Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第20節 対FC東京 1-1(得点:藤田) @味スタ
 新加入のルイゾンを活かそうと試行錯誤中の名古屋が―その周りを本田、藤田、中村、そしてクライトンというオールスターキャストで固め―試合の中でルイゾンを馴染ませてコンビネーションを熟成させていこうとしているのに対し、FC東京は前節の浦和戦で新加入のササとルーカスの2トップがまだ消化不良と見るや、すかさずササをスタメンから外し栗澤を使ってきた。どちらも意味合いの違いこそあれ、ベストメンバーと言えばベストメンバー。この辺りは現在置かれている立場(順位)の違いだろうか。優勝の可能性は事実上消滅したに等しいものの中位をキープする名古屋に対して、下手すれば降格レースに巻き込まれかねない東京。当然新外国人の獲得・起用にともなう戦略も代わってくる。
 しかし、元セレソンのルイゾンと日本屈指のMFである藤田俊哉の獲得が降格レースに巻き込まれないためのものであるならば、(世界の)「TOYOTA」(マネー)がバックに付いているとは言えいくらなんでも費用対効果悪すぎだ。

 まあそれはさておき試合・・・
 名古屋は上に書いたとおり、ルイゾンと本田の2トップに、藤田、中村の二人が流動的にポジションを変える攻撃的な中盤、そこに後ろから絡んで来るのがクライトンという5人でアタッカーを形成している。

        ルイゾン  
             本田

    藤田          中村
        クライトン
              安

  中谷   増川   古賀   井川

           楢﨑

 組み合わせ(ポジションの配置・バランス)はともかく、この前線のメンツは俺の中では「ベストメンバー」で、中でも楽しみな要素はと言えば先発に復帰した本田だ。中断前の磐田戦では湯浅健二に酷評されていたけど、それでもボールを持った時のプレーでは他の選手ないキラリと光る才能とイメージを持っている選手だけに、一観客として見ればこの選手がピッチにいるかいないかは大きく違うからだ。

 そんなオールスターキャストの豪華さとは裏腹に、試合は序盤から名古屋が東京を攻めあぐむ。相変わらずこの試合でもクライトンひとりで切り盛りしている印象のある中盤では、絶妙のタイミングで藤田がフォローに入ることでなんとか相手陣内に入った所まではボールを進めることは出来る。しかしそこから先はルイゾンを含めたコンビネーション(攻めの形)がまだ手探り状態で、大事なところでパスミスをしてはカウンターを喰らう形を繰り返す。名古屋はフィニッシュまでなかなか辿りつけない。
 東京はそんな名古屋の状態を知ってか知らずか完全なカウンター狙い。全体的に引き気味に守って、東京のプレッシャーでというよりはむしろ自然発生的に起こる名古屋のパスミスを拾っては両サイドの裏に早めにタテにボールを出して、右では石川とそれに絡んで加地が、左ではノリカルこと鈴木規が突破からのセンタリングを狙うという得意の「型」だ。
 まあそれでも、さすがにこれぐらい「定番」の攻撃されると、名古屋(ネルシーニョ)も当然のごとく事前に対策を立てているわけで、東京のツメ(フィニッシュ)の甘さに助けられた部分もあるとは言え、4バック+安で作る守備ブロックもそうやすやすとはクロスからゴールは割らせなない。そんな名古屋守備陣にあって特に目立っていたのは安で、常に危険な所を察知しそこに現れるその戦術眼というか危機管理能力とでも呼ぶべきものは吉村にないものだし、ポジションの違いはあるがかつてのパナディッチを彷彿とさせる。
 名古屋にとって危ないシーンはと言えば、例えば中谷が攻め上がって誰もいないところにパス出して、待ってましたとばかりに東京がカウンター発動して中谷の上がったスペースを使われた時。そうなると安が左サイドのカバーリングに回らざるを得ず、真ん中でクロスを跳ね返したセカンドボールだとかマイナス気味のクロスだとかを(安のいない)バイタルエリアで拾われてピンチに陥っていた。個人名で言えば、神出鬼没なポジショニングでたまにフリーになる栗澤と、Wボランチを組む梶山の分と合わせて二人分(笑)動いている印象の今野が危険な存在。特に今野の二列目からのパワフルなオーバーラップはワシントン並に怖い。
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 名古屋の自作自演と東京の単調なカウンターという流れで進んでいく前半、なんとか前半は東京の攻撃を凌いで後半立て直すか・・・と考えていると、名古屋は徐々に右SB井川が機能し始める。時にはクライトンのダイアゴナルなロングパスから、時には中盤でのパス回しから、右サイドを駆け上がる井川にフリーでボールが渡ると、井川のクロスに対しルイゾンと本田を中心とした名古屋のアタッカーが複数人でボックスにつめる。最後の精度の部分で得点には至らなかったが、それまでの展開に比べればまだ可能性を感じさせる攻撃だった。

