Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第13節 対広島 2-3 (得点:玉田、金) @Jsports 録画
 W杯による中断でおよそ2ヶ月ぶりとなるJリーグ。この広島戦は再開後の初戦ということでオランダキャンプの成果を確認したいところではあるが、放送スケジュールの都合により観る順序が逆になってしまった翌14節のG大阪戦で(仮にオランダキャンプの成果というものがあったと仮定して)その成果が跡形もなく吹き飛ばされてしまったのを目撃してしまったので、なんだか失われた過去の遺産を掘り起こすかのような作業だ。

 フェルフォーセンの「選手達は3バックの方が守りやすそうだ」という判断により、キャンプ中もずっと3バックの布陣で練習してきたという名古屋の布陣はこんな感じ↓

     玉田    豊田

    金正友    山口K

 本田     吉村     中村

    増川 スピラール 大森

         川島

 GKに日本代表として先のドイツW杯メンバーにも入っていた楢﨑ではなくキャンプでずっとチームと共にトレーニングしてきた川島を起用しているあたり、フェルフォーセンのキャンプへの手応えがうかがえる。

 そんな新生名古屋の船出は、前半から名古屋が圧倒的にゲームを支配する上々なスタートとなった。中断前と比べれば選手達にも自信が感じられ気持ち的にも乗っているように見える名古屋は時に最終ラインまでもが相手陣内に入るかというぐらいの勢いで広島を自陣へと押し込み、クリアボール(こぼれ球)もことごとく拾っての分厚い攻撃を仕掛けている。攻撃の基点はサイドに置かれており、組み立ては必ずと言っていいほどDFラインでボールを動かしながら両アウトサイドの本田、中村にボールが入ったところからスタートしているし、前線では金正友、山口Kの二列目コンビが広島の3バックの両脇のスペースへ積極的な飛び出しを見せている。そして5分が経過した頃、そんな流れからボックス内へと飛び出した金正友が後ろから引っ掛けられて倒されPKを得る。これを玉田がキッチリ決めて先制。試合に対して良い入り方をして良い流れの時間帯で得点を奪うことが出来た。勝利(そしてあわよくば大勝)の香りが漂う。

 しかし出来すぎなシナリオに油断したわけではないだろうが、先制点から5分と経たぬうちに名古屋は広島に狙い通りの同点ゴールを決められてしまう。この日の広島は名古屋が予想以上に試合に対する良い入り方をしたことを差し引いてもかなり慎重で受身に回った試合の入り方をしていた。ウェズレイと佐藤寿人という強烈な2トップを除く残りの選手達は3人のバックの前に5人の中盤の選手を並べて守備ブロックを形成する感じの手堅い布陣を敷き、かなり手前の位置まで名古屋に自由にボールを持たせている。そして奪ったボールは手数を掛けずにシンプルに前線に預けてくる。これが新監督ペトロビッチのサッカーなのか、それとも「J1残留」という極めて現実的な目標に向けた最善の策なのか、はたまたヨーロッパのHOME&AWAYの概念をそのまま用いているのか。そんな広島の術中に名古屋はまんまと嵌ってしまった。名古屋が前に人数を掛けた攻撃的な布陣を敷いている以上これは仕方ない部分でもあるが、それでもアンカーの吉村のフィルターとしての機能の欠如だとか、3バックの一角である増川の対応のマズさといった個人的な資質についても目が行ってしまう。やり方の問題ではなくて、このメンバーでこの戦い方を選択することへの疑問が残った。

 その後試合は再び名古屋がボールは支配しつつも、またしても広島の思う壺のような形で追加点を奪われ逆転されるのだが、時間が進むにつれて名古屋は優位に進めている攻撃面においてもいくつかの課題が露呈してきた。まずは攻撃を遅らせるような横パスやバックパスが多いこと。(翌)ガンバ戦を見ても分かるがこのチームは組み立ててで詰まったら無理せずDFラインもしくはキーパーまで戻して逆サイドで作り直すということを徹底している。ボールを大切にするという意味でこれはあながち間違いではないが、同じような現象が良い位置でボールを奪っていざ速攻を仕掛けようかという時にもしばしば起こる。横パスからさらにバックパスが入りボールが下げられてしまうようなシーンが何度か見られた。そうなれば当然相手もその間にみんあ自陣へ帰り守備を固めてしまう。前に人数が揃っていないだとか、前線(や周り)の動き出しがないとかの理由もあるだろうが、ポゼッションからの崩しで何点も奪えるほどこのチームは成熟もしていないし、それだけのメンバーが中盤から前線に揃っているとも言い難い。速く攻められる場面では手数を掛けずに前で勝負することも必要だろう。
 そんな中にあっては前線の玉田になかなかボールが入らない(収まらない)ことも気になった。広島がペナルティエリアの外側のラインあたりにかなりの人数を掛けて守っていたということもありスペースがなかったとも言えるのだが、それにしても玉田がこの試合良い形でボールに触れたのは何度あっただろう。もう一方のFW豊田にしても、豊田を起用したことでもう少し増えるのかなと思っていた豊田のポストを使った組み立てがクサビのボールを入れようと意識して狙っていたのはチームで大森だけだったしその落としを拾うような選手もいなかった。豊田は単にサイドからのクロスに対する高さ要員だったのか。まあ豊田自体は、大森からのクサビに対してもそうだしサイドのスペースに流れてボールを受けることだとか、DFラインの裏へ抜ける動きだとか良く意味でマークが集中するであろう玉田をオトリに使って(後半足が攣るまで)頑張っていたと思う。

