Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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U15東海リーグ 後期 名古屋U15×清水Jrユース @トヨスポ
 天皇杯で花井のプロ初ゴールが見られたのはうれしい誤算だったが、今回の名古屋遠征最大の目的はこの試合。歴代最強のタレントが揃っていると言っても過言ではない名古屋U15と夏のクラ選全国大会を制した清水エスパルスジュニアユースによるU15東海リーグ首位攻防戦。ユースニュースにあった高田監督のコラムによれば、名古屋はこの試合に勝利すればリーグ優勝と高円宮杯出場が決定するらしい。なお今行われているこのU15東海リーグは後期にあたり、6月に行われた前期の試合では名古屋が2-0からの逆転負けを喫している。

 名古屋はベストメンバー。基本的なフォーメーションは下↓のような感じで、北川と森が縦関係の2トップ、Wボランチの金と石川は金がより前めで石川がアンカーのようなポジションを取ることが多い。

       北川

宮市    森      曽雌
    金
        石川

松田  中島  後藤  加藤

      板倉

 試合前の名古屋イレブンの様子を見ると、前期リーグで清水に負けた雪辱そして全国王者を倒すというモチベーションによってかなり気持ちが入っていながらも、ピッチに舞う強風を確認し合う冷静さも持ち合わせているようだった。メンタル面での準備は悪くなさそうだ。

 試合はキックオフから両チームともにアグレッシブな入り方を見せていたが、そんな球際で激しく競り合う展開の中で先にペース掴んだのは清水の方だった。この代の名古屋は他の代と比べてもサイズに恵まれている方だと思うが、清水のそれは名古屋以上。一見高校生かと見間違うほどのサイズとフィジカルを有する選手達がよく鍛えられいる印象を受ける。そして清水はそのアドバンテージを生かすように、中盤での激しいプレスによって名古屋のパスワークを遮断し、ボールを奪うと縦に速いカウンターで名古屋ゴールに迫る力強い攻撃を見せていた。名古屋も個の能力では決して負けていないので、前線にボールが入ればチャンスを迎えられそうな雰囲気はあるのだが、いかんせんそこまでボールが行き渡らないし、仮にボールが渡ったとしても攻守の切り替え(中盤のプレスバック)が速い清水に対して個人技主体の単騎突破ではどうにも分が悪いのは明らかだった。守備についてひと言で言えば、最終ラインに到達する前に中盤でフィルターが掛かっているのが清水で、掛かっていないのが名古屋といった感じ。

 そうして少しづつ清水へと傾いていた試合の流れはいつしか清水のワンサイドゲームへと移行していく。自陣へと押し込まれて苦し紛れのクリアボールを蹴るのがやっとの状態の名古屋は、セカンドボールをことごとく清水に拾われて二次・三次と攻撃を浴び続ける。ほとんどハーフコートのような様相を呈してきた試合に、清水のクラ選王者たる由縁を実感せざるを得なかったが、逆にここまま清水がハイペースで飛ばしていることを考えれば、なんとか最終ラインが中心となってこの時間帯を耐え切れば、後半に名古屋自慢のアタッカー達の個人技が生きる場面も出てくるはずだ。

 しかしそんな目論見を打ち砕くかのように、清水は攻勢から得た右からのコーナーキックで、中央でマークを振り切った18番の選手がダイレクトボレー。豪快なゴールが名古屋ディフェンスを突き破った。清水からしてみれば攻め続けていた中で奪った理想的な時間帯でのゴール。

 清水が先制したことで試合の流れがどう変わるのかなと思って見ていたが、残念ながら試合のペースはその後も大きくは変わることなく相変わらずの清水ペース。さすがに名古屋が自陣から出られないというようなことはなくなったものの、名古屋は一向に攻撃の形を作れる気配がない。サイドからシンプルにクロスを放り込んもそれが際どいシーンを演出する清水と違って、フィジカルで劣る名古屋が攻撃に色々と味付け(工夫)を施さなければならないのは仕方のないところだが、清水の明確な意図を持ったディフェンス組織を前に窮屈な戦いを強いられている名古屋は、中途半端なパスが次々と相手のブロックへ吸い込まれて行く。名古屋にとっては唯一ボールが落ち着くのはピッチの真ん中で石川が持った時で、そこから一本のパスで前線の選手が裏に抜け出すぐらいしか得点の可能性が見えてこない。今年のメニコンカップMVPで将来の夢はバロンドールというこのセントラルMFが名古屋にとっては生命線だ。

