Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2010 第31節 湘南×名古屋 @平塚競技場
 J開幕から18年。名古屋がリーグ戦初優勝に王手を掛けて迎えたこの試合。対戦相手となる湘南は前節J2降格が決定しており、しかも中心選手である坂本を出場停止で欠くメンバー構成が経験の浅い若手選手を多く含むものであるということを考えても、名古屋としてはここで確実に勝ち点3を確保した上で鹿島の結果を待ちたい。スポーツ紙などを通して漏れ伝わって来る情報では選手達に慢心や油断はないようだし、今シーズンの名古屋は下位チーム相手には(力ずくで勝ち点を強奪した試合も含め)取りこぼしがないのが特徴なので、この試合に向けて名古屋に死角はないように思われた。

 しかしいざ試合が始まるとそんな楽観的な目論見は脆くも崩れ去る。立ち上がりこそケネディや中村が湘南ゴールへと迫り得点の予兆を感じさせたものの、それを逃しているうちに試合の流れは湘南に傾いていく。ミッドウィークの天皇杯をスルー(10/9の三回戦で敗退)している湘南はこの試合に向けて相手を研究し準備する時間がたっぷりあったのだろう。名古屋の攻撃パターンを読み切った上で、そのストロングポイントに先回りして蓋をし、前線の田原、阿部、エメルソンを中心としたカウンターを仕掛ける形が徹底されていた。
 こうなると名古屋にとって湘南は途端に「勝ち点3を計算出来る相手」から「勝ち点3を奪わなければならないはずの相手」に豹変する。すなわち選手達に焦りが生まれても何ら不思議ではない状況だ。しかし救いだったのは、名古屋の選手達はなかなか思うように身体が動かず上手く行かないながらも慌てるような素振りは見せていなかったことで、この状態が保てていれば、時として暴力的なまでの名古屋の一撃が90分のどこかで炸裂する可能性は高い。そしてそれは湘南が最初から最後までハイテンポなサッカーを続けられるわけではないことも含めて、極めて出現可能性が高いことのように思われた。あとはいつものごとく楢﨑を中心としてなんとか辛抱強く守り先制点を失わないことだけだ。

 名古屋で言えば一番のネックはケネディに対してボールが入れられないことだ。湘南は中央を固めてケネディへのパスコースを遮断している。こうなると早いうちにサイドにボールを回して勝負を仕掛けたい名古屋だが、そこでは小川がブレーキになってしまっている。何度か良い形でボールをもらってはいるものの、判断が遅れている間に湘南の守備ブロックに詰められてボールを失い(湘南の)カウンターの起点となっている状態で、たまらずピクシーが玉田と左右を入れ替わるようにと指示を出したが、それでもあまり改善の兆しは見られなかった。

 またこの小川を筆頭に、相手が格下の湘南ということもあってか、名古屋の選手達は一様に攻守の切り替えが遅い。前半に小川が遅れてディフェンスに行ってイエローカードをもらっていたのはその典型だが、相手がショートコーナーを仕掛けて来た時のチームとしての反応の遅さも相手が相手だったら(例えばG大阪だったら)致命傷になっていたかもしれない。

 後半途中でそんな小川にに見切りをつけて杉本を投入したのはピクシーの英断だった。名古屋から見てゴールへの最短距離は、このポジションから切り拓くしかない。とは言え、今シーズンは途中出場で試合に出てきてもさっぱり良いプレーを見せられていない杉本にはもはやかつての“スーパーサブ”の面影はない。試合によってはアウトサイドに張り付いたままで、ろくにボールに絡まないまま終わってしまった試合すらある。そんな杉本を(いくら信頼しているからと言って)この大事な場面で、背番号10に代えて会に投入するのは大きな賭けでもあった。
 しかし結果から言えばこれが大当たり。ひょっとするとピクシーにとってこれは賭けでも何でもなく、相手の疲労も含めて杉本が持ち味のスピードを生かして突破を仕掛けられるスペースがピクシーならではの空間認知力によって見えていたのかもしれないが、阿部の大きなサイドチェンジを受けた杉本がタテに勝負をしかけて対面するDFをあっという間に置き去りにすると、ややファーサイドを目掛けて鮮やかなクロスを上げ、これをケネディではなく、後ろから走り込んで来た玉田が超人的なジャンプとともに頭に合わせて名古屋が待望の先制ゴールを挙げることに成功したのだった。闘莉王を欠く名古屋にとって「ゲームを作れる」選手の筆頭が阿部であることを考えても、名古屋にとって「これしかない」という形での得点。

 杉本にとってはミッドウィークの天皇杯で先発出場を果たし久しぶりに長い時間プレー出来たことも幸いしたかもしれない。これがもし試合勘を欠いたままの状態だったら結果は今までと同じだった可能性もある。そうした意味でもこの強行日程はむしろ名古屋に味方した。

 こうなれば試合は「いつものパターン」。名古屋は最後まで最終ライン(DFとGK)が身体を張って守る。そして試合は1-0のまま名古屋の勝利。鹿島が0-0で試合を終え、この瞬間名古屋の初優勝が決まった。苦節18年。正直こんなにすんなり行くとは思っていなかったし、次節ホームで決められたらいいとすら思っていたぐらいだったが、名古屋の優勝を生で見れたことは本当にラッキーだった。
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by tknr0326g8 | 2010-11-20 19:27 | Game Review
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