Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
第20節 対G大阪 3-3 (得点:藤田、中村、本田) @TBSchannel
 4連勝から一転ミッドウィークに川崎に大敗を喫しことで精神的なダメージも心配される名古屋だが、メディアに取り上げられる選手達のコメントを見聞きする限りでは7月にアウェー(万博)で1-5と敗れた試合のリベンジを果たしたいというモチベーションがそれを上回っているようだ。

 そんな名古屋のスタメンは金正友を怪我で欠くものの、出場停止明けの本田が戻り、磐田戦で顔面を負傷(骨折)したスピラールがフェイスガードを着用して異例とも言える早期復帰を果たしたことで、俺的にはかなりベストメンバーに近い布陣。フォーメーションの変形4-3-3も俺好み。

         ヨンセン
 津田             杉本

     藤田     中村

本田      山口K

      古賀   スピラール  大森

         楢﨑

 一方のガンバは家長、フェルナンジーニョ、橋本といった主力を欠いているが、明神、播戸といったベンチ要因にしておくには少々贅沢な面子がスタメン出場。そう言えば山口智&明神というかつてユース代表でWボランチを組んでいた二人がまた揃ってピッチに立ってるんだなぁなどとちょっと感慨深く見ていると、試合開始早々いきなりアクシデント発生で山口智が負傷退場してしまった。人の不幸を喜ぶ気は毛頭ないが、名古屋にとってはセットプレーでの脅威が軽減されて少し楽になった。そしてアップもそこそこに山口智に代わって入ってきた青木が試合に上手く入れなかったこともあって、試合の流れは一気に名古屋に傾いた。

 サボる選手がいない名古屋はチームがひとつの塊となって、ガンバに対しても全く臆することなく積極的に前からプレッシャーを掛ける。そして気持ちの入っている選手達は玉際の競り合いでもガンバの選手に全く負けていない。逆にそんな名古屋の勢いに明らかに気圧されているガンバはパスミスを連発しボールが全くつながらない。これは家長やフェルナンジーニョがいれば全く違ってくるのだろうか。
 ガンバのパスミスから、あるいは狙いすましたインターセプトから奪ったボールを前へ前へと運んで行く名古屋。そんな名古屋の攻撃は今シーズン初めて「前線へ。その先へ。」というチームスローガンを具現化した戦いが出来ている感じだった。
 序盤は、高さがあり深い位置で基点となれるヨンセンと、スピード(と走力)を生かして裏への走り込みが出来る杉本と津田を狙うような形でロングボールを使った攻撃が目立つ。そうしてガンバのDFラインを下げさせて次第に中盤にスペースが空いてくると、今度は藤田と中村を中心としたシンプルなパス交換からサイドを使うような組み立てが出来るようになってきた。相手のDFラインが下がって中盤にスペースが空いているという現象は、大森のプレーぶりひとつ見ても明らかで、普段はフィードで前線を狙うことはあっても左の本田とバランスを取る形であまり上がらない大森が、この試合ではドリブルで中央を持ち上がってくるシーンが何度も見られた。

 局面で見れば注目はやはり本田と加地のマッチアップだろうか。中スポの安っぽい煽りに乗るわけではないが、加地相手に本田が攻守に渡ってどれだけアピール出来るのかは、本田の力が勢いに任せた一過性のものではないことを証明する絶好の機会でもあるし、現役の日本代表を倒せば噂されるA代表への道もぐっと開けてくるはずだ。まあ文字(応援ソング)通り「クラブの宝」となりつつある今の本田ならすぐに国内に敵がいなくなって海外へと旅立ってしまいそうなのが逆に心配なくらいだが、その時はその時でまた考えるしかない。
 本田は序盤こそロングボール主体の攻めの中でなかなか攻撃に出られなかったが、上でも書いたように時間の経過とともに名古屋が中盤でボールを支配し始めると積極的に攻撃にも絡むようになってきた。このポジションでの本田の強みは身体の強さとボールコントロールの技術そしてピッチ上の状況を素早く把握できる判断力。例えばハーフウェーラインより手前で本田にボールが渡ったとして、寄せてくる相手が一人であれば(もちろん状況にもよるが)本田はその相手を楽々と交わして前を向きそしてボールを運ぶことが出来る。ボールを一旦後ろに戻して相手が守備組織を作り直したところに改めて攻めていくのか、相手を一人交わして言わば自ら数的優位を作り出して前に行くかではその後の展開に天と地ほどの差があることは明確だ。そこには三節前の甲府戦でチーム(スタジアム)が大量ゴールに沸く中ひとり蚊帳の外でふてくされていた本田の姿はもうない。
 チームメートもそんな本田の良さを引き出そうと最大限のサポート。サイドの本田にボールがある時に山口Kや藤田が内側でサポートに入ることは当たり前のようになされているし(果たして吉村だとこうはいくだろうか)、守備面でも3トップの左FWの津田が本田と挟み込むように加地の対応に行くシーンが多々見られただけなく、本田が上がってた時には入れ替わるように加地のマークに着いて行っていた(これもまたそこにいるのが玉田だったらこうはいかない)。
 ただチーム全体で見れば、本田が(3-5-2の右アウトサイドである)加地にマッチアップするということは、攻撃面で高い位置からプレーをスタートさせられるという利点がある反面、後ろにスペースを空けて古賀との間にギャップを作る状況を生み出し、ガンバはそこを執拗に突いて来ていた。中盤をつないで来られる分には本田にも戻って来てラインを合わせる(ギャップを埋める)時間があるのだが、FWにそのスペースに流れられてそこに長いボールを入れられるとキツイ面もある。このあたりはチームとしての今後の課題になるだろうか。まぁおそらくフェルフォーセンは、サイドに流れたFWに対する古賀の対応とそこでボールをキープされた時の二列目からの飛び出しに対する山口Kを初めとした中盤のプレーヤーの対応で対策は既に折り込み済みと考えているだろうが。

