Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第22節 対横浜 2-2 (得点:ルイゾン×2) @日産スタジアム
 「NISSAN」だけには負けられない。
 かつての上得意先であり困った時はいつも助けられていた「連敗ストッパー」の浦和に対し、胸スポンサーのMMCが消えてからというもの、サッパリ歯が立たなくなってしまった名古屋は、胸に「NISSAN」の文字を刻んだ手負の王者・横浜を相手に復活を期す。

 そして迎えたこの試合、Jリーグの再開後5連戦となる横浜のコンディションを考えた上で、ネルシーニョがあえて「後半勝負」を想定して藤田とルイゾンをベンチに置いていたのだとしたら、それは出来すぎたシナリオだった。それぐらいこの試合での名古屋は前半と後半で「別のチーム」だったし、(最後の最後で家本に勝ち点3を盗まれたが)藤田とルイゾンの入った後半は限りなく勝利を手繰り寄せた。
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 藤田とルイゾンをベンチに置いた名古屋は、完敗を喫した前節の浦和戦で唯一(唯二?)の光明であった本田と安をよりによって同時に怪我で欠くダブルパンチで、彼らの代わりにはともに20歳の豊田と渡邊、そしてともにユーテリティプレーヤーである山口Kと角田が両SBに入った。すなわちスタート時のポジションはこんな↓感じの4-4-2。

      豊田  スギーニョ

  渡邊           中村
       クライトン
           吉村

 角田  増川   古賀  山口

         楢﨑
 
 しかし、試合開始から横浜特有の前後左右にポジションを移動しながらスペースを作りそのスペースを突いてくる攻撃に名古屋は対応できず、押し込まれたDFラインはほぼ5バック状態になってしまっている。要因はいくつかあるが、特に横浜のFW大島が右サイド(名古屋の左サイド)に流れ気味にポジションを取ることが多いんだけど、大島のマーク担当の増川は怖くて中央のスペースを空けられない→となると角田が大島のマークに付かざるを得ない→横浜の右サイド・田中隼に対応する形で渡邊が引いてくるといった形。すなわち、名古屋の守備陣だけを見ると、こんな感じ↓に。

(田中)
 ● (大島)      (グラウ)  (ドゥトラ)
渡邊  ●          ●      ●
   角田   増川   古賀     山口

            楢﨑

 昔誰かが言っていた。3バック(3-4-1-2)のチームと4バック(4-2-3-1)のチームが戦えば、後者の方がサイドで攻守ともに数的優位を作りやすく、3バックは必然的に5バックになって押し込まれると。がしかし現実は3バックの横浜に対し、4バックの名古屋が5バックになって押し込まれている。(笑) この展開を「彼」が見たらどう言うだろうな・・・名古屋は弱すぎてサンプルになり得ないとでも言われるのだろうか。お気に入りの本田も出場していないことだし。
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 まあそれはさておき、さすがにこのままでは押し込まれる一方で自分達のサッカーをできないと思ったのか、名古屋は(おそらく選手主導で)前半から早々にポジショニング(システム)の変更を行う。名古屋にとっての左サイドに流れていく傾向の強い大島に付いていく形で増川が左サイドに出る。そして左SBだった角田が古賀と増川の間にリベロとして入る3バックだ。「練習してない形だった」とか愚痴ってないで、ちゃんと自分達で考えてやればできるじゃん君達も。