 そして前半終了。名古屋も酷いが、東京もこれじゃサポーターは納得しないだろう。
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 後半、一瞬髪を短くした井川が秋田に見えたが(笑)・・・選手交代はなし。
 
 前半の最後の方にリズムをつかみかけたかに見えた名古屋はそれを持続させることが出来ず、逆に後半開始と同時に積極的に前へと出てきた東京に押し込まれてしまう。名古屋は前半にも増して攻撃の形を作れなくなり、ロングボール中心で(そこから本田を中心とした個の力による打開に頼ったり)、中盤からパスをつないでいこうにも、両サイドが完全に死んでしまっていて、攻撃は中へ中へと入って行っては東京の守備ブロックに引っ掛かりカウンターを喰らうという悪循環。

 なんとか悪い流れを断ち切りたい名古屋だが、頼みのルイゾンはコンディションが万全でない上、そもそもルイゾンまでボールが行き渡らない(ルイゾン自身も広範に動いてボールを受けるタイプではないようだ)。コンディションという面では、ルイゾンのほかにも井川と中村あたりの消耗がかなり激しい。井川は後半途中から変な(誰もいないところへの)バックパスを連発してるし、中村も見ているこっちがポカーンと口を空けたくなる様なパスミスやらトラップミスを連発。安は守備に忙殺され、本田はあのポジションではボールに触れる回数が圧倒的に少なすぎてその特徴を活かしきれていない。打開策の見えぬまま名古屋を覆うのは重い空気だ。
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 逆に押し気味にゲームを進める東京はタイミングを見計らってササを投入。ササとルーカスがタテに並ぶ(栗澤が左サイドへ移動)フォーメーションで勝負をかける。ルーカルのトップ下か・・・一年前に2-0から大逆転喰らった試合の嫌な記憶が蘇る。あの試合も途中でトップ下にポジションチェンジしたルーカスを捕まえきれずに、その結果中盤から独走許してゴール決められたんだよな・・・。

 名古屋の守備は、東京のサイドからの攻撃に対しては、4バックを中心に相変らず辛抱強くこれを凌いでいた。そしてササ投入によりトップ下にポジションを移したルーカスに対しても安がガッチリとこれをマークしている。やはりこの男がいるかいないかは名古屋にとっては大きい。その後東京はササとルーカスが再びポジションチェンジしたりと揺さぶりを掛けてくる。こうなるとサイドよりも中央からの攻撃の方が怖い。事実名古屋のDFラインは中央からのワンツーやスルーパスに何度か破られた。そして幾度となくコーナーキックに逃れる。

 しかしそんな中東京にとって好事魔多しとはまさにこのことか・・・名古屋に千載一隅のチャンスが訪れる。中村と藤田を前線に残した形で東京のコーナーキックを守っていた名古屋が一気のカウンターで先制点を奪ってしまった。中村と藤田がセンターサークル内で並ぶようにポジションを取るところから始まって、これもかなり練習していた形なのだろう。こういう(押し込まれたり流れの中からチャンスを作れない)シチュエーションまで想定してやっていたとしたら、ネルシーニョは本物の策略家だ。
 コーナーキックのこぼれ球をクライトンが拾い、右サイドでデイフェンスラインの裏へクロスして走る中村の前のスペースへパス(ちなみにこの時左サイドでは本田が全力疾走で大外オーバーラップをかけていた)。クライトンからのボールは懸命にスライディングで足を伸ばした東京DF金沢の足先を抜け中村のもとへ。そして右サイドから中村がドリブルで持ち込みマイナスに折り返したボールを、上手くDFの視界から消えながら追走してきた藤田が相手DFの前に出てポストに当てながらギリギリのコースに蹴りこんだ。

