Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第3節 対広島 1-1(得点:マルケス) @スカパー
 日本サッカーにおいて「黄金世代」と呼ばれ、現在の代表チームや海外組、そしてJリーグの各チームで主要メンバーとなっているマレーシア(ワールドユース)世代とナイジェリア(WY)世代。名古屋にとってもそれは例外ではなく、(この世代で常に一線にいたわけではないけれど)古賀や中谷、中村等のこの世代のプレーヤーが今ではチームの主軸となっている。そんな時代の趨勢に反するかのように、その後のアルゼンチン(WY)世代とカタール(WY)世代の、いわゆる「谷間の世代」というやつを、文字通り「間隙」を突くかのように呼び集めチームを作っているのが、今回対戦する広島だ。森崎兄弟を筆頭に駒野、茂木等の生え抜き組と、そこに今シーズンから佐藤、池田、茂原が加わったチームは、名古屋よりもさらに一回り若い感じがするが、システムも含めなかなか面白いチームとなっているようだ。(ただ若さゆえか「結果」にはなかなか結び付いていないのが現状) 監督批判で謹慎中のウェズレイを欠く名古屋は、そんな広島からホームでキッチリ勝ち点3を奪うことが出来るのか。名古屋というチームが「優勝を目指して戦う」ことが義務付けられたチームである以上、そしてホームで戦う以上、主力の不在は言い訳にはならない。求められるのは勝ち点3。

 名古屋のスタメンはこんな↓感じ。代表組(楢崎、ヨンハッ、本田)が復帰し、ウェズレイの代わりには杉本、出場停止の角田の代わりには山口Kが右SBに入った。
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 試合は開始早々から名古屋ペース。中盤での素早い寄せでボールを奪うと早いタイミングで前へとボールを運びチャンスを作り出す。それが通っている間は2列目以降の押し上げも決まり全てが好循環だ。右サイドを山口K、杉本、中村が絡んで崩し、中村が上げたセンタリングを左サイドからボックスに飛び込んできた本田がボレーで合わせたシーンや、DFラインの裏にナナメに飛び出した中村に、ボックスの外あたりでボールをキープしていたクライトンからラストパスが通されたシーンなんかは特に良かった。そしてセットプレー。古賀、増川、安が揃うセットプレーは相手チームにとっても脅威だろう。ターゲットを得たことで中村のキックにも精度と鋭さが増してきている。ただ広島GKの下田が当たっていたということはあったにせよ、キーパーが直接キャッチしたり弾き出したりするシーンを何度か見ると、改めてピクシーの偉大さを思い知らされたりもするんだけど。
 15分から20分過ぎから試合のペースが広島に移り始める。ナビスコの鹿島戦でもそうだったが、最初の良い感じで攻めていた時間帯から、相手が慣れてきて前線にボールが入らなくなると、チームの勢いも徐々に削がれて行き、中盤でボールを失って逆襲を喰らうようになる。鹿島戦では再び流れを取り戻すことが出来たが、この日は結局前半終了まで広島に攻められっ放しだった。そしてシュートの雨を浴び続けたところで前半終了。

 広島の攻撃はサイドが中心だ。4-3-3の布陣で、サイドで数的優位を作って崩し、センタリングに対してはボックスに必ず2人以上の選手が詰める。特に目立っていたのは駒野のいる右サイドで、茂原とのコンビで何度も名古屋の左サイドは破られた。駒野ってこんな良い選手だったっけ? ただこれに関して名古屋の左SBの渡邊を責めるのは少し酷なような気がする。広島の3トップ気味の布陣に対して、名古屋の4バックは左右にスライドするような形で対応していたし、渡邊に関しては特に右サイドに流れてくる茂木の対応が重要な仕事だった。本来であれば、茂原や駒野はクライトンや本田が見なければならない相手で、スピードに乗った駒野の対応をしなければならなかったり、ひどい時には渡邊ひとりで茂原と駒野を相手にする1対2の状況を作られたりと、渡邊にとっては少し気の毒だった。逆サイドに目を移せば、服部の対応にはキッチリと中村が着いて自由に仕事をさせなかったことを考えても、受け渡しも含めて名古屋の左サイドの守備が上手く行ってなかったのは明らかだった。途中楢崎がクライトンに渡邊のフォローに行くことを要求しているらしきシーンがあったり、前半が終わって引き上げてくる時に渡邊と本田が念入りに話し込んでいたので、これに関しては今後改善されていくことを期待。

