Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
第10節 対FC東京 1-2 (得点:吉村) @味の素スタジアム
 水曜日のナビスコカップで1.7軍ぐらいの甲府を相手にしても勝ちきれず、おまけに終了間際に監督のフェルフォーセンが退席処分になってしまった名古屋。試合は観ていないのでなんとも言えないが、ひとつ言えるとすれば、
「杉本よ、PKを取ってもらえず泣くより前に決定機を決められるFWになれ」
ということか。

 そんなわけでフェルフォーセンがベンチ入りできないこのFC東京戦、名古屋はスタメンから藤田を外し前を玉田と杉本の2枚にした4-4-2、そしてボランチには吉村に代えてナビスコカップで得点を決めた山口Kがリーグ戦初先発を果たした。猫の目のように入れ替わるメンバーがフェルフォーセンをはじめとしたスタッフ達の苦悩を表していると言っても過言ではないだろうが、俺の中では藤田のベンチスタートがどうにも腑に落ちない。確かにここ数試合はチーム状態もあって目立った活躍は出来ていないが、低迷する名古屋の浮上は藤田なしには有り得ない。かつてのでしゃばりなチェアマンの時のようにベストメンバーを出さなくても目くじら立てて怒られることがなくなったナビスコカップは(藤田が決して若くないことを考えても)休養に当てるとして、続くリーグ戦のこの試合でも休ませるということは怪我かコンディションでも悪いのだろうか。

           杉本
      玉田
 本田             中村

       金    山口

阿部   増川   古賀   大森

         楢崎

 東京もガーロ体制になってから決してチーム状態は良くはない、というか軸が定まっておらず、この試合でもササを外して負傷から復帰したリチェーリ――なんとなく彼に対するサポーターの温かい目線がかつての名古屋サポのアイドル・エリベウトンに対するそれを彷彿とさせる――をベンチに入りさせ、前線には赤嶺と川口、トップ下に名古屋キラー・ルーカスというフォーメーション。外国人が一人しかいない、しかもサブにFWがいない(登録上は藤田)名古屋にとってはなんとも贅沢な選択だ。使わないならササ名古屋に貸してくれないかな。移籍した途端狂ったように点取り始めるのも決してない話ではないと思うけど。
b0036243_2192017.jpg

 とまあそんなことより試合。味スタに到着すると既に選手はピッチに散っており、アッパーに席を探している間にキックオフ。最初の5分ぐらいは両チームともいきなりカウンターの討ち合い。アッパーに陣取ったイチ観客としてはゴール前からゴール前へとなかなかエキサイティングだ。そして名古屋に決定的なチャンスが訪れる。カウンターから左サイドの本田に渡りやや追い込まれながらも折り返したクロスボールにニアサイドで玉田がダイビングヘッド、シュートは土肥の指先をかすめポストを直撃した。W杯の最終メンバー選考のため味スタを訪れていたというジーコの前で玉田も気合が入っている様子だ。

 その後試合が落ち着くと今度は両チームとも示し合わせたかのようにこう着状態に入る。名古屋も中盤まではボールを運ぶがそこから先へはなかなかパスを送ることが出来ない。東京らしくない3バックの頃ならともかく、ジャーンと茂庭を中心とした4バック+今野、宮沢、梶山で作る守備ブロックを破ることは、創意工夫(イマジネーション)どころか選手間の意思疎通や動き出しに乏しいといった基本的な部分すら出来ていないここのところの名古屋ではなかなか難しい。
 そしてやや強引な攻撃を繰り返していた名古屋に徐々にバックパスや横パスが増え始めたなと思っていた矢先、詰まった左サイドで阿部からボールを受けた杉本が徳永にプレッシャーを掛けられ誰もいない後方へバックパス、そのボールを拾った東京がスピードに乗ったカウンターから一気にゴール前まで持ち込むと、右サイドに流れた川口がタメて中央に走り込んで来たルーカスの頭にクロスをピタリと合わせて先制点を許してしまった。
 さらにそのほとぼりも冷めやらぬ間に今度は左サイドからの鈴木のクロスをまたしても後ろから走り込んだルーカスが頭で決めてあっという間に0-2と点差を広げられる。このシーンでは、中村がボールを取れそうだと判断したのか宮沢を追ってかなり内側(というよりピッチの真ん中よりむしろ左寄り)にまで絞って来たのだが、流れで梶山に行ったプレッシャーを上手くいなされ転倒(この瞬間の梶山はジダンに見えた)、ルーカス経由で左サイドの中村の空けたスペースへ展開されてしまった。そこに後ろから走り込んだのが鈴木で、大森が対応に行く前にクロスを上げられてしまった。