 ヨンセンの落としを得意の飛び出しで受けようとした藤田がボックス内で後ろから引き倒されて得たPKで先制点を奪った名古屋だったが、その一方的なペースとは裏腹になかなか追加点を奪うことが出来ない。これはヨンセンを囲む両ウイング(FW)の力量不足による部分が大きい。杉本は持ち前のスピードを生かした走り込みでガンバDFを振り回し混乱させてはいるがフィニッシュが相変らず雑で決定的なチャンスを決められない。玉田に代わって左に起用された津田も得意のドリブルで仕掛けるシーンは作るが、ガンバの右ストッパーでもあるシジクレイに子供扱いされていたというのが現状。それにヨンセンの頭での落としに一発でピタリと合わせて見せた藤田に対し、若い二人のFWはヨンセンとの呼吸もまだ合っていないし、走り込むタイミング角度といったものがまだ微妙にズレている。まあ彼等(特に津田)はまだ若いしちゃんとディフェンスもするから長い目で見て行くとしよう。結果を残して自信をつけながら経験を積んでいければ最高だが、これもまたひとつの経験だ。
 とは言え、追加点を奪える時に奪っておかないと後半も含めいつ雲行きが怪しくなっても不思議ではないという状況下で、名古屋に追加点をもたらしたのは名古屋が誇る唯一の現役日本代表・中村直志だった。代表に召集されてからというもの、良い意味での欲と危機感を持ってプレーしている中村は、ペナルティエリアへの飛び出しなどゴールに対する貪欲な姿勢を見せるようになった。遠藤に入ってくるボールを奪ってそのままゴールへと一直線に進む姿は、例えそれが試合前のミーティングで約束事(狙い)として示されていたとは言え、そんな最近の中村を象徴するようなシーンだった。

 しばらくはそのまま同じペースで試合を続けガンバゴール前に攻め込むシーンも作った名古屋だったが、30分を過ぎる頃にはさすがにペースが落ちてきた。そして津田がフリーで持ち上がってヨンセンとの壁パスから抜け出そうとしたところをカバーリングに来たシジクレイに拾われてつながれると、ボールはボランチを経由して(名古屋にとっての)左サイドへと展開され、そこ(例の本田と古賀のギャップ)に流れた二川がクロス。これをボックス中央で播戸に(10回に1回決まるかどうかぐらいの)ドンピシャのタイミングとインパクトでダイレクトボレーを決められ一点を返されてしまった。なんだかこう書くとボールを失う原因となった津田が悪いみたいだが、シジクレイが津田のプレッシャーをかい潜ってなんとかつないだボランチ(中央)のところで、そのボランチに入るボールを「狙っていた」はずの名古屋の中盤(中村や藤田)がプレッシャーに来なかったことひとつとっても名古屋がこの時間帯にペースを落としていた(落ちていた)ことが分かる。

