Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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2004年シーズンを振り返る その4
 あけましておめでとうございます。
 本当は簡単にまとめて年内で終えようと思っていたこの企画(2004年の振り返り)も、幸治郎の契約ともども越年してしまいました。今回と次回で「サイド」と「DF」を取り上げてとっとと終了したいと思います。というわけで今年も宜しくお願い致します。

 というわけで、その4は、ここ数日一番熱いポジションである「サイド」です。今シーズン終盤の試合でしばしばハーフタイムにネルーニョに檄を飛ばされた両サイドが後半から積極的に前へ絡みだしてチームの攻撃が活性化したような光景がよく見られた。これを見るまでもなく、「サイド」はチームの攻撃に厚み幅や迫力を持たせる意味でも不可欠な要素だ。

■Right side
 04年の名古屋の右サイドは、03年シーズンの後半にブレークを果たした海本幸治郎が引き続きネルシーニョの信頼を勝ち取りポジションをキープしていた。猛烈な走力で絶えることなくアップダウンを繰り返すこのサイドアタッカーは、守備での1対1の対応がやけに軽く淡白なのが玉に瑕だが、名古屋では2トップに次ぐ武器として誰もが認める存在だ。しかし10月初めのナビスコカップ準決勝でかつてのチームメイトだった浦和・酒井に削られると公式戦の残り試合を全て欠場する羽目になってしまった。その穴を埋めるべく残りの試合で右アウトサイドに起用されたのが角田だった。角田は持ち前の身体能力の高さをフルに生かし守備の強さをベースとしながらも右アウトサイドで攻守にバランスの良いプレーを披露した。

■サイドの戦術的タスク
 幸治郎から角田に代わったことで、右サイドで迫力のあるタテへの突破は見られなくなった。もちろん角田の突破からのクロスでチャンスを作ったシーンもあるが、それは一試合の中で幸治郎の時ほど頻繁に行われるものではなかった。
 しかし、幸治郎から角田に代わることによって良くなった部分も当然ある。「守備」というのは当たり前だが、もうひとつ大きなものがネルシーニョがサイドに求める戦術的なタスクの遂行だ。それが具体的にどんなものだったかと言うと、例えば守備面では、キャンプからネルシーニョが「攻撃的なオプション」として試していたと言われる3-5-2の1ボランチのシステム(3-3-2-2)で、守備に入った時にサイドがボランチの脇ぐらいまで絞って対応する約束事。クライトンの加入により吉村の1ボランチ気味で戦うことが多くなった2ndステージは角田が右サイドに入るようになった終盤にはこういった守備のやり方が結構目に付いた。そして攻撃面では、ネルシーニョはサイドのプレーヤーに対してもチャンスの時にはボックスの中に入ることを求めていたようである。これは左サイドの中谷が調子の良い試合ではよくボックスに顔を出していたことからも容易に裏付けが可能だ。そして角田はその教えの通り、柏戦と浦和戦においてチャンス時にボックスの中にポジションを取り見事ゴールを上げている。

■Left side
 今シーズンも名古屋の左サイドは滝沢と中谷という97年組の二党体制でスタートした。それに続くのがU-20日本代表にも選ばれていた2年目の渡邊だ。開幕当初スタメンを張ったのは滝沢。滝沢はおそらくJでも屈指のテクニックを持ち、スピードもありキックの精度・威力ともに申し分ない能力を持つレフティだ。内には熱いハートを秘め、守備(対人)も言うほどマズくはないし、真面目で守備的なタスクも忠実にこなす。とここまで書くとレアル・マドリーでもプレー出来そうな完璧な選手のように思われるだろうが、滝沢には真面目すぎるがゆえかプレーに思い切りがなく、判断力に欠ける面があった。多分優しすぎるのだろう、周囲の状況に気を配り過ぎるがゆえに自分の良さを発揮することを忘れていた。でも滝沢もプロなんだからピッチの中で自己主張出来なくても誰も同情はしてくれない。もし滝沢がエゴ全開で思い切り良くプレーすれば代表の玉田ぐらいの活躍は出来ると俺は今でも思っている。
 そんな滝沢とは対照的に中谷は自分をアピールする術を良く分かっている。前のスペースを狙って良くも悪くも無責任なくらい後ろ髪引かれない積極的なオーバーラップを繰り返す。だから中谷が調子良くてハマっている時の名古屋の攻撃は破壊力倍増だ。GWのナビスコカップ磐田戦でチャンスを貰った中谷はさっそく積極的な「前へ」のプレーで5-2の大勝に貢献し、滝沢の怪我もあってその後レギュラーに定着。2ndステージ前には滝沢が神戸にまさかのレンタル移籍をすることになった。
 2ndステージが始まるに当たり、ネルシーニョの頭の中ではその中谷と渡邊で左サイドを回して行こうという考えがあったようだ。2ndステージ開幕戦で左SBとしてスタメンを張ったのも渡邊だったし。しかしU-20代表としてアジアユースにも出場したこの渡邊の伸び悩みが今シーズンのひとつの誤算。この試合を含め決してチャンスがなかったわけではないが、中谷を上回るパフォーマンスを見せられなかった。渡邊としてはチャンスだったんだけど。

