Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第12節 対磐田 2-2 (得点:山口、本田) @スカパー
 一時期ずっと勝てなかったのが嘘のようにすっかり得意先となった感のある磐田。本来であれば、そんな相性の良い磐田戦にはいつものようにシーズン序盤に臨んで勢いをつけたいところだが、よりによって中断前、しかもチーム状態が良くない中で臨まなければならない。しかもFWには前節に続き古賀というスクランブル。名古屋にとってはひとつの正念場と言えるが、なんとか勝ち点3を得て中断に入って欲しい。

        古賀
 玉田
           山口
     金           中村

         吉村
本田
     増川   秋田   大森

        楢﨑

 試合前の俺は、ひと昔前に流行ったいわゆる4-2-3-1をベースとしているらしい最近の磐田に対し、システム的に相性が悪いとされる3バックを採用することが濃厚な名古屋がどう対応するのかがひとつのポイントなると考えていた。具体的に言えば、融通とアドリブが利かない名古屋のことだから、下手したら1トップに対して3枚のDF(3バック)を後ろに残し、中村・本田の両アウトサイドが引き気味になる5バックみたいなのも有り得るんじゃいかという不安があった。実際前節の横浜戦では後ろを3枚にしたことで両アウトサイドがかなり低いポジション取りを余儀なくされていたし、そうなると前線の人数が足りなくなり攻撃が単調になるだけでなく、一方的に押し込まれひたすら我慢するだけの展開に陥ってしまいかねない。
 だがそんな俺の不安をよそに、いざ試合が始まると名古屋は試合の流れの中で(ひょっとしたら事前のミーティングの中でそういった申し合わせがあったのかもしれないが)自然とポジションを修正していった。開始後しばらくは中村と本田の二人が高い位置から攻撃に絡んでいたが、磐田の右WH太田に対応するような形で本田が次第にポジションを下げて行き、最終的には左から本田、増川、秋田、大森の4バックのような形で落ち着いた。ポジションのバランス自体は悪くない。

 そして試合は前節に引き続き古賀をFWに起用している名古屋が、そこへのロングボールという明確なプランに基いて試合を進めることでペースを握っていく。こうした名古屋の戦い方を磐田としても予想していなかったわけではないだろうが磐田はこれに対応し切れない。なかば対策不能の強さを誇る古賀の高さももちろんだが、その周囲でセカンドボールを拾おうと献身的に走り周り時には前線へと飛び出していく山口Kや二列目から圧倒的な存在感で攻撃に絡んでくる金正友に対して、本来であればそこで攻撃の芽を確実に摘み取ってくれるはずの福西を(累積警告で)欠く磐田は4枚のDFラインがどんどん中央へと絞ってくる。そうなると今度は序盤から左サイドに開き気味にポジションを取っていた玉田が空いてきて比較的フリーでボールをもらう機会が多くなってきた。前半の名古屋はそんな感じで古賀へのロングボールを軸としつつも、サイドチェンジから左サイドで玉田が基点となり、金正友、本田と絡んだ攻撃が数多く見られた。ゴールへは結び付かなかったが、ひょっとしたら開幕以降玉田が最も多くボールに触った前半ではないだろうか。
 そんな前半の試合展開を見ながら俺はつくづくこの試合に福西がいなくて本当に良かったと思っていた。上に書いたようにチームとしての機能面でももちろんそうだが、金正友がこれだけ好き放題(と言っていいぐらい)に目立つパフォーマンスをしていたら、福西に目の敵にされていたであろうことは容易に想像がつくし、W杯を控えたこの時期に怪我でもさせられたらたまったものではない。そうでなくても、金正友のあの(熱くそして若い)性格を考えれば、福西の挑発に乗っていた可能性も決して低くはない。ここのところ疲れからか今ひとつ冴えないパフォーマンスの続いていた金正友だったが、W杯(のメンバー発表)を前にコンディションを上げてきたのだろうか、それとも同じく韓国代表候補の磐田DF金珍圭との揃い踏みで代表のスタッフが視察にでも来ていたのだろうか。それぐらいの(古賀や山口K、玉田が霞むほどの)派手な復活ショーだった。

 そしてそんな自分達のペースの試合展開の中名古屋は苦もなくアッサリと先制点を奪う。相手ゴールに向って真っ直ぐ飛んで行った楢﨑のパントキックを最前線で待ち構えていた山口Kが追いかけると、こともあろうに日本代表でもある磐田DF・田中が処理ミス。弾ませてGKとの間に落ちたところを山口Kが足先でつついて無人のゴールへと流し込んだ。リーグ戦で1試合平均1点も取っていない名古屋にとっては得点がこんなに簡単なものだったのかと思わずにはいられないようなゴール。

