Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第6節 対浦和 0-0 (得点:なし) @スカパー
 かつてはともに「Jのお荷物」と呼ばれていた浦和が、いつの間にやらすっかり親会社からの自立に成功し来シーズン以降のアジアそして世界を見据えたチーム作りに取りかかっている今、全ての面で取り残された印象のある名古屋はすっかりビッグクラブに挑むプロヴィンチャといった趣で、それでも去年あたりまでは、チーム構成的に強力な外国人プレーヤーの「ここで勝負すれば勝てる」というポイントがあり、勝敗に対しても微かな期待があったのだが、今年の名古屋、特にここ数試合の結果を考えれば、この試合は後々尾を引きそうな大敗さえ避けられれば御の字という思いが1サポの俺の中にもなくはない状況。

 前節の大分そしてミッドウィークのカップ戦で甲府に(スコア上の)大敗を喫していた名古屋は、選手たちが自信を失っていることが一番怖く、それを考慮してかフェルフォーセンはこれまで拘ってきた4-4-2を捨て中盤に人を増やした4-5-1のような布陣でこの試合へと臨む。このフォーメーション変更はフェルフォーセンが「(ロングボールという)攻撃のオプションを増やすことが出来る」と期待するFWの豊田が怪我により欠場を余儀なくされたことも影響しているのだろうが、どちらかと言えば守備面を考慮しての処置であることは間違いない。

       玉田

本田           中村
    金     須藤
       吉村
有村  古賀  増川  大森

       川島

 試合開始からしばらくは布陣を変更してきた名古屋に対して様子(出方)を伺おうという意識もあったのか、浦和がペースアップするようなこともなく、名古屋も中盤でボールを奪ってからサイドに展開して攻めるという目指すべきスタイルの一端を垣間見せていた。(もっとも相変らず中盤の押し上げが遅いことで、名古屋の攻撃は浦和のゴールに近付いたりフィニッシュまで辿り着くことは殆どなかったわけだけど。)
 しかしそんなどちらのペースとも言えない展開から時計の針が25分を回る頃には徐々に浦和がペースを握りだし名古屋は圧倒的に押し込まれる時間帯へと突入していく。押し込まれ始めた名古屋は全体がラインを下げて引いて守ろうとするのだが、浦和はポンテを筆頭にしばしば高い個人能力によってこれを突破してしまうし、慎重にスペースを埋めて守っているはずの名古屋の選手達もゾーンでのマークの受け渡しを上手く消化出来ていないのか、時々ポッと空白でも作るようにワシントンやポンテをフリーにしてしまって、そこにボールが渡り大きなピンチを招いている。これがワシントンやポンテがゾーンの合間を縫うように絶妙なポジショニングを取っているのか、それともゾーンに捕らわれすぎて名古屋のプレーヤーの中でマークが曖昧なのかは微妙なところだが、どちらにしろ名古屋にとって良い傾向ではない。そしてどんどん苦しくなってきた名古屋は、マイボールになってもロングボールを誰もいない前線に蹴り込んだり、GKにボールを戻しても川島がこれを再び大きく蹴り出してしまったりと少し焦りの色も見受けられるようになる。

 苦しいながらも浦和の決定力不足に助けられ0-0のまま前半を終えた名古屋は、ハーフタイムを挟んで迎えた後半ついに積極的な姿勢を見せ始める。まず目立ったのは金と須藤のポジショニングだ。前半ボールを支配される元凶となった浦和のボランチに対しこの二人が積極的にプレッシャーを掛けて浦和の自由を奪うと、高い位置で相手のミスを誘いボールを奪取しカウンターへとつなげる。
 そんな名古屋の攻撃において俄然存在感を発揮し始めたのが本田だった。浦和は右アウトサイドの山田が前半で名古屋の力は見切ったと言わんばかりにほぼ上がりっ放しのようなポジションを取り始め、そのことは逆に本田に自由にプレーするスペースをもたらした。本田は決して上がり過ぎずそんな山田と堀之内の間に上手くポジションを取ってフリーになると、中盤で奪ったボールを引き出し自らタテに持ち込んだり、玉田を狙ってニアサイドへ鋭いクロスを送ったり、逆サイドの中村までダイアゴナルなサイドチャンジを送ったりと名古屋の攻めにバリエーションを加えていった。
 そしてもうひとつここで忘れてならないのが金正友の存在だ。本田が山田(後)に引っ張られず高いポジションをキープできたのは、自分の後方で有村と協力するようにスペースをケアしディフェンスに奔走していた金正友の存在が大きかった。まだまだ完全にチームにフィットしたとは言い難いが、金正友はもはや名古屋に欠かせないプレーヤーとなり、持ち前の運動量と玉際の強さを発揮した守備だけでなくチャンスと見れば前線に飛び出して行き、3ボランチの一角というよりはセンターハーフとしての仕事を精力的にこなしていた。

