Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第19回 F・マリノスカップ(U-10) 三日目 @マリノスタウン
 今年は、U-18がJユースで準決勝以降に勝ち残っていた影響からか、恒例のGO FOR 2018 CUP(昨年まではGO FOR 2014 CUP)の出場を辞退したようなので、今年は年末のこの時期マリノスカップに集中。

 グループリーグを破竹の5連勝で勝ち抜いた名古屋が決勝トーナメント一回戦で対戦するのは川崎フロンターレ。言わずと知れたあの久保健英が所属していたチームだ。もし彼がバルセロナに見染められなければ、今日もこのピッチに立っていたかもしれないと思うと、CWCでバルセロナが来日した際に情報漏れ対策として人工芝ピッチの周りに張り巡らされた白い目隠しもなんだか味わい深い。
 川崎は全少での優勝経験こそないものの、ダノンネーションズカップの日本大会で4連覇を達成していて、今や神奈川のジュニア年代では横浜に匹敵するかそれ以上存在になっていると言っていい。そんな川崎の試合はグループリーグでも見たが、少なくともこの大会についてはあまり勝負に執着していないように見えた。5試合で22得点(一試合当たり4.4点)という圧倒的な攻撃力とは裏腹に「14」という5,6位決定トーナメントに回ってもおかしくない失点数はそれを如実に物語っていて、実際試合を見ていても、GKがほとんど手を使わない(使おうとしない)状態では、5-2、3-3、4-4、5-4、5-1というスコアも自然だ。

 名古屋のスタメンはグループリーグの追浜戦と同じだが、並びが少し変化している。

      岡崎

西山   田邉   新玉

中川   牛澤   阿部

      石田

 立ち上がりの名古屋は少し硬いようにも見えた。それは相手が川崎フロンターレだからなのか、グループリーグとは違い負けたら終わり(実際には順位決定戦がある)という緊張感からなのか、はたまた試合前にピッチ脇に整列させられた状態で前の試合の劇的でもあり残酷でもあるPK決着を見せ付けられたからなのかは分からないが、何らかの心理的な要因があったのだろう。
 対する川崎は比較的サイズありそして上手い選手が多い。それは名古屋の持ち味とも言える攻→守、守→攻の切り替えの速さや粘り強いディフェンスの威力を削いでしまうほどのレベルだった。少なくとも(いくら川崎の選手がひと回り大きいからと言って)名古屋の選手が試合でシャペウをやられるなどということは、同年代においてはこれまでなかったことだろう。

 贔屓目なしに見て川崎がやや優勢な状況は、名古屋がドリブルで中央を突進した田邉から出たボールを受けた新玉がゴール前の密集を横切るようにドリブルで抜けて右足を一閃した先制点ゴールや、田邉の右からのコーナーキックからゴール正面で牛澤がドンピシャのヘディングを合わせて名古屋のリードが2点差に広がってからも大きく変わることはなかった。そして名古屋は川崎のキャプテンを務める9番の選手を中心とした攻撃を最終ラインが粘り強い対応でなんとか凌いでいる感じだったが、前半終了間際に川崎の9番の選手にスルーパスから抜け出されてGKの鼻先をループで越える鮮やかな追撃ゴールを決められてしまった。

 スコアに反映されない川崎の優勢は選手交代にも表れている。状況判断を誤ったり独り善がりなプレーをしようものならすぐにターンオーバーされて大きなピンチを招いてしまうゲーム展開の中、佐賀監督は何度か同じような判断ミスを繰り返した中心選手を前半の比較的早い時間に交代させるている。これはこれでひとつの「気付かせ」なのだろう。(もっともこの大会はルール上、交代で下がった選手の再登場も認められているが・・・)

 名古屋が2-1で折り返した後半、試合を決定付けたのは開始早々の名古屋のゴールだった。GKのロングフィードが右サイドでDFラインの裏に抜けた西山に通り、これを新玉につなぐと新玉が落ち着いて蹴り込んで3-1。これで川崎の集中力が切れたわけではないだろうが、その後川崎GKのキックミスからこぼれたボールを田邉が拾ってループ気味にゴールに蹴り込むと、カウンターからスルーパスに抜け出した新玉が冷静にゴールへと流し込んでハットトリックを達成と、名古屋が立て続けに3ゴールを奪って試合を決めてしまった。

 得点を重ねることで名古屋の選手たちはいつもペースを取り戻し、いつしか川崎と互角に戦うようになっていった。そして得点差が開いてからは、川崎の7番の選手にペナルティエリアの外から直接FKを蹴り込まれたかと思えば、コーナーキックから牛澤がこの試合二本目となる豪快なヘディングシュートを決めたり、再び川崎の7番の選手にドリブルで右サイドへと流れながら鮮やかなミドルを叩きこまれたりと、取ったり取られたりという展開の末、名古屋は6-3のスコアで準決勝進出を決めた。

 一年半後、この川崎がどういうチームになっているかは楽しみだし、今回勝った名古屋にとっても強力なライバルとなっていることは間違いないだろう。

 準決勝の相手はレジスタFC。マリノスSPクラス、ヴィッセル、ヴェルディといったJ下部チームを振り切りグループBを首位で勝ち抜けてきたチーム。グループリーグを見た時には、とにかくベンチがピッチや選手に対して高関与型でアグレッシブな印象だった。ハーフタイムのミーティングまで選手自らが行う名古屋は極端な例としても、最近は「選手達に自分で考えさせる」見守り系コーチングスタイルが主流になりつつある中で、プレーのひとつひとつに対してコーチからのダイレクトな指示が飛ぶし、中途半端なプレーに対しても即座に叱責が入る。その声色も含めて俺がすぐさま連想したのはザ・パンチのツッコミがピッチ脇に常にいる感じだった。(笑)
 こんなことしてたら、よく言われるように子供達がベンチの顔色伺いながら試合するようになってしまうんじゃないかとも思わずにはいられなかったが、それでも選手たちが結果を出しているところを見ると、この指導方法はこの指導方法でこのチームには定着しているのだろう。

