Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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高円宮杯(U-15) 決勝 名古屋U15×京都U15 @国立競技場
 準決勝で神戸に一年がかりのリベンジを果たしてこの決勝に勝ち進んで来た名古屋。国立競技場という大舞台で迎える決勝の相手は京都U15だ。京都のメンバーを見ると今年のプレミアカップでU14を力任せに粉砕したメンバーも多く(しかも先発に)含まれている。名古屋で今年のプレミアカップに出場していたメンバーは先発では桜井、ベンチでも赤塚と笹沼しかいないが、弟の仇はぜひ兄に撃ってもらいたいところ。

 名古屋のスタメンは↓のような感じ。高田監督は結構動いてくるイメージがあったが、この大会では一回戦から終始このスタメンを貫いている。勝っているから変える必要がないと言えばそれまでだが、大会を通してチームとして成長していることも「変えない」理由のひとつなのかもしれない。

       北川

        森
伊藤            桜井
     金   石川

松田  中島  後藤  若園

       板倉

 対戦相手の京都は体格的に大柄な選手が多く、立ち上がりからそれを活かした戦い方を徹底していた。名古屋がDFラインでボールを動かすのを深追いせずに組織を整え、ブロックの中でボールを奪ったらタテ1本でスペースを突いて来る。中でも馬力のある岩元と瀬戸口の突破は脅威だ。そんな京都の「一発」が名古屋にとっていかに警戒すべきものだったかは、例えば前半終了間際の相手陣内深くでのスローインの場面で、後から「ハメろ」と指示が出ているにもかかわらず、その後では岩元一人に対して三人のDFが残っていたところを見ても明らかだろう。そして名古屋にとっては立ち上がり早々にヘディングが二回バーを叩いたセットプレーも京都の特徴が活かされる場面として注意が必要だ。

 そんな京都に対して名古屋はDFラインから「間」を通して→ボランチ→トップ(北川や森)へとボールをつけ、そこを基点(攻撃のスイッチ)とした攻撃を仕掛けようとしている様子が伺えるのだが、手ぐすね引いて待ち構えている京都に対してはクサビの入れ方やボールの運び方という面で駆け引きが不足しているような印象も受ける。簡単に言えば、パスを出す方では勇気を持って京都のブロックの中にボールを入れることが出来ているし、受ける方でも前線では強さとキープ力のある北川、ボランチでは卓越した技術とインテリジェンスを持ち合わせる金が上手くボールを引き出したり相手のプレッシャーに遭ってもボールを失わずに確実にキープすることが出来ているのだが、そのどれもが正面突破。京都のブロックを喰い付かせたりサイドを変えたりしながら前後左右に揺さぶったり、ブロックを左右に広げたりするような駆け引きはあまり見られない。

 個々の能力が高い名古屋の選手達はそれでもコンビネーションが上手く連鎖した時には、例えば15分に中央でのパス交換からDFラインの裏へ抜け出した北川の折り返しをゴール中央で伊藤がスルーしてその外に詰めていた石川がシュート→GKが弾いたボールをさらに伊藤がプッシュ(オフサイドの判定)という場面や、18分に中央でボールを持った森のスルーパスに外側からDFラインの間を斜めに走り抜けた伊藤がGKもかわしてゴールライン際の角度のないところからシュート(戻ったDFがブロック)という場面など決定的なチャンスを作り出しているが、「正直」に入れるクサビのボールが京都のブロックに引っ掛かって逆にピンチを招く場面も少なくなかった。そんな名古屋がリスクを抑えるためか時間の経過とともにDFラインからロングボールで直接北川にタテパスを入れようとするシーンが増えて行ったのは自然な流れだったのかもしれない。

 ただ名古屋では立ち上がりからほとんど存在感を出せていなかった右サイドの桜井が20分を過ぎたあたりからようやくボールに絡み始めるとチームとしてもピッチを広く使えるようになってきていた。名古屋にとってこれは良い兆候だ。
 登録上は170cmとなっているがひと回り大きくなったようにも感じる桜井は従来の技術的な部分に加えフィジカル的に無理が効くようになったことで上級生に交じって右SHのポジションで攻・守に渡って堂々たるプレーを披露していた。これなら俺がこのチームの中では北川に匹敵するぐらいに特別な存在だと思っている曽雌からレギュラーを奪っている現状にも納得だし、本大会になって突然登録メンバーから消えた宮市の離脱を感じさせない。この大会での名古屋の成長はすなわち桜井の成長と比例しているのかもしれない。

 そして迎えた後半、立ち上がりこそ突然目を覚ましたかのように襲い掛かって来た京都にシュートにまで持ち込まれて肝を冷やしたものの、後半開始から5分、遂に名古屋に歓喜の時が訪れる。ここでも正面突破でDFから金そして北川とつながったボールを混戦から森がシュート、こぼれ球に北川が詰めて名古屋が待ちに待った先制点を手に入れたのだった。