 先制されて目を覚ましたのか、その後磐田もやっとペースをつかみ出した。それまでは両WHにサイドの裏のスペースを狙わせて長いボールで走らせたり、ロングボールでFWにDFラインの裏を狙わせたりといった意外性のない攻撃に終始していた磐田だったが、徐々に1トップの前田が左右のサイドのスペースに流れたり下がってきてポストになったりと広い範囲でボールを受けるようになると、そこでキープして基点となりはじめた。1トップの前田が動けば当然スペースが出来る。そして空いたスペースに二列目の3人のアタッカーやボランチの菊地が走り込みローテーションのようにスムーズなポジションチェンジから攻撃を繰り出してくる。こうなると中途半端なゾーンディフェンスが未完成の名古屋はこれについていけない。そして前田の下がって来てのポストからパスを回され、これをファールで止めてペナルティエリアの外で与えたFKをファブリシオに直接決められ同点に追い付かれてしまう。
 せっかく得たアドバンテージを簡単に失ってしまった名古屋だったが、それでも名古屋にとってラッキーだったのは、トップ下に位置するはずの成岡があまり有効に攻撃に絡んでこなかったことだ。FC東京戦(のルーカス)を見ても分かるように、ここは名古屋にとってウイークポイントのひとつで、そこで自由に動かれてボールを受けられたり、そこから前に飛び込まれたら嫌だなと思っていたのだが、成岡は試合開始からしばらくは前田と並ぶように前線に張り付いていたり、磐田自体も早めに前田にボールを入れることはあっても成岡を使って組み立てていこうという意図は希薄だった分助かった。

 その後名古屋は妙な色気でも出し始めたのかそれとも増川を筆頭に単にキックの精度が悪いだけなのか、中途半端に中盤をつなごうとして磐田にやすやすとボールを奪われたり、ずっと日向のバックスタンド側でプレーしていたせいか(笑)中村の運動量が落ちてくると次第にリズムを失い攻撃は左サイドからの単発に終始してしまった。

 そして1-1のまま前半終了。

 後半開始にあたってメンバー交代はなし。前半途中から磐田に主導権を握られかけていただけに、動きの悪い中村などの交代を視野に入れても良かったと思うが、もう少し様子を見ようといったところだろうか。

 後半開始からアグレッシブな姿勢を見せるのは名古屋にとっては定番で、この試合でもいつものように積極的に前に出て行った名古屋はさっそくビッグチャンスを作り出した。本田からのフィードにタイミングよくDFラインの裏へ抜け出した玉田がGKの川口と1対1の場面、しかし飛び出してきた川口の脇を狙ってゴールの隅に流し込もうとしたシュートは無情にも枠を外れて行った。エースとして決めなければならないシーンだった。ハッキリ言って玉田はディフェンス面では全くと言っていいほどチームには貢献していないし、それでもその存在が許容されているのは前線で決定的な仕事をすることを優先課題として求められているからだ。それを考えれば、このようなシーンで決定機を逃すことは、玉田自身のこのチームにおける存在意義にも関わってくる。

 玉田が決定機を外したことでチーム全体が落ち込んだがわけではないだろうが、時間とともに足の止まりだした名古屋は一方的に押し込まれる苦しい時間帯へと突入していく。逆に中一週間で体力的に余裕のある磐田は最前線で前田が悠々とキープし、ここぞとばかりに前線に人数を掛け名古屋をペナルティエリア付近に釘付けにした波状攻撃を繰り出す。名古屋もこれを何とか凌ぎやっとの思いで自陣から脱出してボールを前へと出してゆくが、疲れの色が濃い中盤~前線では選手達の足取りも重くミスを連発し攻撃が形にならない。
 中でも酷いパフォーマンスだったのは中村で、守備では危ない場面で自陣のかなり深いところまで戻り村井や服部のオーバーラップに付いて行くようなシーンも見られたが、攻撃ではフリーの場面でも単純なトラップミスやパスミスを繰り返し流れを断ち切ってしまっている。動きの量ひとつ取っても、中村は山口Kや金正友の半分ぐらいしかなく、足取りが重く切り換えの遅い中村に代わって山口Kや古賀がそのスペースに戻って守備をしているシーンが何度も見受けられた。俺は50分台の時間で既に中村を諦めていたが、フェルフォーセンがそんな中村に代え杉本を投入したのはそれから15分以上過ぎてからだった。まあその後の杉本のプレーを見たところでこの交代が攻撃面で効果をなしたとは言い難いが、この試合に限って言えば「注射」を打つのが遅すぎた。

