Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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選手紹介#8 「左サイドの虚弱系仕掛人」 中谷勇介(6)
 かつてU-17日本代表として、小野、稲本等と世界のピッチに立った男。彼は「お手本になる選手がいる」ことを理由に名古屋入団を決めた。「お手本」とは、強烈な左足のキックとスピード感溢れる突破で当時日本を代表する左サイドにまで成長していた平野孝だった。しかしそれから数年後その「お手本」が彼のプロサッカープレーヤーとしての人生に暗い影を落とすことになろうとは、この時誰も予想していなかった。
 また、プロサッカープレーヤーの彼を悩ませ続けたのが「怪我」と「コンディショニング」。入団当初の彼の触れ込みは「スピードとスタミナをハイレベルで併せ持つ走力とそこから放たれる美しく正確なクロス」だった。しかしプロとしての生活をスタートするや、練習に着いて来られず、その貧血体質が明らかになる。結果的にその年のリーグ開幕戦でスタメンを飾った同期入団の古賀や滝沢に大きく遅れを取ってしまうのだった。中谷がリーグ戦に先発出場したのは、それから遅れること一年以上先のことになる。
 なんとかリーグ戦出場にまで漕ぎつけ及第点のパフォーマンスを見せた中谷は、当時監督だった田中孝司の「カラー」としてスタメンに定着する。そして同時期にスタメンに定着した福田健二(同じ「トルシエボーイズ」の一員)とは中谷の左サイドの突破からのセンタリングに福田がニアサイドでヘッドを合わせるという、平野→森山以来の「ホットライン」が完成しつつあった。しかしこの時すでに暗い影は中谷に忍び寄っていた。同じ左サイドを持ち場とし、中谷が入団に際し「手本」と語っていた平野との間の確執である。確執というよりもジェラシーか。そのギクシャクした関係は、翌シーズン、最悪な結末を迎えることになる。
 迎えた田中孝司2年目のシーズン。シーズン前に専門誌上で平野が語っていたインタビュー内容から関係は改善しているように思われた。しかし、シーズン半ば、田中孝司と平野、望月、大岩の主力トリオとの対立が表面化。最終的には成績不振もあり田中孝司の辞任と言う形で事態は収拾したものの、これに巻き込まれた中谷はその後チームにいづらい雰囲気となったことで、当時J2降格の危機にあった浦和レッズから求められるがままレンタル移籍の道を選ぶこととなる。(ちなみにレンタル直前のナビスコカップ柏戦(第二戦)が俺の中での中谷のベストパフォーマンス。)
 浦和に移ってからも悲劇は続く。一試合に出場しただけで足を骨折。その後の試合に出場することなくシーズンを終えることになってしまった。翌シーズンにはやはりチームにいられず、今度は川崎フロンターレに完全移籍。しかしそこでも度重なる怪我で満足なシーズンを送ることが出来なかった。
 そんな中谷に転機が訪れる。田中孝司と確執を起こした3選手がジョアン・カルロスと再び確執を引き起こし、今度は3選手がチームを追われる事態となった。その3選手の戦力的な穴埋めに迫られたチームは、そのシーズンオフに中谷を買い戻した。J2での武者修行を経て復帰した中谷は肉体的にも精神的にも少し逞しくなったようにも思えた。しかしそれ以降も期待されながらも度々怪我に泣かされ、シーズンを通して安定したパフォーマンスが出来ない。山口素弘移籍後はその背番号6を引き継いだものの、左サイドのポジションは同期入団の滝沢との併用が続いていた。そんな滝沢も今シーズン2ndステージを前に神戸にレンタル移籍。現在はユース代表の渡邉圭二とのポジション争いだ。
 今シーズンの2ndステージ開幕戦で先発を渡邊に譲った中谷だったが、その後チームが第2節・磐田戦、ナビスコカップ・鹿島戦、第3節横浜戦と3連勝して調子を取り戻す中で、中谷はスタメンに返り咲きその全ての試合に先発出場している。しかし全ての試合で足が攣って途中交代。中堅のプロ選手とは思えない虚弱体質ぶりを曝け出した。試合の中でも、一旦攻め上がるとボールを奪われて逆襲に遭っても全力で戻ることが出来ないシーンは度々見られる光景だ。シーズンを通しては、毎度のことだが、スタメンに復帰して最初の数試合はいいパフォーマンスを見せるものの、試合をこなしていくうちに疲れが溜まって失速、そして怪我。その繰り返し。この負の連鎖を乗り越えてクリアしない限り中谷にも、彼を使い続ける名古屋にも未来はない。

 かつて当時の日本代表監督だったトルシエに「日本のギグスになれる」とサイドアタッカーとしての才能を認められた男。ギグスのようなスラロームは出来ないが、ストライドが大きく、長い距離を進んでもスピードが落ちないドリブルは中谷にしかない魅力で、実際「中谷の調子がいい時の名古屋は強い」のも今や周知の事実だ。ナビスコカップで磐田に大勝した試合にもこの間セレッソに大勝した試合にもピッチには躍動する中谷がいた。でも名古屋の優勝、そして「強い名古屋」を作る上で、中谷がフィジカル面でもうワンランク上の選手になることは必須条件。それが出来なのなら、渡邉や後進に道を譲ったほうがいい。
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by tknr0326g8 | 2004-10-03 06:38 | Player's Profile
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