Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第19節 対川崎 2-4 (得点:秋田、ヨンセン) @等々力陸上競技場
 しかしまあ(主に二つの理由をもって)こんなにイライラし通しの試合を生で観たのはいつ以来か。確かに試合は圧倒的に川崎が優勢だったし多くの時間帯においてはむしろやりたい放題と言っていいくらいだった。だが名古屋にとってこの試合は試合以前の問題で、これでは選手達が(約一名を除いて)いくら頑張っても勝てっこない。

 平日のナイターは厳しい。俺が武蔵小杉の駅に着いたのがキックオフの5分前。駅前で競技場直通のバスに乗ったら意外にも待たされて、結局競技場に着いたのはキックオフから7分半後だった。幸いまだ点は入っていないようだ。さっそくフォーメーションチェック。携帯速報で見た時点では本田不在の左サイドに該当する選手がおらず、勝手にこんな↓布陣を予想していた。
         ヨンセン
   玉田         杉本

金正友  山口K  須藤  中村

   古賀   秋田   大森

         楢﨑

 しかしひとりづつ答え合わせをしていくと、正解はこれ↓

      玉田   ヨンセン

     金正友   中村

須藤     山口K      杉本

   古賀   秋田   大森

         楢﨑

 そう来たか。プレビューにも書いたが攻撃的な中盤に二枚を割くのはカウンターの鋭い川崎相手にギャンブルのようでいて実は正攻法。秋田を使うからには後ろを三枚にするのも仕方ない。そのためには前線を3トップではなく2トップにしなければならないのもサッカーが11人対11人で争うスポーツである以上当然だ。となると問題は両サイド(の人材)。本田不在の左にはフェルフォーセンのお気に入りで普段はボランチの須藤、右には前線の人数を減らすことで押し出された格好の杉本が入った。確かに杉本にはスーパーなスピードがあるしネルシーニョ時代にはサイドの経験もあるが、川崎相手にこの付け焼刃は吉と出るか凶と出るか。
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 試合は名古屋が川崎に一方的にペースを握られている。これまで連勝中の試合でも、前からプレッシャーを掛けていって高い位置でボールを奪うというようなことは出来ていなかったから、パス回しが洗練されている(というかパスを受ける動きとかパス&ゴーがしっかり出来ているというだけなんだけど)川崎相手では試合の主導権を握られるのはある意味当然の成り行きか。

 しかしそれにしても名古屋は全く反撃の糸口すらない。理由はいくつかあったが最大の原因は選手のパフォーマンス以前にフェルフォーセンの采配ミスにあったと俺は思う。
<セフの失敗その1>藤田の先発落ち
 累積警告で本田が欠場していることに加え、何の理由かは知らないが藤田もスタメンから外してしまったため名古屋はボールの落ち着き場所がない。そんな息継ぎなしで泳いでいるような試合運びが名古屋をどんどん苦しくしていった。
<セフの失敗その2>須藤の左サイド起用
 大型のセントラルミッドフィールダーとして頭角を現しつつ二年目の須藤だが、正直なところサイドアタッカーとしての資質を有しているわけでもなく、その上利き足とは逆の左サイドに起用されたことで、そのポジションでは攻撃的な仕事を全く出来なかった。本田不在という緊急事態にとりあえずそこは守備からと言うなら話は分からなくもないが、相手の右サイドはレギュラーの森ではなかった。ここは川崎の中で最も狙うべきポントだったのではないか。須藤の左サイド起用はおそらく川崎にとっても不安要素だったであろうそれをこちらから放棄してしまう結果となった。
<セフの失敗その3>杉本の右サイド起用
 言葉は悪いが「勢いだけが取り柄」の杉本の右サイド。爆発的なスピードはハマればパワーを発揮するがこの試合は相手が悪かった。百戦錬磨のサイドプレーヤー・マルコンを相手に攻守に渡って大苦戦。ほとんど子供扱いされていた中では杉本の良さ出せず。
<セフの失敗その4>2トップでの玉田起用
 名古屋がなかなかリズムを作れない中で玉田は下がってきてボールを受けようとする動きを度々見せていた。果たして玉田はそんなプレーをするために起用されたのか?そのスピードを生かしてDFラインの裏を狙うために起用されたのではないのか。普段は杉本がボールが来ようが来まいが相手DFラインの裏を常に狙い続けることでチームとしても前に行けるし最悪でも相手DFを下げさせることが出来る。玉田は味方が高い位置でスルーパスを狙っているような場面では裏でもらおうとする動きは見せるが、後ろでボールを持っている時にDFラインの裏で受けようという動きは一切見られなかった。これは守っている側の川崎にしてもさぞかし楽だったことだろう。

