Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
第24節 対大分 0-2 (得点:なし) @スカパー
 ネルシーニョの解任やら、ルイゾンの移籍やらいろいろと忙しいことになっているけど、やっと大分戦のOAを観ることが出来たので、とりあえず大分戦のレヴューから順番に書いていくことにします。(出来るだけ真っ白な心で)

 大分との前回の対戦はゴールデンウィークまっ只中に行われた瑞穂での試合で、その時の大分はひたすら守り倒して、守備のバランスを崩さずにドドとマグノ・アウベスのコンビによるカウンターに全てを賭けるといった趣のゲームプランで名古屋は大苦戦を強いられた。そしてチームの精神的支柱でもあった秋田の負傷退場もあり結局0-0で試合を終えている。
 その後監督交代を経て大分はどう変わったのだろうかに注目して試合を見始めると、確かに前回の試合と比べれば戦術面で(180度と言わないまでも)大きな変化が大分にもたらされていた。攻撃面では2トップ頼みのカウンターからアグレッシブに人数を掛けるものになり、中盤からボールをつないでくるスタイルになっている。
 しかしこれは大分としては大きなシフトチェンジであったとしても、戦術的なアプローチとしては取り立てて意見するほど特に目新しいものではない。それよりも俺が新鮮に(新しく)感じたのはその「チーム作り」で、特に大分のような降格圏内での順位争いが続いたり、なにがなんでもJ2からJ1に上がらなければならないといった場合、しばし最も有効な特効薬として使われるのは日本人に一番足りない要素である「決定力」を簡単に補う「外国人2トップ」なのだが、シャムスカ率いる大分はその「外国人2トップ」を放棄し、その代わりとして「外国人Wボランチ」というあまり記憶にないチーム作りを採用していた。外国人枠3つのうち2つをボランチに使って並べ、そこにポイントを置いてチーム(ゲーム)を作っていくという考え方。チーム作りのアプローチとして、これは(その成否も含めて)なかなか興味深いものだった。

 まあそんな大分に対し、名古屋はと言えば、前節大勝した柏戦のようなフォーメーションをそのまま引き継ぎ、秋田を中心とした3バック、そして藤田をFWに近い位置に置いた変形の3-4-3のような布陣でこの試合臨む。

        ルイゾン  スギーニョ
    藤田

          クライトン
中谷     安       山口K

   増川  秋田  角田

        楢﨑

 名古屋はスコアから想像されるよりは酷くない試合展開でチャンスもいくつか作っていたが、その中でも俺の目を引いたのがルイゾンだった。まだ身体が重そうだった第19節の神戸戦の頃とは比較にならないほど動きにキレがあり、これまでになく広範囲に動いてはボールを受けチャンスメークに絡んでいる。穿った見方をすれば、マジでこれ、ブラジル復帰に合わせてコンディション整えてきたんじゃないかってぐらい。(笑) そんなコンディションの良さを感じさせるルイゾンに比べると、藤田、杉本、ヨンハッあたりを筆頭にチーム全体に「重さ」を感じるのが気になるといえば気になるところだが、前線でのルイゾンを基点に藤田や杉本が「ここぞ」の場面では疲れを振り払うようなランニングを見せ、チームは攻撃の形を作り出す。開始早々にはクライトンのパスからルイゾンが右サイドで絶妙なターンを見せて抜け出し、折り返したボールをボックスに飛び込んできた藤田がシュート(キーパーがブロック)という決定的なシーンもあった。
 この日の名古屋にとって問題は主に守備面で、前節柏に対して出来ていた人に対して激しく当たるディフェンスが全く出来ておらず大分の思い通りにボールを回されてしまっている。その根本的な問題となっているのは、最初に書いた大分のブラジル人Wボランチだ。大分の攻撃はこのWボランチを軸としており、名古屋はまずはここを抑えなければならなかった。しかし変則的なフォーメーションを敷く名古屋のディフェンスはここに対するマークが上手く出来ていない。
 大分の攻撃はこの二人のボランチを軸として、前線には少しでもスキを見せれば一気にフィニッシュまで持ってくる破壊力を持つマグノ・アウベスと名古屋の誇る屈強なDF陣に対しても競り負けない強さを持つ高松、それに絡むニ列目には前後左右にと幅広く神出鬼没な動きを見せ(本来であればヨンハッが付くはずの)マークを絞らせない吉田、そして相変らず駆け引きというよりは強引さの方が目立つがサイドから大分の攻撃に幅を持たせている根本と、なかなか面白い面子による構成で見ている方の興味をそそる。残り10試合疲労とか怪我とかが発生してくる中このパフォーマンスがどこまで続けられるかが残留に向けたひとつの鍵になりそうだ。