 この1点は苦しい中から一発のカウンターで奪ったという意味で心理的にも非常に重く大きな1点だったが、実は同時に試合の勝敗を決する上でかなり大きな影響を持つと思われる戦術的な副産物を生み出していた。そしてそれによって俺は密かに勝利を確信する。

 スライディングで足を痛めた?金沢が退場を余儀なくされ馬場と交代。馬場は中盤の選手なので、金沢に代わって左SBに入ったのは・・・今野だ!俺は上でも書いたように東京が得点を奪うとすれば栗澤か今野が有力なのではないかと思っていた。しかし選手交代等に伴い栗澤が左サイドに固定されると、栗澤の怖さは半減してしまった。あと厄介なのは今野だ・・・と思っていた矢先だっただけに、これは願ってもない配置転換。よりによって相手ゴールに近いところに移ってくれるとは・・・。

 この試合、もうもらっただろう。

 事実、意外にも頑張っていた馬場を含め東京のアタッカー陣がサイドからよりもむしろ中央からの突破で何度もチャンスを作っていたが、真ん中を固める古賀、増川、安の三人を中心に名古屋のDFが体を張ってこれを阻止していたし、前線では途中出場の中山と、藤田とクライトンが―この3人だけでサッカーやってる感じだけど―たまに相手DFの隙間を突いてカウンターを繰り出す。俺の中ではそのまま試合終了のホイッスルを待つだけの展開だった。
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 しかし残り数分となったところで東京のカウンター。左サイドを駆け上がったのは・・・左SBの今野だ!そして今野はマークに来た中村を振り切り左足でクロス・・・ボールはGKの楢﨑に向って真っすぐ飛んでいったが、それを楢﨑が冗談のようにお手玉し、弾いたボールはそのままマウスの中に落ちた。どうした?楢﨑。他の事でも考えてたか?

 あっけに取られるのと、もう安パイだと思っていた今野にやられたことで頭が混乱気味の俺。そんなことはお構いないしに勢いに乗って攻め立てる東京。楢﨑の背後のスタンドは軽い祭りだ。そこで名古屋は本田に代えて渡邊投入。いや、ここは代えるなら本田じゃなくて中村だろう・・・確かに本田はボールに触る回数がめっきり減って決定的な仕事は出来なくなっていたし、中村はバテバテながらもアシストを決めた。しかし本田はまだまだパワーを残しているように見えたし、中村はすでにヘロヘロだった。象徴的だったのは試合終了のホイッスルが鳴る直前のシーンで、名古屋が東京の猛攻を凌いで最後のカウンターに移ったシーンだったが、相手陣内でボールをキープしていた藤田がスルーパス出そうしてたんだけど、大外に開いて突っ立ったままの中村の動き出しがなくて結局パスを出せずに、そのまま笛が鳴ってしまった。怒る藤田を尻目に、笛と同時に両膝に手を当てピッチに背を向けたままガックリと頭を下げてうな垂れたままの中村。これはマジで次節休ませたほうがいいんじゃないか。前半からボールへの反応も鈍かったし、コンディションがちょっと心配だ。

 結局スコア的には1-1の引き分け。「先行したら手堅く守る」今シーズンの名古屋としては珍しい試合展開だった。結果論で言えば、井川が足を攣って吉村を右SBで使わざるを得なかったことが、勝負どころ(守備)で吉村投入というオプションを奪ってしまったとも言えるなあ。まあそれでもネルシーニョが動いたかどうかは疑問ではあるけど。そもそも井川の交代にしたって、ピッチ上の藤田に二回ぐらい「交代させろ」って言われて渋々交代させてたみたいな感じだったし。(笑)

 そんなコンディショニング的な話もあるけど、その他に試合を観て感じた今の名古屋がチームとして抱える課題みたいなものは神戸戦のレヴューの後にでもまた改めて書きたいと思います。
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by tknr0326g8 | 2005-08-25 03:52 | Game Review
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