 後半、ネルシーニョは動きの悪い本田に代えて吉村を投入。TVではイマイチ確認し切れなかったが、吉村をアンカーにしたこんな感じ↓のポジション配置にしたようだ。
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 それでも止まらない広島の右サイド。いつも指摘されるクライトンの中盤でのマーキングの問題はあるにせよ茂原と駒野が良い形を何度も作っている。今シーズンが始まる前、名古屋で不動の右サイドを務めていた幸治郎の移籍が決まり、俺は当時柏にいた茂原あたりが狙い目だと思っていたが、広島に獲られてしまった。茂原は最近でこそボランチをやっているけど、3バックなら右のアウトサイドも出来るし。そのことをふと思い出した。

 一方の名古屋の攻撃はといえば、サイドが上手く使えないという点と、2トップや中村がサイドに流れたとしてもボックスの中に人が絶対的に足りない点において広島とは好対照。そして攻撃は東京にある緑色のチームのように中へ中へと入っていく。最終的にはパスミスという形で相手に奪われるわけだけど、スペースも狭く、人も密集している中央でパスを回している以上、相手に引っ掛かるのは道理。これはミスというより必然だろう。それでも去年までに比べれば遥かにボールはつながるようになっていたし、マルケス、クライトン、中村を中心にゴールの近くまで迫ったこともあった。しかし、こういう戦術であれば「ウェズレイの不在」は大きい。
 そしてもうひとつ、特に中盤でサイドが有効に使えなかった理由が角田の不在だ。角田の代わりに右SBに入った山口Kは思いのほか前半から積極的にボールに絡み、タテへの突破こそないものの持ち味であるパスによって右サイドでポイントを作っていた。しかし、中盤でボールを回している際、特にボールの所有権が相手チームから自分達に移った攻守の切り換えの瞬間において、前に出るタイミングが角田よりもワンテンポ遅い。これによってボール自体がサイドまで回らなかったり、回ったとしても広島の選手達に守備に戻る時間を与えてしまっていた。逆に言えば、角田はこの辺りの攻守の切り換え、特に攻めに出て行く時の思い切りの良さが秀逸ということなんだけど。

 そんな流れの中、広島にカットされたボールをポンポンとつながれてカウンターから先制ゴールを許してしまう。この失点シーンでは、DFラインの全てが機能しなかった。ガウボンに完全に競り負けた古賀。その競り合いを「見て」しまいマークについていた大木に完全に置いていかれた吉村。そして渡邊と増川はどちらが茂木のマークに着くのかハッキリしていなかった。渡邊は増川とラインを合わせるでも茂木を見るでもなく中途半端に前に出たポジションを取っていたし、増川は茂木のマークに着くのか、それとも古賀とガウボンの競り合いのこぼれ球をケアしてカバーに行くポジションを取るのかの判断が曖昧だった。

 その後名古屋は、相変らず中央に拘って(というかそれしかなく?)攻め続けるものの、2トップ(特に杉本)に動きがなくなり、中盤でのボールの動きも完全に停滞(動かしているんだけど「崩し」にはなっていない)してきた所で、ネルシーニョが2枚のカードを切った。杉本に代え豊田、渡邊に代え中谷を投入。これが若干のリズムを名古屋にもたらした。特に中谷。どちらかと言えば足元でボールをもらいテクニックを生かしたドリブルで勝負する渡邊に対し、スプリントが持ち味の中谷はスペースでボールをもらうタイプ。さっきの角田とKの話じゃないが、その分中谷の方がマイボールになった時の初動が早いしポジションがひとつ高い。そのまま前まで駆け上がって、チームがボール奪われてカウンター喰らった時に戻って来れないのは中谷の難点だけど(笑)、この日に限っては名古屋の攻撃に幅を持たせることで、広島DFの気を分散させていた。一方どうやらM.O.Mに選ばれたっぽい豊田は、確実な成長を遂げているし、同点ゴールのアシストでは持ち味を発揮して楽しみな存在ではあるものの、チームとしてまだ豊田の良さを活かし切れていないし、どう活かそうかというプランも出来ていないような感じだ。事実豊田の「高さ」を意識していたのは同点ゴールの時を含め二度クロスを供給した中村だけだったし。それに同点ゴールは豊田の良さももちろん出たが、古賀が上がっていたことを含めて3人がボックスに入っていたということが大きく影響していたし、マルケスの技術も光った。

 ともあれ、終了間際なんとか追いついての同点。まだまだ積み上げていかなければいけない課題は多いが、同時にチームとして着実に成長した証を見せている。選手達もこの結果には満足していないだろうけど、このゲームを糧にして進んで行ってくれればと思う。
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by tknr0326g8 | 2005-04-06 09:20 | Game Review
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