Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第23節 対新潟 3-1 (得点:本田、ヨンセン、津田) @スカパー
 夏場の4連勝の余韻に浸っているうちに気が付けばここ4試合は勝ちがない(2敗2分)名古屋。このままズルズルと行ってしまっては再び下を見ながらの戦いを強いられる危険性もある。しかし対戦相手である新潟はそんな名古屋を遥かに上回るチーム状態の悪さらしい。名古屋と同じくここ4試合勝ち星なしながら、失点は3、3、3、7と壊滅状態。名古屋にとっては再浮上のこれ以上ないチャンスとも言えるが、不安があるとすれば、新潟に対する相性の悪さ(リーグ戦では未だ勝ち星なし)と、さすがに前節7失点も喰らってれば気持ちを入れ替えて立て直してくるだろうというネガティブな方向に振れた予測。

         ヨンセン
   本田          杉本


渡邉   金正友   藤田   中村


   古賀   スピラール   大森

          
          楢﨑

 怪我や出場停止明けの選手が戻ってきてやっとベストメンバーを組める名古屋。だがこの試合ではW杯の中断以降レギュラーに定着しチームを支えてきた山口Kをスタメンから外し、U-21代表候補の渡邉を先発に起用してきた。システム的にはそんな渡邉を左アウトサイドに配置した3-4-3で、これに伴いいつもは苦手な守備に時間を割かれることが多い本田を一列上げて攻撃により多くの時間を掛けさせることが出来るようになった。

 キックオフとともに際立ったのは新潟のチーム状態の悪さ。最初に書いたような俺の不安は杞憂に終わったようだ。むし前節の7失点を始めとしたここ数試合の結果を完全に引きずってしまっている。守っては、個々の動きもさることながらチームとして意思統一がされていないかのような曖昧でバラバラなプレスで名古屋の中盤でのパス回しと新潟陣内への侵入を許し、攻撃に移ってもDFラインから単純に前に蹴り出すだけのプレーが目立つ。確かに名古屋は前(3トップ)からプレッシャーを掛けて中盤にボールが出たところを狙うという戦い方をしていたが、いつもと異なりDFラインの前にアンカーを置いていないこのシステムでは背後のスペースが気になるためセンターハーフの二人(藤田と金正友)はいつもと比べると「前」でディフェンスする迫力にどうしても欠けてしまう。こうした状況ではシルビーニョなんかを使ってゲームを作られると名古屋は嫌だったんだが、ゲーム序盤シルビーニョがボールに触れる機会はほとんどなかった。これは名古屋としても凄く助かっていたと思う。

 名古屋の攻撃は新潟のプレッシャーが甘いということもあってか、これまでのようにヨンセンが最前線に張りその頭目掛けて蹴ったロングボールのこぼれ球を拾うという作戦よりも、むしろヨンセンが中盤まで降りて来てそのポストプレーを使ったりしながら藤田が中心となって中盤でボールを動かし、ヨンセンが空けた後ろのスペースに杉本(や本田)が走り込んでボールを受けるといった攻撃の方が目立つ。

 おそらくボール支配率では大きく新潟を上回り、時として新潟を自陣まで押し込めるような展開をも見せていた名古屋。そんな序盤の展開の中でひと際俺の目を引いたシーンは、相手陣内へ入ろうかというポジションまで押し上げていた古賀がパスを回しながら前線で藤田がスペースに飛び出すタイミングを見逃さずに浮き球のパスを送り藤田が走りこむ前のスペースにボールを落としたシーン。パス自体は惜しくも寄せてきた相手にクリアされてしまったが、直後に藤田も古賀に向かって「OK!ナイスボール!」というような仕草で合図を送っていた。これまでのイメージだと3バックの時の古賀はほとんど守備専門といった印象で、ビルドアップに貢献するどころかボールを持っても目の前のWBに渡したら「もう自分の仕事は終了」とばかりに知らん振りを決め込んでいたような感じだったが、この場面ではパス回しに参加しながらもしっかりと前線の動き出しに意識を配っていた。これは新潟のプレッシャーが弱かったこともあるが、普段からチームとしてそういう(どうやってボールを動かしていくかという)トレーニングをしている(またそこにはDFラインの選手も含まれている)ということなのだろう。そうでなければ(もともとそういった能力を持っていたとは言え)プロ入りから10年間でカラダとココロに染み付いたプレースタイルをそうやすやすとは変えられないだろう。こうしたシーンひとつ取っても、フェルフォーセンのサッカーがチームに浸透してきているというのを感じることが出来る。

 試合が動いたのは17分。大森が新潟DFの裏に走り込む杉本目掛けて出したロングボールのこぼれ球を、一旦は新潟のDFに拾われたものの後ろから猛追した杉本が奪い返すと中央を上がって来た金正友にパス。金正友のシュートは新潟DF捨て身のブロックによった阻まれたがそのこぼれ球がまたしても杉本の元へ。このボールを杉本が落ち着いてGKとDFラインの間に流すとファーサイドでフリーの本田が左足でプッシュしてゴール。

 それからさらに7分後またしても杉本が魅せる。自陣ゴール前でのセットプレーから奪ったボールを右サイドでタテに送るとハーフウェーライン手前で待ち構えていた杉本がフルスピードで相手DFを振り切りドリブル。最後は中をよく見てファーサイドに詰めてきていたヨンセンにセンタリングを送るとこれをヨンセンが仕上げとばかりにインサイドでのボレーで鮮やかに合わせて追加点。
 この得点シーンの他にも、新潟は前半楢﨑がボールを持ったところから中村に右サイドを破られそのクロスを中で杉本が森山ばりのダイビングヘッドを放ったシーンなど、攻守の切り替えがやたらと緩慢なシーンが目についた。