 名古屋は全体的に運動量が少なくDFラインからのフィードも含めパスミスが目立つが、ルイゾンを基点として攻撃の形を作りながら、前半も終わりに近付くと、今度はそのルイゾンをオトリとしてその裏に杉本を走らせるようなロングボールを多用し、これによって徐々にではあるがペースを取り戻し始めたところで0-0のまま前半を折り返した。

 後半が始まると、前半はアグレッシブさという面ではやや大分に遅れを取っていた名古屋が前半終了間際の良い流れにも増して積極的に攻勢に転じる。ハーフタイムのネルシーニョの指示も、両サイドの積極的な攻撃参加を促すものと、大分のボランチに対するマークの確認だったようだ。
 ペースを上げた名古屋に対して、大分はCBの3人を中心に粘り強い守備でこれをギリギリのところで喰い止める。後半になって名古屋がゲームを支配し始めてから、大分ディフェンスはズルズルと下がる場面も多くなり、もしここで得点を奪うことが出来ていれば、大分はかつての大分の姿に逆戻りしていただろう。しかし大分はCBを中心にこれを踏みとどまり、名古屋は押し切ることが出来なかった。
 そして前掛かりになった名古屋に待っていたのは大分によるカウンターだった。カウンターというと前に蹴ってマグノ・アウベスと高松の2トップに吉田が絡んだだけのスピーディーな攻撃を想像してしまいがちだが、ここでも実は大分の攻撃陣のタクトを振るっていたのはWボランチのブラジル人コンビだった。1点目にしてもボックス内でマグノ・アウベス→高松と渡ったフィニッシュシーンのひとつ前、マグノ・アウベスが名古屋DFラインの裏に抜け出すタイミングを逃さず絶妙なスルーパスを送ったのは全くのフリーだった11番のボランチ・トゥーリオだった。スペース狙って後ろから蹴ってくるだけのカウンターなら、名古屋の3バックなら余裕とまではいかないまでもなんとか対応できただろう。しかしこのWボランチをフリーにしてしまってはやられるのは必然。前掛かりになりながらも、誰かがこのブラジル人ボランチコンビに注意を払っておくべきだった。

 先制された名古屋は山口Kをベンチに下げFWに豊田を投入。右サイドにはFWだった杉本が回った。鹿島戦でのプロ入り初ゴール以降急速に自信をつけてきたこの途中出場のストライカーはこの日も前線で身体を張ったプレーを見せ名古屋に何度か好機をもたらす。しかしそれでも大分ディフェンスが崩れないと見ると、今度はネルシーニョは杉本、藤田に代えて中村、本田を次々と投入して得点を奪いに行った。
 判断のとしては決して間違っていなかったと思う。実際俺の目にもこの日の杉本や藤田はよく頑張って動いてはいたが、いつもより身体が重そうに見えたからだ。しかし、結果論を承知で言うなら、DFライン3枚のうちどれか1枚を削って前に人数を増やすべきではなかったか。カウンターを狙う大分相手に後ろを1枚外すのは自殺行為だが、それぐらいのリスクを犯さなければこの日の大分の「最後の壁」は崩せなかっただろう。

 そしてもうひとつ感じたのが「吉村の不在」だ。俺は吉村をスタメン要因としてはあまり評価していないが、ベンチ(交代)要因としてはその価値を大いに認めている。走力と前方にスペースを見つける能力に優れ、チームの攻撃に「タテの変化」をもたらすことが出来る吉村は、膠着状態を打開できる存在として実は途中出場の切り札に成り得るんじゃないかと俺は思っている。後半途中で運動量が落ちた中盤の守備をテコ入れする意味でも彼の存在は貴重だ。しかし残念ながらこの日のベンチに吉村の姿はなかった。だから俺は敢えて言いたい。引いてくる(膠着する)相手にこそ、「攻撃的オプション」として吉村をベンチに入れておけと。

 試合は、終了間際に再びカウンターからマグノ・アウベスの個人技で追加点を許し勝敗は決した。名古屋は前掛かりになっていたとは言え、カウンターに対する守備では全てが後手に回り、ことごとくシュート(もしくはそれに近いシーン)まで持ち込まれている状態では、この試合のように相手FWに決定力があれば2失点というのも自然の成り行きだ。これは決して悲劇でも事故でもない。まあ確かに試合の流れを見れば、何人かの選手が口にしたように、決めるべき時に決めていれば「結果」は分からなかったとも言えなくもない試合だったのも事実だけど・・・。
[PR]
by tknr0326g8 | 2005-09-23 04:09 | Game Review
<< 全日本ユース 対浦和東 1-2... 仙台カップ国際ユース レヴュー... >>