 フェルフォーセンの選手起用はほとんど裏目に出た。これだけ準備がダメだと対戦相手以前の問題で試合にならない。

 そんなにっちもさっちも行かない中で、20分過ぎにフェルフォーセンはピッチ脇に出てポジション変更の指示を送る。杉本を左へ須藤を右へ。これがマルコンにやられ気味だった右に須藤を持って行きたかったのか、それとも杉本の攻撃面での良さを相手のウイークポイントである右(名古屋にとっての左)で発揮させたかったのかは定かではないが、少なくとも選手交代を行わない中で出来る最善の策のようには思われた。
 しかしそれでも変わらない流れ。川崎に好き放題パスを回される中でも基点を作られているのは左サイドだ。杉本を左に回したことで攻撃面では(左サイド)前でボールを持つようなシーンも出来るようになったが、守備面では1対1ならともかくコンビネーションで崩されると脆い(というよりどうしようもない)杉本が川崎相手に通用するはずもなかった。突っ込んだところをワンツーで突破されたり、観ているこっちが思わずポカーンと口を空けてしまうようなマークの受け渡しを試みて相手をタテに行かせてしまったりとほとんど守備になっていない。そして玉田が守備をしないこのサイドでは川崎の3バックの右ストッパーである箕輪がどんどん上がって来て名古屋陣内に入ってプレーしている。いくらなんでもナメられ過ぎだが、もうこうなるとハーフコート状態。
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 一方的な展開にあって忘れてしまうそうだが、前半に名古屋が喰らった3失点はいずれもセットプレーから。川崎は名古屋をよく研究してきていた。1失点目、川崎のキッカー・中村憲が蹴ったボールは名古屋DFのゾーンを外して外側へ。これがこぼれるとそれを拾ったマルコンがクロス、これを押し上げもせず全員が棒立ちになった雑木林のごとき名古屋DFの間でジュニーニョがゴールに流し込んだ。この後名古屋も玉田のミスキックっぽいCKをニアにいた選手が流してこれをゴール正面にいた秋田が蹴り込んでラッキーな形で一旦は同点に追いついたが、またしても名古屋はコーナーキックからのこぼれ球を折り返されて我那覇にヘディングで決められ突き放される。そして三たびセットプレーのピンチで、今度は中村憲が名古屋がゾーンを作る手前を狙ってキック。これに飛び込んだ選手は触れられなかったが、結果的にそれがブラインドになってヨンセンのオウンゴールを誘発した。明らかに意図的な中村憲の名古屋の「ゾーンを外した」キック。

 川崎は3点取っても手加減してくれる素振りはない。対して相変らず何も出来ない名古屋。このままだと点差は広がる一方だ。さすがにこの状況はマズイと思ったか、フェルフォーセンは前半途中であるにも関わらず一気に二人を交代させるという珍しく大胆な采配に出た。交代させられたのは両アウトサイドの須藤と杉本。代わりに入ったのが渡邊と増川で、サイドのスペシャリスト(左利き)である渡邊を左アウトサイドに、そして増川が右のストッパーに入ることでマルコンが抑え切れていない右サイドに大森を回したのだった。
 サイドに問題があるというフェルフォーセンの判断は正しかった。事実サイドのスペシャリストである渡邊が入った左は魔法のように蘇り、前半終了間際には渡邊→金正友(クサビ)→山口K→渡邊というキレイな三角形を描いてのパス交換から渡邊が川崎の右サイド(飛騨と箕輪)を振り切ると、そこから上げたクロスにゴール正面ややファーサイドでヨンセンが頭で合わせて名古屋は追撃の2点目を奪うことに成功した。(上でも書いたように名古屋は箕輪にナメられまくっていただけにこの渡邊が左サイドをブッちぎって奪った得点は胸がすくような思いだった。)
<セフの失敗その5>玉田でなく杉本を下げたこと
 結果としてもこの交代は当たりたった。だがここでフェルフォーセンはひとつのミスを犯したと俺は思う。そのミスとは、サイドで落第点を出した杉本をベンチに下げてしまったことだ。俺なら玉田をベンチに下げて杉本をFWに戻す判断をしただろう。確かに後半途中になると足が攣るのがお約束の杉本をここでピッチに残せば必然的に残りのひと枠の使い道を限定する結果にもなるが、それでも試合を通しての玉田の機能性を考えると俺はやはり杉本を残して欲しかった。
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 後半がキックオフすると、前半の終了間際にゴールを上げた名古屋が勢いそのままに川崎ゴール前まで迫る展開でスタートする。名古屋はチーム全体が左サイド(渡邊)を攻撃のポイントとして明確に意識しており、それが名古屋にいい流れを呼び込んでいる。そして開始早々にはそんな左サイドで得たCKからファーサイドで増川が折り返しヨンセンがヘディングシュート(相手に寄せられていてコントロールできず)というような決定的なシーンも作った。

 だがそんな名古屋の猛攻に対して、川崎はしっかり人数を掛けて守備ブロックを構築しジュニーニョを中心としたカウンターで応戦してくる。こうなると名古屋は苦しい。左サイドだけでなく右サイドでも大森と中村のコンビで打開を図ったり、山口Kが積極的に上がってきてボールに絡んだりしているが、それらの攻撃が川崎の厚い守備ブロックに引っ掛かってカウンターを喰らうシーンが多くなってきた。そして藤田やスピラールといったいつもの試合でボールの出所(起点)となる選手がいない名古屋はヨンセンが中盤に下がってボールを捌く役をいつも以上に行っていたが、この位置でこの役回りをやっているヨンセンに怖さはない。