■ピンポイント補強
 年間を通してみれば「名古屋の左サイド」と言えば中谷だった。しかし中谷は「選手紹介・中谷篇」でも書いたようにコンディショニングとフィジカルに課題を抱えていて一年間フルに働いたことがなく、試合数がかさんでいくごとにパフォーマンスが落ちてしまう。さらに試合の中でも一旦攻め上がると、ボールを奪われた時にフルスピードでディフェンスに戻ってくる体力もない。シーズン中にはネルシーニョも「どのチームも中谷のサイドを狙ってくる」と左サイドがチームの弱点であることを認めていた。そして天皇杯5回戦でのあのパフォーマンスだ。「ピンポント補強」の対象に左サイドが該当するのは必然かもしれない。
 各所でも左サイドの補強がまことしやかに叫ばれている。村井(市原)だ服部(広島)だ平山(柏)だと。村井や服部は確かに今のJで最も輝いている左サイドだし、怪我さえなければ平山もいい選手だ。しかしタテへの突破とクロスを武器にするタイプの左サイドが今の名古屋で活躍出来るかと言えば、俺はNOのような気がはしている。チームを作っていく上で必要なのはいい選手を11人集めることじゃなくて選手の組み合わせだ。前線で左サイドに張り出すマルケスはフォーローに入る選手のクロスオーバーする動きを必要としていないし、そこで必要なのはむしろ内側へ入る動きだ。だからさっき書いたような選手達や、数年前から俺が推している和波(札幌)なんかの選手よりも、(俺の好みではないけど)中に切り込んでシュートを打てるタイプということで、噂に上る三浦淳(東京V)や去年フラれた新井場(鹿島)のような選手がいいんじゃないかと思う。
 ここで冷静に思い返してみると、上で書いたようにネルシーニョがサイドの選手に課しているタスクのひとつは「ボックの中に入ること」だ。チャンスの時にボックスの中に入ってポジションを取れる選手…で左サイドでしょ?俺にはあの男しか思い浮かばないわけだが。(笑) しかもタイミング良く移籍志願してるし。これは冗談だけど、意外とハマりそうなのが怖い。
 そもそも名古屋ではハイクロスが得点につながるパターンが極端に少ない。名古屋のFWはヘディングを得意としていないからだ。マルケスの唯一の弱点とも言えるヘディングはハッキリ言って日本の中学生レベルだし、ウェズレイもヘディングは決して得意とは言えない。競り合いもそうだしピンポイントで狙って突っ込むこともない。だからよく幸治郎なんかが「クロスの精度が悪い」と言われるけど、俺はクロスの精度云々以前に、たまに幸治郎とかがマルケスの頭目がけてクロス入れたりすること自体が何を考えているのか分からない。例外として、マルケスが左サイドでキープして中盤から走り込んで来てボック内にポジション取った選手に合わせる時や、開幕戦やナビスコの新潟戦でウェズレイがファーサイドに構えてヘディングからゴールを決めたことがあったが、名古屋では得点に至るクロス=グラウンダーで、そのためにはサイドはペナルティエリアの外辺りをタテにえぐらなければならない。これも名古屋で求められるサイドのもうひとつの資質だ。
 今書いたようなことを見極めながら補強を行えればいいと思う。
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by tknr0326g8 | 2005-01-01 20:28 | Topics & Issues
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