     豊田   スギーニョ

              
     クライトン    中村
         吉村
渡邊               山口  
    増川  角田  古賀

         楢﨑

 しかし、上のポジショニングを見てもらえば分かる通り、3バックに変更したところで名古屋の両サイドのポジションはとても低い。試合開始直後は左サイドから何度か積極的な上がりを見せていた渡邊――まあこの日の元々のポジション自体がWHなんだから「上がり」という表現はヘンだが(笑)、それぐらい名古屋は押し込まれていた――は次第に攻撃するシーンが見られなくなり、田中隼への対応に専念させられている状態。右サイドの山口Kは最初に消極的な横パスをさらわれて危ないシュート(これも楢﨑がセーブ)を打たれてから消極的な姿勢に拍車が掛かってしまった。ひょっとしたら久しぶりの試合出場となる山口Kは試合勘の部分で不安があったのかもしれない。ドゥトラのマークという「守備第一」でゲームに入ったとは言え、攻撃に全く絡んで来ないのでは話にならない。
 ただしサイドに全ての責任があるかと言えば一概にそうとも言えなくて、(全くと言っていいほど攻撃に参加しなかった山口Kはともかくとして)左サイドの渡邊が上がれなくなった理由は、田中隼への対応(守備)の他に「ボールをキープしてタメを作れない中盤」にもあった。
 中盤にあっては中村のパフォーマンスの酷さが目立つ。もともと判断の遅さには定評のある中村だが、ボールを持っては横浜のプレスに遭いボールを失うシーンを連発。集中が切れたように簡単なボールコントロールのミスをやらかしたかと思えば、プレースキックも精度を欠く。この疲労困憊のMFを休ませることをなぜネルシーニョは考えないのだろうか。俺は再開直後から言っているが、もう「気力」とか「精神力」でなんとかなるレベルではないように感じるんだが・・・。
 そんな状態だから名古屋の攻撃は浦和戦に続きタテへのロングボール一発で杉本を走らせることしか出来ない。杉本は今日もフリスビーを追いかける犬のように、気まぐれな飼い主達によって無造作に走り回らされている。これで代表クラスのDF2人(中澤、松田)を擁する横浜の守備を崩せたら奇跡に近い。
 守備面でもマークをハッキリさせたというのに、右からのクロスに対して増川が大島のマークをアッサリ見失って決定的なシュートを放たれたり(楢﨑が弾き出した)して、相変らずサイドからの攻撃に対するモロさを露呈してしまっている。

 前半悪かったところを挙げればキリがない。

 そしてシステム変更も実らず、そんな悪い(というかそれを通り越してどうしようもない)流れの中から、左サイドを田中隼に崩され先制点を献上する。横浜らしいボールの動かし方とスペースの使い方(作り方)で左サイドを突破されたわけだけど、このシーンでは渡邊がボールウォッチャーとなりマークを離して田中隼を行かせてしまった。
 「代表予備軍」とも言われる田中隼との1対1で何度か突破を許していたのはしょうがない。これが現在の渡邊の実力(守備)であり、これを糧にまたトレーニングするしかないんだから。しかし、失点シーンでボールを見て足が止まりマークを外してしまった事に関しては完全な渡邊のミスだ。これは技術的な話でもなんでもない。横浜の崩しが上手かったとは言え、こういうプレーを続けていては、例え中谷からであってもレギュラーポジションを奪うことははおぼつかない。

 それにしてもドゥトラは山口Kをナメ切ってるな。山口Kが上がって来ないのを見透かしたように、まるでウイングのようなポジションを取ってそのポジションをずっとキープしてやがる。なんとかコイツの鼻をへし折ってやりたい・・・。山口Kにそれをやって欲しいところだが、上がる気配すら見せない攻撃面はおろか、守備面でもボランチ吉村の救援を必要としている状態では期待はゼロに等しかった。

 そして何も良い所がなかった今シーズン最悪の前半が終了する。
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 前半終了と同時に藤田とルイゾンが駆け足でドレッシングルームに戻って行ったから、これは後半からこの二人の投入があるなというのは分かった。しかし誰に代えてくるか・・・。俺なら山口Kは確実に交代だが、もうひとりは誰だ?豊田は仕事をしていないが同時にボールも来ていない。評価は微妙なところだが、一点を追いかける立場であることを考えても外すのは得策ではないような気がする。

 答えは「中村」。ネルシーニョはこれまで絶対的な信頼を与え続けてきた中村をついに外すことを決断したのだった。中村のポジションに藤田、そしてトップの杉本を右サイドに移動し、豊田とルイゾンの2トップという組み合わせだ。そしてさっそく前半の山口Kとはうって変わり攻撃的なポジション取りでドゥトラの先手を取る杉本。横浜の左サイド・ドゥトラにしてみたら、80㌔台のスローカーブの後に140㌔のストレートを投げ込まれたような・・・全盛期の中日・今中の投球を彷彿とさせるネルシーニョの采配。