 そして交代を躊躇っている間に磐田にペースを握られた名古屋は逆転ゴールを喰らってしまた。最前線で山口Kが相手DFに対してプレッシャーを掛けに行ったが、サイドに追い込んだはずが玉田がまったく連動しておらず(サボッってた?)左サイドへとボールを回されてしまう。茶野にボールが渡ったところで慌てて本田がチェックに来たが、その裏に出来たスペースにボールを流されるとそこで太田にキープされ、オーバーラップしてきた茶野が再びボールをもらってタテに抜けてクロス。これをニアサイドで前田がゴールに流し込んだ。この失点シーンでは最初の玉田もそうだが、本田がスタミナ切れだったのか、一度は対応していた茶野のオーバラップに付いて行けずアッサリ行かせてしまった。目の前にいる相手にずっと対応していれば防げた失点だっただけに痛かった。

 しかしその後もあきらめない気持ちが実を結んだのか、名古屋は単発な攻撃を繰り出す中から相手陣内ゴールから離れた位置で山口Kがファールをもらって得たFKを本田が直接決め同点に追いつく。左足から放たれた美しい弾道は緩やかな弧を描いてゴール右隅に突き刺さった。

 残り15分。同点ゴールの直前に中村と杉本の交代を行っていた名古屋だったが、一気に勝負をかけるかと思いきやベンチは動かない。まさか今のペース(引き分け)で良いと思っているわけではないだろうが、またもやそうしてる間に磐田は名古屋ゴールへと迫り、交代で入った中山が楢﨑と1対1の場面を迎えるなど名古屋は何度かピンチを迎えた。これらのピンチを楢﨑が何とか死守。

 交代を散々引っ張ったフェルフォーセンがやっと重い腰を上げたのは、残り時間5分にも満たないわずかな時間帯だった。しかも増川が止血でピッチから出ている最中古賀をCBに戻し、名古屋は10人で戦っていた。少なくともあの場面は速やかに誰かを投入すべきではなかったか。結局そのまま増川がピッチに戻れるようになった頃に時間を置いて鴨川がスタンバイ。少しチグハグさが目立つ采配だった。さらに遅れること数分、ほとんどロスタイムになって山口Kに代え藤田投入。藤田は一度もボールに触れることなく終了のホイッスルを聞いた。

 結果としてみれば2-2の引き分けも、選手交代などの妙によっては勝てたかもしれない試合で、逆に言えば選手交代をしないまま受身に回っていて負けなくて良かった試合でもあった。
 まあ実際には前線に鴨川を入れろ!と声高に叫んだところで誰に代えるかはかなり微妙な問題だった。代えるとすれば一番手は玉田だが、「現役日本代表」にして外国人補強に使う予定だった「移籍金3億円」を使って完全移籍で獲得してきた「エースストライカー」、さらに上でも書いたように「守備をしない」といったバイアスを掛けてみれば玉田のパフォーマンス(攻撃面)には到底納得が行くものではないし、この試合ではプレーに試合を決めるに足るキレを欠いていたのは事実だ。しかし玉田のそのポジショニングによってチームは微妙なバランスを保っていたし、ボールを持てば他の日本人選手達の平均点より上のプレーはしていたのもまた事実だった。

 これを期に(ナビスコカップはあるが)リーグ戦は一時中断に入るが、オランダでのキャンプを通してチームをしっかり作って来て戻って来て欲しい。また空いている「9番」と「外国人枠」に関して、監督からも試合後の会見で要望が出た(言わされた?)ようだが、出来ることならクラブには信頼できるストライカーを獲得して再開後のリーグ戦に臨んで欲しいと思う。資金面での問題はもちろんあるだろうが、チーム編成を考えればフェルホーセン自身がチームの「問題」と語っている二人いるファーストクラスのGKのうちどちらかを売る決断を下してストライカーの獲得を検討すべきだと俺は思う。
 とか何とか言いつつ、中断明けに外国人のFWを補強したはいいけど、完全にチームの主軸となりつつある金正友がW杯で活躍して海外に引っ張られましたなんてことにならないとも限らないが。
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by tknr0326g8 | 2006-05-06 23:49 | Game Review
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