 逆転されリードを許したことで、名古屋はより徹底した広島の引いて守ってカウンターという手堅い戦い方と向き合わされることになった。こうなると重要になってくるのが吉村の位置のプレーヤーの(攻撃面での)力量だと俺は思う。フェルフォーセンの信頼も厚く中断前から継続して試合に出場し、キャンプでもワンボランチのレギュラーに固定されてきたことで吉村は攻撃面での確実な進歩を見せていた。事実、試合開始直後に放ってバー直撃のミドルシュートを放っていたり、先制点(PK)のキッカケとなった金正友の飛び出しにその一瞬のタイミングを見逃さずパスを送ったのは他ならぬ吉村だった。その他の場面でも吉村のスルーパスに豊田が抜け出してキーパー直撃のシュートを放ったシーンなどもあった。しかし俺はこの吉村のパフォーマンスにまだ満足をしていない。敢えて厳しいことを言えば、相手がこれだけ引いている状況ではフリーでボールを持つことが多くなる吉村に位置のプレーヤーがこれぐらいのプレーが出来るのは当たり前だ。そしてDFラインやサイドにボールがある時のサポートの(ボールを呼び込む)動きや前にクサビのボールが入った時のポジショニングには俺の中で違和感が残る。実際前半に増川と大森がそれぞれ一度づつ危険な横パスをミスして広島の速攻を喰らったが、サポートに入れる位置にいた吉村がボールをもらいに行っていればあれは起きないシーンだった。まあただこれに関して言えば、後半負傷した吉村の代わりに出てきて、そのポジションではより(俺の)イメージに近い動きが出来ていた藤田がベンチウォーマーに甘んじている(そして吉村が欠場したガンバ戦でも使われることがなかった)ことを考えると、フェルフォーセンが望んでいる動きは俺が考えているものとは違うのかもしれないが。
 と、ここで話を試合に戻すと、前半終了間際、リードを奪った広島に引かれている状況でどう打開を図っていくのかという部分において(俺が重要だと思う)吉村がなかなか決定的な仕事は出来ない名古屋は、最終ラインからシビレを切らしたかのようにスピラールが怒涛のドリブルでオーバーラップを見せる。立ち尽くす吉村の横を通り抜けグングン進んでいくスピラール、広島の選手が慌てて寄せてくる素振りを見せたところで組織の乱れを見逃さずDFラインの裏へと抜け出した金正友にスルーパスを送った。これを金正友が冷静に鎮めて2-2。スピラールの個人技には拠っているが固められた守備組織を崩す手本のようなプレー。名古屋はなんとか同点で前半を終えることに成功した。

 後半になっても名古屋がボールを支配して攻める展開は変わらない。そして前半終了間際のスピラールのプレーに触発されたのか吉村の動きがかなりよくなってきたが、それにも増して調子づいていたのがスピラールだった。時間とともにウェズレイの動きが落ちていたことも見計らい、マイボールになるとスピラールは吉村と並ぶようなポジショニングで組み立てに加わるようになった。

こんな感じ↓
<攻撃時(マイボール)>

    スピラール  吉村

  増川        大森


<守備時>

       吉村

増川   スピラール    大森


 しかしそんな名古屋の攻撃的な姿勢も後半10分過ぎには佐藤寿人の一発によってアッサリ打ち砕かれてしまう。まあこれは佐藤寿人を褒めるべきゴールでもあるのだが、セットプレーのセカンドボールに対する処理と言う名古屋の弱点がモロに出た失点だった。先に書いた翌14節のガンバ大阪戦のレヴューの中でこの失点については触れているが、まさか二試合連続でこのパターンから失点喰らっているとは・・・。あきれてモノも言えないとはこのことか。誰にでもミスはあるが同じ失敗の繰り返しについて、プロである彼等には問題意識やそれを解決していこうとする意思がないのだろうか。少なくともかなり以前からTV解説の反町が指摘していた課題を看過している監督以下のコーチングスタッフにも問題はあるが、選手たちは監督の指示がなければ何も動けないのだろうか。2002年のW杯日本代表じゃないが監督の言うやり方でダメなら選手が自分達で考えて解決すればいい。

 その後、フェルフォーセンはやや遅きに付した感じで前述のように負傷の吉村に代わって藤田を、PK以外仕事をしていない玉田に代わって杉本を入れたが、ゲームプラン通りの展開にすっかり守り切りモードの広島を崩すことが出来ない。(広島がより一層守備の意識を強くしてきたこともあり)藤田を投入したことでポンプで血が巡るように中盤でスムーズにボールが動き出した名古屋だが、ゴールに近付くほどに得点の気配は消えて行った。藤田をもう少し前で使うことが出来れば・・・。そして前半からかなり飛ばしていた豊田が足を攣って片山に交代すると名古屋は完全に攻め手を失った。片山を左サイドに、左サイド本田を前に上げる苦肉の策を取ったがこれは逆に本田を消す結果となってしまった。
 こうなればスピラールか増川を前に行かせてのパワープレーも考えられたが、ペトロビッチも心得たもので運動量の落ちたウェズレイは下げるが決してFWの枚数は減らさない。しかも代わりに入ったのがヘディングの強い上野優作だ。結局名古屋は最後までスピラールか増川を上げてパワープレーに徹することが出来なかった。

 そして終始ボールを支配した名古屋は広島のゲームプランに乗っかったまま、ホームでの再開初戦(しかも相手は残留争いをする直接のライバル)に痛すぎる敗戦を喫した。確かに痛いがこの敗戦によって反省する部分は反省しながらも選手達がオランダ合宿で培ってきた自信を失わないことを願うばかりの試合だった。
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by tknr0326g8 | 2006-07-24 01:31 | Game Review
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