Grampus Diary from TOKYO
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J1 2010 第19節 川崎×名古屋 @等々力陸上競技場
 W杯による中断を挟んだリーグ戦再開後、順調に勝ち点を積み重ね前節遂に首位に立った名古屋。苦しみながらも横浜や東京といった難敵を退けたことで、各メディアにはその名古屋らしからぬ勝負強さに対する賛辞が並んでいたが、フレッシュな状態で臨んだ中断明けと比べるとそのパフォーマンスは明らかに低下している。前節では(現時点の)チーム力に差がある浦和に前半は押されっ放しになるなど、相手に関わらず「苦しみながら勝つ」ことが名古屋の芸風になりつつことが不安だ。そして盆も明け、8月も下旬に入ろうかというこの時期に迎える川崎、G大阪との連戦は、(現在の)横浜や東京と違ってごまかしが効く相手ではないだけに名古屋にとっては正念場と言えるだろう。

 この真夏にミッドウィークを含めた連戦を行うのは常軌を逸しているとしか思えないが、この時期は夏休みシーズンでクラブにとっては掻き入れ時であり、W杯開催に伴って日程が詰まっていることを考えれば、プレーする選手達には耐えてもらうしかない。個人的にはそんな状況下ではターンオーバーも視野に入れながら試合をこなした方がいいのではないかと思うし、その点ではJ屈指とも言える豪華なベンチメンバーを抱える名古屋が他のチームと差をつけられる絶好のチャンスでもあると思うのだが、チームが勝っていることもあってかピクシーはメンバーをいじりたがらず、また前日の試合ではターンオーバーを断行した清水が新潟に大敗を喫するなど必ずしもフレッシュなメンバーがいいということではないのも確かだ。

 そんな中名古屋にとっては土曜日の浦和戦から中三日、川崎にとっては日曜日の広島戦から中二日という状況下で迎えたこの試合は、首位名古屋を迎えるとあって平日にも関わらず等々力での今シーズン最多入場者数を記録したものの、両チームともにつまらないミスが多く試合自体のクオリティで言えば満員の観客のニーズに応えられるものではなかった。そしてミスが多くなれば、ボールをキープして自ら仕掛ける名古屋よりも、相手のミスを待ってリアクションからダイレクトな速攻を仕掛ける川崎の方が有利になることも自明の理だった。

 横浜戦以降、名古屋はこれまでのスタイルとは打って変わり自陣でブロックを作って守るようなやり方に切り替える(使い分ける)ことが出来るようになったと言われていた。省エネで夏場を乗り切るには必要な戦い方でもある。しかし俺の中ではひとつの疑問が拭い切れなかったのもまた確かだった。それはひょっとしたら名古屋が意図的に自陣でブロックを作って守っているのではなくて、守備面では決して献身的とは言えない中盤より前の選手達が足を止めることで自然とそういった守り方になっているのではないかということ。
 事実前節の浦和戦では2ゴールを挙げ勝利の立役者になった玉田が守備面では前半から全くやる気を感じさせず、(金崎と左右を入れ替わって)移るサイド移るサイドでそちら側の(浦和の)SBのオーバーラップを誘発し挙句の果てには軽い対応から宇賀神のミドルシュートを目の前でブチ込まれてようやく目が醒めていた有様だったし、この試合でも先制点のシーンでは“そのポジションにはいた”ブルザノビッチがボールホルダーの田坂に寄せたはいいが粘り強さの全くない淡白な対応で振り切られV・ジュニオールへのスルーパスを通されている。
 もしチームとして意図してブロックを作って守っているのだとしても、こんな紅白戦かミニゲームのような気持ちでサッカーをしていては川崎に勝てるわけがない。相手の川崎もこの試合では自陣でブロックを作ってカウンターを繰り出す、正直「ホームゲームでそれやるか?」と言いたくなるほど徹底した省エネサッカーを披露していたが、少なくともブロックを作ったディフェンスは球際でよく闘っていた。この試合における名古屋と川崎の差はなにも決定力だけではない。

 一方攻撃に目を向ければ、サッカーというよりは徒競走でも観ているかのようだった川崎の攻撃がそれでもゴールという形に結実していたのに対し、名古屋はここ二試合ぐらい続いている低調な状態に改善が見られない。その最大の理由は、リーグ前半戦でゴールを荒稼ぎしたケネディに相手のマークが集中することに対するカウンター手段が全く用意されていないどころか横浜戦で肉離れを起こした中村に代わってブルザノビッチが起用されるようになったことで事態がむしろ悪化していること。相手のCBとボランチのトライアングルがケネディを生け捕っている間、その脇を走り抜けて前線に飛び出す人間(=これまでの中村)が今の名古屋には皆無。ケネディを包囲するトライアングルを壊してケネディを助けるというだけではなく、幽閉されたケネディを囮にして自らが主役になろうという選手が今の名古屋ではセットプレー(及びそのセカンドボール)時の闘莉王しかいないのだから攻撃が停滞するのも無理はない。ブルザノビッチに至ってはそんな前線に飛び出す動きどころか、中盤でマギヌンとポジションが重なっている場面が散見されるようではそれ以前の話だ。

 是が非でも欲しかった先制点を川崎に奪われ0-1とリードを許してハーフタイムに入った名古屋だったが、中村が怪我からの早期復帰を果たし前節よりベンチ入りしているのは朗報。持ち味である「野性味」を二列目のセンターというポジションで良い方向に発揮している中村は、そのポジションではマギヌンとともに押しも押されぬファーストチョイスだ。そしてハーフタイム中のアップで際どいコースにズバズバとシュートを沈めていた中村を見るにつけ、その期待感は俺の中ではさらに大きく膨らんでいた。
 しかし後半最初の交代カードとしてその中村が出て来たはいいものの、骨折を押しての出場だったダニルソンに代わってアンカーに入ってしまい、挙句の果てには交代のカードを使い切った後で増川が退場になったことでCBに“異動”してしまっては、もはやそこに攻撃的な上積みを期待することが難しくなってしまった。これがベンチの指示なのかピッチ上の選手たちによる判断なのか分からないが、そもそも経験があるかないか分からない中村にCBをやらせるぐらいなら、なぜ阿部をCBに回して三都主を左SBに入れるような手段が講じられなかったのだろうか。

 この試合での名古屋は良いプレーをしていた選手を探す方が難しい状態。中三日とはいえ相手よりも一日長くしかもそれは完全休養に充てられたのだから言い訳の仕様がない。そもそも機能していない選手は論外として、ボールを弾ませたら危険だといつまで経っても学習しない増川や、闘莉王が攻め上がっている時にいつものクオリティで中盤でボールを失い三失点目の起点となった小川、ポゼッション中も味方と相手のフィフティな位置にパスを出し続けていた玉田などもそのクオリティはとても優勝を狙っているチームのそれとは思えなかった。
 まあシーズンを通して常に最高のコンディションで試合に臨めるわけではないし、この試合に限っていえば途中までは川崎も似たりよったりだったのだから、そうしたミスを得点につなげられた川崎とつなげられなかった名古屋の差というだけかもしれないが、ただ前半戦でもホームで負けている川崎に対して(しかもチョンテセも川島永嗣もレナチーニョもいない川崎に対して)0-4の大敗を喫して返り討ちに遭ったことに対して、その屈辱を晴らす機会は来年までなくなってしまった。あとはこの敗戦も糧にしながらリーグ戦で川崎よりひとつでも上の順位に行くことによってこの悔しさを少しでも晴らすしかない。
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by tknr0326g8 | 2010-08-18 22:58 | Game Review
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