Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第34節 対千葉 1-2 (得点:鴨川) @フクアリ
 史上空前の優勝争い、可能性が低いとは言えその最中にいる千葉と、とりあえず残留を確定させたためかホーム最終戦でもサッパリ戦う気力も感じさせない醜態を晒すなど、どうやらとっととオフに入りたいらしい名古屋の戦い。名古屋にとって有利な要素は(かつての)相性の良さと、強いチームには強い(らしい)名古屋クオリティ。しかし(かつての)相性の良さが外国人2トップを初めとした個の能力の支えられたものであったことを考えると、今の名古屋にはそれがあまり期待できそうもない。
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 名古屋は前節負傷交代した吉村に代わり山口Kがアンカーを務め、出場停止の井川に代わって大森が最終ライン(3バック)に戻ってきた。

     鴨川   豊田

          中村
藤田   本田       角田
         山口

  ヨンハッ   秋田   大森

        楢﨑

 前半からピッチの右と左で繰り広げられるサッカーは実に好対照だ。
 千葉は前半全体的にやや慎重ではあったものの、ほとんどポジションというポジションがないがないかのように選手達が流動的に動きながらピッチ上に広がり、個々の選手達が頭を休めることなく次の展開とその時自分がすべき仕事を考え続けている。そしてDFラインでボールを持てば中盤から必ず誰かが顔を出して貰いに来たり、サイドを経由してしっかりとボールをつないでいく。
 対する名古屋は相変らずなスタイルで前線に張る豊田と鴨川にタテ一本で放り込むばかり。しかし、ほとんど(それしか手がない)苦し紛れのようなタテ一本のフィードは2トップまで行き届くどころか、頼みの彼等が市原のDFに出足で完全に負けていてサッパリ基点になれる気配すらない。名古屋も試合の流れの中で中盤が(藤田、本田、山口Kのラインが)流動的に、本田が外に出たり山口Kが外に出たりしているが、これは名古屋の中で「ひとりジェフ」状態の藤田が神出鬼没に攻撃へと絡む姿勢を見せた後そのスペースをどう埋めるのかといった守備的な意味での流動性であり、彼等が代わる代わる左サイドから飛び出したりするわけではない。
 時間が経つにつれ、名古屋はDFがボールを持つと、ボールを貰いに来る山口Kともうひとりぐらいを自陣に残して、5人ぐらいがこんな感じ↓で相手陣内に張り付く形も目立ち始める。完全な中盤省略スタイル。

    ●   ●
●     ●     ●


――――――――――(←センターライン)

       
    ●   ●
 ●    ●    ●

確かに下手に中盤をつないで千葉の激しいプレッシャーの前にボールを奪われてカウンター喰らうのも怖いだろうし、ロングボールに対するこぼれ球を拾える位置に人を掛けたいという意図は明確で今のチームの戦術に沿った合理的なやり方ではある。しかしこれも結局、ピッタリとマークに付かれた前線のプレーヤーにどうやってボールを入れようか迷って後ろの5人でバタバタしてるうちに、千葉の前線の選手からプレッシャーを掛けられてボールを失ってピンチを迎えるような有様でしかなかった。
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 名古屋のディフェンスは、千葉の変幻自在なポジショニングによる攻撃に付いて行く事が出来ないのか、慎重な中にも時に勝負を掛けて雪崩れ込んでくる千葉の選手達を捕まえきれずしばしばビッグチャンスを相手に与えてしまっている。中には両アウトサイドが下がって5バックのような状態にも関わらず、そこ(最終ラインの人と人との間)にフリーの選手を作ってしまうような場面さえあった。千葉の選手達の動きが良すぎるのか、それとも名古屋の選手達が人数を掛けて守っているということ自体に安心してしまっているのか。
 そして目立つのはG大阪戦や東京V戦で見せたような当たりの強さ(粘り強さ)が見受けられないことだ。言わずと知れた秋田やワシントンを抑え切ったヨンハッといった屈強なDF達がハースや巻にやすやすとポストプレーを許している。もちろんハースや巻のポジショニングを含めた上手さはあるのだろうが、おそらく前節・新潟戦でアンデルソン・リマのFK一発に沈んだトラウマから、自陣ペナルティエリア付近でのファール(もしくは激しい接触プレー)をやめようという申し合わせが名古屋のDF陣の中でなされていたのではないかと考えるのが普通だ。千葉にも阿部勇樹というFKのスペシャリストがいる。