 二年前の味スタで圧倒的にゲームを支配し2-0とリードしながら、ルーカスがポジションを一列下げた途端に誰もルーカスを捕まえきれなくなり一気に3点を奪われ引っ繰り返された嫌な記憶が蘇ってきた。名古屋キラー・ルーカスの大復活祭だ。そして声を掛け合うでもなくいつものように無言で下を向き落胆する名古屋の選手達。それとは対照的に最高潮の盛り上がりを見せるスタジアム。点を取れないこと以上に自信を失っている今の名古屋ではこの雰囲気に流されて3点目・4点目と畳み掛けられても全くおかしくはない。しかもこの状況を修正すべく指示を与えるはずの監督もベンチには不在だ。スタンド(アッパー)からFC東京ファンの友達と暢気に観戦するイチファンの俺ですらこの先待ち受ける展開に軽く背筋が寒くなったほどだ。
 しかし名古屋はたまらずベンチから飛び出してきたドワイト(コーチ)の指示でシステムを変更することでこの苦境を切り抜けることに成功する。DFラインで大森が中央に入り右に古賀、左に増川という3バックに変更。3-5-2のような形だ。フェルフォーセンから指揮を託されたドワイトはひょっとしたらネルシーニョばりにゲームの中でチームの問題点を見極めそれに対応した策を打ち出す眼に長けているのかもしれない。

          杉本
      玉田

 本田             中村
     阿部     山口
          金

   増川   大森   古賀

         楢崎

 システムを変更したことは名古屋にとってルーカスを含む東京の前線のプレーヤー達を抑えるだけでなく、攻撃面でも若干のプラス効果をもたらした。相変らず東京の守備ブロックを崩して敵陣内深くまで侵入することは難しいし、玉際の競り合いでも東京の選手達に負けることが多いものの、中盤の人数を一人増やしたことで名古屋は少しづつボールを動かすことが出来るようになってきた。
 30分過ぎには左サイドからのセットプレーで大外から隙を突いて中村が素早く飛び出して――その一瞬のタイミングを逃さずGKとDFラインの裏に正確なボールを送った本田も光った――シュートがポストを直撃(判定はオフサイド)したり、35分過ぎには右の中村からのクロスに東京のGK土肥がカブったボールを玉田が拾ってキックフェイント一発でキーパーを寝かせてシュート、これは密集の東京DFに当たったが、そのこぼれ球を再び拾うと横に流して後方から走り込んだ山口Kがシュートを放つなど、いくつかの見せ場も作った。こういった得点の匂いがする所になぜか詰めているのが山口Kという男の持ち味のひとつだが、その狙い済ましたシュートは土肥のビッグセーブ(自作自演)によって阻まれてしまった。そしてここから得たCK。キッカーは絶好調の本田・・・かと思いきや、負傷した金正友がピッチから出ている隙になぜかキッカーが本田から杉本にチェンジしてしまった。単純に長身の金正友がピッチから出ていたから同じく長身の本田が代わりに中(ボックス)に入っただけなのか、それともこの二日間の甲府でのミニキャンプで練ってきた秘策が杉本のコーナーキックなのか。単純に本田を中に入れたいだけなら左サイドからのCKだし中村が蹴れば良い、ということはやはり秘策に違いないなどと妄想しながら楽しみにして待っていると、杉本の右足から放たれたボールは力なくフワフワと舞い上がり何の変化もないままファーサイドのやや後方にいた中村の後ろへと落下してきた。なんとか足先で触った中村だったが、これが良い落としとなり、これを拾った東京がスピードに乗ったカウンターを繰り出す。名古屋は後ろに残っていた山口Kが必死でドリブル突破を図るノリカルこと鈴木に喰らいついて遅らせ、その間に上がっていたDFが必死で戻りなんとか事なきを得た。

 あれ(杉本のCK)は一体何だったんだろう?と思っている間に、名古屋は残り5分ぐらいになるとリードしているチームのように無理に攻めることもせず前半は0-2のまま終了。
b0036243_2194746.jpg

 後半開始に当たってこのフォーメーションでは使い道のなくなった阿部に代えて吉村を投入。アンカーとしての仕事を金正友から吉村へ移行し金正友を一列前に上げた。ただひとつ心配なのは疲れからか雑なプレーも目立ち明らかにコンディションを落としている金正友だ。