 時計の針が進むに連れ不利になって行く戦況とその中で必死にもがいているような選手達中、俺の神経を逆撫でするようなプレーに終始していたのが玉田だった。最前線でタラタラ歩いてるだけの玉田を気にする様子もなく川崎DFは最終ラインから余裕でパスをつないでどんどん上がって来る。システム的にガチンコのマッチアップがなされているこの試合では、相手DFのオーバーラップに対して玉田がディフェンスに行かなかったら後ろで数的優位を作られることぐらい元日本代表には理解できないのだろうか。名古屋ではかつてウェズレイが「ディフェンスをしない」と叩かれていたが、ウェズレイはゲームの流れを読みながら悪い流れの時にはちゃんとディフェンスをしていた。玉田は気が向いた時しかやらない。そしてどうやらこの試合では一度も気が向かなかったらしい。2トップを組むヨンセンが常にディフェンスを意識してそれに参加しているのを、そしてチームメートが身体を張ったディフェンスでカードをもらっているのを、玉田はどういう気持ちで眺めているのだろうか。俺は一度玉田に聞いてみたい。最悪ウェズレイのように貯めた力をここぞと言う場面でゴールという結果でもって爆発してくれるなら文句も言わないが、この試合での玉田は何度かあったチャンス(になりかけたシーン含む)でも遂に決定的な仕事を出来なかった。これでは言い訳の余地はない。

 そして名古屋の勢いが止まったのを見計らったかのように箕輪がオーバーラップしヨンセンを振り切るとペナルティエリアの外でさっきのお返しとばかりに渡邊を股抜き一閃で交わしゴール前にグラウンダーのクロス。これをゴール前一瞬の動き出しで大森のマークを外したジュニーニョが決めて致命的な4点目が入ってしまった。

 名古屋にとって交代のカードはあと一枚。ヨンセンが中盤に下がってパスを捌いている状況を考えれば藤田を投入するのが良いと思うが誰を削るか。心情的には確実にチームの勢いを減退させている玉田を代えたいところだが、ゴール前の人数は削りたくないから代えられない。と、ここで目に留まったのが秋田だった。普段スピラールが担っている前線へのフィードをこの試合での秋田は担っていない。さらにひとりひとりの行動範囲を広げて相手のカウンターをストップしているのは古賀と増川の二人のストッパー、そしてGKの楢﨑だ。秋田はただ単に「一人余っている」だけの存在になりつつあった。すなわち秋田は0.5人分のプレーしかしていない。その光景は古賀と増川と楢﨑がちょっとずつ力をカンパし合って秋田の世話をしているよですらあった。であるとすれば、ジュニーニョという絶対的なストライカーを軸にカウンター狙いの川崎に対してリスキーではあるが、秋田を外して真ん中二枚の2バックもしくは両サイドが上がり気味の4バックにして勝負を賭けるのがいいだろう。
 ここでベンチ前に津田を呼び指示を送るフェルフォーセンの姿。最後の交代枠ということもあってかさらに時間を擁したが、それから数分後第4の審判とともに無事に津田がピッチ脇に現れた。そして第4の審判が裏返して持っているボードの交代の番号は「2」、秋田だ。藤田起用ではなかったが、秋田を外すという選択肢はビンゴだ。津田(右)、ヨンセン(真ん中)、玉田(左)の3トップにして、相手の3バックにプレッシャーを与え勝負して行けば得点の可能性も出てくるかもしれない。
<セフの失敗その6>津田投入後のポジション変更 
 しかし津田がピッチに入るとともに、右サイドにいた大森が秋田のいた3バックの真ん中にスーっと下がって行く。そして津田は前へは行かず大森のいた右サイドでストップ。そういう(ポジショニングのバランスは変えないという)ことか。だがこれでは津田の持ち味を消してしまうし、津田を投入した意味はあるのだろうか。

 その後名古屋はただでさえ数少ないチャンスなのにロスタイムには左サイドの渡邊が獲得したコーナーキックを見逃されゴールキックにされるなど、まさに泣っ面に蜂。チームが弱いと審判も運も味方してくれないらしい。そして試合は2-4のままタイムアップ。
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 コンディションが悪く身体が重そうだった中村や金正友、与えられた役割を全う出来なかった杉本や須藤や秋田、別の役割に奔走して機能しなかったヨンセン、気負い過ぎてボールが足に着いていなかった津田・・・だが選手達は与えられた条件下でそれぞれに頑張っていたと思う。そうした中で、闘えない選手がいたことと、相手と台頭な条件で(スタートラインを同じくして)試合に臨むための素地が作られていなかったことが俺には残念でならない。ちゃんとやってれば2点目のようなああいう得点も奪えるのだからなおさらだ。
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by tknr0326g8 | 2006-08-24 01:29 | Game Review
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