Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第24節 対横浜 1-2 (得点:ヨンセン) @日産スタジアム
 思い返せば去年の9月3日、有り得ない判定で勝ち点2を盗まれた因縁の地・日産スタジアム。名古屋は前半に1点を奪われながらも、後半から出場したルイゾンの2ゴールで逆転し、そして迎えたロスタイムのセットプレーで二人を除いて誰も理解出来ないPK宣告を下されたのだった。クラスの優等生が「さっきあの人達体育館の裏でタバコ吸ってましたよ」と先生にチクるように、セットプレーの直前主審にすり寄り「さっきからあの5番俺のユニフォーム引っ張ってますよ」とコッソリ告げ口した中澤。そしてセットプレーの間中そこだけを注視し、世界中のサッカーにおいてどこにでもあるレベルのポジションの取り合い、体の押し合い、ユニフォームの引っ張り合い(中澤も引っ張っていた)でよりによって守っている側のファールを取った主審。鳴り響く笛にピッチ内の選手はおろかスタジアム中がポカーンとするなかで、主審に対して「グッジョブ!」と合図を送る中澤

 「俺、日本代表の中澤さんに褒められちゃったよ。しかもあのイケメンの中澤さんが俺の目を見て・・・」

 この時の快感が忘れられなかったのだろう。主審の男は一年後「再犯」を犯す。8月30日カシマサッカースタジアム。男はゴール前のセットプレーで再び誰の目にも見えない(誰にも理解出来ない)ファールを取ってPKを宣告し試合に決着をつけた。男の名は家本政明。

 家本については顔も見たくないが、中澤についても俺は去年の9月3日以来好意的な感情を持っていない。日本最高のディフェンダーが多少ユニフォーム引っ張られたぐらいでレフェリーに泣きついてんじゃねえよ。しかも一時期は海外移籍までブチ上げてた男がそんな日本基準(スタンダード)でどうすんだ。海外じゃ(極端なホームタウンデシジョンは別として)誰もそんなファール取ってくんねえぞ。というのがその理由。
 
 と、そんなこんなで絶対に負けられない今回リベンジマッチ。俺も気合を入れてSB招待席(バックスタンド)で観戦してきました。(笑)
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 名古屋は前節新潟にチーム力の差を見せ付けた時と同じメンバーで試合に臨む。だが試合が始まってピッチを見ると、横浜の布陣に合わせたのか3-4-3だった前節から左サイドの本田と渡邉を一列づつ下げた4-4-2へと変更している。なかなか芸が細かいなフェルフォーセン。

       杉本    ヨンセン


本田   金正友    藤田   中村


渡邉    古賀    スピラール  大森


          楢﨑

 横浜に対するディフェンスのカギは両サイドをどう抑えるかと1トップ+2シャドーのような前の3人にどう対応するかだ。前節の3-4-3では、両サイドは(1対1で負けなければ)ガチンコで抑えられても前の3人への対応が難しい。名古屋のセンターハーフ二人(藤田と金正友)はどちらもディフェンシブなタイプではないから横浜の前線3枚に対しては3人のCBで対応するような形になってしまう。そこでおそらくフェルフォーセンはDFラインを4枚にして前の3人に対応し、中盤を4枚にすることで両サイドもカバーしようと考えたのだろう。3バックの横浜に対して3バックではなく4バックにすることでマッチアップが作れてしまう数字の不思議。