 前半は30分頃に一度名古屋に波が来たぐらいで、あとは終始千葉のペースだった。流れが来た時間帯、名古屋ではいい形で角田にボールが渡るシーンが何度かあったが、迷いがあるのか角田のクロスが名古屋のFWに合うことはなかった。チームとして守備に重点を置き(守り倒して)攻撃はシンプルに(速く)人数を掛けないで行うというなら、それはそれで構わない――心情的には嫌だけど――が、「必殺カウンター」の形のひとつぐらい持っといてくれよ。せめてサイドにいい形でボールが出た時の2トップの動き方ぐらい。角田がボールを持ったシーンでも2トップは動きが被っていたり、角田もどうボールを入れていいか分からない感じだった。

 後半選手交代はなし。
 そして意外にも名古屋がいい入り方をする。前半から中田監督(神戸コーチ)が両手で弧を描くような仕草で「サイドから攻めろ」という指示を出していた(ちなみに今日の俺の席は名古屋ベンチの真後ろだった)ようだが、ピッチ上の選手にはそれが上手く伝わらなかった。それをハーフタイムで徹底したのかだろうか。中でも特徴的だったのは、前半真ん中にポジションを取って千葉DFのプレッシャーをモロに受けていた豊田が、後半の立ち上がりは3バックの脇のスペースに流れてボールを受けそこで基点を作り始めた。まあそれが立ち上がり5分しか続かないのが「名古屋タイマー」たる由縁で、それを凌がれると千葉による怒涛の反撃、そしてこの試合の行方を大きく決定付けたアクシデントが待っていた。

 千葉のカウンターにより裏を取られたDFラインに対応して飛び出した楢﨑と千葉の二列目からの飛び出しを追って来た山口Kが衝突。山口Kは一度はピッチに戻ったが結局二人とも交代になってしまった。サブGKとしてはそのレベルを超越した川島と、山口Kとタイプ的に似通っている中島がベンチに入っていたのが不幸中の幸いだったが、純粋なDFを入れずこの二人の他にはFW二人(杉本、津田)とサイドアタッカーの中谷という(アグレッシブな交代を想定した?)ベンチ構成だった名古屋にとって、この早い時間帯に負傷によりGKを含めた二人を交代しなければいけない状況は誤算以外の何ものでもなかっただろう。勝負どころで使える交代枠はあと一つしかなくなってしまった。
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 名古屋はいつからだろうか――ひっょっとしたら前半途中からだったような気もするが――例の中田監督によるサイドからの攻撃の徹底という指示により、前節の新潟戦同様本田を左アウトサイドに固定し藤田を中に入れるポジションチェンジを施してきた。前節全く機能しなかったこのやり方をなぜ今さら再び持ち出すのか俺には全く理解できないが、サイドから中に入ってくるタイプの藤田に対し左利きの本田をアウトサイドに出すことで、右の角田と合わせ両サイドからのクロスというものを攻撃の軸としていきたかったのだろうか。
 前節に引き続きこのポジションチェンジは完全に裏目に出た。藤田が左サイドにいた頃以上に名古屋の左サイドは死んでしまった。本田が有効に攻撃に絡めない。そして前半藤田が苦労しながらもなんとか凌いでいた感じのあった千葉の右アウトサイド・水野を本田が止められない。途中イエローカードを一枚貰ったが、これはなんらかの対処をしないと二枚目のイエローカードも時間の問題であるように思われた。本田が止められないと必然的に3バックの左ストッパーであるヨンハッが対応に行かざるを得ず釣り出される。千葉は待ってましたとばかりに二列目からのランニングでこのヨンハッの空けたスペースを突いてくる。そしてそれに対してどう対処していくかが全く見えてこない名古屋。秋田がスライドするのか、藤田が戻ってスペースを埋めるのか。オフサイドで取り消されたハース?を含め失点は時間の問題だった。(そして実際それがロスタイムに致命傷となった)

 ここでオシムが動く。左サイド山岸に代え林投入。DFに向って指を四本立てていたから4バックだろうか。林は左サイドの高い位置に入り4-3-3のような布陣になった。しばらく情勢も見守っていた名古屋DFだったが、しばらくすると大森と秋田が指を立てながらなにやら二人で話し合っている。そして二人で「OK」と頷き合うとそれぞれ角田とヨンハッに意思を伝達。右から角田、大森、秋田、ヨンハッの4バックへのシステム変更だ。

