Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
仙台カップ国際ユース レヴュー#2 U-18日本代表vsU-18東北代表
 去年の大会でも東北代表が日本代表を破るというアップセットがあったみたいだけど、去年のチームはメンバーを見ても有力高校生の寄せ集め的な色合いが濃く、これを「日本代表」と呼ぶには若干違和感のあるチームだった。しかし今年はこれからまさにアジアユースを戦おうとしている正真正銘の「日本代表」。いくら1軍半のメンバーを組んだからといって、監督もまさか負けるとは思っていなかっただろう。

 日本代表はこれまで出場機会の少なかったGKの武田、DF吉田、安田、MF松本、横谷、FW河原といった「控え組」を全員先発させてこの試合に臨む。(青山はベンチ) 対する東北代表は、元U-16日本代表FW小澤以下7人がインターハイ王者の青森山田勢で占めるスタメンで、特に2トップと吉田(U-18日本代表/名古屋ユース)とのガチンコ対決は来週から始まる高円宮杯の前哨戦といった趣き。(厳密に言えば、日本代表にいる松本も青森山田の選手なので、ピッチ上には青森山田が8人いたわけだけど・・・)
b0036243_343727.jpg

 試合は個々のプレーヤーの能力に勝る日本代表がボールを支配する形で試合に入り、開始後間もなく「ディドの息子」マイクのゴールによってアッサリと先制点を奪うことに成功する。これは波乱は無しかな・・・となると、俺の注目は必然的に初出場の吉田に集中することになる。
 吉田も全く問題ない出だしだ。170㌢(小澤)と163㌢(伊東)という小柄な2トップ相手なので当然と言えば当然だが、ハイボールの競り合いには圧倒的な強さを見せ付け東北代表の前に要塞のように立ちはだかった。サイドに引っ張り出されたりしてスピード(ドリブル)で勝負されても吉田は落ち着いてこれに対応している。それにしてもしきりにポジションチェンジを繰り返したりDFラインの裏を狙ったりとDFに揺さぶりをかけてくる青森山田そのままの2トップはいやらしいコンビだな・・・。

 しかし日本代表にとってのいい流れは長くは続かなかった。技術面での明らかな優位性と幸先良く先制できた試合展開とで、日本代表の選手達に気の緩み(油断)が生じたのか、次第にそれぞれのプレーヤーがボールを持つ時間が長くなり判断が遅れるようになると、戻りの早い東北代表ディフェンスを前にパスがつながらなくなってきてしまった。そして日本の攻撃はミスパスを繰り返してはスタンドのため息を誘うだけの淡白で軽いものとなっていく。
 こうなると堅い守りからの速攻を基調とする東北代表に流れが行くのは自然の流れ。そして左サイドのスペースを使われると、ニアサイドへの低いセンタリングに中で小澤が合わせてまずは同点。小澤にマークに付いていたのは・・・吉田だったが一瞬のスピードで前に入られてしまった。一旦引き離されながらも吉田はよく付いていったんだけど、小澤の上手さが勝った。これは小澤の方が吉田よりも一枚上手だったということ・・・悔しいがこれは吉田が今後のトレーニングの中で精進していくほかない。
 そしてそんな小澤に「声」でも引っ張られ、勢いの止まらぬ東北代表はついに前半のうちに逆転ゴールまで奪ってしまう。ボランチがノーマークのままバイタルエリアまでボールを持って上がって来て、それに対して吉田がチェックに行った刹那だった、まるで稲妻のように小澤が動き出して瞬時にDFラインの裏へナナメに走りぬける。そこにピタリと出されるスルーパス。小澤はスピードを緩めることなくマークに来た相手を振り切ると逆サイドのサイドネットへキレイなシュートを蹴り込んだ。おそるべし、小澤のスピードと決定力。ああ、俺はかつて何年後かに小澤と伊藤翔が地元名古屋で2トップを張る夢を見てたんだけどな・・・。(笑)
 そしてそのまま2-1で東北代表がリードして前半は終了した。

 後半に向け選手達がピッチに現れると、ピッチ脇には日本代表の青いユニフォームを着た二人の選手とともに「6」と「10」の番号が記されたボードが掲げられていた。青山登場だ。まあ前半あれだけのダメっぷりを見せつけられれば監督としても何か手を打たざるを得ないだろう。でもCBの槙野も吉田もいるしボランチ(アンカー)の横谷もいるし、青山はどこに入れるんだ?と注目していると、スタスタと4バックの右にポジションを取っている。右SBだ!!!俺は巷でイメージされているほど(言われているほど)青山に攻撃力がないとはこれっぽっちも思っちゃいないが、お世辞にも走力があるとは言えない青山が右SBか。確かに前半は右サイドは松本も内田も全くと言っていいほど攻撃では目立たなかったけど。どうだろう。