 しかしこれで気持ちが萎えない名古屋はすぐさま反撃。そしてそこで決定的な役割をやってのけたのはチームでも1,2を競うメンタルの強さの持ち主であろう本田だった。本田はバイタルエリアで杉本がもらったFKをまたもや驚愕の弾道でゴール上隅に突き刺す。その前にも流れの中からバー直撃のミドルシュートを放っていたが、本田にとってはあれがいい練習になっていた感じ。
 パワフルな左足のキックはかつての平野孝を彷彿とさせるが、繊細さを持ち合わせているところと助走なし(ワンステップ)で強いキックが蹴れるところが本田のより優れた点でもある。繊細さという部分でボールに(GKが取りづらい)微妙な変化を付ける事が出来るから、とりあえずGKの存在は一旦無視して枠の中に蹴っておけばOKという余裕が、より思い切ったキックを生み出すという好循環。実際このゴールもGKが立っているサイドを構わず狙って蹴ったものだった。

 その後やや足の止まり始めた名古屋だったが、残りの時間帯を上手く守り切り3-1と2点をリードしたまま前半終了。

 後半メンバー交代のない名古屋に対して、すでに後がないガンバはDFを一枚削ってフェルナンジーニョを投入してきた。システム的に前に人数を掛けている名古屋にとっては少し厄介だ。そうでなくてもフェルナンジーニョはよく動くしマークの受け渡しがブレなければいいが。
 そんな俺の不安をよそに二点をリードしている名古屋は全体をやや引き気味にしてスペースを埋め落ち着いて守っている。いかにガンバが前線に人数を割いてこようがスペースを埋めてしっかりマークを受け渡せば、例えシステム的なミスマッチがあったとしてもちゃんと守ることは出来る。そして奪ったボールはヨンセンのクサビと杉本のスピードを生かしたカウンターで攻め切るという明確なゲームプラン。ガンバが4バックにしたことでシステム的に加地と当たる津田がディフェンスに回ることが多くなり攻撃面ではほとんど顔を出せなくなってしまった(結果的に名古屋も変形の4-4-2のようになってしまった)ことは津田の持ち味を消すことにもなり残念だが、逆に言えば杉本が走り回るためのスペースが広がったと解釈すればいい。それにそんな杉本が宮本との1対1をうまく作れれば大きなチャンスにもなる。

       ヨンセン   杉本
            
津田
      藤田     中村

本田      山口K

      古賀   スピラール  大森

         楢﨑

 しかし肝心の杉本はガンバ大阪のラインコントロールに引っ掛かってオフサイドを連発しなかなかゴールに近付けない有り様。サイドに流れた時は良い形を作れるが、ゴールに向っての動きではもうひと工夫が必要ということだろうか。

 名古屋はしっかり守って反撃にも転じているが、全体的に守備の意識が強いせいかゴールの雰囲気が前半よりも薄らいでいる時間帯、ある意味試合前から(主審の名前を見た時から)想定内でもあり常識で考えれば全く想定外の出来事が起こる。
 前半から気になっていた本田と古賀のギャップに向けてスタートを切ったマグノ・アウベスにフェルナンジーニョから長いスルーパスが通り、マグノ・アウベスがこれをコントロールして切り返したところでマークに来た古賀と接触して倒れ込む。古賀は手を使ったわけでも足を引っ掛けたわけでも故意に相手を妨害したわけでもなかったが、主審のジョージは待ってましたとばかりにPKの判定を下した。前半名古屋が奪った3つのゴールのうち2つに自分が下した判定が絡んでいたことに対する帳尻合わせ(後ろめたさ)か、それとも優勝争いをしているチャンピオンチームが残留ラインギリギリのゴミみたいな順位にいるチームに簡単に負けることがあってはならないという彼一流の演出なのかは知らないが、HOMEチームに対するジャッジとしてこれはちょっと度が過ぎる。どうしても笛を吹かなければいけない「大人の事情」があるならせめてペナルティエリアの外で直接FKぐらいにしておけよ。そこで遠藤とかに前半の本田並みのFK決めたら(古賀には悪いが)俺も諦めるよ。それでこそ「演出家」ってもんだし、マスコミも「これが王者の底力」と持ち上げがいがある。こんなPKもらっておいて試合はやっとドローでしたでは、ガンバも「王者の底力」とか持ち上げられたところで格好つかないだろう。

 その後名古屋は足の攣った津田に代えて増川投入。増川が左SBに入り本田が中盤に一列上がる。

         ヨンセン   杉本
            

本田   藤田     中村

         山口K

増川   古賀   スピラール  大森

         楢﨑

 本田と古賀のギャップを狙われていたことを考えれば真っ当な選手交代。この交代によって攻撃面では本田が後ろから上がってきて攻撃に絡むといったような流動性がひとつ失われることになったが、守備面では最終ラインでスペースを消すとともに4バックがスライドしながらガンバのサイド攻撃に対応するといった4バック本来の機能を取り戻すことも出来た。守備に関してはよりソリッドな組織になったと言えるだろう。