 だがこの作戦は完全に裏目に出る。確かに今の名古屋のように個々の能力が高い選手が揃っている状態で相手とマッチアップするような戦い方を選択すれば、局面での優位の積み重ねによって結果的に試合そのものを優位に進めることが出来る。しかし比較的ポジションにとらわれやすい名古屋に対して横浜の選手たちには岡田前監督のプラスの遺産でもある選手達の流動的な(そしてそれぞれが連鎖した)動きがある。名古屋はこれを捕まえるのに戸惑い時間が掛かってしまった。人数がいるのに守れない。そして横浜の前の3人はゾーンで守る名古屋の4バックの隙間を狙って入ってくる。
 もうひとつ課題があるとすれば二列目の両サイド(中村と本田)が相手のWBであるドゥトラと田中隼にどこまで付いて行くかということ。ポジショニング的には相手とマッチアップする形だが基本的にはゾーンで守る名古屋は、例えば右サイドでドゥトラがタテに行った時、中村が大森に受け渡してしまうシーンがよく見られた。中村とすればチームがこの間の新潟戦のような3バックではない(自分がWBではない=自分の後ろに人がいないわけではない)のだから、そういうケースでは受け渡すのが当然と考えたのだろう。まあ4バックだから当然だ。だがこれに大森が対応に行ってしまうと相手のアタッカー3人に対して後ろに4枚を置いている意味がなくなってしまう。ここでセンターハーフのうちのひとりが山口Kのように後ろに戻ってスペースを埋めたり3人のうちの誰かを捕まえられるなら話は別だが、さっきも書いたように藤田も金正友もそういったタイプではない。ただでさえ相手の3人のアタッカーが4バックの間に入ろうとしているのに、後ろにスペースを空け数的同数になってしまっては苦しくなるのは当然だ。
 横浜の奪った先制点はこうした状況が最も明解に示された失点だったと言える。右サイドでドゥトラの突破を許し、DFの隙間(この場合は大外)を狙って入ってくるような動きに対してマークが曖昧なままの名古屋最終ラインは、試合開始から1分としないうちに大島にヘディングシュートを叩き込まれてしまった。
 名古屋は相手の特徴を消そうとした結果後手に回り、結果的に自らの特徴を消してしまった。
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 その後もしばらくは名古屋にとって苦しい時間帯が続く。上手くマークがハマらない状況にあって特に右サイドでドゥトラに自由を許し前線では山瀬のキレのあるドリブルを止められない。特によりゴールに近い位置で繰り出される山瀬のドリブルにはヒヤヒヤさせられた。単なるドリブラーではなくシュートに対する強い意識と強烈な両足でのシュートを持った山瀬はネドヴェドを彷彿とさせる。
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 しかし名古屋もやられっ放しではなく時間とともに反撃を開始する。水曜日にナビスコカップ準決勝を戦っている横浜は中二日でこの試合へと臨まなければならなかった。それに対し名古屋1週間たっぷりと調整を行ってきた。時間とともにその差が出てくる。横浜は命綱でもある動きの量(前線の流動性)が徐々に失われていき、名古屋の最終ラインは余裕を持ってこれに対応して攻撃へと移れるようになった。そしてサイドを基点に攻めてくる横浜に対し守備では浮いた形になっていたセンターハーフの二人も、裏を返せば攻撃ではギャップとなっているスペースでボールを扱えるということ。センターハーフの二人が上手く絡んでゲームを作り、横浜が引いて守りを固めて膠着すれば「リベロ」スピラールが出動し組織を崩す。ゲームを支配し始めた名古屋は得点には結びつかなかったが前半三度の決定機を作った。

 そんな名古屋の中にあって出来の悪さが目立ったのが右サイドの二人。前半は俺の座っている席の目の前だったのでそれが際立って見えたのかもしれないが、大森はフィードにいつもの冴えがなく相手に渡ることが多かったし、中村は中にフラフラ入っていって足元にボールを要求するばかりで動き(走ることで変化をつけたり走ってスペースでもらったり)というものがまるでない。後ろにいる右SBがタテに強いプレーヤーならともかく、中村がこんなプレーをしているようでは横浜の左サイドのドゥトラを押し込むことは出来ないのも当然だ。名古屋がいくら良い攻撃を続けていてもそれがドゥトラに対する抑止力にならなかった(時間が経過してもドゥトラだけは攻撃面で元気だった)理由はそこにある。特に中村はオシムの御前試合でこの体たらく(パフォーマンス)ではもう二度と代表に呼ばれないのではないかと心配になるぐらい。
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 後半名古屋の選手交代はなし。対する横浜は奥に代えて吉田を投入してきた。やはり中2日でコンディション的なことを考えたのだろうか。確かに前半は時間の経過とともに前線での動きが減退して名古屋にペースを明け渡したが、チーム戦術以前に奥自身が持つ流動的な動きといったものが名古屋にとってはイヤな存在だったからこの交代には少し助けられた。まあどうしても代えるとなればこの試合での山瀬は外せないし奥の交代もしょうがないのだろうが。

 前半からの流れを受け攻める名古屋。守備ではセンターハーフの二人がサイドのサポートに回る微調整が施されたが、攻撃では横浜のようなチームに守られた場合ポイントとなるのは前半同様スピラールとセンターハーフの二人(藤田と金正友)だ。スペースがなければ杉本は走れないし、全員が高さのある3バック(栗原、松田、中澤)とボランチの河合で挟み込まれるような状況のヨンセンにも前線で大きな自由はない。中盤から後ろもポジションに固定されがちで手詰まりな印象を受ける。それをスピラールの攻め上がりをキッカケとして切り崩し、センターハーフは二人とも深い位置でゲームを作りながら前線まで飛び出していくプレースタイルを持ち味としている。この二人なくして名古屋の攻撃にダイナミズムは生まれない。