     豊田   鴨川

             中村
本田  藤田
          中島

ヨンハッ  秋田   大森  角田

         川島

中盤に攻撃的なプレーヤーを揃える名古屋にとっては、どちらかと言えばこっちの方がバランスがいい。

 そして残り10分を切った所で名古屋に先制点が生まれる。タテ一本から豊田が千葉DF(ストヤノフ)と飛び出してきたGKの間隙を突いて突進して潰れると、そのこぼれ球が鴨川の元へ。これを鴨川がヘディングで無人のゴールへとふわりとパスするように押し込んだ。前の二人はよく頑張ったが、チームとしてはなんとも芸のない、相手の致命的なミスだけが頼りの情けない攻撃。これに頼っているようでは未来はない。
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 名古屋は得点シーンで負傷した豊田に代え、前線に「名古屋のスピードキング」こと杉本を投入してあとは守備からのカウンター狙い。プランは明確だ。実際にカウンターから杉本が一気に持ち込んだ場面もあったが坂本が上手く対応しシュートは枠の外だった。
 しかし千葉の猛攻を耐え切るには名古屋の中盤は疲弊し切っていた。藤田、本田、中村は先週の三連戦でもフル出場していたんだから無理もない。唯一中島だけは体力的に余裕もあったがいかんせん一人では限界がある。例えばこんなシーン・・・市原の左サイドから坂本がボールを持って上がってきた、本来対応に行くべきはずの中村は動かない。仕方なく中島が対応に行くが、ボールを運ばれ中央に戻される、そこに待っていたのは中島が見るべき羽生や佐藤。中村はマークを入れ替えて彼等に対応に行くことすら出来なかった。

 その後千葉は羽生に代えて工藤を投入。この工藤が名古屋にとってはなんとも厄介な存在だった。動けない名古屋の中盤をあざ笑うかのように二列目から最前列へとドリブルでガンガン勝負を仕掛けてくる工藤。名古屋DFは彼の前に成す術がない。工藤ってこんないい選手だったっけ?

 そんな千葉の攻撃に何度か完全に崩されつつも、GK川島のスーパーセーブでなんとか凌いでいた名古屋だったが、ロスタイムを迎える頃にセットプレーからペナルティエリア内で中村と誰かが派手にもつれあって倒れた。そしてPKのジャッジ。よく見えなかったが、空気を読んだ柏原のジャッジのようにも感じた。仮にファールを取らなかったとしても、そのプレー(ジャッジ)に関して怒る千葉の選手もいなかったのではないか、ぐらいな。このPKを阿部が落ち着いて沈めて同点。
 センターサークルまでボールを戻す時、この試合その風貌と相俟って「鬼」にしか見えなかったストヤノフがさらに怖い顔して「早く戻せ」と強奪に来るボールを、名古屋の選手達が中村を中心に試合の中では観られないようなスムーズな連携でボールを(手で)回し合ってイジメっ子のような嫌がらせ。しかしそれは精神的な落ち着きや逞しさでもなんでもなく、単なる後ろ向きな嫌がらせでしかなかったことがその直後ハッキリする。
 チームとして完全に気持ち(集中)が切れていたのだろう。それが鴨川と杉本という大卒ルーキーの2トップに若さという形で表れた。キックオフしても動かないチームメートに焦れたのか、逆転に向け前のめりな千葉の迫力に気圧されたのか、キックオフと同時に誰もいない前方に無闇に蹴り出す2トップ。オイオイ、ロスタイム5分だぞ。プレー切れて終了じゃねーんだぞ。そのことすら誰も伝えてないのか?ベンチは何やってんだ?中途半端なキックはラインを割ることもせず相手の右サイドの選手に拾われ再び名古屋陣内へと戻って来た。本田が交わされ引っ張り出されたヨンハッの空けたスペースにボールが渡る頃には、そこに千葉のフリーの選手が二人ぐらい立っていた。この試合で何度も何度も見せられたパターン。最後の最後まで修正できなかった。ゴールを決めたのが反対サイドのSB坂本だったのもまた千葉らしい。

 そしてそのまま試合終了。
 結果だけ見れば、順当で内容に則った結果だった。すっかり強豪チーム(千葉)と弱小チーム(名古屋)といった趣の内容で、強がりじゃないが、この内容で勝ちを拾っても俺は正直ビミョーな心境だ。前半から本田がひたすら首をヒネっている姿が強く印象に残り、中盤から前では藤田以外誰も声を出して要求したりしない。みんな文句も言わずただ淡々とプレーしているだけ。そんなのサッカーやってて面白くないだろ。やってて面白くないサッカーを観てて面白いわけがない。
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 そう言えば、試合終了後、神戸さんのところにかつての(市原)ユースの教え子達が次々と挨拶来てたのがもうひとつの印象的な光景だった。名古屋も今のユースの子達がトップチームでモノになる何年後かに優勝を争えるようなチームになってればいいなと心から願う。
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by tknr0326g8 | 2005-12-04 02:31 | Game Review
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