Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2010 第32節 名古屋×FC東京 @豊田スタジアム
 前節の平塚戦で18年目にして初のリーグ優勝を成し遂げた名古屋。このFC東京戦は優勝後初のホームゲームであり、いわば凱旋試合とも言える試合だ。ただ1シーズン制になって以降、優勝チームがすべからく最終節に決まっているということを考えれば、ビールかけ~深夜に及ぶマスコミの取材から中二日で試合に臨むという前例もない。正直なところ、俺はこの試合について、一体どんな試合になるか全く予測がつかなかった。

 この試合の行方を考えるに当たって俺が最も気になっていたのはメンバー構成。リーグ優勝も決まり、前節の平塚戦から中二日ということを考えると、個人的には、疲れが見えるベテラン選手に代えて、コンディションが良くモチベーションが高い若手選手を(先週の天皇杯のような全員起用は無理にせよ)一人か二人ぐらいは混ぜて実戦経験を積ませつつチームに馴染ませることがあっても良いかなという淡い期待があった。しかし蓋を開けてみれば、若手と呼べるような選手はベンチに入った花井ぐらいで、その花井とてダニルソンの負傷がなければベンチ入りすらままなかっただろう。
 その部分では若干の落胆はあったが、この試合が上にも書いたように優勝決定後のホーム凱旋試合であることを考えれば、地元のサポーターに対してこれがリーグ優勝を勝ち取ったチームだということを改めて示そうとしたピクシーのプライドにも似たプロ意識は尊重しなければならない。
 そしてそんな観客を意識したプロ意識以上に、常勝チームを築くための基盤として、ここであくまでも勝利に拘るという考え方ももちろんある。思い出すのは二シーズン前のナビスコカップで、グループリーグ最終節を残して決勝トーナメント進出を決めていた名古屋は、最終節の浦和戦(AWAY)にもベストメンバーで臨んで大勝を収めた。ピクシー政権初年度でまだチームとしての基盤が固まっていなかったこの時期に、消化試合であっても敢えてベストメンバーを組むことでチームに勝ち癖を付けさせるというピクシーの示した方向性が功奏したことはその後のシーズンを観ても明らかだった。そう考えれば、今回の選手起用もその延長線上にあると考えることが出来る。

 しかし結果だけ見れば選手達はそうしたピクシーの期待に応えられなかった。何度か訪れた決定機を逃し続けたという不運な(東京から見たら一部は必然な)要素はあるにせよ、悪くはないが決して良くもないチームの戦い方は、それが勝者に相当するものだったと胸を張って言えるものでは決してなかった。これまでの勝利がフロックだったとは全く思わないが、このところの試合で散見される緩慢なトランジッションや攻撃におけるダイナミズムの欠如はこの試合でも名古屋を窮地に追い込んでいた。そしてこの試合について言えば、気持ちが強く反映される球際の競り合いでも完全にFC東京の後手に回っていた印象だ。

 今シーズン限りで契約満了との報道が出たことでやる気をなくしたのかのようなマギヌンをはじめ、名古屋の選手達はまだ祝勝会のお酒が抜けきらないのか、立ち上がりから球際で軽いプレーを連発してヒラヒラとかわされるシーンが目に付く。そんなフワフワした感覚は、前節に引き続き誰が出て行くのかハッキリしないショートコーナー対策で全く修正が施されていない状態を観ても明らかだ。
 マギヌンについては、立ち上がりこそこれはひょっとしたら前半だけで交代させられるかもしれないなと俺が心配するレベルのパフォーマンスだったが、先制点を奪われた後にピクシーから名指しで「もっと球際厳しく行け」と指示が出て、指示が出た直後は「俺?」みたいなリアクションを取っていたものの、その後は生まれ変わったようなパフォーマンスを見せていたが、チーム全体で見れば球際やセカンドボールへの反応で名古屋の選手達は結局最後まで大きく改善されることはなかった。

 そして立ち上がりの名古屋の攻撃で気になったのは、得点王を争っているケネディに得点を取らせようという余分な意識だ。前にスペースが開いていてミドルシュートが打てる状態でも打たない。ひと手間かけてサイドに展開しケネディの頭を狙わせる。これではいくらケネディの高さが脅威だと言ってもFC東京からしてみたらむしろ楽。二人のCBと徳永の三人のトライアングルの中に入れて監視していればそこまでやられないということは、前回の対戦でも実証済みだからだ。
 そんなチームの意識がようやく変わったのは闘莉王が持ち上がって鋭いミドルシュートを放ったあたりかだろうか。これこそ俺が求めていたプレーだったが、「現場監督」の一撃によりチームはようやく目を醒ます。兄貴分と慕う闘莉王のお手本に対して、打てるところで打たなかった筆頭とも言える小川も積極的にボッスクスに進入してシュートを狙うようになっていた。

 試合が進み後半になるとFC東京は完全な逃げ切り体制。自陣でしっかりとブロックを作る東京に対して、名古屋は闘莉王を前線に上げる最終手段に出たものの、攻撃やパス回しに工夫がない名古屋は東京の守備ブロックを前に肝心のクロスすら上げさせてもらえない。そして技術的に拙いミスによってボールをあっけなく失い自陣へと運ばれてしまう。強い時期の東京だったら致命傷を負っていてもおかしくないボールの奪われ方を名古屋は何度もしていたが、それほど危険なシーンを作られなかったということは東京もチーム状態が決して良くないのかもしれない。

 名古屋にパワープレーを許さなかった東京は守備組織も上手く機能していたが、個人に目を向ければ米本のパフォーマンスが出色。抜群の運動量と危機察知能力を生かしたカバーリングで前半に小川のシュートをゴールライン上でヘディングクリアしたシーンはビッグプレーだったが、それ以外でも後半にはケネディの決定的なシュートを止め、危険な場面には味方のフォローにすぐさま直行していた。名古屋ファンから見たら「またあの7番」状態。激しく当たるところは物怖じせずにガツンと当たるし、(守り方の違いはあるにせよ)もし名古屋に米本がいたら試合は全く違う結果になっていたに違いない。この調子で行けば必ず候補に入ってくるであろうアジアカップをはじめ日の丸が期待される選手になってきたなと思う。

 ある意味ではワンパターンで戦術的に応用や柔軟性が利かないものの、勝利への執念を十分に感じさせるピクシーの采配にも結局は最後まで応え切ることが出来なかった選手たち。これをピクシーはどう感じたのか。ひょっとしたら磐田戦では若手起用も含めたいくつかのメンバーチェンジがあるかもしれない。

 最後にこの試合で最大の決定機を逃した玉田について。FWの仕事は店を獲ることとは言え、この試合での玉田は責められない。ピッチレベルに極めて近いところで見ると、名古屋で最も運動量の多い選手は玉田で、それは中盤に一度下がってボールに触り再びゴール前に顔を出すという攻撃面だけでなく、ディフェンス面でも要所要所で顔を出していたからに他ならない。そんなところにもW杯以後続く玉田の好調が見て取れる一日だった。
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by tknr0326g8 | 2010-11-24 02:45 | Game Review
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