 そして後半開始から6分、金正友が前線に絡んで行って打ったミドルのこぼれ球を右サイドで大森が拾いファーサイドのヨンセンにクロス。これをヨンセンが頭で押し込んで名古屋は同点に追いつくことに成功した。前半二度の決定機を決め切れなかったヨンセンだがこれを外すような選手ではない。
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 同点に追いつかれても出て来る気配がない横浜。中二日というスケジュールがそれほどまでに効いているのか、それともこれは岡田前監督時代の負の遺産なのか。各チームがどういうサッカーを選択しようが勝手だが、これだけの戦力を持った(選手を揃えた)チームが、ホームで同点に追いつかれた状況でするサッカーではないと俺は思った。味スタだったら間違いなくブーイング起きてるであろう展開を黙って見守り、1点をリードした後に前掛かりになった名古屋に対してカウンターからチャンスを作り始めてやっと盛り上がりを見せるスタンドは、どこか平和的でスポーツを楽しむ「オリンピック的」な雰囲気が漂う。それはそれで国際都市・横浜のイメージにピッタリではあるんだが。
 まあスタジアムの雰囲気に関しても、浦和を筆頭に威圧的な雰囲気(応援)こそ良い雰囲気だという感じの風潮がある中で、こういう横浜のようなカラーがあってもいいし、なんとなく村の「祭り」の延長線上にある感じの鹿島のような雰囲気や、東京のように少しユーモアがある雰囲気も、それぞれの特徴があって良いとは思うが。ちなみに俺は人口密度が低く「球音を楽しむ」瑞穂の雰囲気が好きです。耳を澄ませば聞こえてくる楢﨑の野太い生声も悪くない。(皮肉です)
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 何度か形は作りながらも追加点を奪えない名古屋は中村に代えて山口Kを投入。結局この試合良いところがなかった中村。そして俺の考えとフェルフォーセンの考えがピタリと一致した交代だった。これで山口Kをアンカーに入れ、本田のポジションを上げてチームが調子の良かった頃に採用していた4-3-3にすれば・・・。しかしピッチへと入った山口Kはそのまま中村のいた右サイドへと走っていく。今さらドゥトラ対策か?まさか。ここは勝負を賭けて畳み掛けるべきだ。

 そしてそんなことをしてる間に横浜にカウンターから攻め込まれDFラインの裏へ出されたボールを一度は楢﨑が飛び出してクリアしたが、そのクリアを拾った田中隼が大きく蹴り出すとこれが弧を描きながらゴールに吸い込まれ名古屋は再びリードを許してしまった。このシーンはしょうがないとしても楢﨑はその前にもつなごうとして軽率なキックでピンチを迎えたりとらしくないプレーを見せており、ゴールキックの類も味方に届かないことが多かった。キーパーにもフィールドプレーヤー同様のゲームを作る能力を求めるというオシムの前で良い所でも見せようとしたのだろうか。

 その後前掛かりになった名古屋は、前線に坂田を投入してきた横浜によってカウンターに晒される。ハマれば手に負えないようなパフォーマンスを見せる坂田だが、この試合に関しては数的同数さえ確保出来ていれば失点する気がしなかった。そして坂田が決定的なカウンターを繰り出しては潰して、スタジアムが沸きかえってはズッコケてを繰り返してるうちになんだか試合(スタジアム)の雰囲気も緩んできた。そしてそんな雰囲気を反映してか、明らかに数的優位を作られたカウンターでは河合が出来もしないプレーをしようとでもしたのかモタついて勝手にチャンスを潰してくれた。

 名古屋は渡邉に代えて片山を投入したり、杉本に代えて津田を投入したり、本田を右サイドへ回したりとスクランブルで挑んだが横浜の壁を崩すには至らなかった。特に左サイドに入った片山にはもう少し頑張って欲しかったんだが。せめてもう少し勝負して、ヨンセンを意識した低空ではないクロスを上げて欲しかった。

 そして試合は1-2で終了。一年前のリベンジはならなかった。

 名古屋はチャンスがありながら勝ち越しゴールを奪うことが出来なかった。何が足りなかったかと言えば、(快勝した前節・新潟戦のレビューでも書いたが)それはメンタリティの部分が大きいと思う。使い古された言葉で言えば「ハングリー精神」とでもいうやつだろうか。ゴールへの飢え、勝利への飢え、そしてあくなき向上心、そういった類のものが名古屋には決定的に欠落している。ボールを支配し良い攻撃が出来たということだけで、そして自分たちが強くなっている(強いチームとも対等に闘える)という実感だけで、勝利やゴールへの執着心が希薄な名古屋。
 前節はチーム状態が悪く最後は戦意を喪失気味だった手負いの新潟から3点(後半1点)しか奪えず、今節は中二日でいっぱいいっぱいの横浜にトドメを刺せなかった。横浜はさすがにそれを見逃してはくれなかった。確かにもう優勝とは無関係なポジションにいてモチベーションを維持することは難しいかもしれないが、順位で上を狙えることはもとより得失点差に至っては借金生活だ。決して満足すべき状況ではない。目の前のあらゆるものを踏み台にひたすら前へ突き進んで行くぐらいの気持ちが欲しい。
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by tknr0326g8 | 2006-09-24 22:29 | Game Review
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