 そんなレジスタを迎え撃つ名古屋のスタメン。確か昨日は見なかった7番の松山が川崎戦の途中から戦列に復帰している。

      新玉

松山   田邉   西山

中川   牛澤   阿部

      石田 

 試合が始まるとレジスタは非常に寄せが早く、粘り強いマークと忠実なカバーリングを組み合わせてチームとしてよく鍛えられている印象。そして攻撃になれば前線で攻撃の全権を委任されている10番の選手(その名も 翼 君!)が特別な才能を発揮する。上でも書いたように、子供の試合に大人が顔を出しているというか、大人のゲームプランに子供が乗っかって試合をしているような印象が拭えないのも確かだが、これならこの短い試合時間と狭いピッチの中でJ下部チームが苦戦を強いられるのも分かるし、名古屋もシュートチャンスと言えばセカンドボールからのミドルくらいでなかなか思い通りに試合を進めることが出来ていなかった。

 そんな試合を見ながら、後半に相手の運動量がいくらか落ちてくればチャンスも生まれるかもしれないと思っていたが、レジスタの運動量はなかなか落ちてこない。試合は相変わらず拮抗している。そしてそんな試合展開の中で決定的な仕事をしたのは10番の田邉だった。中盤からドリブルで持ち出して追いすがるマークを振り切ると行く手を塞ごうと集まって来るDFを目一杯引き付けたところでボールを左に流す。これを受けた新玉が右足でゴールへと蹴り込んだ名古屋が遂にレジスタゴールをこじ開けた。ギリギリの勝負の中での一撃。これで勝負ありだ。

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 そして迎えた決勝戦。いつもはマリノスのトップチームが使用しているスタンド付きの天然芝ピッチに場所を移して迎える相手は“ホーム”の横浜Fマリノス・プライマリーだ。ちなみに決勝戦はFIFAのフェプレーフラッグとともに入場するとか、両チームの選手名が会場内でアナウンスされるとか、ちょっとした演出も施されている。

      新玉

松山   田邉   西山

中川   牛澤   阿部

      石田

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 グループリーグからここまでの試合を見ている限り、いくら相手がマリノスのプライマリーと言えども、このチームがそうそう負ける気はしないというのが正直な戦前の感想ではあったが、ここまで来ると選手達にもかなりの疲労があるだろうし、慣れない天然芝でのプレーということでどうなるのかなと思いながらスタンドからピッチを見ていると試合は意外な形で動く。
 攻め上がった牛澤の放ったミドルシュートを横浜GKが正面に弾き、これを拾った新玉がもう一度シュート、すると横浜GKは対応が間に合わなかったのか、これをキャッチし切れずにゴールマウスの中へとこぼしてしまった。名古屋としてはややラッキーな感もあった先制点。
 そして名古屋はさらに前半のうちに追加点を奪うことに成功する。カウンターから新玉にパスが渡り、新玉は自分の右側に走り込んだ田邉にパスを回す。田邉はドリブルからキックフェイントを一回入れてGKを外すと逆サイドネットに豪快なシュートを蹴り込んだのだった。

 2-0という順調な流れで迎えたハーフタイム。横浜のベンチ前では監督がボードを使って丁寧に後半に向けた指示を送っている一方で、やはり名古屋は選手が円陣を作って独自のミーティングを行っている。ベンチの佐賀監督はと言えば、ベンチ前で腕組みをしながらウロウロして子供達によるミーティングが終わるのをじっと待っているというこの大会でも見慣れた風景。

 そうして迎えた後半はさすがに横浜も意地を見せて点の取り合いになった。最初にゴールを奪ったのは横浜で、中盤でのターンオーバーからボールが渡った9番の選手に頭(ヘディング)でDFラインを抜け出されて1点を返されると、この大会で何度も見られた田邉による中央突破から絶妙なタイミングでのスルーパスに右からフリーで抜け出した新玉が豪快にネットを揺らして名古屋が再びリードを広げたものの、横浜は直接FKから3番の選手が直接ゴールに沈め再び一点差へと詰め寄る。

 しかしそんな一進一退の攻防は、後半の選手交代によって勢いを増す横浜の攻撃を名古屋がなんとか凌ぎ切り1点差を守り切りった。そして名古屋からはMVPに10番の田邉、優秀選手には決勝でも2ゴールを挙げるなど特にトーナメントに入ってからの活躍が目立った新玉、名古屋ディフェンス最後の砦としての守備だけではなく、川崎戦ではコーナーキックからヘディングで2ゴール決めるなど攻撃面でも大きな仕事を果たした牛澤が選ばれた。
 
 この年代での「結果」はまだ重要な要素ではないと思うが、この歴史あるマリノスカップというJ下部や神奈川を中心とした関東地区から多くの強豪チームが集う大会において圧倒的な戦績で初優勝を果たしたことは、選手達にとっても大きな自信になっただろう。この大会で得た自信と経験を糧にしながらさらに大きく成長していって欲しい。当面の目標は来年のチビリンピック全国大会出場を懸けて年明けに開催される東海大会だ。
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by tknr0326g8 | 2011-12-27 23:58 | Youth
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