Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第5節 対FC東京 1-0 (得点:マルケス) @BS1
 前半の25分でガス欠したFC東京と、メッキがはがれ始めた金鯱赤鯱軍団。試合を見た俺の率直な感想はそんな笑えない冗談だ。

 名古屋は、ここ数試合「謹慎中」のウェズレイの代役を交互に務めてきた若い二人のFW(杉本と豊田)の勢いにも翳りが見え始め、苦肉の策としてネルシーニョが選択したのが、マルケス1トップとその下に本田、中村、山口Kの3人を並べた新布陣。つまりこんな↓感じ。これが吉と出るか凶と出るか。
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 試合は開始早々から東京が前線から激しいプレッシャーを掛けてペースを握る。戸惑う名古屋は中盤でボールをつなぐどころか、パスミスを連発しては、東京の速攻を波状攻撃のように喰らう悪循環。中でも増川は、いきなりペナルティエリアのすぐ外辺りで相手にプレゼントボールをしてしまったことでリズムを崩したのか、その後も何度か(悪い意味で)スタンドをどよめかせるようなプレーを見せていた。
 しかしそんな東京も、決定力不足と楢崎の神がかったセービングを前に得点を奪うことが出来ない。その象徴的なシーンが前半11分のPKだった。本田が自らのパスミスを取り戻そうとして東京に与えたFKを宮沢がゴール前に放り込むと、これをものの見事に増川がカブってしまう。ナビスコ・鹿島戦のレビューでも書いたが、増川は意外とクロスボールに対して目測を誤ったり、カブったりすることが多い。それを今野(や東京)は知っていたのだろうか?増川の裏で待ち構えていた今野を増川が引き倒してPK。キッカーは・・・さっき本田のカニ挟みで削られたルーカスだ。助走に入ったルーカスが心なしか恐る恐る右足を振った(ように見えた)シュートは、完全に読み切って左に飛んだ楢崎によってストップされた。その後も試合終了まで(数こそ少ないが)何度かペナルティエリア内で決定的なシーンを迎えたが、結局この日の東京はゴールにボールを流し込むことは出来なかった。

 そんな試合を見ながら俺が感じていたのは、安心よりもむしろ焦りにも似た感情。今の東京と名古屋の間にある厳然たる差のようなものに愕然としながら。開幕から(前節を除き)良い内容を積み上げていると思われた名古屋は、実はまだまだ未完成で、俺の目にはメッキが剥がれ始めているようにも映った。

 この日の東京は、その「攻撃サッカー」の代名詞とも言える石川・戸田のサイドアタックを完全に封じ込められていたが、ボールを奪った時や中盤にボールがある時に、ルーカスが絶妙のタイミングとポジショニング(動き)でボールを引き出し、それに連動して石川や戸田を中心とした周りの選手達が動き出す様は、システマティックであると同時に連携の成熟を感じさせた。逆に名古屋は、中盤でボールがつなげないことで、左右に大きく開いた本田や中村(もしくはポジションチェンジした山口K)にロングボールを出し、そこを基点として攻めようとする。大きな展開(特にサイドチェンジ)は悪いことではない。しかし悲しいかな、お互いの特徴をまだ理解し切れておらず、連携の成熟していないこのチームにおいては、サイドにボールが入っても、よっぽどどこかで「個」による良いプレーが絡まない限り、それがゴール前のチャンスに結び付くとは到底思えなかった。
 もちろんカタチなんてものは殆どと言っていいほどない。去年であれば、例えば右サイドのスペースにボールが出て、そこに走り込むのが中村であれば、その時点で「得点の臭い」というやつがチームや競技場(サポーター)の中に漂って来た。中(ボックス)ではウェズレイとマルケスの2トップがクロスするように動いて、ニアならグラウンダーのボールをマルケスが、中央やファーならウェズレイが主に頭でこれを狙うというような、そんなカタチが共通イメージとしてそこにいる選手やサポーターの脳裏に焼きついていたからだ。しかし今のチームにあるコンビプレーは殆どがまだ即興性のものであり、大抵がボールを交換する二者の間でのイメージで完結してしまっている(それすらもズレることが多いんだけど)。つまり第3の動きや、ニ手先、三手先を見据えてのプレーなんてものは全くない。これにはもう少し時間が必要かもしれない。

 そして守備。戻りが早く、互いのポジショニングのバランスやカバーリングの意識が徹底されている東京に対し、名古屋DFが築くのはカードの山。しかも露骨なファールが多い。これではいくらJリーグの審判が酷いとは言え、カードが累積していくわけだ。特に古賀がイエロー貰ったプレーなんて、とてもじゃないが子供達(サッカー少年)には見せられない。そしてここでも垣間見せる連携不足。