 そして後半立ち上がり、慣れない右SBということもあってか、その青山のところから追加点を奪われてしまう。槙野から中途半端に青山と小澤の間ぐらいに出されたフィフティーのボールに、青山はなんとか体を入れて小澤より先に触ったものの、その足に当たったバックパスともクリアともつかないボールを後ろから狙っていた東北代表のもうひとりのFWがかっさらって、対応に来た吉田をスピードで横に振り切るとそのままシュートしゴールを陥れた。吉田については、もっと早くカバーに来ていればというのはあっただろうが、あのスピードに乗った状態でゴールに突進してくるFWに対してついていけというのはちょっと酷な話なので、責任はないと言ってもいいだろう。

 巻き返して追いつくつもりが逆に突き放されてしまった日本代表はここでシステムを変更する。左から4(吉田)、5(槙野)、6(青山)と規則正しく数字が並んだ3バック。左アウトサイドには左SBだった安田が一列上がり、右サイドにはオフェンシブな中盤だった山本が一列下がる3-5-2だ。この面子だったらこの形が一番無難だろうな。
b0036243_2431611.jpg

 その後日本代表が意地を見せるかのように、中盤から東北代表ディフェンスが身動きすら出来ないぐらいのスピード(テンポ)でワンタッチのパスを何本かつないであっという間にペナルティエリアまで進むと最後はマイクがこの日二点目となるシュートを左足でゴールに流し込んで1点を返した。やればできるじゃんこういう攻撃も。なんで最初からやらないんだ?
 しかし2点目を決めた直後、キャプテンマークを巻いた山本がボールを拾ってセンターサークルに戻ろうとした時、邪魔しようとした選手の手を払いのけてレフェリーから注意を受けると、その直後には相手選手に対して後ろからのディフェンスでイエローをもらってエキサイトしているようではチームはまとまるはずもない。まああのディフェンスがイエローに値するかと言えばとてもそうは思えず、高校生相手に選手を熱くさせるような笛を吹いてるレフェリーにも問題は大アリだと思うけど。

 その後は、日本代表の攻撃を受け止めた東北代表が極端に走力の鈍った日本代表の中盤をノープレッシャーでくぐり抜けてカウンターを仕掛ける。日本代表はサイドもボランチも戻っていない中、3枚のディフェンスだけで東北の波状攻撃を凌いでいるような状態だった。そしてペナルティエリアの外で相手を倒した直接FKを直接と、サイドからのクロスが槙野の前で触った小澤を経由して青山のマークしている相手に渡り(青山は小澤がボールに触った時点で目測を誤るようにマークを外してしまった)ゴールを決められついには2-5。

 お祭り騒ぎのスタンドのボルテージとは対称的に、集中力が低下する一方だった日本は試合終了のホイッスルが鳴るまでこれでもかというぐらい容赦ない東北代表の波状攻撃を受け続けた。今時プロと高校生がやったってここまで一方的にやられまくることはないだろうってぐらいの、跳ね返しては拾われて攻められ、ボール失っては攻められの繰り返し。それを3バックとGKがポストの助けを借りながらなんとか守る感じだった。

 その間監督がしたことはと言えば、前線に本来DFの伊藤(184㌢)を入れてパワープレーさせたことぐらい。ベンチの反対側、遠くバックスタンドから見た印象でしかないが、もはやベンチも打つ手無しといった感じで手をこまねいているしかなかった。森本が既にチームを離れていてオプションがなかったとは言え、これじゃ選手を責められない。それと比べれば、J's GOALの東北代表・清水監督のコメントとか読むと、やっぱり机上の論理とかだけじゃなく、プロの監督としてJ1、そしてJ2でも常に生きるか死ぬかの真剣勝負をくぐり抜けて戦って来た人――若手を育てるのではなく、「再生工場」ばりに他チームで出場機会の限られてきたベテラン選手を引っ張ってくるチーム作りには「彼の通った後にはペンペン草も生えない」という否定的な意見もあったが――の「凄み」みたいなものを感じてしまうのは俺だけだろうか。

 結果として吉田にとっては肉体的にも精神的にも散々な代表初先発となってしまった。まあそれでも高さ、1対1での冷静さ、両足で蹴れる精度の高いフィードと吉田が持つ良い部分も所々で出せてはいたけど。この試合が原因で今後代表に呼ばれなくなったらシャレにならないが、とりあえずこの借りは今週末から始まる高円宮杯でノシつけて青森山田に返してやろう。
b0036243_2503528.jpg

[PR]
by tknr0326g8 | 2005-09-21 02:56 | Youth
<< 第24節 対大分 0-2 (得... 仙台カップ国際ユース レヴュー... >>