      ルイゾン  豊田

      藤田        スギーニョ 
 渡邊        クライトン
         吉村
 
    増川  角田  古賀

         楢﨑

 そして藤田。中盤で動きながら(最終ラインから)ボールを引き出し、いつものごとく流麗な・・・例えるなら南斗水鳥拳のレイのような(笑)・・・身のこなしで相手ディフェンスの当たりを交わしてボールをキープし前を向く、そしてシンプルにボールを動かす。全てにおいて前半の中村とは好対照にして別次元の動き。もちろん中村のコンディションがベストではないということもあるし、中村の特徴(良さ)は中盤の低い位置でボールを受けることでは活かされない。(俺はこのブログを始めて以来中村のボランチを推奨しているが、それは彼の特徴であるシュート力や前に出る力を活かすためであり、決して低い位置でボールを受けてるためではない) しかし中村にはこの藤田のプレーをよく見て、一緒にプレーしながら盗めるところは盗んで色々と学んで欲しいと思う。

 そしてこの交代によってもたらされた「修正」はさっそく「結果」となって現れる。右サイド高い位置に進出した杉本のクロスから、一度は味方の豊田にぶつけながらも、こぼれたボールに誰よりも早い反応でルゾンが再びシュートを放って待望の来日初ゴールをあげる。こんなにも素早いボールへの反応を見たのは98年の開幕戦のアルー以来かもしれない。(笑) それはまさしくゴールハンターの血とでも呼べるべきものだった。

 その後も横浜の攻撃を凌ぎながら、カウンター中心にではあるが、グラウンドを広く使った攻撃で横浜陣内に攻め入る名古屋。キープ力とパスセンスに秀でる藤田とクライトンの二人が文字通りの「W司令塔」として中盤で名古屋の攻撃をコントロールし、右サイドで前のスペースを狙った精力的なランニングを続ける杉本は、チームの誰もが意識するポイントとなっていた。前線では初ゴールを決めてから良い形でボールに絡む回数が増えたルイゾンに、コンビを組む豊田も前線で体を張れるようになって来た。
 守備では吉村がその運動量を活かして中盤でこれまでにないほどよくこぼれ球を拾っている。初めてリベロに入った角田も落ち着いたプレーぶりで前半から無難にこなしていて、そのサッカーセンスの良さを感じさせる。

 後半は前半に比べれば良い点がずっと多くなった。

 問題点がないわけではない。例えば動きが重なるシーンが異常に多かったルイゾンと豊田の2トップのコンビネーションや、相変らず間合いが近くて相手DFに引っ掛かってしまう杉本のアタッキングゾーンにおけるドリブル勝負。
 しかし、セットプレーを中心に横浜に攻め込まれても、取られたら取り返せばいいんでしょ?というぐらいの勢いが名古屋にはあった。ゴール裏を含めた雰囲気もずっとイケイケ状態だ。

 そして試合終了間際、またしても杉本の右サイドからのGKとDFラインの間を通す速いグラウンダーのクロスに、今度はファーサイドでルイゾンが合わせて2点目。左足だったがルイゾンはこれをさも当たり前のようにやすやすとゴールに蹴り込んだ。ゴール裏の方にやって来て喜びを表すルイゾン。ここまでいかに苦しい思いをしていたかがこっち側にも伝わってくる。
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 さあ後は試合終了のホイッスルを聞くだけ。

 確かに後半何人かの選手が倒れたがロスタイム4分は長くないか・・・と不安がよぎるも、横浜のチャンスがセットプレー中心だったこともあり、後半足を攣った渡邊に代わって秋田が入っていたことでDFラインは図らずも磐石とも言える安心感を漂わせていた。

 しかし・・・ロスタイムに入ってまたしてもセットプレーのピンチをなんとか凌いだと思った矢先、なかなかリスタートしないからおかしいなと思っていると、向こう側のゴール前で白いユニフォームが審判を囲みだした。え?もしかしてPK?何があったんだ・・・。何が起こったのかも分からぬまま、そしていつ入ったのかも分からない山瀬がPKを決めて同点。
 そして試合終了。

 待ちに待ったルイゾンの2ゴールという最高の美酒を味わった直後に冷や水浴びせられた感じだが、ただチームの雰囲気も含めてこれで少しは良くなっていくことが予想されるし、次節柏戦では再開後の初勝利をもぎ取って欲しいと思う。
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by tknr0326g8 | 2005-09-04 06:18 | Game Review
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