 この際だからさらに細かい事(個々の選手やプレー)まで書けば、(悪い意味で)気になったのは、突然バタバタし始めた増川に加え、5試合で4枚目のイエローカードを貰い、早くも次節出場停止になった古賀。そしてこれに角田を加えた選手達はやたらと相手を「手」で止めるシーンが目立つ。普段の練習からクセになってしまっているのだろうか。いちいち「手」を使って相手を止めていたら、審判に対する印象も悪いし、何よりDFとしての成長がそこで止まってしまう。
 そしてこの日も時折(得意の)右サイドのスペースに流れて勝負を仕掛けるプレーをていた中村。しかし中村はカバーに来る茂庭に一度も勝つことが出来なかった。この辺りが、俺が「中村を代表に」のエントリーで書いた、「中村が代表レベルでどれだけプレーできるかに関しては責任は持てない」という部分。1対1で茂庭をチンチンに抜けるようになったら、胸を張って言える。「中村直志が正真正銘・代表レベルだと俺が保証する」と。決してパフォーマンスが悪いわけではないが、中村にはもう一段階上に行ってもらわなければ困る。
 あと気になるのは、スローインの時にボールをあまりにも簡単に相手に与えてしまうことだ。特に角田。せっかく右サイド深いところまで持ち込んでも、相手が必死でクリアしたボールをスローインで簡単に相手に渡してしまっていては、いつまで経っても分厚い攻撃なんて出来ない。どんな形であれ、マイボールはもっと大事にしなければ。

 そんな中、試合は25分過ぎぐらいから東京の足が止まり始める、というより急停止だ。そしてアクシデント(怪我)で藤山退場。代わりに入った増嶋は明らかに試合勘が不足していた。俺はここで増嶋が慣れる前に左サイドを徹底的に狙うべきだと思ったが、名古屋は右サイド中心の攻撃でこの機を逃して、そのまま前半を終了。しかし東京の足が止まったことで、名古屋が攻撃する時間帯は確実に多くなっている。

 後半に入っても東京の運動量が復活することはなかった。そして二人目の試合勘不足・梶山を投入。それから数分後、名古屋は中盤で梶山に襲いかかりボールを奪うと、カウンターから一気に攻め切って先制ゴールを奪う。東京にとって磐田戦では上手く行ったこの交代は今日に限っては裏目に出た。そして、この1点を守りきる形で試合終了。東京にとっては、3人が交代した後で、茂庭が怪我によりピッチを去らなければならなかったのも痛かった。

 先制点を奪った後の名古屋はどうだったかと言えば、時間とともにさらに東京の動きが落ちたことで、カウンターが次々にハマりだす。そしてこれまでの試合では見られなかったほど、中盤の選手達がボックスの中へ飛び込んで行った。少なくともサイドに基点が出来た時には、俺がずっと言っている「ボックスの中の人数確保」は出来ているシーンも多かった。しかし、ボックスに何人入っていても、やはり連携と意思疎通の足りないチームでは、クロスやラストパスがチャンス(ゴール)に結び付く可能性をあまり感じさせない。
 そんな名古屋にあって、ゴールに迫り、可能性を感じさせたシーンには必ず本田がいた。イマジネーションに溢れ、自分が何をすべきかを理解し、強い意志でそれを実行に移そうとする彼のプレーは、ウェズレイのいない今(ウェズレイ&マルケスというコンビネーションが失われている今)、名古屋にとっての希望と言っていい。

 もし負けていれば一気に崩れかねない大事な一戦を勝ったことはチームにとっても大きい。そしてこの試合に、選手全員が「負けられない」という強い思いを持って臨んでいるのも伝わってきた。でも長いシーズンを毎試合こんなスクランブルな状態で切り抜けて行くんですか?カードと引き換えにでも相手を止めて勝ち点を拾って行く。その結果(何度も言うけど)古賀なんて次6試合目で早くも一回目の累積による出場停止ですよ?その他の選手達にもカードは満遍なく累積している。他のチームのように怪我人が続出しているわけでもなにのに、チームはまるで満身創痍だ。これでシーズンを乗り切れるんだろうかとさすがに不安になる。まあそれでも、(露骨なファールはさすがに勘弁して欲しいが)気持ちの入った激しい当たりのディフェンスなら俺的には大歓迎だけど。そして、やはり要所に新しいメンバーの入ったチームは、連携を深めてチームとして成熟していくにはまだ時間がかかるということを再認識した。

 結果と選手の頑張りに対してポジティブになれる一方、東京相手にすら露骨なファールで相手を止めて、カウンターで攻めるしか手立てがなくなってしまった(それだけの差を付けられてしまった)のかという思いと、去年の2ndステージ浦和戦からチームとして成長していないのかという思いが、俺の気分を重くさせた複雑な試合だった。
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by tknr0326g8 | 2005-04-16 15:00 | Game Review
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