Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第28節 対鹿島 0-1 (得点:なし) @BS
 この試合を後半30分ぐらいから見た人はこう思ったに違いない。

 「名古屋も退場者出した上に、鹿島相手に追いかける展開はツライな・・・」

 名古屋の監督や選手達は、かつてのように「スーパー」な外国人プレーヤーが前線にいるわけではない今の名古屋が、この期に及んでリスクを犯さなくても得点を奪えると考えたのだろうか。試合終盤を迎えての名古屋の戦い方は、ひとり少ないチームが前線の人数を減らして得失点差の拡大を避けることを第一に考えたような戦い方だった。

 豊田が出場停止の名古屋は中山が先発に復帰し、増川が怪我から戻ったDFライン(3バック)では角田がベンチへ。

     中山   中村

       藤田
           クライトン  杉本
  大森  ヨンハッ

   古賀  秋田  増川

        楢﨑

 試合は前半から鹿島が二列目の小笠原と深井がポジションチェンジをしたりと流動的に動きながら圧倒的にボールを支配する展開で進む。そしていきなり前節川崎戦でのジュニーニョの2点目と全く同じ形で、右に流れた深井に対する古賀の対応が甘く、左足で逆サイドネットを狙った強烈なシュートを許すが、楢﨑が今度は(古賀がシュートを打たせるのは想定済みとばかりに)横っ飛びで弾き出す。だが前半楢﨑が脅かされたようなシーンはこれぐらいだった。
 守備の意識が高い名古屋は――最前線にいるAミネイロに対してを除いては決してマークが厳しいわけではないが――相手ボールになると素早く引いて自陣ペナルティエリア外側あたりから守備ブロックを作り、鹿島に有効なタテ方向へのパス(ラストパス)を通させない。そして鹿島の「チャレンジ」の少ない攻撃、濡れたピッチの影響かボールが流れてしまうようなシーンにも助けられ名古屋は前半を無失点で乗り切ることに成功する。
 問題があるとすれば、名古屋の作る守備ブロックの前でリカルジーニョがフリーでボールを持つシーンが度々見られることで、そうなると3バックの前(中央)のスペースを消しているヨンハッが引っ張り出され、空いたスペースを小笠原に狙われたりしている。しかし鹿島の右SBに入った青木がタテ(前)への突破を狙ってくるタイプではないこともあって、大森が守備時には臨機応変に中に絞ったポジショニングでカバーに入るなど絶妙なバランスを取っている。この辺の勘はさすがだ。

 名古屋の攻撃面での狙いはそんな守備からボールを奪ってのカウンターのみで、それ以外では組み立てを放棄したかのようにセイフティーファーストでデタラメなロングフィードを放り込むばかりだ。トップの位置では「一応」ターゲットの中山がボールを受け切れなかった印象が強いが、このやり方では中山がターゲットとして役に立たなかったからチームの攻撃が作れないのか、いいボールが出ないから中山が機能しないのかはどっちもどっちといった感じで、むしろ中山は気の毒かもしれない。
 名古屋がカウンター頼みの攻撃に勝機を見出せるのは、ひとえにヨンハッというボール奪取能力に優れたボランチがいるからだろう。守備にかなりの重心を置き攻撃の組み立てに課題を残すサッカーは、なんだか受ける印象としてズデンコ時代のそれを彷彿とさせるが、今のチームにはヨンハッがいることであの頃より高い位置でボールを奪いそれをカウンターにつなげることが出来るのだ。ただ悲しいかな、そこから先どうやってゴールまでボールを運ぶかという部分に関しては、それとは別問題で全く整理されている印象はないし、選手間での意思疎通もアイデアも不足している。まぁルイゾンを基点としたボールの流れが出来つつあったのを自ら放棄しちゃったんだから仕方ない。
 あとひとつ不可解なのは――杉本が右サイドで抑えられたという「結果論」込みでの話だが――カウンターから鹿島DFラインの裏を狙うような攻撃を意図するなら、なぜ杉本を最初からFWで起用しなかったのかということだ。

 中山と2トップを組む中村は、前節の反省からか中盤に下がってくるプレーを封印。鹿島最終ライン付近に中山と並んで張り付いていた。しかし立ち上がりこそやや無理のある体勢からミドルシュートを積極的に放っていたが、その後は沈黙してしまった。そもそも試合の中で杉本と特徴を消し合っている中村をこのポジションで起用する意図を俺は理解しかねるが、後半数回(一、二度)あったように中央で相手のDFとボランチの間のスペースに入り込んでボールを受けるようなプレーがもっと増えてくれば可能性を見出せるかもしれない。ただ、あのセットプレーでのキックの精度のなさはチームとしても考えものだが・・・。

 両チームとも選手交代無しで後半がスタート。
 さっそく増川が空振りして、そのボールを拾った深井が左サイドをエグって上げたセンタリングをファーサイドでAミネイロにドフリーでヘディングを許す。Aミネイロの前では古賀が情けない格好でカブっていたが、Aミネイロはこれを枠の右に外す。ラッキー以外の何ものでもない。そして相変らずサイドからのファーを狙ったセンタリングには簡単にマークを見失ういつもの姿を曝け出す名古屋。