 これで攻めに出なければいけなくなった京都。準決勝の追浜戦を見る限り交代で入って来る選手もレベルが高く、交代のカードを切るごとにチームが攻撃的になって行った印象も受けたが、この試合についてもそれは同じで、特に名古屋にとって厄介だったのが、岩元が退いて代わりに瀬戸口がトップに入っていた時間帯だ。その後交代のカードが切られるごとに瀬戸口がポジションを下げて行ってくれて助かったが、あのまま瀬戸口がトップを張っていたら、ある程度失点は覚悟しなければならなかったかもしれないと思う。

 一方で京都が攻撃のスイッチを入れたということは、名古屋にとってはそれだけ攻め込むチャンスが生まれるということ。名古屋はプレッシャーが緩くなった中盤から高くなったDFの裏を突くように次々とカウンターを繰り出す。
 18分に右SBの若園がライン際を突破してゴールラインまでエグッてからの折り返しを金がシュート(GK正面)したプレーを皮切りに、森のスルーパスに抜け出した北川がドリブルから鮮やかな切り返しで対面するDFを手玉に取り桜井へラストパス(シュートは枠の外)した一連のプレー、右サイド桜井のドリブル突破から森→北川とボックスの手前でラグビーのようなパスがつながって、最後は北川のパスから抜け出した伊藤がシュート(GKが好セーブ)、再び伊藤が抜群のスピードでロングボールに抜け出してシュート(わずかに枠の外)、森のスルーパスに抜け出した北川が右サイドからドリブルで切れ込んで一人二人とかわし左足でシュート(GK正面)、左サイドでボールを受けた北川がDFをなぎ倒すようにドリブルで持ち込んでからのシュート(枠の外)と名古屋が京都DFの裏を突いて作りだしたチャンスは枚挙に暇がない。それにしても北川のドリブルは周りが良く「見えている」印象だ。

 ただ名古屋はそうしてチャンスを逃し続ける一方で、残り10分を過ぎたあたりからはさすがに足も止まり始めていて、セカンドボールをなかなか拾えない状態が続いていたりもした。ベンチからは桜井に対して「(スタミナは)大丈夫か?」という確認がなされていたが、ベンチから交代がないのであれば、こうした苦しい場面や最も集中を必要としていた終了間際のCKでピッチ上で声を出して盛り上げられる選手が欲しいところ。このチームで言えば、GKの板倉、DFの松田、そしてキャプテンの森あたりが良く声を出しているイメージがあるが、どちらかと言えば全体的にはシャイな選手が多いかもしれない。

 迎えたロスタイム。ようやく行われた選手交代で金に代えて赤塚、桜井に代えて曽雌が投入されると、右サイドからDFラインの裏へ抜け出した北川からファーサイドへ走り込んでいた赤塚にグラウンダーのクロスが通る。これをまだ入ったばかりで足元がおぼつかない赤塚がなんとかゴールに押し込んで名古屋が試合を決定付ける追加点を奪った。赤塚的にはプレミアカップ決勝でのオウンゴールのリベンジを果たせた感じだろうか。カウンターと見るやゴール前まで全速力で走り込む後ろ髪引かれないランニングが下級生らしくて潔かった。

 そして試合は2-0のまま終了。1999年以来名古屋が実に11年ぶりとなる優勝を飾った。
 平林を筆頭に、神丸、富岡、深谷、日下とタレント揃いだった当時も凄いチームだったが、今年のチームはそれを上回ると言っても決して過言ではないだろう。個人的に初めてこのチームを見た時の印象は強烈だった。しかし個々の能力が高いゆえに並みの相手ではなかなか課題を見つけにくく、また個々のプレーヤーも「自分でなんとかしよう」という意識が強過ぎてチームとしての成熟が遅れた印象は拭えない。一つ上のカテゴリー(U18)や一学年上の日本代表(U17)に参加していた北川などは今年に入って周りを使うプレー(の選択やタイミング)が抜群に良くなった印象があるが、それ以外の選手達については、正直なところまだボールを持ち過ぎて判断が遅れるような場面も少なくない。ただこれは逆に言えばチームとしてはまだ伸びシロがあるということ。実際チームはこの短期間での微修正によって日本一の栄冠を獲得しているのだから、そのポテンシャルは折り紙つきとも言える。彼等ならもっと凄いサッカーが出来るはずだしU18に進む選手は上のカテゴリーで更に成長した姿を見せて欲しいと思う。

 そして元旦の国立競技場から始まった2010年を(それも非常に意義深い一年を)、再び国立競技場でしかも最高の形で締め括らせてくれたU-15の選手、スタッフ、父兄を含めた関係者の皆さんにはお祝いとともに感謝の意を表したい。
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by tknr0326g8 | 2010-12-29 23:16 | Youth
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