          杉本
      玉田

 本田             中村
     金       山口
         吉村

   増川   大森   古賀

         楢崎

 後半開始とともにスイッチが入るのはここのところの名古屋の定番だが、この試合でもその現象は健在で、なおかつ金正友が攻撃に絡む仕事が出来るようになったことで名古屋は東京を押し込んでいくつかのチャンスを作ることに成功した。開始5分と経たないうちに玉田が惜しいシュートと二本放つなど、それは追撃の一点を予感させものだったが、中村が無理なカットインから相手選手のプレッシャーを受け苦しい体勢でセンタリング上げて楽々と東京のDFに跳ね返されたあたりから名古屋の勢いは徐々に減速されていった。中村としてみればそのひとつ前のプレーで左足でファーサイドの古賀の頭目掛けて良いクロスを送り、古賀が相手DFに競り勝って落としたボールをゴール正面で玉田がシュート(→当たり損ね)という惜しいシーンがあっただけにその感触が残っていたのだろうが、まだ前線には古賀や増川といった長身のプレーヤーが残っていた状況、中村の後ろを名古屋の選手がクロスオーバーして走り込んでいた状況、そしてなによりチームがリズム良く攻めていた状況を考えれば、あそこで無理をする必要はなかったし後ろを走っていた味方をシンプルに使うべきだったと、結果論ではなく俺は感じていた。

 その後名古屋の選手達の動きの量が時間とともに減退していき、試合は名古屋が攻めてボールを失っては東京がカウンターを繰り出す展開が永遠と繰り返されていく。動きの少ない選手間での足元パスは堅固な守備ブロックからボールを奪ってカウンターを狙う東京にとって格好の餌食となっていた。そして動きだけでなくパスそのものの質にも著しい低下が見られる名古屋の選手達は、目の前にいる相手プレーヤーにボールをぶつけたり、パスがそのまま相手選手に向けて真っ直ぐ飛んで行ったりしている。DFラインの増川からのパスが直接相手の中盤の選手の足元に収まるのを見た時には俺も思わず閉口してしまった。

 そんな名古屋にとっての救いは攻撃では絶好調の本田と守備では試合勘の戻ってきた楢﨑の存在だった。本田は前線で対面の徳永と五分の競り合いを演じながらも、玉田が徹底マークを受ける中チームで唯一前線で何かが起こる期待を抱かせるに足るキレのあるプレーを見せ、楢﨑は――チーム全体として見れば東京の攻めに迷いが見られてイマイチ噛み合わなかったシーンに助けられた面はあったが――シュートまで持ち込まれたシーンでもタイミングの良い飛び出しと落ち着いた対応でことごとくストップしていた。
b0036243_2203873.jpg

 名古屋は中村に代え片山投入。片山を左アウトサイドへ入れ本田を右へ移動する。ふと考えれば左サイドで繰り広げられる片山と徳永のマッチアップは国見高校の同窓対決ということになるが、そんなことはどうでもよく、これで徳永とのガチンコから外れた本田はさらに奔放なプレーを披露するようになった。俺は東京で狙うなら宮沢と鈴木が組む左サイド(名古屋でいう右サイド)だと思って試合を観ていたが中村はポジショニング(ボールのもらい方)が悪く――最初から最前線の右サイドに張っていることが多かった――ここを突き切れずにいた。もしドワイトがそれを意図して右に本田を持って来たのなら恐れ入るが、まあ単純に中村の足が止まっていたことが交代の理由だろう。

 だがそれでも俺はずっと一人の男の登場を待ち続けていた。最初の段階ではボールは持たせてもらえる。選手と選手の間の距離やポジショニング、動き出しが悪くパスをつなげないなら、その間でボールを受けて確実に動かせる中継地点を作れば良い。本来であれば山口Kにもう少し高い位置でもそうした仕事をして欲しいと思うしそれだけの能力を持っているとも思うが、より高い位置でこの役割を完璧にこなせるのは藤田俊哉しかいない。東京がなぜか前線で躊躇していたり、楢﨑が好セーブを連発している間に・・・決定的な3点目を失う前になんとか藤田を投入して欲しい。

 残り5分。ついに藤田投入。正直言って遅すぎるがこの際そんなことは言っていられない。さらに古賀がパワープレー要員として前線へ。片山が持つボールに対しファーサイドで古賀が手を振り上げてボールを呼んでいる。こんなに積極的な古賀を見たのはいつ以来だろうか。そしてズルズルと下がり始める東京のディフェンスに対し、二列目から持ち上がってきた吉村が目の覚めるようなのミドルシュート。吉村のミドルシュートが枠に飛ぶのは殆ど見たことがないから、正直なところ吉村が中へ切り返して左足でシュート体勢に入ったときは「待て!」と思ったのが実際のとことだが、その左足から放たれたシュートは往年の米倉誠かと思うくらいの素晴らしい弾道で東京ゴールの左隅に突き刺さった。敵味方を問わず競技場全体をシンとさせるほどのシュート。

 しかしその後名古屋は全く攻め切れず試合終了。

 願わくば、吉村のミドルシュートが次節以降に繋がるものであって欲しい。
[PR]
by tknr0326g8 | 2006-04-29 23:59 | Game Review
<< 第11節 対横浜 1-1 (得... 第9節 対川崎 0-2 (得点... >>