 そしてこの展開で前半0-1なら悪くないか…と思っていた前半終了間際、名古屋は痛恨の連続ゴールを許してしまう。カウンターからシンプルにクサビを入れられトップにボールを預けられると、意表を突くヒールで後ろに流され、走り込んだ選手が右足で蹴り込み二点目。さらにその直後には右サイド深い位置(ペナルティエリア)でキープされると、そこを基点として後方から絡んで来た選手に撃ち抜かれて更に追加点を許してしまった。2-0からの逆転なら、このチーム自身が今年に入って二度も喰らっているくらいなので逆に現実味があるが、この清水相手に3点のリードを許す展開はさすがにキツイ。

 後半、名古屋は宮市に代えて伊藤を投入し攻撃の建て直しを図る。前半左サイドのスペースを使って何度かチャンスを作りかけていたので、そこがひとつの狙い目と踏んだのかもしれない。個人的には、この代の清水のGKが(ポジショニングが悪いのかボールの落下地点を読むのが上手くないのか)頭の上を越されるゴールを、去年のプレミアカップや今年のクラ選で見ているので、そういったあたりを積極的に狙ってみても面白いと思ったのだが、試合の最中は全くと言っていいほど指示を出しに出て来なかった高田監督はどんな策を授けたのだろう。

 しかしエンドが入れ替わっても衰えない清水のプレスを前に名古屋は相変わらず自分達のつなぐサッカーをさせてもらえない。そして向かい風の影響もあって名古屋のフィードがズレがちなのに対して、清水は追い風を利用してループシュートを放ったりとコンディションも利用して伸び伸びとプレーしている。名古屋に同点そして逆転チャンスがあるとすれば、後半の立ち上がりに一点でも返しておくことが必要不可欠な条件だったが、清水はそこに突け入る隙を与えてくれなかった。

 その後ボランチに石田が投入されたあたりから、石田の積極的な前線への飛び出しもあって名古屋は攻撃が活性化されたものの、そんな最中、右サイドのスペースに出されたボールを拾われると、そのクロスからファーサイド頭ひとつ抜け出たヘディングシュートを叩き込まれてリードをさらに広げられてしまった。まあ試合とはこんなようなものだ。

 ただ名古屋としてもこのまま引き下がるわけにはいかず、ここまで来たらもう開き直って点を取りに行くしかない。ベンチも右サイドの曽雌に代えて前線に桜井を投入。前線にボールが収まるポイントをもうひとつ作る作戦に切り替えたようだ。前半から選手間の距離が遠くそれぞれが孤立してしまっていたことを考えれば、正直これはもう少し速くトライしても良かったかもしれない。そしてリードが4点になったからなのか、それとも終盤になって体力が落ちて来たのか分からないが、清水の動きがようやく落ちて来たこともあって、ようやく名古屋の反撃が始まった。

    桜井  北川
       
伊藤   森      石田
        石川

加藤  中島  後藤  若園

      板倉

 そんな名古屋に得点がもたらされたのは、石田と同じタイミングで途中交代で出て来てよく攻撃に絡んでいた右SB若園の攻め上がりから。その意味ではこれらの交代策は的中していたことになる。若園がボールを持って攻め上がりゴール前に速いクロスを送り込むと、これがファーサイドまで流れて伊藤がこれを拾う。伊藤が得意のドリブルでゴールライン際までエグッてマイナスに折り返すと、これに後から走り込んだ石川が詰めたのだった。そしてその後も北川や桜井がボックス内で良い形でボールを受けシュートチャンスを作り出していた。
 しかしようやくセカンドボールも拾えるようになった好循環の中でさらに一点でも二点でも返せればよかったが、相手GKの好セーブやDFの身体を張った守りもあり、残念ながら名古屋が返せたのは一点だけで、結局試合はそのまま1-4で終了。U15東海リーグでの名古屋の優勝、そして高円宮杯へのストレートインへの道は遠のいてしまった。

 フィジカルの差ももちろん大きかったが、率直な感想を言えば、クラ選で最後まで勝ち抜いたチームとベスト16で敗退してしまったチームとでは、チームとしての完成度に大きな隔たりがあった。チームとしての基本形があった上で名古屋に勝つにはどうしたらいいかをよく考えてチームとしてプレーしていた清水と、それらが選手個々の判断に委ねられている印象の名古屋。選手個々の能力はとても高いので、相手との間に力の差があれば何ら問題なく(自分達で考えて修正を施しながら)試合を進められるのだろうが、この試合のように自分達と同等かそれ以上の相手と対峙した時が名古屋にとっては正念場。それでもなお自分達の特徴を発揮出来るのか、それともこの試合のように個の力がバラバラに分解されてしまうのか。高円宮杯では、この試合を経験したからこそ身に付けられたと言えるようなチームとしての進化を見せて、もう一度清水にチャレンジして欲しい。もっともその前に来週は「全国2位」の磐田にリベンジすることが優先課題ではあるが。
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by tknr0326g8 | 2010-10-11 09:17 | Youth
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