 後半を迎えるに当たり名古屋も若干の修正を施して来た。前半は後ろの守備ブロックとやや距離が離れている印象のあったFWのラインが守備時には自陣にまで引いて相手ボランチに対応している。そして図らずもこの(守備を意識したと思われる)修正によって最終ラインと前線との間がコンパクトになった名古屋は、攻撃においても「中盤」が復活した。奪ったボールが中盤を経由して両サイド、FWへとつながりチャンスらしきものを作り出す。しかしリズムの良くなった名古屋対して、今度は鹿島が逆にカウンターで応戦し、ゲームは両チームのゴール前を行き交う攻め合いの様相になってきた。ただゴール前で決定的なシーンまで作るのは圧倒的に鹿島だ。

 そんな攻防がしばらく続いた後、Aミネイロへのクサビのボールを上手く奪った秋田がピッチド真ん中を怒涛のドリブルで攻め上がり、案の定相手に奪われカウンターを喰らう。守備陣形の整わない名古屋に対し、杉本の上がっている右サイドを新井場が持ち上がると、ズルズルとゴールライン付近まで下がる名古屋DFをあざ笑うかのようにマイナスに折り返し、これを後ろから走り込んだ本山がボックスの外からダイレクトで名古屋ゴールに突き刺し先制点を奪われてしまった。本来なら「オイオイ、ベテランが何つープレーしてんだ?」と呆れたり怒ったりしたくもなる秋田の無謀とも思えるプレーに対して、なんとなく温かい気持ちになってしまったのは、そのプレーがかつての飯島を彷彿とさせたからだろうか。(笑) ベンゲル時代の飯島もたまにパスコースがないと出来もしないドリブル仕掛けては、潰されて失点につながるカウンター喰らってたよなぁ・・・。

 先制点を奪った鹿島は精神的にも余裕が出てパスが回り始め、取られた名古屋はすっかり出足が悪くなった。それでもチームを引っ張る意思を見せ先頭切って走り続けるのが藤田というプレーヤーだ。一度自分のいた左サイドから全力で走ってきて、右寄りの位置にいた中村の前にいるボールホルダー(中村はその選手の5mぐらい手前で静観していた)にプレッシャーを掛けに行ったシーンがあったが、あのシーンとか中村はどう思ってたんだろう。

 その後名古屋は続々と選手交代を行い、中山に代え本田、そして藤田に代えて山口Kを投入。杉本をトップに移動し、山口Kが右サイドに入った。確かにこのゲームの中じゃ機能していたとは言い難いけど、藤田代えちゃうか・・・。多分藤田には誰よりもチームのために全力で走っていたという自負があるだろうし、周りは笛吹けど踊らずで挙句自分が交代と、その心中を察するには余りある。

     本田   杉本

        中村
          クライトン  山口K
  大森  ヨンハッ

   古賀  秋田  増川

        楢﨑

 杉本をトップに持っていくことにはゲームの流れを見れば賛成だが、試合後の監督コメントを見るとどうやら山口Kには「サイドアタック」を指示していたようだし、だとすればそこで投入すべきは山口Kではなく角田ではなかったか。山口Kも角田も純粋なサイドアタッカーじゃないが、どちらによりその適正があるかと言えば、間違いなく角田だと俺は思う。

 そして試合は前半と入れ替わったようにスペースを消して守る鹿島と、それに対して攻めあぐむ名古屋という展開になった。刻々と刻まれていく時間と空転し続ける(鹿島のDFに跳ね返され続ける)攻撃。それでも監督は後ろ(3枚のCB)を一枚削ることなど考えもしなかったようだ。鹿島は60分台で既に深井に代わって鈴木が入り、Aミネイロと鈴木の2トップになっていたから、タイプ的に考えてもその時点で後ろに人を余らせておく必要などなくなっていたと俺は思う。

 新たに選手を投入するでもなく、最終ラインから古賀なり増川を前線に上げるでもなく(古賀はなんとなく中途半端な上がりを見せるそぶりをしていたけど)、名古屋寄りの笛で次々と与えられたセットプレーのチャンスを淡白に潰すだけで、無策なゲームは進んでいく。
 試合を見ている間は、「この人達は勝つ気があるんだろうか?」と怒り心頭で見ていたが、さっき監督コメントを見たら、なんかこの人を責めるのは酷なような気がしてきた。監督からして鹿島を恐れている。もちろん今の名古屋のチーム状態もあるんだろうけど、敢えて中堅~ベテランに拘った起用をしているというのに、それでもまだ弱気なのかと、そんなことでチームが勝てるわけがないとも思うが、なんかこれ以上追い詰めたらヤバイ雰囲気すら漂わせている。

 試合をする前から負けていた試合。直前で現地観戦を断念した身としては、観に行かなくて良かった――こんな試合を観た後バスで2時間以上も揺られて帰るのかと思うと気が重くなる――が、名古屋の憂鬱はまだまだ続きそうだ。
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by tknr0326g8 | 2005-10-22 23:59 | Game Review
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