので、声を掛け合うことも含めてチームとしての課題としてあるのかもしれない。
 逆にそのあたりの「組織」としての守り方がしっかり出来ていたのが新潟の方。個々のプレーヤーが責任を持って自分の仕事を果たすだけでなく、それらが有機的にリンクして組織として一手先を読んだ対応を見せる新潟は、誰かが抜かれても次の選手がしっかりカバーに入って名古屋との間にある個々の能力の差をピッチ上には顕在化させない。そしてそれらを背景として、名古屋はセカンドボールへの反応と回収という面ではで完全に後手に回っていた印象だった。

 1-1で折り返した後半も同じような展開が続いていたが、試合の流れ自体は少しづつ新潟に傾いていた。前半の内容で前日の大敗によって失った自信を回復したのか、攻撃もそれまでのタテ1本から少しづつリスクを冒して人数を掛けられるようになってきている。それに対して名古屋は疲れからかボールウォッチャーになる傾向が強まっていて、何でもないスルーパスをお見合いしてスペースに走り込まれてしまったり、スローインがゴール前を横断して「あわや」というようなシーンもあった。
 そんな雰囲気を一変させたのは北川で、中央から少し左サイドに寄った位置でクサビのボールを受けそのまま前を向くと、対面のマーカーが北川の後ろをクロスオーバーしていく選手に気を取られて一瞬北川との間を空けたのを見逃さず右足一閃。強烈なシュートが逆サイドネットに突き刺さる。トップチームの練習に参加したりユースの試合に出場しているからというわけではないだろうが、それは明らかに中学生のレベルを超えた一発だった。
 しかしエースの一撃をもってしても名古屋はまだ試合は終わらせられない。新潟が今度は右からクロスボールをゴール前に送り込むとこのボールがゴール前を通過していき、最後はしっかりとファーサイドに詰めていた選手がプッシュ。再度試合は振り出しに戻ってしまった。
 こうなると勢い的には新潟だ。(中盤を含む)ディフェンスの足が止まって目だけでボールの動きを追うことが多くなった名古屋に対して、新潟はボールホルダーへの寄せ・カバーリングの集中力が途切れない。そしてボールを奪ってカウンターに転じれば、名古屋がバランスを崩して空けてくれたスペースにどんどんと後から人が飛び込んでくる。

 名古屋にとっては最悪引き分けによる勝ち点計算がチラついてもおかしくない中、試合を決めたのはキャプテンマークを巻きピッチ上で人一倍闘う気持ちを見せていた背番号10の森。カウンターから森独特の動きによって新潟守備ブロックの隙間に入り込んでボールを受けると、前方にいた北川が前線に走り込みながらDFを引き連れて行くと見るやゴールからやや離れた位置だったにも関わらず躊躇なく右足ミドルシュートを放つ。このシュートが世に言う「ブレ球」、キャプテン翼でいう「ドライブシュート」のような軌道を描き(決して前に出過ぎていたとかでない)新潟GKの頭越しにゴールネットへと突き刺さったのだった。これによって名古屋は三度目の勝ち越しに成功したわけだが、まさしく気迫の乗り移ったかのような一撃だった。

 結局試合はこのリードを守り切った名古屋が3-2で勝利。決勝トーナメント進出を決めた。チームとして非常に良くオーガナイズされた新潟に対して最後は北川と森というこの年代のJリーグ選抜にも選ばれている二人がスーパーな個人技で振り切った試合は、両者を比較することによって名古屋に足りなかったものそして優れていた点が明確になる試合展開だった。また後半の中で得点を記録した二人以外に目立っていた選手を挙げるとすれば、曽雌や途中出場の宮市といったサイドアタッカー。中央ではどうしても人数を掛けて対応されてしまうため苦しい展開は否めないが、1対1の局面を作れるサイドでは名古屋の個人能力の高さが輝きを放っていた。

 明日のヴェルディ戦は両チームともに決勝トーナメント進出を決めているということでメンバーを含めてどういった戦い方をするかは分からないが、この日の午前中に圧倒的な強さで千里丘を一蹴した清水と同じブロックに入ることを避けようと思えば名古屋もトップ通過を狙ってくるかもしれない。ただそんな名古屋にとって不安があるとすればコンディション面。炎天下での連戦という過酷な条件は間違いなくこの試合の名古屋のパフォーマンスにも影響を及ぼしていた。名古屋にとっては厳しい戦いが続くと思うが、大会を通して成長しながらひとつでも先へ進んで行って欲しい。
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by tknr0326g8 | 2010-08-16 18:50 | Youth
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