 攻撃の手詰まり感が漂い始めた浦和とは対照的にいい流れの生まれだした名古屋は、後半20分過ぎに須藤に代えて怪我から復帰してきた藤田俊哉を投入。そしてこれが名古屋の攻撃にさらなる活性化を与えることになる。後半開始から須藤は積極的な守備と前への意識で良いプレーを見せていたが、奪ったボールのつなぎで(慌ててしまうのか)単純なミスが見られたりと所々に若さが垣間見られるシーンが目立っていた。須藤のポジションにそのまま入った藤田はまさしくその部分で抜群の効力を発揮し、この交代で唯一不安だった守備面では浦和の足が止まっていたことで名古屋は事なきを得る。
 藤田が決してゾーンの概念に捕らわれることなく、中盤でスペースからスペースへと移動しながらボールを引き出しそして動かしていくと名古屋の攻撃にさらなるリズムが生まれてきた。そして名古屋にとってここのところずっと課題だった前線での人手不足という問題についても、藤田が後でパスを出した後に長い距離をランニングしボックス内に顔を出すことで、少なくとも+1の人数増にはなっている。

 後半35分に訪れた本田の決定的なチャンス(ゴール正面からフリーでシュート→枠の左外)を筆頭に幾度かカウンターから良い形を作った名古屋だったが、浦和ゴールを割るにはもう一工夫が足りなかった。浦和は右サイドで堀之内やトゥーリオが釣り出されたり名古屋にサイドのスペースを使われそうになる度に鈴木や長谷部といったボランチのプレーヤーがカバーに現れて名古屋の前に立ち塞がっていたし、これを打ち破るには名古屋にも更に上のレベルの攻撃が求められるだろう。そうでなければこの浦和やキッチリと守ってくる相手を崩すことは容易ではない。

 試合は結局0-0で終了したが、名古屋にとっては希望が見えてきたような試合だった。何も知らない人がこの試合を見たら「名古屋も10人なのにちゃんと攻撃もして頑張ってるねぇ」と思われても不思議ではないような試合運びだったし、その極端な例として後半の遠目からのセットプレーのチャンスでDFが上がっていかないようなシーンには疑問を感じたのは確かだ。そしてそんな戦いをしながらも未完成な組織は(個々のプレーヤーの能力、そしてコンビネーションを含めたチーム力の差はあったにせよ)所々でマークの受け渡しなどに課題(穴)を見せたりもした。しかし後半、特に藤田を入れた後に見られた攻撃は今後チームとしてさらに磨かれていくだろうし、逆に言えばすべてのプレーヤーがこの日の藤田俊哉のように良い意味で組織(ゾーン)の呪縛から解き放たれてプレーすることが出来ればチームとしても面白い攻撃が見られるようになるに違いない。まあ基礎も出来ていないうちから応用編の話をしても仕方ないが。
 あとは具体的に、俺はこのやり方を継続していくのであれば中村は須藤の位置でプレーするのがベストだと思うし、チームとしてもう少し中盤でボールポゼッションが出来るようになれば今の中村の位置に杉本を入れることも可能だと思うが、そういったオプションを含めてフェルフォーセンが次節以降どのような手を打ってくるのかに注目していきたい。
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by tknr0326g8 | 2006-04-02 23:54 | Game Review
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