Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第11節 対横浜 1-1 (得点:古賀) @BS
 携帯にメンバー表が送られてきた時点でまず驚いたのがDFに大森、古賀、秋田、増川の名前が連記されていたことで、俺の中では大森を一列上げて最終ラインを秋田を中央に据えた3バックにするのだろうという推理を立てていたが、BSで中継が始まり(BSの)予想フォーメーションを見ると増川がFWに入って玉田との2トップを組むと言っている。その手があったかと感心しつつ、いやまさかいくらなんでもスタメン(試合開始)からそれはやらないだろうと俺の中で迷っている間にキックオフ。
 画面に注視するとどうやらフォーメーションはいつも通りの4バックで、増川が左サイドバックに入っているようだ。191センチのサイドバックか・・・ハマれば面白いかもしれないし、有村が怪我による欠場中で阿部や渡邊がどうにもしっくり来ないのならそれもひとつの実験としてありかもしれないが、右利きで本来はCBの増川を無理矢理SBに使うぐらいなら、大森を左に移し角田を右に起用することをなぜフェルフォーセンは思いつかないのだろうか。

        玉田

 本田           中村
     金    山口

        吉村

増川  古賀   秋田   大森

        楢﨑

 すると試合開始後3分としないうちにピッチサイドリポーターからのリポートが入る。「フェルフォーセン監督が古賀に向って「チェンジ」と指示している」とのこと。そしてズンズン前線へと上がって行く古賀。前節の東京戦をはじめ負けている試合の終盤に見せる緊急措置・古賀のFW起用がキックオフの余韻も覚めやらぬこのタイミングで早くも発動した。なんだか去年のアウェーでの横浜戦で開始後間もなくして、4バックから3バックへと変更したネルシーニョ采配を思い出す。

         古賀
    玉田
              山口
       金
本田       吉村     中村

   増川   秋田   大森

         楢﨑

 リーグ戦はまだ1/3を消化したに過ぎず、この横浜戦を含めあと二試合でW杯による長い中断に入る。しかもその中断期間ではチームの基礎を作り直すためのオランダキャンプも正式決定したばかりだ。このタイミングでいきなりこのスクランブルなオプションを選択することは、フェルフォーセンが(決して焦っているわけではないだろうが)現在のチーム状況をそれぐらい切羽詰まったものだと判断したということだろう。

 俺としては、試合前から意図していた作戦であるはずなのに何食わぬ顔でいつも通り試合に入っておいてこのタイミングでさりげなく変更するのはなかなか面白かったが、今のこのチーム(そして監督)に求められいること――ネルシーニョの時代は優勝が求められていたが、今フェルフォーセンに求められているのは多少時間はかかってもチームを(個の力に頼らない)組織的でスペクタクルなチーム(上田ジム元TD談)へと作り変えること――を考えるとこれはあまり賛成できる策ではなかった。そしてまあおそらくそれらは全て前提がJ2に落ちない上での話しであり、まあ中断期間中にこの古賀のポジションに大型でターゲットとなるような外国人FWを獲得する予定なのだろうということで割り切って見ることにしたが、それでもこれが成功するか失敗するかによってチーム(フェルフォーセン)の未来が揺らぎかねない博打であり、失敗するリスクを考えれば不安がつきまとったのは事実だ。

 しかしそんな俺の心配をよそに古賀が前線に入ったことでチームは意外な効用と機能性を発揮する。
 まず前線に明確なターゲットを得たことでチーム全体が精神的に楽になったように見えた。1トップ向きではない玉田(しかも大抵相手チームの徹底マークを受ける)が一人最前線で張っているのは、玉田にとってもそこにパスを出す(ことを躊躇わざるを得ない)他の選手達にとっても健全ではなかったし、サイドにボールを集めてそこを基点に攻めるスタイルが相手チームから研究され対策を立てられるようになっていた中ではチームに迷いも生じ始めてていた。まして中盤でリーダーシップを発揮し引っ張れる藤田も負傷によるベンチスタートを余儀なくされている。またこれまでの名古屋は意識面で大事にそしてキレイに行こう(パスで崩そう)とし過ぎて手数を掛けている間に相手に奪われるようなシーンも散見されていた。そんな中にあって古賀へのロングボールとそのこぼれ球を拾うというひとつのスタイルがベンチから明示されたことは精神的なゆとりを生み出し、さらに言えば横にパスを回している時もその先のイメージ(=古賀の頭)が共有化されていることで前へボールが出ていくようになりチーム全体が積極性を増してきた。
 そして古賀が前線に入ったことで生み出されたもうひとつの思わぬ副産物が中盤及び最終ラインでのディフェンスの安定と積極性だ。横浜が攻撃の核となるプレーヤーに怪我人が続出(マルケス、ドゥトラ、奥)していたり、ハードスケジュールの中で久保が本調子でなかったのはあるのだろうが、「DFの気持ちが分かる男」古賀が相手のDFラインがボールを持てば必ずプレッシャーに行って(自ら取れないまでも)可能性を限定したり、危ないと思えば中盤の空いたスペースを埋めに戻り常にチームのファーストDFであることを心掛けていたことで、名古屋は中盤やDFラインが押し上げ良い形でボールを奪え(拾え)ていた。