 さらにフェルフォーセンは藤田に代えて渡邊を投入。渡邊をサイドに配置し本田を中央に移動した。これが守備の強化を意図したものなのか、サイド攻撃を活性化させるためのものなのかはハッキリしないが、その後の試合展開を見ると守備強化の趣が強かったのだろうか。中盤ではボールをつなげる状況が持続していただけに藤田は残しておいても良かった気はするが、本田が残っていればチームとしては問題はない。あとは本田の体力がどこまで持つかだ。

 残り時間が少なくなるとガンバもほとんど機能していない前田に代えて前線に中山を投入し勝負を掛けて来た。しかし4バックが均等にスペースを埋めて伸縮している名古屋のソリッドな守備を前にしてはそれもほとんど意味をなさないまま時間だけが経過していく。中山の投入はガンバから前線での動きを奪い明らかなブレーキとなっていた。西野の自爆か・・・。

 あとは終了時間を待つだけの状態である名古屋に対してガンバは最終ラインのシジクレイや宮本も上がってきての総攻撃。そして残り3分をきったところで右サイドで加地のサポートに来た宮本がゴール前にクロス。これをゴール正面でフリーになっていた中山が頭で決めて同点に追いつかれてしまった。
 名古屋としては時間帯を考えてもチームとしての特徴を考えても決して与えてはいけないゴールだった。ディフェンスの真ん中にスピラール、古賀、楢﨑を揃えた名古屋が単純なハイクロスにやられることがあってはならない。それが名古屋DFのアイデンティティだ。だがこのシーンではそうしたアイデンティティを堅持するには名古屋は少しDFラインを下げすぎていた。あれでは楢﨑が出るスペースもないしこういったゴールが起こる素地を作ってしまう。
 ただひとつ情状酌量の余地があるとすればスピラールのフェイスガード。おそらくフェイスガードによって視界を遮られていたであろうスピラールは1失点目の時も背後に回られた播戸を見失っていたし、このシーンでも同じように背後を取られた中山を見失っていた。そしておそらくこれもフェイスガードの影響でフィードが少しづつブレていたのも確かだった。特に同点にされた直後のスピラールの悔しがり様は半端ではなかったが、一日も早くフェイスガードが取れる日を願うほかない。

 この時点で残り時間はほとんどなかったが、フェルフォーセンはガソリンの切れた杉本に代え、初出場となる特別指定選手のFW橋本を投入。橋本は投入されるとそれまで杉本がいた右サイドではなく左サイドへとポジションを取った。おそらく明神が回っていた(名古屋から見て)右サイドではなく加地が上がって来る(同)左サイドの裏を狙えという指示だったのだろう。

 橋本    ヨンセン   
            

渡邊   本田     中村

         山口K

増川   古賀   スピラール  大森

         楢﨑

 だがこのフェルフォーセンが授けた策は、チームが攻撃へと移る過程において橋本の動きが渡邊と被ってしまって全くの不発。逆にガンバにカウンターを喰らって危ないシーンを作られるような状態のまま試合はタイムアップを迎えた。

 同じく審判に勝ち点2を盗まれた去年のAWAY横浜戦を思い出させるような後味の悪さを残しつつ、一方で今の名古屋の強さ(の可能性)と方向性を示すことが出来た試合で良い感触もある。日本代表のアジアカップ予選に伴う小休止の前にまだあと一試合(しかも鬼門カシマスタジアムでの鹿島戦)を残していることを考えれば、このガンバ戦で内容も結果もお腹いっぱいになるよりは、満たされない(勝利に飢えた)状態を残して鹿島戦に向った方が良いだろうと好意的に解釈して、気持ちを切り替えて行くことにしたい。

***************************************************************
 予断だがTVで見えたちょっといいシーン。
 前半にヨンセンが宮本やシジクレイを背負ってロングボールの競り合いをしていた時、ジョージに意味不明なファールを取られて珍しく怒って抗議していたシーンの後、ゴール裏の「ヨンセン オーレ」コールに冷静さを取り戻したのかゴール裏のサポーターに拍手で答えていた。こういうシーンが増えいけば名古屋ももっと良いチームになっていく気がする。
[PR]
by tknr0326g8 | 2006-08-29 14:28 | Game Review
<< カシマ到着 川崎戦の振り返り(補足)と今後... >>