 追加点を奪い気持ち的にもかなり楽になった名古屋だが、35分ぐらいに新潟が珍しくシルビーニョを使って組み立ててるなぁと思ったら、そのシルビーニョから右サイドへスパッとパスを通されこれに中村がファール。そしてそのFKに対してニアサイドを守っていたヨンセンが(前で飛んだ古賀がブラインドになったのか)味方ゴールに蹴り込んでしまいオウンゴールで失点を許してた。名古屋にとってはややアンラッキーな失点だったが、試合開始からセットプレーの度に、新潟が明らかに名古屋のセットプレーの守備(ゾーンディフェンス)に対して研究してきていた様子は見受けられたし、そんなセットプレーが何度も続けばゴールを割られる可能性があるかもしれないというのは想定の範囲内での出来事ではあった。

 1点を返した新潟だったが、残り時間僅かな前半にもう1点取って同点へというよりは、どちらかと言えば1点ビハインドのままハーフタイムに入りたいといった感じで、守備になると中盤から後ろがかなり下がってしまい、名古屋は余裕を持ってボールをポゼッションすることが出来ていた。そしてボールを奪われても新潟がカウンターに人数を掛けてこないことで、名古屋のディフェンス陣も比較的ゆとりを持ってこの状況に対処出来ていたのではないだろうか。

 それでも前半のうちに1点(3試合ぶりの得点)を奪ったことは新潟にとって精神的にとても大きなことだったのか、狙い通り(?)1点ビハインドのまま前半を終えた新潟は、ハーフタイムを挟んで後半ピッチに姿を現すとまるで前半とは別のチームへと変身していた。後半立ち上がりから新潟は前線から積極的にプレッシャーを掛けてくるようになり、中盤から後ろのそれと連動した動きやポジショニングも前半とは比べ物にならないぐらいのバランスの良さだ。これに対して名古屋は前半とは打って変わってDFラインからのロングボールが目立ち始める。流れは確実に新潟へと傾きつつあった。

 だがそんな状況にあって名古屋がなんとか嫌な流れを食い止め新潟を押し返せたのは3人の男の力によるものが大きい。まずは一人目はスピラール。新潟のコンパクトな守備により前線にスペースがなくなって攻撃が停滞していると見るや、最終ラインから自分でどんどんと持ち上がる。そしてその対応でバランスが崩れた新潟ディフェンスのスキを突いてパスを散らす。後ろに2人のDFを残し、マイボール時のスピラールはDFというよりほとんどアンカーのようだ。そして二人目と三人目は金正友と藤田のセンターハーフコンビ。二人とも中盤でゲームメークをこなしながら、スキがあれば前線へと飛び出して行き守備になればDFラインの前まで戻って対応するというプレーをこともなげにこなしている。これが苦しい状況のチームを救った。特に金正友は負傷後あまり満足なパフォーマンスを見せられていなかったが、この試合でのハードワーク振り(とその実効性=効き具合)は完全復活を感じさせるものだった。
 まあ本来であれば生え抜きで現役の日本代表である中村あたりにこういった役割をこなしてチームを引っ張って行って欲しいところだが、まだまだ引っ張っていくというよりも周り(のこういったプレーヤー)に活かされているというのが現状(中村はその後前線で基点となった藤田のお膳立てからミドルシュートを二本放った)。そして中村がそういったプレーヤーになるにはもう少し戦況を読む目も養っていかなければならない。流れの良くない(攻撃がつながらない)後半立ち上がりの時間帯で、中村は前掛かりに出て、その結果名古屋は中村のいるべき右サイドからカウンターでファビーニョに突破を許すシーンを何度か作られていた。この時間帯状況を考えれば中村はまず守備から入るべきではなかったか。俺はここ二試合ぐらい中村に対して(特に3-5-2のWBで起用される時は)守備だったら守備だけになってしまうことにやや不満を感じていたし実際にここでそれに(リスクを冒せと)言及したこともあったが、それは決して流れを無視して何でもかんでも攻撃的にという意味ではない。

 流れを取り戻した名古屋は、あとは新潟を上回っている個人の力で局面を制して押していくだけ。そして渡邉に代わって入った津田(津田が左のFW、本田が一列下がって左WBへ)が杉本のシュートがポストに当たって跳ね返ったところをプッシュして3点目を奪うともう勝負ありという感じ。新潟にとっては後半中野が負傷し、その中野に代わって入った藤井がまた負傷で交代を余儀なくされてしまったことはアンラッキーだったが、こうなるともう打つ手はなく粛々とゲームを進めていくのみ。

 そして試合はこのスコアのままタイムアップを向かえ名古屋が3-1で勝利。

 名古屋としては相手チームの状態が悪かったにせよ、(一部の時間帯を除いて)チーム全体が素晴らしいパフォーマンスを見せた試合だった。しかし贅沢を言えば両チームのチーム状態や試合展開を考えてもこの試合はもっと点差が付いても良かったと思う。未だ借金生活の得失点差を考えればここは稼ぎ時なはずだっだ。だが選手たちは多くのチャンスこそ作ってはいたが「これだけ取れればOK(十分)」という変な余裕のようなものが節々に感じられたのも事実だった。チームに得点王を争いっているストライカーでもいればもう少し違ったのかもしれないが・・・。手負いの相手を追い詰められない甘さが今後命取りにならなければいいと思う。
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by tknr0326g8 | 2006-09-21 00:47 | Game Review
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