 ただ反面この施策によるマイナス面も存在しなかったわけではない。その最たるものが両アウトサイドのポジションニングだ。名古屋が後ろ(DFライン)を3枚にし、横浜が吉田、清水を中心にその両脇のスペースを狙ってきたことで、両アウトサイド(特に中村)が後ろに引っ張られ攻撃に顔を出す回数が普段のシステムと比べると激減してしまった。ここのところの試合ではほとんど有効に攻撃に絡めていない中村はともかく、本田が顔を出す回数が少ないこと・スタートする位置が低いことはチームにとっても大きな痛手だった。4(バック)とか3(バック)とか関係なくオランダ風味の新生名古屋スタイルを模索するのであれば中村や本田がもう少し高い位置でプレーする必要があり、それには今野クラスのアンカーがひとり必要かもしれない。
 そして攻撃は本田や金正友等のパスから前の3人――最前線の古賀、自由に動けるようになった玉田、マグロンに対するマークの関係でだとは思うが右サイドに出ることが多かった山口K――だけで相手ゴールに迫るようなシーンも少なくはなく、本職のアタッカーが玉田だけという状況ではたまに良いシーンは作れても、それだけで崩れるほど横浜の最終ラインは甘くはなく、最後のところでGKを脅かすことまではなかなか出来なかった。山口Kはともかく、古賀などは急造のターゲットマンであることを考えれば、実際にはロングボールを頭で競って落とすぐらいしか攻撃に関しては使い道がなく、足元に来ればワンタッチで後ろに落とすことが精一杯で、そこからターンして突破したり、ポストになっての壁パスなどは期待できるはずもないのは当然だった。まあこれは古賀批判ではなく、あれだけ守備してくれて、あれだけヘディングの競り合い(特に中澤とのマッチアップを避けて那須のサイドにポジションを取ってからは)に勝ってくれるFWはそうそういないことを考えれば上出来なのだが。

 そして横浜にはこれといった形は作らせずゲーム自体は名古屋が支配した形で0-0のまま前半は終了する。

 後半選手交代はなし。いつもは後半から目を覚ますことが多い名古屋だが、この試合ではそんな必要もない。そして前半同様のペースを持続して後半へと入る。
 すると後半が始まって10分もしないうちに横浜ベンチは全く仕事をしていない久保をあきらめ大島を投入して流れを変えようと試みてきた。何もしていなくても何をするか分からない久保がいなくなったことは名古屋にとっては幸いだが、大島が入り横浜がロングボールを多用してきたことで中盤が空きだし横浜同様名古屋の最終ライン近辺での攻防も多くなってきてしまった。これに対して名古屋は前の3人に加えて金正友が積極的に飛び出していって攻守に精力的なプレーを見せこれを押し返す。試合は次第にボールが両ペナルティーエリアを行き来する互角の展開になっていった。

 時間の経過とともに次第に動きの落ちてきた名古屋に対し、横浜は30分過ぎぐらいから前線に人数を掛け始める。そして名古屋が鴨川を、横浜がハーフナー・マイクをスタンバイし勝負を掛けようとしたまさにその時間帯、横浜に先制ゴールが生まれた。きっかけは前線へのロングボールだったが、それをつながれペナルティエリアの中に両ウイングバックとボランチのマグロンが入る密集の中から最後はマグロンに決められてしまった。ハーフタイムの指示の中でもあったのだろうが、横浜は悪い流れの中でも選手達が勝負どころを見極める目を持っている。

 横浜はマイクの投入を取り下げたが名古屋は構わず玉田に代え鴨川を投入。玉田を残して守備的なプレーヤーに代えて鴨川を投入する手もあったのだろうが、この試合での玉田のパフォーマンスでは致し方ない。そして、失点直後は明らかに落胆の色が見られた名古屋だったが、この鴨川の投入直後のアグレッシブなプレーが再び名古屋をチャンスへ導く。ペナルティエリアのすぐ左側、相手DFが処理を誤ったフィフティーのボールに対してひたすらゴールだけを目指して頭から突っ込むと相手が高く上げた足が顔の付近に当たりFKを獲得する。このFKをここのところの好調ぶりでプレースキックにも冴えを見せる本田が鋭い回転を加えてキーパーの出られない位置に蹴り込むと、ファオーサイドで相手DFと競り合いながら古賀が放ったヘディングシュートがなぜか中途半端に飛び出していた横浜GKの指先をかすめゴールネットを揺らした。

 その後横浜が一度はベンチに戻したマイクを投入したのに対し、名古屋も残り5分を切って突如息を吹き返した中村がサイドを深くエグったりして左右からチャンスを作ったものの、結局得点を奪えないまま試合は1-1で終了した。横浜の左サイドのプレーヤーの力量を考えれば、中村には残り5分で見せたようなプレーを試合を通じてもう少し見せて欲しかった。

 名古屋の次節の対戦相手は一時期ずっと勝てなかったのが嘘のようにここ数年は相性の良さを継続する磐田。唯一ネックとなるのは磐田が今節の対戦相手・G大阪のACL日程の影響で試合をしていないこと。(名古屋を含む)各チームが中2、3日ペースで試合を続けている中、磐田だけは一週間ぶりの試合となる。ここのところの名古屋は磐田に対して走り勝ってきただけにこれはことのほか大きなハンデになりそうな気がする。これを打ち破るためには、この試合最大の収穫である強い気持ちでゲームに臨まなければならない。
 そして――この横浜戦でのスタイルが今後の名古屋の定番担っていくとは考え難いが――今回好感触だったこの戦い方でとりあえず次節に臨むのであれば、勝ち点3を奪うためには「FW古賀」の使い方をチームとしてもっと練っていかなければならないだろう。現状では玉田とのコンビネーションは互いの距離感を含めてゼロに等しいし、上でも書いたようにロングボールに対して頭で競ることだけが古賀の(攻撃面での)仕事となっており、サイド(深い位置)からのクロスボールを古賀が頭で狙うようなシーンも皆無だった。古賀にFWらしい仕事を望むのは酷だが、この二つぐらいはチームとしてクリアしないと勝ちはなかなか見えてこない。そのあたりの課題を克服して、中断前の最後の試合でなんとか勝ち点3を掴み取って欲しい。
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by tknr0326g8 | 2006-05-03 22:47 | Game Review
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